この記事をかいた人
- 石橋悠
- 1989年福岡県生まれ。アニメとゲームと某王国とHip Hopと自炊を愛するアニメイトタイムズの中堅編集者。
「本企画は最凶死刑囚5名の姿になぞらえ、最強メディアより5名のご担当者が参加の取材企画となります」
5月某日。いつもお世話になっている宣伝さんからこんなメールが届いた。
どうやら7月より放送のTVアニメ『バキ』の取材案内のようだ。今回はなんと、辛旨ラーメンでお馴染みの「蒙古タンメン中本」とのコラボらしい。5メディア限定のコラボメニューの試食会だ。
アニメイトタイムズを最強メディアの中に選んでもらったことに感激し、即断で「取材させていただきます」と返信。
「最強メディア」として呼ばれたからには、こちらの気合も入るというもの。しかも、今回の『バキ』のキャッチコピーは「敗北を知りたい」。
敗北? かかってこいよ。それならば、最強メディアの実力、見せてやりますよ。
コラボメニュー「最強バッキバキラーメン!」の魅力をお届けすべく、編集部員・石橋が体当たり取材に繰り出した。
敗北を知りたい編集者5名が、「蒙古タンメン中本」に挑むッッ!
最強のラーメンが誕生したことをかぎつけた、最強の名をほしいままにした、5つのWEBメディア。
「完食を知りたい」
その一言を残して、編集部という名の監獄を脱出し、示し合わせたかのように、池袋へと向かう。
果たして5人は最強のラーメンを食すことができるのかッッ!?
6月某日。取材日当日、朝9時。蒙古タンメン中本 東池袋店。
石橋は悩んでいた。
「最強メディアの実力、見せてやりますよ」と息巻いたものの、参加メディアの名前を見てその表情は一変した。
「アニメ!アニメ!」「ガジェット通信」「しらべぇ」「ねとらぼ」。有名メディア様ばかりである。
このメンツの中で最強って言っちゃうのはちょっと気が引ける……。かっこつけ過ぎちゃったどうしよう……後に引けない……もぅマジ無理……やば谷園……。
編集者自ら原稿を書くのではなく、ライターにお願いすることも考えた。『バキ』に詳しいライター、蒙古タンメン中本が大好きなライター、どんな取材にも対応できるベテランライター、何人か思いついたが、電話をかけようとして手が止まった。
「最強5メディアって言ってるけど、その中で最弱になっちゃったらどうしよう」
そんな恐ろしいマインドが脳裏をよぎったのだ。
決して、宣伝側はそんなことを考えているわけではない。これは石橋自身が勝手に作り上げてしまった敵に他ならない。
しかし、一度、脳に植え付けられたアイデアは、そうそう簡単には剥がれ落ちることはないのだ。
芽吹き、育ち、花開く。
最弱ライターとしてライターの名前を汚すくらいなら、自ら最弱の名前を頂戴しに行こう。そう決めたのである。
そんなこともあり、取材日当日になってもなお、表情が暗いままである。負け試合に挑むときほど辛いものはない。
同行したカメラマンに「体調悪そうですけど大丈夫ですか?」と聞かれるも「ああ、大丈夫です」と生返事しか返せない。なんなら、今から激辛のラーメンを食べるというのに、今朝は下痢気味だった。まじで帰りたい。
「小生、辛いものには目がなく、蒙古タンメン中本が主食と言っていいほど(聞いてない)。いや〜一口目からインパクトがある一品ですね! ここまでのラーメンはなかなかないですよ! ☆3つ! 次はもうちょっと辛いやつに挑戦してみます!」
といった、某食べ○グのレビュー風に書いてみるかと血迷ったりもしている。編集長に叩かれるぞ。
そんな自問自答をしている間に今回の企画説明が行われていく。宣伝さんの言葉が頭に入ってこない。気になるのは集まったライター陣の顔だ。どの方も素晴らしいベテランライターばかり。
『バキ』の作風に合わせて「ッ」を多用したり、名台詞を引用したりするのだろうか。そう考えると「もうこの手は使えなくなったな」と思ってしまう。
席に促され、カメラマンがセッティングをはじめた。厨房では「最強バッキバキラーメンッッ!」を作っている様子が伺える。
「どうしようどうしようどうしよう」と心臓がバクバクする。
こういうとき時間はあっという間に過ぎるもので、心の準備ができる間もなくラーメンが早速目の前にやってきた。
まずはビジュアルに少しだけ圧倒された。蒙古タンメン中本のメニューは見たことがあるのだが、その他のものと比べても赤い。今の気持ちで食べ切れるのだろうか?
「じゃあいきましょうか」
カメラマンがファインダーを覗き込む。もう食べるしか無い。
「一口、食べてみますね」
ズズッと一口麺を啜り込む。
「ゲッホゲッホ!」
喉に突き刺さる唐辛子に咳き込みながら出た言葉がこれだ。
「辛っ!!!! かっこつけてごめん!!!! 辛いっす!!!!」
ごめんなさい。めっちゃ辛いです。普通に頑張って食べないと食べられないやつれすぅ。
蒙古タンメン中本の店主・白根誠氏も同席していたが、「うちのラーメンは啜っちゃだめだよ〜。ハハッ」と笑顔を見せていた。店主、先に言ってくださいよ。
カメラマンも爆笑していたが、そんなの知ったこっちゃない! でもこれを完食しなけりゃ男じゃねぇ!
最凶死刑囚5名ということで、5つの唐辛子を使用しているそうで、濃度のあるスープ。これが麺に絡みついて舌、喉、食道、胃にバシバシとパンチを浴びせていく。
麺を飲み込むたびに、麺が今どこを流れているのかがわかるほどだ。これはきく。
付け合せのゴロッとしたチャーシュー、付け合せのゆで卵と野菜を挟みながら少しずつ麺を食べていったのだが、ここで不思議なことに気がついた。
「あれ、これ美味いかも……」
最初は辛いしか感想がなかったはずが、しっかりとした旨味や甘みも感じる。店主・白根氏いわく、「辛いだけがうちのラーメンじゃない。辛旨ですよ」とのこと。自家製のスープのしっかりとした旨味がベースとなり、口の中全体に美味しさが広がっていく。そして、後を引く辛さが次の一口へと誘導していくのだ。
しかも今回の「最強バッキバキラーメン!」は、『バキ』の劇中での範馬勇次郎の台詞「上等な料理にハチミツをブチまけるがごとき思想!!!」をインスパイアして、ハチミツも使用されている。ほんのり広がる甘みと香りがさらに食欲をそそるのだ。
食べれば食べるほど美味くなっていく不思議なラーメンだ。いつの間にか箸が止まらなくなっている。
しかし、油断するとスパイスが反撃を仕掛けてくる。胃が「ウッ!」となった。急いで食べる必要はない。この味を自分のペースで楽しもう。冷静に水のおかわりを頼む。
ここでふとまわりを見ていると、他メディアのみなさんも大量の汗をかきながら美味しそうにラーメンを食べているのに気がついた。皆、辛そうだが美味しそうな表情を浮かべている。
そして気づいたのだ。普段は競合メディアとして切磋琢磨しているが、今日はこの「最強バッキバキラーメン!」という強敵に挑む同志なのだということを。
仮想敵に翻弄されすぎていて周りが見えていなかったが、ここに集ったメディア陣の心はひとつだったのだ。
「最強バッキバキラーメン!」の魅力を伝えたい……!
笑顔のまま、最後の一口を食べ終わる。
それまでの暗い気持ちは何だったのかと思うほど、体に力と元気がみなぎっていた。敵にパワーを貰えるとは、嬉しい誤算だった。
試食会後は店主・白根氏の囲み取材が行われた。あれだけのラーメンを作り上げた人物がどんな人となりをしているのか気になっていた。
赤い道着に「誠」の鉢巻。辛旨ラーメンを作るだけあって気合が入っている。声も大きく、いかにも「ラーメン屋の店主」といった感じだ。
「うちのスタッフは男が多いから『バキ』とコラボするって決まったら、ものすごい反響でしたよ。ほぼ全員、作品を知ってた。俺も極真空手やってるからぜひ読んでみたいね」と楽しそうに語る白根店主。
今回の「最強バッキバキラーメン!」にも言及。
「男とか戦いとかがこの漫画の特徴。だから、辛さも普通のよりパワーアップして、男臭い、ゴツいラーメンにした。盛りもチャーシューや野菜をふんだんに使って、背脂もガッツリ入れてる。うちで一番辛い「北極」よりも辛いね。辛いです!」
どうりで辛いわけだ。使用しているスパイスは、蒙古タンメン中本オリジナル唐辛子、ハバネロ、カイエンペッパー、ジョロキア、粉唐辛子の5つ。北極を食べられる人はかなりの猛者と聞いたことがあったが、それよりも上を行くのか。これから食べに行こうと思っている人は気合を入れて挑んでほしいものだ。
さらに、アニメコラボも増えてきた蒙古タンメン中本。『ラーメン大好き小泉さん』では、白根店主も実際に本人役で出演したりと多方面で活躍中だ。「俺も漫画好きだからさ、面白そうな企画には参加するし、楽しいよね」と、また笑顔を見せる。チャレンジ精神と無邪気な発想があるからこそ、今回の「最強バッキバキラーメン!」も生まれたのだろう。
「みんなには戦ってもらいたいね、このラーメンと! 完食できるかどうか!」
と最後まで笑顔で取材陣との会話を楽しんでいた白根店主。この笑顔にもパワーをもらった気がする。
我々取材陣も気持ちいい汗をかき、笑顔で店を去っていった。
さて、今回の試食会レポートはいかがだったろうか。楽しめていただけていたら幸いだ。
まず言いたいのは、「最強バッキバキラーメン!」は美味いということ。そして、ぜひこのラーメンと戦ってほしいということだ。
今回の原稿は実際に取材したときの気持ちをそのままに書き上げたものだが、「最強バッキバキラーメン!」を食べていると無性に自問自答してしまうのが印象的だった。
そういえば、『バキ』も戦いの最中、かなりの自問自答が繰り広げられる作品だ。自分に負けそうになる一瞬に向き合い、敵と己を乗り越えていく。
そんな熱い戦いを感じられるラーメンもなかなかない。
ぜひみなさんも蒙古タンメン中本で「最強バッキバキラーメンッッ!」という戦いに挑んでほしい。
[取材・文/石橋悠 写真/アイザワヒロアキ]
1989年(平成元年)生まれ、福岡県出身。アニメとゲームと某王国とHip Hopと自炊を愛するアニメイトタイムズの中堅編集者兼ナイスガイ。アニメイトタイムズで連載中の『BL塾』の書籍版をライターの阿部裕華さんと執筆など、ジャンルを問わずに活躍中。座右の銘は「明日死ぬか、100年後に死ぬか」。好きな言葉は「俺の意見より嫁の機嫌」。
辛宴(バトル)開幕ッッ!!
バキ(ロゴ)×蒙古タンメン中本(ロゴ)地上最強コラボメニュー
「最強バッキバキラーメン」爆誕ッッ!!
2018年6月25日よりNETFLIXにて配信開始、
7月1日よりTOKYO MX1他にて放送開始予定のTVアニメ『バキ』と、
最強のラーメン店「蒙古タンメン中本」とのコラボが実現ッッ!!
バキに挑むため、時を同じくして5人の死刑囚が東京に上陸する本作のストーリーになぞらえ、「中本特製唐辛子」「粉唐辛子」「ハバネロ」「カイエンペッパー」「ジョロキア」の5つの「最強スパイス」が一同に会する、地上最強のスペシャルメニュー!
さらに、激辛スープに隠し味としてハチミツをぶちまけたことで、辛みと甘みのシンクロニシティを起こすッッ!
<最強バッキバキラーメン>
2018年6月25日(月)より、14店舗にて平日限定販売!
対象店舗:上板橋本店、目黒店、吉祥寺店、大宮店、高田馬場店、横浜店、西池袋店、
御徒町店、渋谷店、品川店、町田店、東池袋店、川崎店、船橋店
2018年6月23日(土)・24日(日)、5店舗限定先行販売!
対象店舗:目黒店、吉祥寺店、大宮店、高田馬場店、横浜店
※ステッカーがなくなり次第販売終了となります。
※当商品は平日のみ販売となります。
※各店1日30食限定となります。
価格:1,100円
「最強バッキバキラーメン」をご注文されたお客様には、地上最強コラボオリジナルの「最強認定ステッカー」(非売品)をプレゼントッッ!!
完食を知りたい――。
2018年6月25日より、NETFLIXにて先行配信スタート!
2018年7月1日より、TOKYO MX1ほかにてTV放送予定!
NETFLIX 6月25日 先行配信スタート
TOKYO MX1 7月1日より 毎週日曜 深夜0:30~
サンテレビ 7月1日より 毎週日曜 深夜1:00~
TVQ九州放送 7月2日より 毎週月曜 深夜3:00~
テレビ愛知 7月3日より 毎週火曜深夜2:05~
KBS京都 7月3日より 毎週火曜 深夜0:30~
北海道テレビ 7月7日より 毎週土曜 深夜2:35〜
※放送開始日・放送日時は編成の都合等により変更となる場合がございます。
<STAFF>
原作:板垣恵介(秋田書店「週刊少年チャンピオン」連載)
監督:平野俊貴
シリーズ構成:浦畑達彦
キャラクターデザイン:鈴木藤雄
アニメーション制作:トムス・エンタテインメント
製作:バキ製作委員会
<主題歌>
オープニングテーマ:「BEASTFUL」GRANRODEO(Lantis)
エンディングテーマ:「RESOLVE」田所あずさ(Lantis)
<CAST>
範馬刃牙:島﨑信長
愚地独歩:菅生隆之
渋川剛気:島田敏
烈海王:小山力也
花山薫:江口拓也
ドリアン:銀河万丈
ドイル:子安武人
シコルスキー:津田健次郎
スペック:茶風林
柳龍光:二又一成
徳川光成:麦人
愚地克巳:川原慶久
松本梢江:雨宮天
ナレーション:古谷徹