TVアニメ『悪偶 -天才人形-』声優インタビュー第6弾 李純貞役・井上喜久子さん! 息子に過剰なまでの愛を注ぐ純貞について、そして本作の見どころとは?
中国で10億ビューを超える人気コミック『悪偶 -天才人形-』(一淳さん作)がアニメ化し、2018年7月より放送中!
本作は『霊剣山』シリーズのテンセントとスタジオディーンによる日中合同の第2弾アニメプロジェクトで、“悪偶”と呼ばれるアイテムで偽りの天才となったものと、暗躍する“裁縫師”、彼らを追いかける“救済者”による壮大なミステリー&アクション作品です。
放送を控え、当サイトでは出演する声優陣へリレーインタビュー企画をお送りしています。第5回目となる今回ご登場いただくのは、李純貞を演じる井上喜久子さんです。作品の印象と李白綿についての紹介、見どころなどについて語っていただきました。
奇想天外でおもしろく、怖さもあるけどひかれる作品
――原作を読んだ時の作品の印象をお聞かせください。
李純貞役 井上喜久子さん(以下 井上):オーディションの時に原作を読ませていただいて、ビックリしました(笑)。こんなにおもしろくて、奇想天外で、ワクワクしたり、ドキドキしたり、怖さもあるけどひかれていく魅力があって、すごい作品だなと思いました。
――日本のマンガ作品にはなかなかないテイストですよね。
井上:そうですね。おもしろいし、強烈な印象もあって。怪しい雰囲気もありながら美しさもあって。私もお仕事をするうえでいろいろなマンガ作品を読むことがありますが、こんなに衝撃を受けた作品は初めてかもしれません。
――実際に演じてみた感想は?
井上:原作を読んだ時からアニメはどんな映像になるんだろうと楽しみでした。監督のボブ白旗さんとは、以前、『南の島の小さな飛行機 バーディ』というNHK教育(現Eテレ)のかわいいアニメでご一緒させていただいていて、真逆な感じのこの作品を一体どんな風に料理するんだろう? という興味や期待いっぱいで現場に入ったら、やっぱりおもしろくて。また私が演じる純貞は怒ったり、泣き叫んだり、いろいろな感情があるんですけど、自然に演じていると口パクが合うんです。監督のセンスと自分が合っていると思えたこともうれしかったです。
純貞は感情を振り切ったキャラ。こんな激しい母役を演じるのは初めて
――演じる純貞は息子の白綿が受験戦争に勝ち残れるように叱咤激励するエキセントリックな教育ママという印象です。
井上:ひと言で言うと人間として大丈夫かなと思うくらい、常に感情が振り切っているので、近くにこんな人がいたら近寄りたくないかも(笑)。でも子供を愛する気持ちは共感できるところもあるので、楽しみながら演じさせていただいています。
――登場した時は個性的かつ強烈なサブキャラだなと思っていましたが、深くて重い過去や何を考えているのか、わからない恐ろしさが回を追うごとに増していって。
井上:普通、直情型のキャラクターはわかりやすいはずなんですけど、このお母さんは計り知れない何かがあるし、新たな事実が発覚するたびに驚かされます。私も最初はもっと緩やかな立ち位置のキャラだと思っていたら、意外にお話の中にガンガン入っていくので、ビックリしています(笑)。
――表に見える激しさと裏腹に冷静に考えている面もあって、演じるのが難しいキャラでは?
井上:泣いたり、叫んだり、どなったり、表情もしっかり描かれているので気持ちはのせやすいし、裏がある部分も含めておもしろいなと思いながら演じています。淡々としているキャラのほうが「さあ、どうしよう?」と悩んでしまうし、難しいです。
――演じる時に何かディレクションはあったのでしょうか?
井上:ディレクターの郷田ほづみさんは尊敬している方で、ご自身もお芝居されているので、私達の気持ちもよくわかってくださったうえで、「ここはもっとお母さんとしての優しさがあったほうがいいかな」など適格でわかりやすいアドバイスをいただけるので、すごくやりやすいです。
綿はかわいくて溺愛する気持ちがわかる。素敵な愛をぜひお嫁さんに!?
――息子の白綿との掛け合いをしてみた感想は?
井上:綿君が本当にかわいくて。原作でもかわいいけど、アニメではMAOちゃんが演じているから200%増しくらいでかわいくなって。MAOちゃんの純粋でピュアな部分が綿君にバッチリ合っていて、お母さんとしてこの子を何とかしてあげなきゃと思っちゃいますよね。
――エキセントリックな純貞と無関心に見える白綿の会話はコミカルに見えて、緊張感が緩和するシーンになっているような。
井上:そうですね。でも純貞さんは見た目があんな感じなので(笑)。私は今までいろいろなお母さんを演じてきましたが、こんな振り切っているお母さんは初めてです。
――主人公の愛の印象は?
井上:かわいいですね。何でもない言葉を話していてもキュンとくるんですよね。典ちゃん(芝崎典子さん)が意識的にやっているわけではなく、典ちゃんの純粋な部分が愛ちゃんとシンクロしているんでしょうね。個人的に大好きだし、作中でも綿君との掛け合いは微笑まえましいので、年は離れているけど、「お嫁さんになってくれませんか?」という気分です(笑)。
井上さんが悪偶で手に入れたいのは時間をつかさどる力
――"悪偶"を持っている人物は誰でも天才になれるという設定がユニークな本作ですが、もし悪偶を手に入れて天才になれるとしたら、その才能をどのように使いたいですか?
井上:なれるなら時をつかさどる天才になりたいです。私、普段、信じられないくらい何をするにも遅くて、ふと気が付くと「えっ!? もう、こんな時間!?」ということばかりで。たぶん普通の人の3倍減くらいのスピードで、やりたいことはいっぱいあるのに、全然進まなくて。もし時をつかさどることができたら、すべてにおいて30倍速で行動したいですね。私は「永遠の17歳」という時空を歪める能力は既に手に入れているんですけど(笑)、この能力も手に入れたら無敵ですね。
――井上さん自身が既に天才だったわけですね(笑)。その能力も手に入れたら世界征服も可能では?
井上:そうですね(笑)。世界征服できたらみんなを笑顔にする、それが野望です。
井上さんが天才だと思う人とは?
――今までに天才と感じられるような人と出会ったことはありますか? その時のエピソードがあれば教えてください。
井上:声優界には数えきれないくらい、天才だなとか素晴らしいと思える方がたくさんいます。あと子供って天才だなと常々思っていて、どんな子でも純粋な分、大人には想像がつかないような発想や行動で笑わせてくれるんですよね。昨日も電車に乗っていたら、斜め前にいた5~6歳の女の子がずっと何かをしゃべりながら、おかしなダンスや変なポーズで踊っていて。お母さんが「いい加減にしなさい!」と怒ってもまったくやめなくて、それがかわいくて、かわいくて。このまま成長したら消えてしまうかもしれないけど、それを残したまま成長できたならとんでもない人になるかもしれませんね。
井上さんの得意料理と娘さんへの教育方法とは?
――純貞は設定で料理が得意とのことですが、得意な料理、好きな料理を教えてください。
井上:娘からは「ママのハヤシライスは世界一」って言われます。私のこだわりはきのこ類を入れることで、マイタケやシメジ、エノキなどを入れるとうまみ成分が増すし、体にもいいからと試してみたら、すごくおいしくなって。カレーに入れてもおいしいので、皆さんにもオススメします。ただ煮込み過ぎると水分が出て薄くなるので、食べる直前に入れたりするといいですよ。
――純貞は白綿に勉強しなさいと常々、言っていますが、勉強は好きでしたか?
井上:あまり好きではなかったです。国語の朗読や音楽で歌を歌うのは好きでしたけど。
――娘さんはどうでしたか?
井上:娘も好きではないタイプでした(笑)。でも私も勉強できなかったのでしょうがないなと。だから勉強以外の大切なことをちゃんと学んでくれたらいいなって。とは言いつつもテストは頑張ってもらわないとね(笑)。
――勉強が嫌いな子に勉強をさせる方法とは?
井上:私もいろいろな手を使いました。小さい頃はいい点数を取ったらかわいいシールをあげるよと言ってみたり、成績が良かったら500円あげるとか。でもある時にモノで釣っているではダメだということに気付いて。結局、勉強は後々、自分のためになることだし、一生の武器になるし、それを本人が気付いて、自発的にやることが大切なんだって。今は笑顔で元気でいてくれればいいなと思ってます(笑)。
今も昔も変わらず、楽しい高木渉さん
――アフレコの様子はいかがでしたか?
井上:とてもいい雰囲気で収録しています。典ちゃんなど若いキャストの方達も魅力で素晴らしいお芝居をしてくれているし、羅正役の高木渉君は作品の中でもおもしろくて、テストでもおかしなアドリブを入れて笑わせてくれたり。休憩時間でもおもしろいことを言ってくれたりして、スタジオを盛り上げてくれているし、私もゲラゲラ笑ってます。
ついこの間、思い出したのは昔、『サクラ大戦 巴里花組』でロベリア役としてずっと舞台をやっていた時、渉君もシゾー役で出演していて。舞台上でシゾーを怒るシーンがあったんですけど、渉君のお芝居があまりにもおもしろ過ぎて、稽古中も涙を流しながら笑ってしまって全然怒れなくて。とんでもないことにあったなということを思い出しました(笑)。渉君がスタジオにいるとひまわりのように明るく、楽しくなります。
純貞・白綿親子の登場でおもしろさも倍増! 純貞にドン引きしてください(笑)
――本作の魅力と観るうえで注目して欲しいポイントがあれば教えてください。
井上:お話もキャラも世界観もすべてが濃くて、エンターテイメント性が高い作品ですが、
次から次へと、とんでもないことが続々と押し寄せてきます。純貞と綿君親子の登場で更に拍車がかかると思うので登場を楽しみに待っていてください。
――最後にみなさんへメッセージをお願いします。
井上:昨年、中国に行かせていただいて、皆さんの優しさや愛に触れて、すごく大好きになりました。だから中国の人気マンガをアニメ化したこの作品に参加できて、うれしい気持ちでいっぱいです。中国の作品ならではの熱いエネルギーと独特かつ個性的な魅力が詰まったアニメなので、ぜひ見てほしいです。アニメファンの方には、今までにない驚きや衝撃、新鮮さを感じていただけると思います。刺激を求めている方にもオススメです。
純貞はとんでもない人なので、たぶんドン引きされると思いますが、そう感じてもらえたらむしろ大成功です(笑)。今までにないタイプのキャラを全力で演じましたので、ご覧になっていただき、純貞の内面にある真実も想像しながら見ていただけたらうれしいです。
『悪偶 -天才人形-』作品概要
放送情報
TOKYO MX:毎週月曜 24:00~
サンテレビ:毎週月曜 24:00~
KBS京都:毎週月曜 24:00~
BS11:毎週月曜 24:00~
配信情報
GYAO!、ニコニコチャンネル、dアニメストア他にて配信決定!
GYAO!:7月2日(月)25時30分~
ニコニコ生放送:7月4日(水)24時30分~
ニコニコチャンネル:7月4日(水)25時~
dアニメストア:7月10日(火)12時
バンダイチャンネル:7月11日(水)12時~
Hulu:日時未定
U-NEXT:7月3日(火)12時~
アニメ放題:7月3日(火)12時~
J:COMオンデマンド:7月3日(火)24時~
KDDIビデオパス:7月3日(火)24時~
milplus:7月3日(火)24時~
acTVila:7月11日(水)12時~
ビデオマーケット:7月2日(月)25時30分~
DMM.com:7月2日(月)25時30分~
music.jp:7月2日(月)25時30分~
Rakuten TV:7月2日(月)25時30分~
あらすじ
平凡な少女、愛はどこにでもいるダンサーである。親友である町とのダンサーとしての才能を見せつけられ落ち込む日々であったが、ある時彼女の才能の「秘密」を知ってしまう。それは、邪な術方により掌サイズまでされた天才たち「悪偶(あぐう)」の存在である。悪偶(あぐう)を持っているものは誰でも天才になれるのだ。悪偶を作る「裁縫師」となってしまった町を救うべく、愛は裁縫師と代々対立してきた「救済者」となる。
キャスト
愛(あい):芝崎典子
町(まち):松井恵理子
羅正(らしょう):高木渉
羅布(らふ):柴崎哲志
エルバト:安元洋貴
李純貞(りじゅんてい):井上喜久子
李白綿(りはくめん):M・A・O
黄鶯鶯(おういんいん):水野理紗
カルリチ:内田彩
スタッフ
原作:一淳(テンセントアニメ連載)
監督:ボブ白旗
キャラクターデザイン・総作画監督:河南正昭
シリーズ構成:加藤結子
プロップデザイン:あおきまほ
美術監督:三宅昌和
色彩設計:桂木今里
撮影監督:川口正幸
編集:内田恵
音響監督:郷田ほづみ
音楽:シバサキユウキ
OPテーマ:「prima dynamis」(プリマ デュナミス)
歌:電気式華憐音楽集団
EDテーマ:「ツギハギ」
歌:芝崎典子
総企画:邹正宇
企画:熊猫盖饭
総エグゼクティプロデューサー:李筱婷
エグゼクティプロデューサー:ASKASK、沉默的章鱼、水獭
プロデューサー:宮本逸雄
アニメーションプロデューサー:大野雅義
アニメーション制作:スタジオディーン
製作:腾讯动漫
TVアニメ『悪偶 -天才人形-』公式サイト
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