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『異世界魔王』福田直叶が語るコミカライズを手掛ける苦労

『異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術』福田直叶さんが語るコミカライズを手掛ける苦労

好評放送中のTVアニメ『異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術』。アニメイトタイムズでは、この作品の魅力を伝えるべく、スタッフ&キャストのインタビュー連載記事を毎週放送後に掲載しています。4話の放送直後となる今回は、コミカライズを担当する福田直叶さんに、連載に至った経緯やアニメとマンガの違いなどを伺いました。

 

より読みやすく工夫されたコミカライズ版
――コミカライズを担当することになった経緯を教えてください。

福田直叶さん(以下、福田):雑誌の連載コンペがあったんです。それに参加して選んでいただきました。月刊少年シリウスと講談社ラノベ文庫の部署って、編集部は別なんですけど、ひとつのグループなので連携が密だったんです。だからコミカライズの企画の話が僕に来たのかなと思います。



――福田さんも、かなり乗り気で参加して?

福田:そのとき連載していたものが終わり、何かコンペはありませんか?とお願いしていたというのもあるんですけど、原作を読んでみたらすごく面白かったので、これは参加したい!と思いました。

――どこが面白いと感じましたか?

福田:シリアスとコメディがキッチリ分かれているので二度おいしいと思ったんです。いろいろなシーンを描けるし、いろいろなキャラクターを描けるのも面白いと思いました。

――自分のスキル的にも上がりますしね。

福田:それはすごく思いました。

――連載前にむらさきゆきや先生とお話もされたのですか?

福田:連載をするにあたっての顔合わせはしました。でもむらさき先生は基本的には自由にやらせてくれるんです。

好きにやってくださいと言われたので、特に注文もなかったんですよね……。そのときに挿絵を書いている鶴崎(貴大)さんもいらしてたんですけど、そこでも特に何も言われず……(笑)。

ただ、シェラ含むエルフ族の耳は全部たれ耳でお願いしますとだけ言われました。そこはすごくこだわられているみたいですね。

――寛容な感じなんですね。資料とかも?

福田:地図とか細かい設定とかは全部まとめてくださって、資料としていただきました。

――描いていて大変だなと思うところはありますか?

福田:自分がファンタジーものを描いたことがなかったので、風景や生活模様がわからず大変でした。小説原作なので、その文字を想像して絵に置き換えるんですけど、それが果たしてむらさき先生が思い描いたものと同じなのかどうかというのも、たまに疑問に思ったりすることもあるので、そこは難しいです。

――漫画を読んでいると、とても分かりやすく構成されていると思いました。

福田:わりと原作だと時系列が前後していたりするんですけど、漫画では順序よく並べるように、担当さんとも相談しながら構成しています。やはり文字で追うのと絵で追うのとでは、読み手の体感も変わってくるので、そこを整えることによって、より読みやすくしようとは思いました。

――マンガだとじっくり読むというより勢い重視だったりしますしね。そこでアニメとなるとさらに違いが生まれますし。

福田:アニメだとスピード感がまた違うと思いました。小説とマンガだと読み手がスピードを調整できるけど、アニメの場合はどんどんスムーズに進んでいくので、テンポも良くて見ごたえがありました。


迫力の増したシーンの数々に圧倒
――そもそもアニメ化を話の聞いたときはいかがでしたか?

福田:すごく普通の感想になっちゃうんですけど、すごく嬉しかったです(笑)。むらさき先生自身もアニメ化を考えて書いていると聞いていたので、少しでもその力になれたのかなと思うと、嬉しかったです。

――福田さんはアニメは観るほうなんですか?

福田:今は忙しくてあまり観られてないんですけど、1年前くらいは手当たり次第に観ていましたね(笑)。

――でしたら今回のスタッフを見て、驚いたのでは?

福田:いや、実はアニメスタッフに関しては疎くて、ちょっとわからなかったんです。でも映像を観たときにすごく出来が良くて。背景もきれいで、すごく力が入っているなと思いました。背景に関しては、自分のマンガの参考にもしたいです。

――本日は4話のアフレコを見学していましたが、4話はいかがでしたか?

福田:魔族が襲来してきて、エデルガルトとディアヴロがウルグ橋砦で戦う序盤のクライマックスだったんですけど、この作品の魅力が詰まった回だったんじゃないかなと思いました。つまり1話の中でシリアスとコメディが同時に楽しめるというか、落差があって面白いんですよね。

――たとえばシリアスでいうとどこですか?

福田:レムがディアヴロに助けられて「ありがとうございます」ってお礼を言うシーンとかは好きですね。それでディアヴロが隷従の首輪があるから守るのは当然だって言うんですけど、最初首輪を嫌がっていたレムが、それを受け入れたように感じるシーンだったので、大事なシーンだなと思いました。

――コミカルなシーンだと?

福田:その続きで、ディアヴロがシェラの大きな胸に弾んで、そのままレムの胸に行くけど頭をぶつけて倒れるんですよね。ここはすごく面白かったです。

たぶんアニメオリジナルのシーンだと思うんですけど、声が入ってより面白くなったと思いました。だからマンガでやるよりもアニメでやったほうが楽しいシーンですね。

――エデルガルトとディアヴロの戦いも迫力がありますよね。

福田:やっぱりマンガって区切りと区切りのシーンしか描けないんですよ。殴るシーンであれば、殴る瞬間と殴ったあとは描けるけど、その間がない。でもアニメだと連続した動きの中で見せることができるんですよね。そこで迫力がさらに増すし、すごいなって思いました。

――アニメならではの爽快感は感じられるかもしれないですね。次週はキャラクターやアフレコを見た感想などを伺いたいと思います。

[取材・文/塚越淳一]

 
作品情報
TVアニメ「異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術」
2018年7月5日(木)よりTOKYO MX・サンテレビ・BSフジ・AT-Xにて放送開始予定

<STAFF>
原作:むらさきゆきや(講談社ラノベ文庫刊)
キャラクター原案:鶴崎貴大
監督:村野佑太
シリーズ構成:筆安一幸
キャラクターデザイン:金子志津枝
総作画監督:西岡夕樹
モンスターデザイン・アクション作画監督:宮本雄岐
プロップデザイン:中島裕一
色彩設計:大塚奈津子
美術:草薙
美術監督:岡本穂高
撮影:旭プロダクション白石スタジオ
撮影監督:佐藤哲平
音楽:加藤裕介
音響制作:ハーフHPスタジオ
音響監督:本山哲
アニメーション制作:亜細亜堂

OP主題歌:DiCIDE/SUMMONERS2+
ED主題歌:最悪な日て?もあなたか?好き。/芹澤優

<CAST>
ディアヴロ:水中雅章
シェラ・L・グリーンウッド:芹澤優
レム・ガレウ:和氣あず未
アリシア・クリステラ:原由実
シルヴィ:大久保瑠美
エデルガルト:加藤英美里
クルム:種崎敦美
セレスティーヌ:千本木彩花
メイ:森嶋優花

「異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術」原作公式サイト
TVアニメ「異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術」公式サイト
TVアニメ「異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術」公式ツイッター(@isekaimaou)

(C)むらさきゆきや・講談社/異世界魔王製作委員会
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