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『異世界魔王』水中雅章さんが語る、細かなセリフまでこだわり抜いたディアヴロの演技

『異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術』水中雅章さんが語る、細かなセリフまでこだわり抜いたディアヴロの演技

好評放送中のTVアニメ『異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術』。アニメイトタイムズでは、この作品の魅力を伝えるべく、スタッフ&キャストのインタビュー連載記事を毎週放送後に掲載しています。9話の放送後となる今回はディアヴロを演じる水中雅章さんが登場! アフレコの雰囲気や、役を演じていての感想やエピソードを語ってもらいました。

 

座長として立つアフレコ現場、その雰囲気は?
――物語も後半になりましたが、今の現場の雰囲気はどうですか?

水中雅章さん(以下、水中):1話の段階では座る位置の距離がすごく遠くて(笑)、村野(佑太)監督から「もっと近づきなよ」って言われたんですけど(笑)。話が進むに連れて、今は距離もだいぶ近づいてきている……と、思います。

――座長というところではいかがですか?

水中:座長……という、場をまとめるとか、そういう空気を自分が出せているのかどうか……。女性陣の存在感がパワフルなので引っ張られてる気がします(笑)。

芹澤さんも和氣あず未さんもコミュニケーション能力が高くて、みんなでキャッキャしている会話を横で聞きながら、「あぁ、良い現場だな」と思っていることが多いです(笑)。

――でも、収録後には飲みに行ってるんですよね?

水中:それは1話からずっと。女性陣はラジオの収録とかもあるので来れない方が多いんですけど、そこでしか話せない話を、監督や原作のむらさき(ゆきや)先生、鶴崎(貴大)さんとすることで、次も頑張ろうと思うエネルギーの源になっている気がします。最近ではいい意味で距離が近くなってきて、作品に懸けるみなさんの思いも共有できているので、毎回すごく楽しいです。

――ダメ出しとかもあるんですか?

水中:あります。教えてくださったことを、しっかり自分の中に落とし込まなければと思っています。次にいい演技ができるようにって。

――アフレコ現場では、台本をずっと読んでるから話しかけづらいという、芹澤さんからのコメントがありましたが(※芹澤さん鶴崎さん対談記事、参照)。

水中:ホントですか? それはだいぶ悲しいですね~(笑)。僕はいつでもウェルカム!なんですけど。自分ではグイグイ行っているつもりだったんですけど、自分の思っていることと周りの印象って違うんだなって、あらためて思いました。後半なのにそれを言われるなんて、情けなくなってきましたけど(笑)。

――でも、実際にギリギリまで台本は読んでいるんですよね?

水中:現場に来て思い付くことがあるんです。家だと頭が固くなっちゃって他のことを考えられなくなっちゃうんですけど、テストの段階で、こういう反応がくるなら言い方変わるなっていうところもあって……。それでギリギリまで台本を見ているんだと思います。

 
ディアヴロ、レムやシェラの名シーンは?
――この物語では、ディアヴロとレムとシェラの3人が一緒に行動していますけど、結束が固くなってきたな、というのはどのあたりからでした?

水中:1話でレム、2話でシェラと段階を踏んでいっているので、急にバンと変わったということはないんですけど、少しずつ仲が良くなってきているとは思います。

でも、やっぱりシェラが国に帰ってしまうところですかね。ディアヴロが自分のトラウマと向き合わなくてはいけなくなって、そこでレムに背中を押されてシェラを救いに行くという(7話)。あそこは坂本拓真としても成長した部分で、吹っ切れたところもあると思うので、それ以降はより仲良くなったと思います。

――前半で、お気に入りのシーンを教えてもらえますか?

水中:ディアヴロだと、2話で「貴様らは間違いを三つ犯した!」~「3つ目の過ちは、この俺を敵に回したことだ!」って、エルフに言うシーンが個人的にすごく好きです。

相手を威圧するというか。こういうセリフ、言ってみたかったやつ!って思いました(笑)。アフレコのときから好きなシーンでしたけど、2話を実際に映像で見たらカッコいい演出になっていて、ありがたいし嬉しい!って気持ちになりました。

――スミマセン。最後のシェラのおっぱいのことしか頭にありませんでした。渾身の演技だったのに(笑)。

水中:いやいやいやいや、おっぱいですからね。あそこにもちゃんと命を懸けているので(笑)。演じる上では、そういうギャグシーンも好きなんですけど、僕、バトルものが好きなんでしょうね。

バトルの印象が強くて、3話~4話でエデルガルトと戦ったんですけど、原作を読んでてもすごく熱いシーンだなと思っていたんです。ディアヴロがまともに戦うのはここが初で、さらにグレゴールさんとも戦って、最後にお色気みたいな感じだったんですけど、あそこでゲームとして楽しんでる感覚で敵を倒していく描写がすごく好きでした。

セクシーシーンを楽しみにしている方も多いかもしれないですけど、バトルシーンを見ても、男としてカッコいいな!と思うところが多いので、そこもぜひ注目してほしいですね!

――圧倒的強さがあるディアヴロがカッコいいんですよね。

水中:はい! そことギャグとのギャップですね。

――演じるのは大変ではなくなってきましたか? シリアスからギャグになるところも全部通してやっていると、おっしゃっていましたが。

水中:切り替えていくのは簡単ではないですけど、楽しめることも多いので、ものすごく大変とは感じないです。

だってそれを実際に拓真がやっているわけだから、そこに負けたくないじゃないですか。拓真に負けたくない! どんだけ切り替えが早くても切り替えてやる!という(笑)。

――では、シェラとレムでお気に入りシーンはありますか?

水中:レムは1話で絡んだんですけど、そのときに絵がだいぶできていて、これがレムか……かわいなって思ったんですけど、2話ではシェラが来て、シェラもかわいいなと。でもやっぱりレムは7話かなぁ。

真面目なシーンですけど、あそこでレムの優しさとか強さが一番出たのかなって。これまでは胸への劣等感でキレたり、1話では弱さを見せたりするシーンもあったけど、凛としてディアヴロの背中を押してくれたので、あらためて「レム好きだな……」と思いました。

――シェラはどうですか?

水中:2話で、シェラが自分の思いをぶつけるところで「私は私だよ!」って言うところは原作で読んでいても印象的なシーンだったんですよね。それをアフレコで芹澤さんが演じている姿を後ろから見ていたんです。すごく体を使って演じる方なので、全部の気持ちがマイクに乗ってて、完成したのを見たら「あぁ、シェラだな」って思ったので、そのシーンは印象的ですね。

とにかく、お二人の芝居が本当にすごくて! 細かいことをいうと、シェラとレムの掛け合いで、「このクエストってあたしたちだけでやるんだよね?」とシェラが言って、レムが「当然です」って返すんですけど(2話)、その返しが自分にはない引き出しだったから、うわ~ってなったんです。これが会話だよなぁ、負けてられないなって勝手に触発されました。

――何気ない会話に二人の空気感というか、本当に普通の会話がされていたんですね?

水中:そうなんです! 普通の会話が普通の会話になっててすごいんです。もちろんキメるセリフも大事なんですけど、普通はキメないセリフで繋げていくものなので、それを見ててすごいなぁって思いました。だからこの2人によって、自分の芝居も変わってるんだろうなって思います。家で練習してても出ない部分が出てるんだろうなって。

――監督に言われたことで、印象に残っていることはありますか?

水中:4~5話あたりで、自分の役もだんだん確立されていったんですけど、ギャグシーンで笑わせたいなっていう欲が少し出てしまったんです。そこは抑えようと思っていたのに。そのときに監督が「面白いんだけど、拓真はそういう反応するかな?」っておっしゃられて。しかもそこは自分でも不安に思っていたところで、終わったら監督に聞きに行こうと思っていたんです。

それをそのままズバッと言われて驚いたし、監督には「水中さんだからこその拓真を表現してほしい」と言っていただいて……。今はすごく気をつけてやっています。

――みなさんの思い入れの強さが伝わってきますね。ちなみに、男性の声優さんもかなり豪華ですよね? 一緒に演じられていかがでしたか?

水中:大塚明夫さんや置鮎龍太郎さん、石田彰さん、9話後だと浪川大輔さんもおられます。本当に圧倒的にすごい先輩方なので、学ばせていただくことばかりです。でも役的には、そのキャラクターよりも強くなければいけないので、演技というよりは気持ちで負けたらどうしようと思いました。

でも、ここで負けたら僕がディアヴロをやる意味がないと思ったし、絶対に隙を見せずに必死に食らいついていこうと思いました。もちろん役的にはその必死さは見せないんですけど。

――お話もできました?

水中:ちょこちょこ……と(笑)。女性陣に話しかけられないのだから、上の方にはもっと話しかけられないですよね……。でも、大塚さんや置鮎さんから話しかけてくださることがあって、すごく和ませてくださいました。僕たちが演技をしやすいような空気を作ろうと考えてくださっているのかなと思います。

 
お気に入りのキャラクターと今後の見どころは――
――気になるキャラクターはいますか?

水中:男だとエミールが好きです。エミールと絡むシーンは、掛け合いなんだけど掛け合いにならないようなテンションが続くんですよ。お互いがお互いの世界観を守って必死にやっているという意味で思い入れがあります。女性のために生きているという、いい意味でアホっぽいキャラって好きなんですよね。

女性はあえてシェラとレムは言わないですが、こないだシルヴィといったので、エデルガルトですかね。加藤英美里さんが演じることで、話し方が独特なんですよ。あとやっぱりかわいいんです!

――媒体ごとにいつも違う名前を挙げてるんですか?

水中:そ、そうですね。ひとりに絞れないんで(笑)。

――誰が本当に気に入ってるかわからないじゃないですか!

水中:じゃ、じゃあシルヴィです!

――シルヴィは、鶴崎先生はED用に絵を描いている(※第8話で放送)とおっしゃっていましたけど。

水中:その画像ができたら、ぜひほしいっすね(笑)。でも、気になるキャラクターを聞かれることって多いんですけど、実際、本当に絞れないんですよ。みんなかわいいし、個性がかぶらない、似ているキャラが一人もいないから、あっちこっち目移りしちゃうんですよね……。

――9話の感想を聞いてもいいですか?

水中:アリシア・クリステラがどう動くかというところが気になりますよね。あと、水浴びのシーンがあったんですけど、こういうシーンって、どこまでやっていいのかわからないところがあって。

ギャグのつもりでやってるけど、どこまで邪魔しないようにすればいいのか、というか。女性陣のかわいさを軽減したらイヤなので、そこはもう神経を使いました(笑)。アドリブを入れすぎないように、余計なこと入れないように(笑)。

――では最後に、今後の見どころを?

水中:星降りの塔に行き、レムの中から魔王を取り出すという儀式があるので、そこは楽しみにしていてほしいです。ディアヴロも1話の時点で、「クレブスクルムの魔王なんて粉砕してやる」と言っていたし、その約束を守るためにここまで描かれてきたわけですから。

今後は熱い戦いのシーンも続くし、シリアスなところもあるので、女性がかわいいだけではないんだよ、この作品は!っていうのがわかると思います!

[取材・文/塚越淳一]

 

作品情報
TVアニメ「異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術」
2018年7月5日(木)よりTOKYO MX・サンテレビ・BSフジ・AT-Xにて放送開始予定

<STAFF>
原作:むらさきゆきや(講談社ラノベ文庫刊)
キャラクター原案:鶴崎貴大
監督:村野佑太
シリーズ構成:筆安一幸
キャラクターデザイン:金子志津枝
総作画監督:西岡夕樹
モンスターデザイン・アクション作画監督:宮本雄岐
プロップデザイン:中島裕一
色彩設計:大塚奈津子
美術:草薙
美術監督:岡本穂高
撮影:旭プロダクション白石スタジオ
撮影監督:佐藤哲平
音楽:加藤裕介
音響制作:ハーフHPスタジオ
音響監督:本山哲
アニメーション制作:亜細亜堂

OP主題歌:DiCIDE/SUMMONERS2+
ED主題歌:最悪な日て?もあなたか?好き。/芹澤優

<CAST>
ディアヴロ:水中雅章
シェラ・L・グリーンウッド:芹澤優
レム・ガレウ:和氣あず未
アリシア・クリステラ:原由実
シルヴィ:大久保瑠美
エデルガルト:加藤英美里
クルム:種崎敦美
セレスティーヌ:千本木彩花
メイ:森嶋優花

「異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術」原作公式サイト
TVアニメ「異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術」公式サイト
TVアニメ「異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術」公式ツイッター(@isekaimaou)

(C)むらさきゆきや・講談社/異世界魔王製作委員会
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