『かくりよの宿飯』キャラソン第2弾発売記念 連載企画「隠世の調」第7弾:雷獣役・日野 聡さんインタビュー
友麻碧さんの人気ノベル『かくりよの宿飯』(KADOKAWA刊)のTVアニメもいよいよ終盤へ突入!折尾屋は果たして儀式に成功するのか?葵の運命は如何に!アットランダムにキャラクターが歌う「Special Ending」も話題になっています。そんなキャラクターソングの全てを収録したアルバム『隠世の調』第1弾は好評発売中、第2弾も9月26日に発売されます。
アニメイトタイムズでは「Special Ending」に流れるキャラソンを歌うキャストにインタビューする連載企画をお送りしています。今回は雷獣役を演じ、23話の「Special Ending」で流れたキャラソン「刹那の煌めき」を歌った日野 聡さんにお話をお伺いしました!
白夜の登場で急展開となった23話。危機一髪の葵と恐れおののく雷獣。謎とピンチは続く
――Special endingが流れた23話の感想をお聞かせください。
雷獣役 日野 聡さん(以下 日野):22話で雷獣が葵ちゃんにいろいろとちょっかいを出し、この23話で白夜と遭遇することで、雷獣が今まで見せていなかった面も垣間見られて。この22・23話は雷獣的に大きなキーポイントになるお話だったなと思います。そして白夜との関係性っていったい? と疑問も残りました。
――白夜と遭遇した時のシーンで、台本にある雷獣のセリフが「あわわわ」と書かれていて。今までにないリアクションでした。
日野:取り乱し方がハンパなくて。雷獣は八葉より上の四仙という偉く高貴な立場にあるだけに、白夜にここまでおびえるのはどういうことなのかな? と。原作でもまだ明らかになっていないようなので、興味深いです。
――申し訳ないんですけど、雷獣が大あわてした瞬間、爽快感を感じてしまいました(笑)。
日野:そうですよね(笑)。視聴者の皆さんからすれば、葵目線でしょうし、「何だ、こいつ」と思っていたでしょうから。
――その直前で、葵が食べられる寸前までいってましたから。
日野:葵にちょこちょこちょっかいを出し、いやがらせもして、23話ではいよいよ食べちゃおうかなという感じで。僕も雷獣の立場じゃなかったらスッキリしたでしょうね(笑)。葵にとって存在意義を守るためにも大切な声と味覚を奪ってしまったわけですが、きっとじわじわいたぶりたかったんでしょうね。
――この連載で、キャストの皆さんが「悪いあやかしはいない」と言っていましたが、1人いたなと(笑)。
日野:現場でもみんなに言われました。「悪いあやかし、いなかったのに」と(笑)。
雷獣が葵をいじめる気持ちはよくわかる?
――『かくりよの宿飯』という作品の印象についてお聞かせください。
日野:日本古来のあやかしという存在と、様々な食文化を取り込んで、独特な世界観を構築された作品だなというのが第一印象です。
見ていて心がほっこりするところと、せつなくなるところがあって。そこに雷獣が出ることでミステリアスな部分も加わって、いろいろな想像をかきたてられる作品だなと。背景などの絵も幻想的で、作中で流れる音楽も美しくて、5感で楽しめるのもいいですね。
――演じる雷獣の印象、好きなところやここは共感できるという点は?
日野:幼い時の自分の感覚を振り返ってみると、かわいい子ほどいじめたくなる、かまいたくなるという意味ではわかる気がします。好きな子にちょっかい出して、「やめてよ~」と言われて、ちょっとうれしいみたいな(笑)。
でも大人になった今の僕とすれば、「雷獣さん、ちょっとやり過ぎじゃない?」と。ただ彼のひょうひょうとしていて、高貴な雰囲気の裏に狂気めいたものもある二面性は魅力なのかなと思います。
いまだに真意が見えない、深いキャラを演じる難しさ
――妖都新聞を読みながら何か事件やおもしろいことないかなとチェックする姿は、スポーツ新聞を読んでいるおじさんっぽい感じも(笑)。
日野:彼がどういうつもりでいやがらせをするのか、本心はいまだにわからない部分もありますね。儀式の失敗で磯姫が犠牲になった時にも関わっていて、本当に彼がやりたかったことは何なんだろうと。ただいやがらせがしたかったのか、それとも違う意図があったのか、考えさせられて。深いキャラだなと思います。
スタッフ:刺激を求めている感が強いようです。一通り、やりたいことをやり尽くした末に、もっと何か刺激的なこと、おもしろいことはないかを探しているような。
日野:なるほど。でも磯姫のエピソードも、もしかしたら助けようとした末に失敗して、儀式の失敗を自分のせいと開き直っているかもしれないという想像もできるなと。僕自身はいろいろ考えをめぐらせましたね。とにかく彼の情報がまだ少なすぎて。
――喜怒哀楽のはっきりした感情もほとんど見えなくて。
日野:どこに重きを置くべきなのかが見えてこないので、視覚的に見える情報で、葵にいやがらせをしているというスタンスでお芝居を作ってみたんですけど、演じる時も難しかったですね。本来の彼がそうなのかは原作の今後の展開次第だと思いますので、楽しみですね。
日野さんのお気に入りキャラはペット的なあのあやかし
――主人公の葵についてどう思いますか?
日野:葵はハートが強いですね。あとよく落ちるなと。雷獣の出番が来る前からアニメを見ていましたが、しょうっちゅう落下して、「また落ちた!」って思ってました(笑)。
ただ、自分の意志はしっかり持っている子だなと。料理の知識量もすごいですね。いくらおじいちゃんに「料理ができれば食われない」と言われたとしても、この若さで、「こんな料理も作れちゃうの?」と驚かされることも多くて。その料理があやかしや人の心、物語も大きく動かすきっかけになっているんですから。
――ご自身が演じるキャラ以外のお気に入りキャラは?
日野:チビに癒されてます。あとはノブナガですね。雷獣がノブナガをずっとひざにのせて、頭をなでているのが余計に気になります。ノブナガも心を許しているのか、それともお務めとして接客しているだけなのか(笑)
日野さんが体験した不思議体験と幼少期の都市伝説とは?
――雷獣は雷と共に現れ、人に危害を与えると恐れられていたあやかしですが、一番怖いものは何ですか?
日野:人間です。人間がなんだかんだ言っても怖いです。人間の感情はわかりにくいし、幽霊が見えるほうがまだ平気かもしれないです。襲われなければ(笑)。
――幽霊が見えるほうが平気とは!驚きました。事故物件などで霊的なものを感じても大丈夫ですか?
日野:事故物件についてのエキスパートの大島てるさんとお会いしたことがありまして。事故物件とは、あくまで事件や火事など事故が起こった物件のことを差していて、お化けなどが出るわけじゃないらしいです。
でも、一度引っ越しのために内見した部屋で「ここ、息苦しい」と感じたことがありまして。僕は霊感があるわけでないですが、直感を信じて借りるのをやめたことはあります。その後、声優の後輩がたまたま同じ物件に入居して、霊現象を体験したそうです。その後輩は、その状況をしばらく楽しんでから引っ越したとのことです(笑)。
――雷獣の正体はハクビシンやタヌキなどとも言われて、都市伝説的に語り継がれています。子供の頃に信じていた都市伝説、あるいは今も信じている都市伝説はありますか?
日野:口裂け女は流行ってましたね。あと、こっくりさん。小学生の時、こっくりさんをみんなでやって、日曜日にみんなでお稲荷さんに油揚げを奉りに行くことになったんですが、みんなは油揚げをあげに行ったけど、その日、僕は剣道の稽古があって行けなくて。子供心に祟られて「もう死ぬんだ」と信じて、稽古後、家に帰って泣きながら親に「ごめん。俺、もう死ぬんだ」と話したら笑われました(笑)。
暑い時に食べたい、葵に作ってもらいたい料理は?
――あやかしと聞いて、連想するものや好きなあやかしは?
日野:子泣き爺と砂かけ婆ですね。子供の頃に『ゲゲゲの鬼太郎』を見ていたので。そう考えるとあやかしに怖いイメージがないですね。怖いなと思うのは四谷怪談のお岩さんかな。あっ、あれは幽霊ですかね?人の思念があるものの方が怖いのかも。
――葵は料理が得意ですが、作ってもらいたい大好物や、今食べたい気分の料理は?
日野:僕、特に好き嫌いがなくて、むしろ何でもおいしく食べられるんですよね。しいて挙げれば、この取材を受けている時はまだ猛暑の最中なので、さっぱりしたものかな。お寿司とかもいいかも。作中でも酢飯を使った料理が出てきましたね。炙りしめサバのお寿司がおいしそうでした。
雷獣のキャラソン「刹那の煌めき」は葵を追い回す喜びや、刺激を感じている歌詞と彼らしい曲調
――23話のSpecial Endingで雷獣として歌われているキャラソン「刹那の煌めき」が流れましたが、映像をご覧になった感想は?
日野:雷獣の妖しさが存分に出ていて、絵と曲のマッチングの素晴らしさに鳥肌が立ちました。合間合間に雷が光るエフェクトも入ったりして、カッコいいですね。ラストのイラストは監督が描かれたそうで、まさにエロスだなと(笑)。第1クールから続いている試みですが、Special Endingとして映像と曲がキャラごとに作られ、変わるのはすごいと思います。
――「刹那の煌めき」を聴いた時の印象は?
日野:23話で流れますが、22話で葵を追い回している時の雷獣の心境に近い歌詞で、困っている葵を見て、喜びや刺激を感じている様子が描かれていて。自然と雷獣の気持ちを引き出してくれる歌詞とメロディだったので、歌いやすかったです。
――サウンドはファンクっぽさがあって、これまで和楽器+ロックやポップ、バラードの組み合わせがありましたが、このアレンジでもハマるんだという驚きと新鮮さを感じました。
日野:和楽器と洋楽っぽいテイストで、サウンドでも雷獣の多様性が表現されている気がして、感動しました。また雷獣が作中で吹いていた和笛の音色がイントロで入っていて、まさに「ザ・雷獣」という曲になっていると思います。
大人っぽさや妖しさを歌に。雷獣そのものを表した1サビが好き
――歌い方も大人っぽいけど、悪さも垣間見えるような。
日野:歌詞にもそういう部分が込められていたので、歌に出していきたいなと思って歌いました。レコーディングでは「もっと妖しく」などのディレクションをポイントポイントでいただきました。
――好きなフレーズや聴きどころを教えてください。
日野:1サビの「幻惑の光 歪むその表情(かお)見せて」は、雷獣そのものだなと。葵を楽しそうに追いかけまわしている表情が脳裏に浮かぶので好きです。
――そこはドSっぽさが出ていて、ゾクっとしました(笑)。他に聴きどころを挙げるとすれば?
日野:歌詞は雷獣の本来の姿に近いものになっていると思います。すごく謎めいたキャラなので、この曲の歌詞から彼の深層心理をくみ取っていただいて、聴いてくださった皆さんそれぞれで想像してもらったり、様々な楽しみ方で聴いてもらえたらいいなと思っています。
そしてSpecial Endingのプロモーション映像が既にYoutubeで公開されているそうなので、ご覧になっていただいて、アニメの追体験をしてみるのもオススメです。そのうえで雷獣の魅力をもっと感じて、好きになってもらえたら。
2クール目のキー&世界観を広げる重要な雷獣を全力で演じます
――最後に『かくりよの宿飯』の魅力や見どころ、皆さんへのメッセージをお願いします。
日野:雷獣は『かくりよの宿飯』の2クール目でのキーとなるキャラクターであり、作品の世界観を広げていくうえでも重要なキャラクターですので、演じることができてうれしかったです。そんな役割をくみ取りながら、原作の魅力を十分に出せるように全力で演じさせていただいています。
まだご覧になったことがない方も、ブルーレイの発売が始まっておりますので、何度も繰り返し見ていただいて、葵と一緒にかくりよの世界にひたってみてはいかがでしょうか? 終盤に向けて、キャスト、スタッフ一同全力で臨んでいますので、ここまで見てくださった皆さんはのめり込んだまま、最後まで楽しみながら見届けていただけたらうれしいです。引き続き、『かくりよの宿飯』の応援よろしくお願いします。
商品情報
TVアニメ『かくりよの宿飯』
キャラクターソング集 “隠世の調” Vol.2
(ヨミ:かくりよのしらべ)
2018年9月26日(水)発売 1,500円+税
アーティスト:various 品番:VTCL-35288 POSコード:4580325 32699 4
アニメイトオンラインショップでの購入はこちら
≪収録曲≫ 全4曲収録
M1.ヤシホノハナ / 葉鳥 (CV:寺島拓篤) 作詞・作曲/咲坂美音 編曲/横田晃希
M2. 恋守唄 / 秀吉(CV:柿原徹也) 作詞: 伊藤直樹 作曲・編曲:近藤功教
M3. 刹那の煌めき / 雷獣(CV:日野 聡) 作詞・作曲:Kazuki Yamamoto 編曲:近藤功教,Kazuki Yamamoto
M4. ???
TVアニメ『かくりよの宿飯』キャラクターソング集
“隠世の調”Vol.1 & Vol.2
★応募者全員プレゼントキャンペーン★
7月4日発売のキャラクターソング集Vol.1 (VTCL-35279)封入の応募券を切り取り、9月26日発売のキャラクターソング集Vol.2 (VTCL-35288)に封入される【応募ハガキ】に貼り付け、ご応募ください。
応募者全員に素敵な景品をプレゼントします。
さらに、抽選で豪華景品が当たるダブルチャンスもございます。
応募者全員プレゼント…
原作イラスト・Laruha描き下ろし
「オリジナル絵葉書」
特賞… 30名様
大旦那役:小西克幸&葉鳥役:寺島拓篤
複製サイン入り「オリジナル絵葉書」
※絵柄は「応募者全員プレゼント」と同様のものとなります。
■TVアニメ『かくりよの宿飯』
キャラクターソング集Vol.1“隠世の調” (かくりよのしらべ)
2018年7月4日(水)発売 1,500円+税
アーティスト:various 品番:VTCL-35279 POSコード:4580325 32671 0
アニメイトオンラインショップでの購入はこちら
≪収録曲≫ 全4曲収録
M1.願い花 大旦那(CV:小西克幸) 作詞/作曲/編曲:伊藤直樹
M2.時の砂 暁(CV:内田雄馬)&鈴蘭(CV:内田真礼) 作詞/作曲/編曲:伊賀拓郎
M3. My sweet sweet love 白夜 (CV:田丸篤志) 作曲:斉藤悠弥 作詞:大島はるな 編曲:伊賀拓郎
M4. 風 銀次(CV:土岐隼一) 作詞:伊藤直樹/作曲・編曲:近藤功教
※4曲に加えて、各曲のinstrumentalを収録
作品情報
■TVアニメ『かくりよの宿飯』
【放送情報】
好評放送中
TOKYO MX 毎週月曜22時30分~
KBS京都 毎週金曜26時10分~
BSフジ 毎週火曜24時30分~
AT-X 毎週水曜23時30分~
※リピート放送:毎週金曜15時30分~/毎週火曜7時30分~
【STAFF】
原作:友麻碧
(株式会社KADOKAWA 富士見L文庫「かくりよの宿飯」シリーズ)
原作イラスト:Laruha
監督:奥田佳子
シリーズ構成:金春智子
キャラクターデザイン:佐藤陽子
あやかしデザイン:草彅琢仁 乙幡忠志
総作監:鈴木光
プロップデザイン:久原陽子
清水奏太郎
色彩設計:歌川律子
美術設定:中島美佳
特殊効果・2Dデザイン:鳴河美佳
美術監督:中村典史
CGディレクター:永井努
撮影監督:北村直樹
編集:齋藤朱里
音響監督:郷文裕貴
音楽:伊賀拓郎
音楽制作:フライングドッグ
OPテーマ:東山奈央「灯火のまにまに」
新OPテーマ:ナノ「ウツシヨノユメ」
EDテーマ:沼倉愛美「彩-color-」
新EDテーマ:中島愛「知らない気持ち」
アニメーション制作:GONZO
製作:「かくりよの宿飯」製作委員会
【STORY】
あやかしの棲まう“隠世(かくりよ)”。その老舗宿「天神屋」の大旦那にさらわれてしまった主人公・葵は、そこで祖父が残した借金のカタとして、鬼神である大旦那の嫁になる約束が交わされていたことを知る。嫌がる葵は元の世界に戻るため、嫁入りするかわりに「天神屋」で働いて借金を返済すると宣言してしまうのだが……。
【CAST】
津場木葵:東山 奈央
大旦那:小西 克幸
銀次:土岐 隼一
暁:内田 雄馬
お涼:加隈 亜衣
白夜:田丸 篤志
春日:中恵 光城
サスケ:井上 雄貴
静奈:上田 麗奈
乱丸:石川 界人
葉鳥:寺島 拓篤
時彦:平川 大輔
秀吉:柿原 徹也
ねね:金子 彩花
太一:野田 順子
戒・明:鈴木 みのり
雷獣:日野 聡
チビ:石見 舞菜香
津場木史郎:井上 和彦
松葉:大塚 明夫
鈴蘭:内田 真礼
反之介:杉田 智和
薄荷坊:杉山 紀彰
黄金童子:悠木 碧
縫ノ陰:増元 拓也
律子:水橋 かおり
千秋:江口 拓也
砂楽:関 智一
淀子:沼倉 愛美
三成:赤羽根 健治
アイ:洲崎 綾
笹良:名塚佳織
磯姫:坂本真綾
【音楽情報】
●OPテーマ「灯火のまにまに」/東山奈央 5月30日(水)発売
●EDテーマ「彩 –color-」 / 沼倉愛美 6月6日(水)発売
【商品情報】
Blu-ray&DVD第1巻 7月3日(火)発売
各巻3話収録
◆仕様
・原作イラスト:Laruha描き下ろしアウタースリーブケース
・キャラクターデザイン:佐藤陽子描き下ろしインナージャケット
・ピクチャーレーベル
◆特典
【初回生産特典】
イベントチケット優先販売申込券【昼公演】
【封入特典】
・録り下ろしスペシャルドラマCD
「バーベキューと足湯と混沌の男子会」
出演:小西克幸(大旦那)×土岐隼一(銀次)×内田雄馬(暁)×田丸篤志(白夜)×井上雄貴(サスケ)
・特製ブックレット(原作:友麻碧特別書き下ろし小説「あやかしお宿とパンと落とし物《一》」掲載他)
【音声特典】
キャストオーディオコメンタリー(第1話:東⼭奈央×小⻄克幸×土岐隼一)
【映像特典】
ノンテロップED(大旦那キャラクターソング「願い花」)