映画『スモールフット』ミーゴ役・木村昴さんインタビュー|ピースフルな世界観に感動! 大好きなラップの話も止まらない……!【連載第1回】
世界中で大ヒットしている『ミニオンズ』のスタッフが手がける新たな物語は、幻の生物・イエティが主人公!? 2018年10月12日より、映画『スモールフット』が日本で公開となります。
アニメイトタイムズでは、日本語版の声優陣のインタビューを通して作品の魅力に迫っていきます。
連載第1回は、主人公・ミーゴの声を担当する木村昴さん。やんちゃで元気いっぱいなミーゴにピッタリの配役となっています。
イエティの話はもちろんのこと、劇中で登場するラップの話をきっかけに、話は大盛り上がりして……。
めちゃくちゃ嬉しかったミーゴ役
──まずは、脚本を読んだ感想をお聞かせください。
木村昴さん(以下、木村):『スモールフット』の大きなテーマとして、スモールフット(人間)とイエティという種の違う生き物どうしであっても分かり合える、分け隔てないミーゴのピースフルを感じました。
個人的な話ではあるんですけど、僕もハーフとして子どもの頃から日本で育ってきて、肌の色の違いとかしゃべる言葉の違いに対して大きな偏見がないんです。
どうしても周囲からはみんなと違うと思われることが多かったので、「そんなことないのにな」という思いがありました。そういった部分が大きく描かれているので、共感もできるし、すごく素敵だなと思いましたね。
だから、台本を初めて読んで素直に「いいな!」と(笑)。「こういうの好き!」みたいな(笑)。
ミーゴとパーシーがどんどん仲良くなって、それが駄目になってきちゃう瞬間もありながら、最終的に乗り越えてみんなひとつになる。壁が取っ払われるみたいな。
そういうストーリーに共感を覚えました。本当に第一印象をざっくり言うと、「こういうの好き!」でしたね(笑)。
──役が決まった時の感想を教えてください。
木村:めちゃくちゃ嬉しかったです! もともと、すごくミュージカルが好きなんですよ。歌もあって、みんなが踊って、それが物語に織り交ぜられていてみたいな、こういった映画がすごく好きなんです。
シンプルに映画ファンとしてこういう映画が観たいと思っているところに、携わらせていただけることになって、声優としても非常に光栄だと思いました。「やれるんですか? やっていいんですか?」みたいな(笑)。
──木村さんが演じられるミーゴはどんなキャラクターだと思いましたか?
木村:どうも、イエティです! って感じ(笑)。
ミーゴは、イエティの中でも純粋でスモールフットに対しても偏見がないんです。天真爛漫で純真無垢なキャラクターですね。
やっぱり人間からすると、イエティってある種モンスター的なものだったりするじゃないですか。でも、イエティの生活というのも非常にポップで素敵に描かれているんです。
仮にもしイエティがいたら……仮にというか、“いる”っぽいんですけど(笑)。イエティがいて、こんな生活してたらいいじゃんみたいな。木村的にはそう思います。
ミーゴからすると、世界は広くて素晴らしい、自分の知らないことがまだまだあるんです。「自分が知らないことをもっと知りたい」という欲が非常に強くて、子どものような視点です。
──ミーゴに共感できるところは?
木村:僕も子どもの頃から図体がでかくて、ある種モンスター的な部分がありました(笑)。『スモールフット』は、体格が大きい・小さいというところが特にフォーカスされているわけではないんですけど、見た目は共感できますね。
でも、見た目じゃない、サイズでもない、種でもない、言葉が通じなくても関係ないと思っているミーゴの考え方っていいですよね。
──最初のビジュアルを見たときから、木村さんバッチリだなと思っていました。
木村:本当ですか(笑)。嬉しい(笑)。そう言っていただけるなら何よりです。
しかも、パーシーは宮野さんにめちゃめちゃ顔似てますよね?(笑) そういうキャスティングかなと思ってたくらいです(笑)。
──吹き替えの演技のポイントはどんなところでしょうか?
木村:ミーゴって、未知の世界に興味があるけど、「こんなハッピーな世界はない」とイエティの生活を心底楽しんでいるんです。
演じるときも、純真無垢で分け隔てのない感じをしっかり出そうと注意しました。
僕らは普段暮らしていれば、どうしても嘘をつくこともあるし、見栄を張ることもあると思います。
「僕は別に全然気にしない!」と言いながら、その言葉がちょっとにおっちゃう。人間って「本当はこう思ってるんだけどな」みたいなのがあるじゃないですか(笑)。
でも、ミーゴは本当に純粋。分からないものは分からない。僕が演じるときも、僕という人間のいやらしさが出ないように、とにかく純粋なミーゴを表現できたらなと思っていました。
──お話を聞いていると難しそうですね。
木村:そうなんですよ。また個人的な話になるんですけど、声優のクセで言葉に意味をひとつ乗っけたくなるんです。セリフの裏から感じられる、「本当はこう思っているんだ、みたいなものを乗せたらかっこよくない?」みたいな(笑)。声優の欲ってあるんです。
今回は、そういうのを全て捨てていますね。
──ミーゴを見ていると、子どもみたいな純真さを感じました。
木村:ミーゴは、一言一句言ってる通りで、彼が動いている通りそのまんまなんです。
「スモールフット見た! みんなに伝えたい! でもこれを言ったら、うちの村のルールではいないということになってるしな……」みたいには思わない。「見た! やば! すご! みんなに伝えたい!」みたいな(笑)。
観てくださる方にもシンプルに伝わったらいいなと思います。ミーゴもシンプルに考えているんだと思いますし、僕もなるべくシンプルに演じさせていただきました。
オンリー・ミーゴ、ミーゴ・ノー・ミー
──劇中歌も担当していましたが、いかがでしたか?
木村:いいですねぇ……! すごくいいですよ(笑)。まだ自分の曲だけしか聴けていないので他の方の曲も気になっています。
冒頭のミーゴの歌に関しては、イエティの1日がこうやって始まって、こんな生活をしてるんだよ、みたいなのを紹介しつつ、ミーゴが楽しく歌って、映画を盛り上げていくシーンです。
せっかく歌うんだったらちゃんと歌いたいと思って準備していたんです。でも、実際に歌ってみると、やっぱりミーゴを表現する上での歌い方があるだろうと、音楽の先生がディレクションして下さったんですよ。
上手く歌うとか綺麗に歌うということじゃなくて、ミーゴが歌っていることをこだわっていきましょうと。
何回か歌いながら、「なんて素晴らしい一日なんだ! 僕は本当にこの生活が大好きで、こんな素晴らしい日々があって嬉しいな!」というミーゴらしいワクワクとした感じを出しています。
歌うというよりも、ワクワクしている部分を、ある種メロディーを借りてしゃべるみたいな感じです。セリフっぽくやるというか。非常に楽しかったです。
──ミーゴ役は、オーディションでと伺いました。ミーゴだけを受けていたんですか?
木村:オンリー・ミーゴですよ(笑)。ミーゴ・ノー・ミ—です。
──それは、やはり木村さんにはこれが合うだろうということで?
木村:そういう風に思っていただけたら大変光栄ですね。ミーゴ役ということでお話をいただいて、オーディションを受けさせていただきました。
オーディションをやってると面白いのが、オーディションで読んだセリフが本番のシーンにもちゃんとあるところです。「あ! これオーディションでやったシーンだ!」って。
オーディションの初見でやる感じと、物語全体を知ってやる感じと、また雰囲気も変わってくるので。
「そういえば、オーディションの時こんなふうにやったな」「でも、こうやったらもっと素敵になるかな」と、そんなことも思えるので、すごく楽しかったです。
──その時点で、アメリカではチャニング・テイタムがミーゴ役をやるというのはご存知でしたか?
木村:はい。オーディションを受けるにあたって、ある程度の映画の概要みたいなのはちゃんとチェックさせていただきました。「チャニング・テイタムだ!」ってビックリしましたよ(笑)。お芝居が非常にコミカルなんですよね。
ミーゴが崖から落っこちちゃうシーンで、「あ〜!?」って叫ぶんです。チャニング・テイタムさんの「あ〜!?」めっちゃ最高ですよね(笑)。
『ステップ・アップ』(2007)という映画を学生の頃にめちゃくちゃ観てたんです。しかも、チャニング・テイタムさんのデビューが『ステップ・アップ』。
そこから無茶苦茶踊れる人だというのを知っていたし、すごいかっこいいキャラクターを演じる印象があったので、今回のミーゴはなかなかリンクしなくて、面白かったです。
打って変わって、ストーンキーパーの声は、ラッパーのコモンさんですよ(笑)。レジェンダリーラッパーですよ。ラップ好きとしては、そこも上がりました(笑)。しかも「立木文彦さんがやるんだ!?」って(笑)。そんなワクワクもありました。
──オリジナルからの影響は?
木村:日本語をお話しされる方々に向けて、オリジナルの雰囲気を伝えるのが吹き替えだと思っているので意識しました。チャニング・テイタムさん感を出すようにしています。
──本作は、どういった方におすすめだと思いますか?
木村:大人の方にも観て欲しいなって思いますね。お子様がいらっしゃる方にも、みんなに観て欲しい(笑)。
本当に幅広い年代の方に観ていただけると思いますし、日本に限らず世界中で受け入れられる、どんな国にいても楽しめるストーリーだと思うんです。
お子様たちにも観ていただいて、楽しんでいただければと思います。一緒に劇場に足を運んだ親子さん方も誰も観て楽しめると思います。イエティ好きが観ても楽しいですし(笑)。
──モフモフしたのが好きという方にもいいですよね(笑)。
木村:そうですね(笑)。雪国育ちの方が観ても楽しいと思いますよ。個人的に僕はドイツ出身で、ドイツって非常に雪がたくさん降る雪国なんです。懐かしいような雰囲気もあるし、雪山や雪も大好きですし、ワクワクした所もたくさんありました。こんな真夏に収録しているので(当時)、映像を観てる内は涼しくなれますよ(笑)。
パーシーが寒くてカチカチに凍りそうなシーンもあるんですが、人間はこんなに極寒の地だったら凍っちゃうなと。でも、ミーゴはモフモフしてますから、全然寒くもない。イエティの防寒システム最高です(笑)。
僕がスモールフットとしてここにもし行くとしたら、どんな服着て行こうかなみたいなことも考えちゃいました(笑)。
自身が体験した異文化コミュニケーション
──木村さんが力を入れたシーンはどんなところでしょうか?
木村:今回、全体的にアドリブが非常に多かったんですよ。
ミーゴが雲の下に降りてきて、壊れている飛行機を見つけるんです。そこがむちゃくちゃアドリブが続くシーンで。
飛んで木にぶつかって、転がって行って雪玉になって転がって、岩にぶつかってまた飛んで行ってみたいな(笑)。3分間くらいの長いアドリブシーンがあったんですけど、ここは忙しかったなと(笑)。台本も面白いんですよ、「息・息・息、叫び、叫び、叫び」みたいな(笑)。演じごたえがありましたね。楽しかったです。
闇雲にやれるわけではないので、一応次に何が来るというのは準備してるんですけど、「自分でもハマった!」と演じごたえがありました。ここは頑張ったので観ていただきたいなと思います。
あとは、パーシーと一緒にいるシーンですね。ふたりは、噛み合ってないようでだんだん噛み合っていくんです。言葉が通じないから、ミーゴがすごくフレンドリーに話しかけているのに、スモールフット側から見ると「ブラブラブラ〜!」みたいな感じになっちゃって。
その逆も然り。そこがまたミーゴの良さで、向こうが怖がって悲鳴をあげて驚いているかもしれないけど、それを「スモールフットの歌だね!」みたいに受け取ったり。そういう純粋に考えている部分みたいなのも出ています。
パーシーとミーゴがふたりで喋っているところも見所ですね。
──イエティとスモールフットは、話す言葉が違うので、コミュニケーションがとれないことが映画で描かれていました。木村さんも異文化コミュニケーションというのは体験されたことはありますか?
木村:僕はもともと母国語がドイツ語で、第一外国語が日本語なんです。7歳で日本に来た時は全く日本語がしゃべれなくて。そこから日本語を勉強しました。
今はもう笑い話として話せるけど、ハーフということで、いじめられていたことがあったんです。ただ、いじめられていたのに気づくのに2年かかったんですよ(笑)。言葉が分かんなすぎて(笑)。
なんとなく日本語が理解できるようになってきて、「あれ? 俺ディスられてるな……」みたいな(笑)。
だから、「言葉が通じないって、必ずしも悪いことじゃないんだな」って思ったんですよ(笑)。逆に通じなくてよかったな、みたいな。別にそんなことで落ち込むようなタマじゃなかったので、「ワオ!」くらいだったんですけどね。みんな僕に興味あってすごいな、みたいな感じで受け止めてはいたんです。
でも、言葉が通じないなりにコミュニケーションの方法って、けっこう色々あって。もちろんジェスチャーがあったり、顔を見ればなんとなく分かるんですよ。やっぱり、子どもって相手をいじってる時、むちゃくちゃキラキラした目をしてるんですよね(笑)。
大人みたいに、「こいつをおとしめてやろう」という感じではないんです。みんな楽しそうな目をしてるんですね(笑)。だから、さすがにそこはいじめられているとは思わなかったですよ(笑)。
未だに言葉が通じないことにハンデも感じないんです。どうにかすれば、一応言いたいことは伝えられるでしょうって。
だから、僕もミーゴに会ってみたいですね。
──パーシーより上手くコミュニケーションができるかもしれませんね。
木村:どうだろうな、普通に考えるとビビるよなー(笑)。最初は驚くだろうけど、普通にバッと喋っちゃって、「あ! そうだ、ごめんごめん」って言って、ジェスチャーで伝えなきゃなってなっちゃうかも。
イエティと人間でそれができるんだったら、無敵ですよ多分。
──絵でもコミュニケーションも取れますから。
木村:それもできますよね。あとは、本来のメッセージとは違うかもしれないけど、そういった意味でも歌っていいですよね。言葉は違えどメロディーは届くし、そういうコミュニケーションもあるのかなと思います。
『スモールフット』を見て、オープンマインドに
──様々なキャラクターが登場しますが、お好きなキャラは誰でしたか?
木村:完全に木村フィルターですけど、ストーンキーパー気になりますよね。オリジナルがコモンさんというのもありますけど、立木さんが演じられているストーンキーパーですから。
ストーンキーパーがミーゴに、村の現実を教えてくれるシーンがあって、5分くらいのラップで綴られているんです。ストーンキーパーの大人の怖さみたいなものが見えるんだけど、最後はちゃんと助けに来てくれるんです。
そういう一面もあって、ストーンキーパーは非常に気になるというか、見ごたえのあるキャラクターだと思います。
あと、フリームっていう背の高い、スネ夫的なやつがいて(笑)、彼はめちゃくちゃ面白いですね。崖から飛び降りるシーンはコミカルで面白いですよ。
あと、イエティなんですけど、やっぱミーチー可愛いですね。綺麗だなって思います。
──これだけ大きな作品で主役というのは、緊張しましたか?
木村:そうですね、今でもします。緊張するんですけど、せっかくやらせていただけるので、あんまりビビってもしょうがないなと言いますか。やらせていただけるからには思いっきりやろうみたいな、そういった想いもあるんです。
最初は驚きましたけど、一瞬でしたね。今回はあまりプレッシャーを感じずにやれたかなと思います。
あと、変な話ですけど、1人で収録したのでプレッシャーを感じる間もなかったのもありますね。でも、他の役者様方もいらっしゃったら、緊張していたかもしれません。
だから、未だに主役を演じている実感がないと言えばないというか(笑)。完成品を観て、初めてそこで「おおっ!」って、こんな素敵なキャラクターをやらせていただけたんだっていう実感が湧くんじゃないかなと思います。
──今のインタビューでも、歌唱の様子を見させていただいたときも楽しそうな姿が印象的だと思いました。
木村:楽しいです。やっぱり一番最初にも言ったように、こういうお話が大好きなんですよ。
歌があって、お互い分かりあえなさそうに見えるキャラクターどうしが、最終的に手を取り合って分かりあうみたいな、そういう物語。
シンプルにお稽古をしている間も楽しかったですし、次の展開が気になったりしました。声を担当させていただきますけど、どこかお客様目線みたいなのも自分の中であったりして、どっちの目線でも非常に楽しんでできたなと思います。
──そのポジティブさはミーゴに似ていますね。
木村:本当ですか!? 嬉しいです(笑)。いつも、あんまり難しく考えずにいようと自分でも思っているので。楽観的にやれたらいいなと。
今回、この物語を演じさせていただいた後で、ミーゴみたいな暮らしはやっぱりいいなと強く思いましたね。
だから、観てくださる方も、観終わったあと、ちょっとでもオープンマインドというか、器を広げて暮らしてみたいなと思ってもらえたらいいですね。
隣の人との距離を勝手に開けたり壁を作ったりしなくていいのになって。そういう風にポジティブになっていけばいいなと思います。
イエティと遊んでみたい!
──もし木村さんがミーゴと本当に会ったら、どんなことをしたいですか?
木村:いや〜、どうしましょう(笑)。でもあれ楽しそうでしたね。寝袋に入ってミーゴにくっついて雪山を飛び越えて行くの。あれ乗りたいなと思いましたね。かつて乗ってきたどのアトラクションよりも多分面白いですよ(笑)。
あと、一緒に雪山行って友だちに紹介してみたいですね。「こいつ、最近つるんでるミーゴ」みたいに紹介して(笑)。一緒に遊びに行ってみたいなと思いますね。多分、今のこの東京だったら暑すぎると思うから、雪国とか行ってみたいな。
──ドアをくぐるのも大変ですよね(笑)。
木村:確かに(笑)。めちゃめちゃでかいですもんね(笑)。手のひらに自分が収まるくらいだから、片足も入らないですね。そういうのを想像するのは楽しいですよね。
──ツーショットを撮ってTwitterにあげたら、すごくなりそうですね(笑)。
木村:確かに(笑)。パーシーもそう思って、SNSにアップしようと考えていますし。パーシーの最後の選択は胸アツですよね。
パーシーの想いの変化みたいなものが、「熱いな〜!」と良いシーンだと思いました。
もし自分が会ったらどうすんだろう。そういう想像が膨らみますよね。しょっぱな、めちゃくちゃ怖いだろうな(笑)。でも、気持ち良さそうですよね。トトロみたいに、ミーゴが寝ているお腹のところにうつ伏せで寝てみたい(笑)。
木村さんも大好きなコモンの魅力
──せっかく木村さんへのインタビューということなので、コモンの話をしましょう。まず、コモンがキャスティングされているのにビックリしませんでしたか?
木村:ビックリしました。もちろん、たくさんの映画にご出演されているイメージはあったんですけど、こういうアニメーションにも出演するのかと、「すご〜〜!」と思って。これはまず驚きましたね。
あと、ストーンキーパーの息子、ソープ役のジミー・タトロさんの声がめちゃくちゃラッパーなんですよ。むっちゃ気になって調べようと思って、調べそびれちゃって。そういえば収録の時にずっと気になってたんですけど、今思い出しました(笑)。
──それも気になりますね! もちろんコモンはお好きですか?
木村:大好きですよ!『Celebrate』という曲があって、クラブの一番最後に流すといい曲なんです。だから、コモンはいつもチェックしてますよ。
特に『スモールフット』のラップのシーンでは、やっぱりすごいパワーがあって。シーン的にもインパクトのあるシーンなんです。これまでずっと守ってきたルールが覆るというか。
映画の中とかでも、やっぱり起承転結の“転”にあたる、物語が大きく変わるシーンなんです。そんなインパクトのあるシーンにラップが来ているというのも胸アツだったんですよね。
最近は増えていますけど、10年前、15年前で、こんな重要なシーンをラップで紡ぐってあんまりなかったことだと思うんですよね。
今では、重要なシーンほどラップでやるみたいな印象が僕の中であって。やっぱり、ラップ来てる〜〜!(笑)
あのパワーは凄い。コモンならではでしょうし、それを吹き替えている立木さんバージョンも早く聴いてみたいと思います。
──ラップもアニメも好きなら、2倍楽しめるわけですから!
木村:そう! 何がすごいって、これの日本語版のリリック書いてるのがSOUL'd OUT(ソールドアウト)のDiggy-MO'(ディギーモー)さんなんですよ。このフューチャリングやばくないですか? 立木さんがDiggy-MO'さんのスピリッツを受け継ぐなんて!(笑)
まだ聴けていないので、早く聴きたいですね! たぶん仮歌で、Diggy-MO'さんのやつもきっとあると思うんですよね……! DVDの映像特典に入っていたら嬉しいな〜! これは聴きたい!
しかも、ラップのリリックが、ちょっとスピリチュアル系の内容で、イエティの掟のことを言っているんですよ。そのスピリチュアルっぽさが、やっぱりコモンさんがラップすると超かっこいいんだなっていう風に思いましたね。
──ちなみに、コモンでおすすめアルバムあったら教えてもらえますか。
木村:わりと最近のやつなんですけど、『Dreamer the Believer』ですね。やっぱり『Celebrate』が入っているので、これが一番好きです。僕のマスターピースなんで、ぜひ聴いてもらいたいですね。
あ、インタビューどころではなくなってしまった(笑)。
イエティはいるティ!
──では最後に、楽しみにしているファンのみなさんにメッセージをお願いします。
木村:映画が始まる前は、隣の席の人は他人。映画が終わる頃には友達になっていますよ(笑)。観終わったら隣の人とハグしたくなっちゃうような、そんな映画じゃないかなと思います。ハードル高いですかね(笑)。
でも、僕はけっこうそういうことをしちゃうタイプなんですよ。映画終わったら拍手したくなっちゃう。
『スモールフット』は、「終わったー」だけじゃもったいないなって思う作品なんです。観たらしみじみと隣の人と「いや〜、良かったですね……!」くらいのやっちゃってもいい。そうなるんじゃないかなって思うので。
……では、もうちょっとハードル低いやつも(笑)。ハイタッチするぐらいでもいいなと思います。観に来てくださったら間違いなくハッピーな気持ちになると思います。
まだまだ10月、もしかしたらまだ暖かい日が続いてるかも分からないので、涼みに来てくださっても構わないです。
観た後では、世界が広がったような気持ちになると思いますよ。こんな世界もあるんだ、まだまだ自分の知らないところに友達がいるんじゃないか、って。前向きの気持ちになってくださったら嬉しいです。
──作品の舞台も中国語圏で、日本人にはあまり馴染みのないところですし。
木村:そんなに簡単に行けるところじゃないですからね(笑)。でも、映画の良さってそういうところじゃないですか。自分が絶対行けないところや会えないような人の人生が垣間見れる。
ともすると人によってはイエティについて思うところもいっぱいあるでしょうから。
そういった部分の自分の想像力が膨らんだり、もし自分だったらこうかなみたいな、そういうことに思いが巡らせられるのが映画の素晴らしいところだと思います。
──ちなみに、イエティはいると思いますか?
木村:イエティはいる!(笑) もう、いるティーです(笑)。
基本的に火のないところには煙が立たないと思うので。やっぱり、いるんですよ、ネッシーもツチノコも。いたらいいじゃないですか。本当に雲の上に住んでるから、みんな会えてないだけなんですよ。
ミーゴみたいなイエティがいたら話が早いんですけどね。仲良くなるなんてすぐですよ(笑)。降りてきてくれたらすぐ。なかなか僕らが雲の上に行くのが大変なんで、降りてきてくれて嬉しいなと思いますね。
その内、クラスに1人イエティみたいな(笑)。そんな時代がもしかしたら……東京はないか! 東北の方で、もしかしてあるかもしれないですね。楽しみじゃないですか!
[インタビュー/石橋悠]
公開情報
<STORY>
人気声優たちが圧巻の歌声を披露!『ミニオンズ』の原作者と音楽で贈る、クスッと笑えて心癒される、"モジャかわ"ミュージック・ファンタジー♪
人里離れた雪深い山頂に住む、おっちょこちょいだけど心優しきイエティのミーゴ。ある日、偶然にも伝説のスモールフット(人間)と出会うが、この話を誰も信じてくれない。しかし同じ村に住むミーチーの「雲の下には不思議な世界が広がっている」という言葉を信じ伝説のスモールフットを探す冒険の旅に出る。そして、出会った人間のパーシー。この出会いがイエティと人間を巻き込む大騒動を巻き起こす―!
◆タイトル:『スモールフット』
公開:10月12日(金) 新宿ピカデリー他 ロードショー! ※US公開9月28日(金)
監督:キャリー・カークパトリック、製作:ボニー・ラドフォード、グレン・フィカーラ、ジョン・レクア
製作総指揮:ニコラス・ストーラー、フィル・ロード、クリストファー・ミラー、ジャレッド・スターン、セルジオ・パブロス、キャリー・カークパトリック
キャスト:チャニング・テイタム、ジェームズ・コーデン、ゼンデイヤ、コモン、レブロン・ジェームズ ほか
吹き替えキャスト:木村昴(ミーゴ)、宮野真守(パーシー)、早見沙織(ミーチー)、立木文彦(ストーンキーパー) ほか
エンドソング:ナイル・ホーラン「Finally Free」
配給:ワーナー・ブラザース映画