『機動戦士ガンダムNT 公開目前イベント ~PRELUDE TO NARRATIVE~』レポート|メインキャストと制作陣が、本作の見所を語る!
2018年11月30日より全国90劇場でロードショウとなる映画『機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)』(以下、ガンダムNT)。
10月16日には、『機動戦士ガンダムNT 公開目前イベント ~PRELUDE TO NARRATIVE』が、東京・Zepp DiverCityにて実施されました。
メインキャスト陣が本作の魅力を語る。「ナラティブガンダム」のB装備のビジュアルも明らかに
『ガンダムNT』は、大ヒットした『機動戦士ガンダムUC』(以下、ガンダムUC)から続く、新たな宇宙世紀の歴史を描いた作品で、脚本に福井晴敏さん、音楽に澤野弘之さんら、『ガンダムUC』を作り上げた面々が引き続き参加しており、シリーズファンからの大きな注目と期待を集めています。
その公開に先駆けて行われた今回のイベントでは、まず本編の冒頭20分にあたる部分が上映された後、榎木淳弥さん(ヨナ・バシュタ役)、村中知さん(ミシェル・ルオ役)、松浦愛弓さん(リタ・ベルナル役)、福井晴敏さん(脚本)、小形尚弘さん(プロデューサー)が登壇。
最初に村中さんが「楽しんでくれましたか?」と客席に上映の感想を問いかけると、割れんばかりの拍手が沸き起こります。
一方、「映像も音響も本当に完成度が高くて、ビームが飛んでくる音を聞いた時に鳥肌が立ちました。やっぱりガンダムが迫ってくるシーンは、男の子としては燃えざるを得ないですよね」と興奮気味に語る榎木さん。
村中さんと松浦さんも「20分があっという間」「早く続きがみたい」と声を揃えて絶賛しており、上映された冒頭部分だけでも、すっかり『ガンダムNT』の世界に引き込まれている様子でした。
トーク中には、福井さんによるストーリーの解説も行われます。
まず本作の物語の前提となるのは『ガンダムUC』の本編より少し前に起きた、ユニコーンガンダム3号機「フェネクス」の暴走事故。
この事故により行方不明となったフェネクスは、燃料切れにより宇宙の藻屑となったと思われていたのですが、『ガンダムUC』での出来事に呼応するかのように、再び地球圏へと現れます。
既にユニコーンとバンシィは人智を超越した性能を発揮した危険性から解体処分を受けており、残された最後のユニコーンタイプのMSとなった「フェネクス」を巡り、様々な組織の思惑が交錯していくことになります。
主人公機である「ナラティブガンダム」に関する話題では、「操縦しているときのGの強さが伝わるように意識しました」と演技のポイントを明かす榎木さん。実は榎木さんは絶叫マシンが大好きで、その時の気持ちを思い出すようにアドバイスを受けたとだとか。
またナラティブガンダムは、「痩せっぽちのMSが、いろいろなものを着せられて、神様みたいな存在と戦わされる」と語る福井さん。実はこれは、サイコスーツ(サイコフレームを内蔵したパイロットスーツ)を着せられて戦っている、ヨナ自身の境遇を連想させるような設定となっているようです。
さらに会場では、現在公開されている、巨大なモビルアーマーのような姿となる「A装備」に加えて、インコムを装備しオーソドックスな人型になった「B装備」のビジュアルも公開。
概ねガンダムといえば、後半になるにつれ装備が増えていく傾向がありますが、小形プロデューサーによると、ナラティブガンダムは逆に、ストーリーが進むにつれどんどん身軽になっていくことが特徴となっているのだとか。まだ公開されていない「C装備」がどんな姿となっているのも気になるところです。
『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』以降の宇宙世紀の歴史を描く「UC NexT 0100」プロジェクトの展望についても語られ、「皆さんが劇場でどれだけ見てくれるかで、どこまで続くかが決まる」と小形プロデューサーが打ち明けて笑いを誘う一幕も。
「UC NexT 0100」は、映画だけではなくゲームにも本腰を入れた展開が行われ、スマートフォン向けアプリ『スーパーガンダムロワイヤル』などで、メカデザイナー・カトキハジメさん描き下ろしの新MSが登場する外伝エピソードも描かれるとのことです。
澤野弘之さんの生演奏によるライブパートも
続いて、『ガンダムUC』から引き続いて作中の音楽を担当する 澤野弘之さんが登壇。
小形プロデューサーが「『ガンダムUC』以降の宇宙世紀のには澤野さんの音楽は欠かせない存在」とオファーを出した理由を明かし、「『ガンダムUC』からはテイストを少し変えて欲しい」という要望をを受けた澤野さんは、あえてオーケストラではなくダンスミュージックを思わせる、電子音をふんだんに使った楽曲として、本作のメインテーマとなる「Vigllante」を作り上げたのだそうです。
さらに澤野さんは、アニソン界を牽引する歌姫・LiSAさんと『SawanoHiroyuki[nZk]:LiSA』としてタッグを組み、本作の主題歌「narrative」を担当することも明らかに。
会場では、LiSAさんからのビデオメッセージも公開され、澤野さんと共に『ガンダム』シリーズに初めて参加できる喜びが語られていました。
そんな音楽に関するトークの後には、澤野さんとバックバンドによる生演奏という、ファンにとってはたまらないライブが実施されることに。
最初に登壇したTielleさんは、お台場の実物大ユニコーンガンダム立像のテーマソング「Cage」と『機動戦士ガンダムUC RE:0096』のOP主題歌「into the Sky」の2曲で、美しくも力強い歌声を響き渡らせます。
合間には澤野さんによるピアノソロも挿入され、誰もが『ガンダムUC』の世界に引き込まれていくことに。(なお「Cage」に関しては、アレンジバージョンが『ガンダムNT』向けに作られているそうで、どのような場面で流れるかにも注目が集まるところです。)
最後には、mpiさんとGemieさんが登壇し、『ガンダムNT』メインテーマ「Vigllante」を熱唱。荘厳な雰囲気すら漂う『ガンダムUC』の楽曲とは明らかに異なる、それでいってしっかりと「澤野サウンド」らしさを感じられる楽曲に、会場のボルテージも最高潮となり、イベントは締めくくられました。
終了後には、謎のモビルアーマー「Ⅱネオジオング」のビジュアルが公開されるサプライズも飛び出すなど、最後まで見どころ満載となっていた今回のイベント。
そんな『機動戦士ガンダムNT』は、11月30日より全国ロードショウ。『機動戦士ガンダムF91』以来、27年ぶりとなる宇宙世紀シリーズの劇場完全新作に、是非ともご注目ください。
[取材・文/米澤崇史]
『機動戦士ガンダムNT』作品情報
『機動戦士ガンダムUC』のその先を描く、宇宙世紀サーガ最新作! 11月30日より全国90劇場でロードショー!! ※上映館は、公式サイトをチェック!!
あらすじ
U.C.0097――。
『ラプラスの箱』が、『ラプラス事変』と呼ばれた争乱の結果として世に示されて一年が経過した。だが、ニュータイプの存在とその権利に言及した『箱』=『宇宙世紀憲章』の存在が明かされても、世界の枠組みに大きな変化はなかった。
一方、『ラプラス事変』において、ネオ・ジオン残党軍『袖付き』は一時的に瓦解し、活動は停滞。また、争乱における主役となった“ユニコーンガンダム”と呼ばれる2機のモビルスーツは、人智の及ばぬ能力を発揮したことで危険視され、秘密裏に封印されていた。
しかし、2年前に消息不明となり、歴史から抹消されていたRX-0 ユニコーンガンダム3号機が、地球圏に再びその姿を見せる。“フェネクス”と称されるその機体を巡り、再び動き出す人々。
フェネクス争奪戦には、地球連邦軍や『袖付き』だけでなく、アナハイム・エレクトロニクス社とも関連の深い大企業、ルオ商会も介入する。
新たなモビルスーツ「ナラティブガンダム」を投入した彼らの真の目的とは……。
キャスト
ヨナ・バシュタ:榎木淳弥
ミシェル・ルオ:村中知
リタ・ベルナル:松浦愛弓
スタッフ
企画・制作:サンライズ
原作:矢立 肇、富野由悠季
監督:吉沢俊一
脚本:福井晴敏
メインキャラクター原案:高橋久美子
キャラクターデザイン:金 世俊
メカニカルデザイン:カトキハジメ、小松英司
色彩設計:すずきたかこ
CGディレクター:藤江智洋
モニターデザイン:佐山善則
美術監督:丸山由紀子、峯田佳実
特殊効果ディレクター:谷口久美子
撮影監督:脇 顯太朗
編集:今井大介
音響監督:木村絵理子
音楽:澤野弘之
アニメーション制作:サンライズ
配給:松竹