『寄宿学校のジュリエット』EDテーマ 飯田里穂インタビュー|物語が進むにつれて実感する作品によりそった歌詞の良さ
TVアニメ『寄宿学校のジュリエット』EDテーマ「いつか世界が変わるまで」(2018年11月7日リリース)を歌う、声優・飯田里穂さん。レコード会社を移籍してからの第1弾ミニアルバム『Special days』で90年代路線を打ち出していましたが、今回もその流れに沿った曲調が印象的なものとなっています。そんなしっかりと作品に寄り添った歌詞で、キュンキュンするアニメにふさわしい1曲について、飯田さんに楽しく語ってもらいました。
――『寄宿学校のジュリエット』では、獅子静香役で出演されてますね。
飯田里穂さん(以下、飯田): (狛井)蓮季ちゃんのお友達で、ずっと傍にいるんですけど、おっとり系かな?と思ったら普通にキャッキャしているJKで、蓮季ちゃんと歩米良仁愛ちゃんといつも恋愛話してるんです。蓮季ちゃんが (犬塚)露壬雄を好きなことはわかっているので、「ほら、行きなよ!」みたいな。
――物語も『ロミオとジュリエット』がモチーフなのもありますけど、王道で面白いですよね。
飯田:バレちゃいけない恋! 王道のラブコメだからめちゃめちゃ面白いです。アフレコもみんなお上手すぎて現場が楽しいんですよ。現場にいるとアニメ観てるみたいなんです。
特に丸流組の三バカ! 杉田智和さんと細谷佳正さんと下野紘さんは、アドリブも面白い感じに入れてやっていますね。
――ちなみに、ラブコメって好きですか?
飯田:ドラマとかはよく観てました。それこそ『東京ラブストーリー』とか。フジテレビの再放送枠が好きで、中学生くらいのときに学校から帰るとやってて、いつも観てましたね。『やまとなでしこ』とか『恋ノチカラ』とか。
――『東京ラブストーリー』の映像を最近観たんですが、鈴木保奈美さんがものすごくかわいいんですよね。アニメか!と思うくらいで。
飯田:「カンチ」ですよね! ホントにアニメみたいなんですよ。だから私、『ジュリエット』はそれを見ている感覚なんです。アフレコでもキュンキュンしてて(笑)。
でも、露壬雄がイケメン!とは思わないんです。だって、なんかアホじゃないですか(笑)。その真っ直ぐさがいいと言えばいいんですけど……。だから、ペルシアかわいいっ!ってなってます。
――そんな『寄宿学校のジュリエット』のEDテーマを担当するのは、嬉しいですね。
飯田:原作も盛り上がっている作品で、アニメのキャストさんもすごいというアニメのEDというのは本当にびっくりしていますし、とっても嬉しいなという感じです。
アフレコでいただくVTRの最後に、まだ絵はちゃんとできてない状態だったんですけど曲が入ってたんです。それが何だかすごく不思議な感じがして、家で何度も見返しちゃいました(笑)。
まだ放送前だったので「浮いてないかな~」とか、やっぱり自分の歌だと不安なんですよね。嬉しいし、自信もあるけど…っていう。
――曲調も、9月に出したミニアルバム『Special days』の流れも感じる90年代要素がしっかりある曲でしたしね。作品とマッチするのかというところでは、確かに不安もあるのかも。
飯田:そうなんです。『Special days』からの流れはあったので。でも、いい歌ですよね!
――いい歌ですけど、MVを見たら、全然曲が入ってこなかったですけどね(笑)。
飯田:みんな同じことを言うんですよ(笑)! あのMVは何度も見てほしいというコンセプトがあるんですよ。でも、実はレコーディング自体は『Special days』よりも前で、移籍して一番最初にデモを聴いたのもこの曲で、レコーディングしたのもこの曲なんです。
――そうなんですか? 聴いたときどうでした?
飯田:デモですごく素敵な曲!と思ったんです。ライブの絵もすごく浮かぶし「歌いたいです!」とすぐに言いました。そのときはまだタイアップの話は私のところには来ていなかったんですけど。
―― 一番最初のレコーディングだったら、ボーカルのアプローチも難しくないですか? 90年代のコンセプトが軸にあったとは思いますけど。
飯田:でも、レコーディングの時点ではタイアップだというのは聞いていて、原作ありきのペルシア寄りの歌詞だったので、ペルシアの芯が強さと柔らかくて朗らかという感じの雰囲気を出して歌ってほしいというディレクションだったので、それは出したつもりです。
でも真っ直ぐな感じは私もすごくやりやすいところだったので、レコーディングはわりとスムーズでした。歌っててすごく楽しかったし、気持ちよかったです。
――結構前のレコーディングだと思いますけど、雰囲気も覚えてます?
飯田:移籍して初めてのレコーディングだったから、逆に忘れられないんですよ! やっぱり初めての人たちの前で歌声を披露するのって緊張するじゃないですか。「飯田里穂、どんなもんなんだ?」ってみんな思ってるんだろうなぁって考えちゃうから(笑)。
――レコーディング経験も豊富なのに。
飯田:いやぁ、それが余計緊張するんです! ソロでもやってきたから余計に。でも、プロデューサーの冨田明宏さんがおしゃべり上手なので和ませてくれました。逆にカップリングがかなり最近レコーディングをしたので、1曲目とは大違いなくらい現場にも馴染んで仲良くなっていたので、不思議だなぁって思いました。
――タイトルが「いつか世界が変わるまで」ですが、作品のテーマにも繋がるんですよね。
飯田:原作をしっかり読んだのはアフレコが始まってからだったんですけど、アフレコのときに露壬雄が 「こんな世界変えてやる!!」って言っているのを聞いて鳥肌が立ちました。
作品に寄り添っているからこそ、アフレコで実際に話が進むにつれて、どんどん歌詞を実感していくんです。だからもともと好きだったのに、もっと好きになっていく感じでした。あと、くれぐれも世界が“終わるまで”ではないので、気をつけてください(笑)。
――イントロもすごくいいですよね。
飯田:そこはレコーディングのときになかったんですよ! 完成したものを聴いたらストリングスが入ってて、めっちゃいい!と思って、そこを聴くために何度も聴いてました(笑)。でも、この部分はアニメでは少し短くなってピアノになっているので、フルコーラスも楽しんでほしいです。(※注)第4話のエンディングではストリングスのパートも流れました。
小ネタ満載のMVにも注目!
――カップリングの「GLITTER」はどんな曲ですか?
飯田:EDMサウンドで、ギラッギラした曲になってます。目線的には私がちょっと上にいて、「みんなそうだと思わない? そうでしょ、みんな仲間っしょ!」みたいな感じなんですけど(笑)。
――パリピ感!!
飯田:だけど! 今のじゃなくて、90年代のギラギラしたパリピ感なんですよ! 立ち位置的には、2月にあるライブツアーで盛り上がれるパンチのある曲を入れたいなというのもあったので、そういうナンバーですね。
歌詞で〈銀河系で最強〉って言ってるくらいなので、もはや地球上目線ではないんです! 想像してくださいね、宇宙です! 宇宙を想像してもらって、ピカピカ光っている星たちがファンの皆さんで、私はそこにいる太陽みたいな存在で、この歌を語りかけている感じなんです。
――〈わたし太陽になりたい〉って言ってますからね。
飯田:作詞の山本メーコさんはミニアルバムでは「Join Us!!」を書いてくれた方なんですけど、私が、夏が好きで太陽が好きでとか言っていたことを含めた上で、新しい位置づけの歌を書いてくれたんです。メーコさんもちゃきちゃきな女性の方なので、そういうのもすごく出ている気がしてます。あと〈GLITTER〉っていうところは、みんなに言ってもらいたいですね。
――この曲は踊るんですか? 跳ねるんですか?
飯田:え、何だろう。悶える?
――あははは(笑)。悶えるんですか!
飯田:踊らないしジャンプもしないし、なんか「んあ~~~」みたいな? エモい感じなんですよ!
――実際ライブでどうなるかは、乞うご期待ですね。あと、先程少し話に出しましたが、「いつか世界が変わるまで」のMVの評判はどうでした?
飯田:「何であの内容なんですか?」と、今のところみんなに言われてますね(笑)。歌詞ともアニメとも違いますよね?って。
――もうネタのオンパレードでしたからね。
飯田:だから別物と考えてください。でもチームは「Special Days」のMVを撮ってくれたチームと同じなんですよ。絵コンテがあって、それを見たとき「アニメと全然違うんですけど、大丈夫ですか?」って、一応言いますよね……。でもそれは意見のひとつとなり、このMVが出来上がりました(笑)。
ただ、「Special Days」を撮ってくれたチームだから、仕上がりについては安心してたんです。「Special Days」ではスッとした表情が多かったけど、今回は私のいろんな表情が見られますということですかね。意外と笑顔とか爽やかさとかは想像が付くと思うんですけど、おちゃらけた顔とかは、近しい人にしか見せていなかったりするので、それを今回は世の中に流出させた感じですね。
――なんか楽しそうでしたけどね。
飯田:楽しかったですよ。結構作り込む感じだったから自分にできるか不安だったけど、やってみたら自分のおちゃらけてる感じに近かったので。
――昭和ネタもいろいろありましたけど、それ自体はわかっていたのですか?
飯田:説明されたらわかりましたけど、教えてもらってやる感じでした。
――『探偵物語』とか『太陽にほえろ!』とか『あぶない刑事』とか『ルパン三世』とか、いろいろありますよね。あとバッティングセンターで目の下にアイブラックを付けてるのも面白かったです。
飯田:あれ何なんですかね? 生まれて初めて貼りました。両面テープで付けてたんですけど、昔はどうだったんですかね? 質が良くなかったら、めっちゃくっついちゃったりして(笑)。
――聖子ちゃんカットもしてますね。
飯田:あれは一度やってみたかったんですよ! どんな顔になるんだろう?って。どのアイドルに似るのかな?と思ったんですけど、誰にも似てなかったみたいです(笑)。お母さんに写真を見せて、「誰かに似てる?」って聞いたんですよ。そしたら「う~ん、私の若い頃に似ている」って言われました(笑)。
――多分やったことあったんでしょうね(笑)。テレビで歌ってるシーンは、昭和アイドルを意識したんですか?
飯田:意識しました。あまり手振りとか、大きなかわいいステップはしないんです。軽やかにちょっとツーステップとかを入れたりする感じ。これは結構映像を見て研究したんですよ。あまり媚びない感じとか、しおらしい感じとか。そこはノリノリでやってました。
――テレビの中で出てくる曲名の字体とかも、細かいなぁと思いながら見てました。あと、探偵姿のファッションが奇抜!
飯田:かなりすごいですよね! 私、衣装合わせしたとき、これやばいんじゃないかって、ぶっちゃけちょっと思ったんですよ。でも着たらやたら評判が良くて。私はあれを「菅田将暉さん」と呼んでるんですけど(笑)。
――確かに!
飯田:すごく似合いそうじゃないですか。だから菅田将暉さんをすごく調べて撮影に臨んだんです。ジャケットのポージングとかも。あんなに柄物に柄物っていうのを着たのが初めてだったんですよ! でも他に用意してくれていたのも全部同じテイストで。
――ジャケットは、結構カッコいいんじゃないですか?
飯田:やっぱり着る人がいいから(笑)。いや、この服を着こなすためにかなり研究したからですよ。でも、普段からメンズルックな感じは好きなので、着たら着たでしっくり来るとは思ってました。
――あと、眼鏡の上から目をこするとか、ああいうの大好きです。
飯田:あれは言われたんだったかなぁ。でも二度見?みたいなのは私のアドリブです。あとゲーセンで、いちいち顔出しているところも完全にアドリブですね。あそこは自分で好きな顔をやってる感じなので、結構普段の私です。人をイジるときにやる顔です(笑)。
――あのゲーム画面まで作ってましたからね。
飯田:すごいですよね! 出来上がったときにびっくりしました。本当にすごく細かいところまで。
――銭湯でのシーンも良かったです。
飯田:あそこ有名なところで、長澤まさみさんがアンダーアーマーのCMをやった銭湯なんですよ! あのCM大好きで何度も見ていたので、行ってすぐにわかりました。
で、もうひとつすごいのは、そこの銭湯の息子さんが撮影の直前に発売された私のミニアルバムを持ってたんですよ。どうやら私のファンだったらしく(笑)。かわいかったので、めちゃめちゃイジってきました(笑)。
――やっぱり人をイジるの、好きなんですね(笑)。ありがとうございました!
[取材・文/塚越淳一]
リリース情報
■「いつか世界が変わるまで」
発売日:2018ん3円11月7日(水)
【初回限定盤CD+DVD】1,800円+税
【通常盤】1,200円+税
[CD]
1. いつか世界が変わるまで
2. GLITTER
3. いつか世界が変わるまで〈instrumental〉
4. GLITTER〈instrumental〉
[DVD] ※初回限定盤特典
「いつか世界が変わるまで」MV
「いつか世界が変わるまで」MV -アイドルver.-
MV メイキング
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