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LiSAが『SAOアリシゼーション』OPテーマで表現した「覚悟」/インタビュー

『SAOアリシゼーション』OPのテーマは「覚悟」――LiSA 14thシングル「赤い罠(who loves it?) / ADAMAS」インタビュー

2018年、ベストアルバムをリリースし、アリーナツアーを含めたアジアツアーを敢行中のLiSAさん。待望のNEWシングルは10月より放送中のTVアニメ『ソードアート・オンライン アリシゼーション』OP曲「ADAMAS」と「赤い罠(who loves it?)」のダブルAサイド!

LiSAさんいわく、2曲共、アプローチや雰囲気は違いながらも「覚悟」を意識して作ったとのこと。カップリング曲も含めてシングルの全体像を語っていただきつつ、澤野弘之さんとのコラボで歌った『機動戦士ガンダムNT』主題歌、大規模だったアジアツアーなどについて語っていただきました!

今シリーズは新風が吹き込み、ハリウッドっぽい印象。アニソンをやり切ろうと覚悟して作った主題歌

――ここまでTVアニメ、劇場版などすべての『ソードアート・オンライン』のテーマ曲を歌われていますが、現在放送中の『ソードアート・オンライン アリシゼーション』のOP曲を担当することが決まった時はどう思われましたか?

LiSA(以下、LiSA):『ソードアート・オンライン』の曲を歌わせていただくのはアニメとゲーム併せて、今回で6曲目になるんですけど、TVシリーズのOP主題歌を歌わせていただくのは2回目で。

「crossing field」が《アインクラッド》編のOP曲、「シルシ」は《マザーズ・ロザリオ》編のED曲、「No More Time Machine」は《キャリバー》編のED曲、その後はゲーム主題歌の「Thrill, Risk, Heartless」と劇場版主題歌の「Catch the Moment」。TVシリーズのOP曲というのは作品の顔になるものだと思っているので、LiSAが今まで重ねてきたロックと、アニメにみんなが求めている新しさや期待感に加え、今までの信頼関係の中にあるアニメソングをきちんとやりきりたいと覚悟を決めて作ったのが今回の「ADAMAS」です。

――『ソードアート・オンライン アリシゼーション』をご覧になった感想は?

LiSA:毎週見ていますが、絵がめちゃめちゃキレイですね。ゲームの世界にすごく寄った感じがしました。ゲームというかアニメというより劇場版を見ている感覚に近くて。今までは物語をたどっている感覚でしたが、もっと『ソードアート』らしくなってきたというかハリウッドっぽくなった気がします。

監督が変わったり、いろいろな人に受け継がれて、チーム自体が新しい風が入ってきている気がしていたので、私もそのままアニメソングをやるというより、LiSAがこの作品にできることをやりたいなと思いました。

「ADAMAS」先行配信の大ヒットはアニメ制作陣の気合と愛のおかげ

――『ソードアート・オンライン アリシゼーション』のOP曲「ADAMAS」は先行配信されて、各配信チャートにて1位を獲得する大ヒットとなりました。

LiSA:うれしかったですね。作品自体の力もあるし、この曲も含めてみんなで頑張って作った結果だと思うので。1話は1時間スペシャルでそのEDで流していただきましたが、アニメのクオリティが素晴らしくて。みんなの気合と愛情をかけたものが評価されることはありがたいなと思います。

またライブツアーで既に歌っているんですけど、アニメで流れていたり、先行配信されたことで、まだシングル発売前なのに、お客さんがみんな完璧で。この曲にそれぞれの想い出や気持ちを重ねてもらっているなと思います。

「ADAMAS」に初めて「SWORD」という言葉を入れた意味

――「ADAMAS」はどんな想いで作詞されたのでしょうか?

LiSA:タイトルは「屈しない」とか「征服されない」という意味で、《アリシゼーション》編の原作を読ませていただいた時に『ソードアート』シリーズ全体に「覚悟」がテーマにあるのかなと。例えば最初の《アインクラッド》編も自分の大切なものを賭けたり、大事な人を守るために覚悟を決めて命をかけて精一杯戦う姿が描かれていて。これから始まるワクワク感と固い意志を歌えたらいいなと思って作りました。

あと歌詞の中に初めて「SWORD(ソード)」という言葉を入れています。昔のアニメソングって作品名やキャラの名前が歌詞の中に入っていましたが、感動したのは『つり球』のOP曲「徒然モノクローム」で、キャラの名前を歌詞の中に散りばめられていて、そういう意味があったり、作り手側の愛情が伝わる主題歌っていいなってずっと思ったんです。

でも「crossing field」や「シルシ」の頃はみんなが愛している『ソードアート』に私が安易に使う言葉ではないなと思って、あえて今まで使わずにきました。だけど《アリシゼーション》編はキリト君がソードスキルを引き継いでいたり、ユージオが剣で戦っていくことを選んだり、何かを切り開くなど剣にすごく意味があるなと思って。

使うならここだなと思ったし、これまで歌で作品に関わらせていただいて、作品を引っ張っていく仲間の中にやったと入れるのかなと思えたのが《アリシゼーション》編だったので、引っ張っていく意思も込めて。

ダイヤモンドの美しさでなく、過程と乗り越えた強さも表現

――「ADAMAS」にはダイヤモンドの原石の意味もあるんですよね?

LiSA:タイトルを決めて、ダイヤモンドのことを書こうと思った時、ダイヤほどきれいな印象を与えたいのではなく、ダイヤになるまでの過程や戦いを描きたくて。ダイヤのことを調べれば調べるほど、「だからアイツ一番硬いんだな」とか「一番高いんだな」って(笑)。

ダイヤはマグマの中でグツグツ煮えたぎった炭素が奇跡的に固まったものだけが黒焦げになって見つけられて、しかもダイヤの本物でしか削れなくて、本物で削られることでやっと輝くんです。

最初からキレイなのではなく、奇跡がいっぱい重なって、いろいろ傷ついたり、困難を乗り越えた人しか輝けない、それがとても魅力的だなと思うし、輝くさまがカッコイイなと。それが作品で戦っているキャラたちの意志の中にあるといいなと思って、ダイヤモンドをモチーフに書きました。

――2Aの「ハイエナの唾液まみれ ヘドロの道」など汚いものを表わすフレーズが対照的ですね。キレイな上辺だけでなく、内面によどむ汚さも含めて人間なんだと言っているようで。

LiSA:『ソードアート』の歌だけど、私の歌でもあって。ベストアルバムをリリースしてから自分はたくさんの人に生きさせてもらっているなと再確認できて、その人たちを引き連れて、一緒に遊んでいく未来が輝いていればいいなと思っていて。

そんな時に想い浮かんだのが、何かを切り開いて先陣を切っていくジャンヌ・ダルクで、革命を起こしていく女性戦士のような感覚だったので、その想いも入れ込めたらいいなと思って。「ハイエナ」は戦っていく途中に出てくる象徴で、困難や死神などネガティブなものが常に寄り添っていることも表現したくて使いました。

OPで流してもらうのが一番なんですけど、あまり関係ない景色を入れていくのはアニメの制作の方も大変だろうなと思ったので(笑)、自分の景色を固めるワードとしてできるだけ2番に入れました。

ストリングスも壮大ではなく、怒号や悲鳴をイメージさせる特殊なアレンジ

――ストリングスが入った疾走感とパワーあふれるサウンドです。

LiSA:元々はストリングスを入れてなくて。アニメのOP映像がどうなるのかわからなかったのでアニメの制作スタッフの方たちと相談したら、監督が思い描いているOP曲にはストリングスが入っている印象があったそうで入れました。

でも従来のアニメソングのような壮大でシンフォニックに入れるのではなく、オーケストラロック……怒号を表現するクラシックの感覚で入れようと。だから美しい音色ではなく、ヒリヒリした戦う意志を感じるようにとストリングスの皆さんには難しいオーダーをさせていただいて。

ストリングスが上のほうで「キャンキャン」と悲鳴にも聴こえるような、特殊に刻んで、ふつふつとした怒りのイメージでお願いしました。

――Dメロのラップパートでガラっと雰囲気が変わりますね。

LiSA:作曲のカヨコさんからいただいた時点でラップになっていて。その直前に「オオオオー」の合唱パートにストリングスが入っているんですけど、アレンジの(堀江)晶太君には、ライブでみんなに「歌って~!」って叫んでいる感覚でお願いしますと。

『アベンジャーズ』でバリアを破って敵がいっぱい入ってくるシーンがあって、いっせいに出て行く前の「行くぞ~!」とみんなで意思統一して奮い立たせるみたいな。それが「ADAMAS」全体であればいいなと思って。

LiSA節が炸裂! ライブに来る人は合唱など覚悟を持って!?

――ボーカルは全編に渡ってカッコよくてパワフルなLiSA節が炸裂してますね。

LiSA:私はどちらかといえば連発銃で、1回大きな弾を撃って終わりというより、小さい銃で途切れなく撃つタイプのボーカルなので、キーも含めて自分のホームグラウンドみたいな感じです。

私はみんなと一緒に戦っていく景色を思い浮かべながら歌詞を書いていたので、『ソードアート』も、私のライブもそうだけど背景にいつもみんながいる、みんなと一緒に歌える歌になればいいなと。

ライブでも一緒に歌える場所がたくさんあるので、ぜひ覚えて歌ってほしいです。Dメロのラップパートが難しそうだなと思うかもしれないけど、みんなのパートはできるだけ覚えやすいフレーズを入れてあるので(笑)。

――合唱のところなどお客さんもかなり体力を消費しそうなので、ライブでこの曲がかかったら皆さんも覚悟を決めたほうがいいかも(笑)。

LiSA:そうですね。走り出したらラストフレーズを歌い終わるまで止まれないので覚悟を決めてください(笑)。

「ADAMAS」のMVは歌詞同様に内面的な世界観を描写した不思議な映像

――MVはスペーシーな感覚があったり、分子構造などサイエンティフィックな雰囲気があったり、不思議な映像ですね。

LiSA:曲名をダイヤモンドにしなかったのは、キラキラした高価なものという印象があると思うんですけど、私が書きたかったのはダイヤの過程で、みんなの気持ちを作っていくまでの内面的なものだったので「ADAMAS」にしました。

歌詞も内面的なものを歌っているのでCGなどで壮大な世界観を作るより、内面的な葛藤や強さ、静けさだったり、分子など象徴的なものを入れることによって、もっと内側のものを感じてもらえたらいいなって。

――LiSAさんが座っている映像で、カメラアングルが球状に回るシーンもおもしろいなと。

LiSA:アレは結構酔いました(笑)。実は座っている私が動いているんです。あと落ちる時、腹筋が大変でした。アクション映画を作るのは大変なんだなと思ったり(笑)。

「赤い罠(who loves it?)」はワイルドさ&情熱さを秘めた、昔ながらのザ・ロック!

――Aサイドのもう1曲、「赤い罠(who loves it?)」はワイルドでアダルトさを感じさせつつ、部分部分でかわいさや弱さが見えて。

LiSA:田淵(智也)先輩からの挑戦状で、私と世間への。「歌えるものなら歌ってみろ」と言って渡されました(笑)。ダブルAサイドの2曲で、何かを貫くとか夢中になることには覚悟がいると思うし、それを貫き通すための応援歌として強いものが「ADAMAS」だとしたら、「赤い罠(who loves it?)」は何かを貫いたり、愛したり、大事にしていくことには時にリスキーなんだと。

「ADAMAS」が立ち向かっていく感じだとすれば、「赤い罠」はリアルな人間像が描かれていて、「そうはいってもそんなに強くなれないよね」って。「ADAMAS」はここぞという時の戦いだけど、普段からそんなふうには生きていけないので、もっと日常的かつ人間的に弱いところも表現できたらと思って作りました。

――ラブソングに聴こえて、大好きな人への片思い、あきらめきれない想いを情熱的かつせつなく歌っているような。

LiSA:そうですね。情熱と言っていただいて、しっくりきたんですけど、Dメロの手前にスパニッシュ風のフラメンコっぽいクラップが入っていますが、スペインって情熱的な国だったり、真っ赤という印象があったので、入れてみました。より女性らしい楽曲になったかなと。

――ロックでも昔のロックっぽいサウンドかなと。

LiSA:そうなんです! この曲は同期が入っていなくて、生演奏で昔ながらのロック、「ロックってこれだよね」というルーツみたいなものをやりたかったんです。

女性が甘える時や強気な時など感情の変化も歌声で表現

――歌い方も歌詞の感情と共にいろいろ変わるのもLiSAさんのボーカル力や魅力が感じられました。

LiSA:私は連発銃タイプなのでこの曲も得意分野で。それに加えて「赤い罠(who loves it?)」では女性らしさも表現できればいいなと思っているので、途中で入っている吐息など、女性が甘える時と強気な時の感情の声の表し方も意識して歌いました。

――こういう大人の女性っぽい感情を歌うようになったんだなと。

LiSA:もう31歳ですから(笑)。

――ちなみに曲名の由来は?

LiSA:最後に決めたんですけど、「ちぎれちゃった赤い糸の数だけ」というフレーズが印象的だったんで使いたいなと思って。

歌詞を書く時、夢でも恋でもいつも一途になりたいと思って赤い糸をたぐり寄せていたはずなのに、「これも違う」「あれも違う」と1個だけつながっているものを探していくんだなと思ったら、ちぎれた糸がいっぱい広がっていく絵が浮かんできて、全部赤い罠だったなと。

叶わなかった夢だったり、やれなかったことだったり、裏切られたことだったり、全部見せかけだったなと。それでこの曲名になりました。

――そしてラストフレーズの「Nobody loves it, tragic sweetest show!」に帰結するんですね。

LiSA:そうですね(笑)。

女性であることを受け入れて、カッコよさを追求した「赤い罠」のMV

――MVは真っ赤なセクシーなドレスで縄に包まれたり、ボンテージ風ファッションなど刺激的かつ衝撃的な映像でした。

LiSA:今まで私は自分が女性であるということがすごく嫌で。女だからとなめられたくないという気持ちが強くて、そういうことを武器にすることを嫌ってきて。だから男の子っぽい格好をしてみたり、胸元が開いた服や淡い色の服は着ないようにしてました。そんなパンク精神が強かったシンガーだったんですけど、大人になってきて女性であることが楽しくなってきて。それでだませるほど世の中が甘くないこともわかってきて(笑)。

だから女であることを楽しめたらいいなと思って、最近のパフォーマンスも自分が女性であることを意識したうえでやっていて、メイクしたり、スカートをはいたりするのも楽しくて。だから女性らしいMVにしようかなと。かといって媚びるわけではなく、女性のカッコよさが出せたらいいなと思って作りました。

――特にボンテージで本格的なムチを持って冷ややかな笑みはドSっぽくて。

LiSA:やっぱりそこなんだ。でも本格的なムチって何でわかるんですか? もしかしてそういう趣味が?(笑)

――残念ながらありません(笑)。女性らしいエロティックで異彩を放つ映像を見て、今年、椎名林檎さんのトリビュートアルバムに参加したことも影響があるのかなと?

LiSA:そうですね。女性的であるという意味では椎名林檎さんもそうですし、女性シンガーの方々は女性であることを受け入れたうえで音楽をやってらっしゃる姿を見て、魅力的だなと思える年齢に自分がなってきたんでしょうね。

――このMVを見たらドMな人もライブに集合してしまうかも?

LiSA:お叩き会をしようかな (笑)。実現したら思い切りやりますけどね。やったことないから加減がわからないので(笑)。

「スパイシーワールド」はみんなとOFF気分になれて、一緒に歌える曲

――ではカップリング曲のお話も。初回生産限定盤と通常盤には「スパイシーワールド」、アニメジャケットの期間生産限定盤には「1/f」が収録されています。まず「スパイシーワールド」はかわいくて元気でポップな曲ですね。歌詞も楽しいことが大好きな元気な女の子だけど、たまには弱くなったり、甘えてみたくなったりと女子は特に共感できるような。

LiSA:聴いてくれた人が、今日が楽しくなる曲になったり、みんなで歌えたらいいなと思って作りました。ここまでベストアルバムを出して、「ADAMAS」でカッコいい女性像をやって、「赤い罠(who loves it?)」で女性らしい曲を作ってと駆け抜けてきて。

ここまで常に戦闘モードで表面に出ているLiSAも大事だけど、自分がOFFになれるタイミングも必要だなと思えるようになったんですよね。そしてTwitterなど見てると、みんなもヒリヒリしているんだなと。そういう身近な人たちとのんびりできるタイミングがあるといいなと思って。

――確かにステージ上でキリっとした表情で力強くパフォーマンスする姿を見ることが多かったから、こういう曲を聴くとホッとしますね。

LiSA:そうそう。無敵モードばかり見ていると「たまには田舎に帰っておいでよ」という気持ちになるじゃないですか(笑)。

温かくて優しいメロディに日常的な光景をロマンチック彩ったラブソング「1/f」

――もう1曲の「1/f」は珍しく作詞も作曲もご自身でされていないんですね。

LiSA:作曲も作曲コンクールで選ばせていただいて。曲単体で純粋にいいなと思ってgoodtimesさんの曲を選ばせていただきました。とても優しいメロディで温かい歌だったので身近な歌、自分の気持ちでみんなが歌える曲がいいなと思って。

DREAMS COME TRUEさんの曲を聴いて思ったんですけど、カラオケなどで歌うと自分の歌に聴こえるんですよね。吉田美和さんが作った歌なのに。そういう歌があるといいなと思った時、私はそういうのが得意なタイプじゃないので、それを言葉にしてくれる人にと思って作詞を田中秀典さんにお願いしました。

――冒頭の「橙に浸されてゆく街 等間隔できしむ電車のリズム」や「そんな臆病さ見抜くように ボクに寄りかかる君」など、日常にありそうな光景を描きつつ、大切な「君」への想いを優しく歌っていて。ほっこりします。

LiSA:田中さんは「1/f」というタイトルもそうですし、「きしむ」や「ひっつきたい」などひねった言葉を入れるのが上手で。だけど日常的なロマンチックに話してくれる方ですし、女性が書く歌詞よりも男性が書く歌詞のほうが私にはしっくりくるので。

――LiSAさんの歌声も優しくて、心地いいんですよね。陽だまりの中や午後の電車で聴いたら眠ってしまいそうな。

LiSA:そうかも(笑)。私の声ってふくよかで愛情がある、母性的な声ではなく、どちらかというと少年性が強くて、ストレートな球を投げるほうが得意なタイプなので、壮大な愛情を歌うよりも身近で、少年的な感覚の歌の方が合うんですよね。

例えば「愛しているよ」という言葉もAimerちゃんから言われたらすごく愛されてる感じがするのに、私が言うとめっちゃ軽く聴こえて(笑)。だから私ならニコっと笑って、「大好き!」って言われたほうがうれしいと思うし。

言葉選びもどういう人が言っているかが大事だなと思った時、その温度感をくみ取るのが秀さんはすごく上手で、LiSAの声で、少年性を描けるものは身近な恋の歌がしっくりきて。初めはそれこそ吉田美和さんのような大人な恋愛を書いてくださったんですけど、歌ってみたら背伸びしている感じがして、歌詞を変えてもらったり、すごく寄り添って作ってもらいました。

澤野弘之さんとのコラボで『機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)』の主題歌も担当!

――このシングルの他の話題といえば、11月30日から全国公開中の劇場用アニメ『機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)』の主題歌「narrative」を澤野弘之さんとのコラボレーション、SawanoHiroyuki[nZk]:LiSAとして担当されています。

LiSA:ずっと澤野さんの楽曲の仲間に入りたくて。でも私の得意分野の楽曲ではないなと思っていて。Aimerちゃんと澤野さんのタッグも素晴らしくて、『機動戦士ガンダムUC』の主題歌『StarRingChild』を聴いた時、Aimerちゃんの良さや魅力を引き出したのは澤野さんだなって。

だから自分が歌うタイミングがあるとしたら攻撃的な楽曲になるだろうなと思ったし、それだったら私の得意分野も発揮できていいものができるんじゃないかなと想像していました。そうしたら今回のお話をいただいて、しかも初めての『ガンダム』作品で、ちょうど『機動戦士ガンダムF91』を見たすぐ後という。

――どうして『F91』を見ようと思われたんですか?

LiSA:『アニサマ』で森口博子さんとご一緒して、『F91』の主題歌「ETERNAL WIND~ほほえみは光る風の中~」を歌われてて、素晴らしい曲だなと思ったし、会場の方たちの曲への思い入れも肌で感じて。『ガンダム』に関わるってそういうことなんだなと思いました。

また私の周りに『ガンダム』ファンがたくさんいて、私が『ガンダム』について話そうとしても「お前なんかに何がわかる」くらいの勢いで何も話させてくれないほど(笑)。みんなの『ガンダム』愛の深さをわかっているから安易に関わることはできないし、関わるからには責任があるなと。だから澤野さんとの信頼も含めて委ねようと、LiSAとしてやりたいこととか自分の得意なことではなく、澤野さんが選んでくれた楽曲と自分の声を信じようと思いました。

――ストレートに歌っているので、心に届いて、染みとおる感じがしました。

LiSA:よかったです。

――MVもピアノを弾く澤野さんのかたわらで歌ったり、自然や宇宙を感じさせるような映像になっていて。

LiSA:「ADAMAS」とは真逆で、壮大な世界観を私がストーリーテラーみたいな感じで歌っていく映像で。「ADAMAS」と同じく、自分の意志を歌う曲なんですけど、でも映像は真逆というのがおもしろいなと思いました。

アジアツアーで海外にもLiSAの音楽の広まりを実感

――今年はツアーがいくつもあって、ライブ尽くしの年ですね。

LiSA:そうですね。ライブばっかりやってます(笑)。まず4月に「FUN & FANFARE」というライブハウスツアーを4カ所でやって、ベストアルバムをリリースしてアジアツアー「[eN]」を敢行しました。アジアツアーだったので漢字かなと思って、「妖(艶)」や「炎」、「縁」などいろいろな意味にかけて。

最初に東京と大阪でアリーナをまわった後、シンガポール、香港、台北、広州、上海を[eN]でつないで。前回、アジアをまわった時にはアニメで放送される1番を歌ったら2番はみんなが黙るという、みんなアニメが好きなんだなと。

ありがたいことですけど。でも今回はアニメの曲だけでなく、ライブ映像にしか入っていない曲やCDに入っていないみんなのコールも海外でも感じて、「ここ、日本かな?」と思ったくらい、歌ってくれて。私のことを認識してくれて、会いに来てくれているんだなと実感しました。続けてきてよかったなと思ったし、ベストアルバムらしいツアーになりました。

そこからホールツアーになって[core]に。ベストアルバムは私の核になる曲たちだし、初めての武道館前に47都道府県行って握手会をしたことでも感じましたが、みんな1人ひとりと生きている感覚があって。自分の足で会いに行くことが核だなと思って、このタイトルになりました。

来年1月からZeppツアーはストレートに楽曲でみんなと遊びたい

――そして来年1月からZeppツアーも始まりますね。

LiSA:[eN]からこのツアーまでで1つの流れになっています。[eN]と[core]をつなげて[eNcore]というタイトルで、ここまでベストアルバムからやったけど、せっかく作ったし、もうちょい遊びますか? みたいな(笑)。特別な演出もなく、楽曲だけでみんなと一緒に遊びたいなと思っています。

――では最後に皆さんへメッセージをお願いします。

LiSA:「ADAMAS」も「赤い罠(who loves it?)」もどちらもカッコイイ楽曲になっていると思うので、ぜひ皆さんに聴いてほしいなと思います。私自身、音楽が楽しいなと思いながら作った曲なので、音楽好きな人にも楽しんでいただけたら。

そして来年から始まるライブハウスツアーで生で聴いてほしいです。ステージでは私がジャンヌ・ダルクに見えると思うし、みんなと意志を固めて作るライブになっているので覚悟を決めて、一緒に団結して、楽しみましょう!

CD情報

LiSA「赤い罠(who loves it?) / ADAMAS」

2018年12月12日発売

◆初回生産限定盤(CD+DVD) 1,600円(税別)

 
◆通常盤(CD) 1,200円(税別)

※カップリング曲は「スパイシーワールド」を収録

LiSA「ADAMAS / 赤い罠(who loves it?)」

2018年12月12日発売

◆期間生産限定盤(CD+DVD) 1,600円(税別)

※カップリング曲は「1/f」を収録

「ADAMAS」はiTunes store、mora、レコチョクなど各配信サイトにて先行配信中!

シングル発売記念イベント

12月15日(土)東京・ゲートシティ大崎 アトリウム
12月16日(日)大阪・ツイン21アトリウム
トーク&ミニライブ(観覧フリー)

LiSA公式サイト

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