映画『がっこうぐらし!』阿部菜々実×長月翠×間島和奏×清原梨央インタビュー
1月25日(金)より公開となる映画『がっこうぐらし!』。本作は「まんがタイムきららフォワード」(芳文社)にて連載中の、海法紀光(ニトロプラス)と千葉サドルによる同名漫画が原作となっており、2015年にはテレビアニメが放送されています。
アニメイトタイムズでは映画『がっこうぐらし!』の公開を記念し、本作の主演であり、アイドルグループ「ラストアイドル」のメンバーとしても活躍する阿部菜々実さん(恵飛須沢胡桃 役)、長月翠さん(丈槍由紀 役)、間島和奏さん(若狭悠里 役)、清原梨央さん(直樹美紀 役)へのインタビューを実施。
映画初出演・初主演となる本作への意気込みや、撮影現場での共演者とのエピソードなどについて語っていただきました。
『がっこうぐらし!』のあらすじ
学校に寝泊まりする「学園生活部」の4名。シャベルを愛するくるみ(阿部菜々実)、ムードメーカーのゆき(長月翠)、皆をまとめるりーさん(間島和奏)、しっかり者の後輩みーくん(清原梨央)。おっとりした顧問のめぐねえ(おのののか)に見守られながら、賑やかで穏やかな毎日を元気いっぱいに過ごしている…はずが、現実は荒廃した校舎に蔓延る大量の”かれら”に支配された絶望的な世界だった―。
『がっこうぐらし!』という作品に対してプラスに働くものにしたい
ーー皆さんにとって本作が映画初出演・初主演作品となるわけですが、キャストに抜擢された際の心境を教えてください。
阿部菜々実:まさか自分が映画に出演できるとは思っていなくて、役柄も自分とは正反対の印象だったので、最初は「本当にできるのかな…」という不安でいっぱいでした。
撮影現場に入ってからも慣れないことや上手くできないことが多かったんですけど、終盤になるに連れて環境にも慣れてきて、胡桃(くるみ)ちゃんを演じることも楽しくなりました。
長月翠:私も発表されたときはすごくビックリしたのですが、抜擢されて素直に嬉しかったです。家に帰ってからも弟が「がっこうぐらし!に出るの!?」と驚いていて。
作品の人気を知って不安にもなったんですけど、撮影はすごく楽しくできました。
間島和奏:私は元々原作を読んでいたので、『がっこうぐらし!』のオーディションのお話を頂いたときに「絶対に受かりたい!」という気持ちが大きかったんです。
それから発表されるまで結構時間が経っていたので、「落ちちゃったのかな…」と思っていたときに受かったことを知らされたので、嬉しい気持ちでいっぱいになりました。
清原梨央:キャストはコンサート中の映像で発表されたんですけど、私の役は一番最後の発表だったので、それまで「自分は選ばれていないだろうな」と思っていたんです。
特に先に発表された和奏ちゃんは同じグループということもあって、「選ばれてすごいな〜!」と思っていたら、自分の名前が出てきて。すぐには実感が湧かなかったんですけど、コンサートで次の曲を歌っていたときに、嬉しさでボロボロと泣いてしまいました(笑)。
ーー突然発表されたらビックリしますよね(笑)。原作漫画やアニメをご覧になった際はどんな感想を持たれましたか?
阿部:私はこれまで漫画やアニメにあまり触れてこなかったのですが、『がっこうぐらし!』はすごく面白くて。面白い中にも絶望感や悲しさなどもあって、読んでいて色んな感情があふれてきました。
長月:私は夜中に真っ暗な部屋でイヤホンをつけてアニメを見ていたんですよ。そうしたら、第1話のラストシーンで「うわっ!」となって(笑)。あんなにアニメを見ていて怖がらせられたのは初めてでしたね。
清原:『がっこうぐらし!』は今までにない面白さというか、色んな要素が詰まっていて。ほのぼのとしたシーンもあれば、恐怖を感じるシーンもあったり。この作品の一番の見所は“どんでん返し”だと思うので、映画ではそこをどう表現するのかというのを考えながら見ていました。
間島:原作もアニメもどちらも人気だと思うんですけど、今回映画として実写化するにあたって、この『がっこうぐらし!』という作品に対してプラスに働くものにしたいなと思っていました。
その重圧は大きかったんですけど、自分もこの作品が好きなので「ファンだからこそ良いものにしよう!」という気持ちになりました。
ーー実際に役を演じられてみていかがでしたか?
阿部:くるみは活発で口数も多くて、あまり喋らない私とは性格的には正反対なんです。撮影ではアクションシーンが沢山あって、それがすごく楽しくて。
“かれら”とのタイミングを合わせたりするのはすごく難しかったんですけど、憧れていたアクションに挑戦できて、やりがいも感じました。
長月:私が演じたゆきは明るそうに見えるけど、抱えているものがあって。目の前の現実が見えているかどうかということではなく、それをみんなに感じさせないように振る舞うということが役として難しかったと思います。
そう考えると、ゆきは優しいキャラクターで、みんなを明るくするムードメーカーなところがすごく良いなと感じました。
間島:りーさんはお母さんのようにみんなを見守っているんですけど、原作の中で「なんで!どうしてこうなるのよ!」と叫ぶシーンや、ゾンビ化しそうなくるみを包丁で刺そうするシーンが印象的で。
今回の映画では「なんで!」のシーンを実際に演じたのですが、どうしたらりーさんの背負っているものが爆発してしまったあのシーンの衝撃を表現できるのかを考えていました。重要なシーンだと思うので、ぜひ注目していただきたいです。
清原:私は原作を読んだときに、一番好きだなと思ったのがみーくんだったんです。クールで淡々としている子が好きで、みーくんを見ていてカッコいいなと思っていました。自分が演じることになってすごく楽しみだった半面、実際に演じてみてすごく難しいなと感じました。
おのののかさんは本当にめぐねえのような存在
ーー撮影現場で特に印象に残っているエピソードはありますか?
長月:“かれら”がたくさんいる現場で(笑)。廊下とかも結構暗くて、夜は真っ暗になるんですよ。
そんな中で“かれら”役のエキストラさんたちと私たちの楽屋が隣同士になっていたんですけど、外にあるお手洗いから帰ってくるときに、先の見えない廊下の曲り角で特殊メイクをした“かれら”と遭遇して「うわっ!!」と声をあげてしまって。
でもエキストラさんは普通に「お疲れ様でーす」と流してくれました(笑)。
ーーゾンビ映画の現場ならではですね(笑)。本作にはめぐねえ役でおのののかさんが出演されていますが、共演されてみていかがでしたか?
間島:おのさんはよくテレビでも拝見していましたし、先輩ということもあり、撮影に入って最初の頃は恐縮していたところがあったんです。でも、おのさんから気遣って話しかけてくださって。本当にめぐねえのような存在だったなと思います。
長月:演技に対してもすごく真剣で、バラエティー番組で見ていたイメージとはまた違っていました。
阿部:台詞ではタメ口で喋っていたので「大丈夫かな…」と思っていたんですけど、おのさんから「役でもタメ口だから、普段も敬語を使わなくてもいいよ」と言ってくださって。
それから、お昼ご飯も一緒のテーブルで食べたり、私たちの話も楽しそうに聞いてくださって。共演できて良かったなと思います。
清原:本当に気さくで、私たちが話やすいようなアイドルの話題の質問をしてくださったり。おのさんのおかげで撮影の早い段階で本当の学園生活部のような関係性になれたと思うので感謝しています。
ーーめぐねえのように頼れる存在だったんですね。皆さんが『がっこうぐらし!』のような状況に陥ったとして、何か一つ大事なものを持っていくとしたらどうしますか?
間島:私は「あらゆるものから守ってくれるテント」みたいなものですかね。
長月:私は友達ですね。でも大事な親友が2人いて選べないから、携帯にします(笑)。
阿部:私はお父さんですね。お母さんと迷うんですけど、強くてなんでも知っているイメージがあるので。
清原:私は犬かな〜。でも人だとななみん(阿部さん)を連れて行ったら一緒に生き延びれそうな気がします。利用するじゃないけど…。
阿部:(笑)。
清原:私はポンコツなんですけど、ななみんは割となんでもできるし、一緒に居たら寂しくならないかなと思います。
ーー最後に、2019年の目標は何かありますか?
長月:『がっこうぐらし!』は主題歌もラストアイドルで担当していて、今本当に色んなチャンスを頂いているんです。特にそのチャンスに恵まれているのが1期生だと思うので、そこで力を存分に発揮して、仲間の後輩たちにもその喜びを伝えていきながら大きなグループにしていって、色んな方を幸せにできたらと思います。
阿部:私もラストアイドルとして2年目になるので、もっとたくさんの方に知っていただけるように頑張りたいというのと、個人としてもこれまで避けてきたことにも挑戦して、アイドルとしてどんなお仕事でもこなせるようになりたいです。
間島:今回主演という貴重な経験をさせて頂いて、お芝居をもっと頑張りたいなと思いました。演技の面でまだまだ足りていないなと感じる部分がいっぱいあるので、自分でも成長を実感できるくらいになっていきたいなと思います。
清原:2019年は飛躍の年にしたいなと思っていて、今年から映画やラジオの冠番組もやらせていただくようになったので、これまでよりも活発に色んなお仕事への幅を広げていって、これまでお世話になってきた方々にも恩返しができたらと思っています。
ーー素敵なお話をありがとうございました!
インタビュー・文:吉野庫之介 撮影:鳥谷部宏平
作品情報
2019年1月25日(金)全国公開
阿部菜々実、長月翠、間島和奏、清原梨央、金子大知、おのののか
原作:海法紀光(ニトロプラス)×千葉サドル「がっこうぐらし!」(芳文社「まんがタイムきららフォワード」連載)
監督・脚本:柴田一成
配給・宣伝:REGENTS