TVアニメ『同居人はひざ、時々、頭のうえ。』小野賢章さん×下野紘さんインタビュー|素晴とハルを中心につながる絆や深まっていく関係性に注目!
好評放送中のTVアニメ『同居人はひざ、時々、頭のうえ。』(通称、ひざうえ。)は、みなつきさん原作、二ツ家あすさん漫画担当の、webコミック「COMICポラリス」(フレックスコミックス)にて好評連載中の同名漫画をアニメ化。
他人が苦手で、人見知りの小説家・朏 素晴(みかづき すばる)と、過酷なノラ生活を生き抜いてきた猫のハルによる日々の暮らしを、ひと目線とねこ目線で描き、それぞれの想いが交互に織り成される物語です。
本稿では、インタビュー企画第2弾として、朏 素晴役の小野賢章さんと素晴の担当編集・河瀬 篤役の下野 紘さんに、キャラクターの印象や演じる上で意識したこと、作品の見どころなどについて伺いました。
素晴を支える河瀬たちを呼び寄せているのは“ハル”!
――作品を読んでの感想をお聞かせください。
朏 素晴役・小野賢章さん(以降、小野):猫が題材の作品ということで、実家で猫を飼っていたこともあって、ぜひ演じたいなという気持ちがありました。
原作を読ませていただいて、人付き合いの苦手な素晴が人と関わっていく中で、固まっていた心がどんどん溶けていくというか、少しずつ人間関係を作っていくことで変化していく心の動きや、作品の柔らかさ、優しさが読んでいて気持ち良かったです。発売されていたコミックス全てを一気に読み切ってしまっていて、その上で素晴役が決まったと連絡をいただいたので、すごくうれしかったです。
河瀬 篤役・下野 紘さん(以降、下野):実は、オーディションでは河瀬だけでなく、他の役も受けさせていただいていて、その中には猫のはちもいました(笑)。実際に決まったのが河瀬だと聞いて、僕の中で河瀬は大人なイメージがあったので「まさか僕が……」と。
実際に原作を読んでいけば、そんなに“すごく大人”というわけではないけれど、僕の中では思っていた以上に大人の部分があったので、僕が河瀬を演じることに関しては、ただただ驚きました。
――お互いから見て、それぞれお2人が演じるキャラクターの印象はいかがですか?
下野:素晴は物事を達観していて、クールなキャラクターかなと思いきや、アフレコを実際にしてみると思った以上に子供っぽいというか、幼いというか。大人なんですけど、妙な愛らしさがあるキャラクターだと思いました。実際に賢章くんの声が入った段階で、河瀬の気持ちがより分かってきて、素晴のことがどこか放っておけないという気持ちになっていきました。
元々の河瀬の特性もありますが、すごく親身になって接しているんです。素晴はそんなこと思ってないと思いますけど、河瀬は“素晴のお兄ちゃん”みたいな気持ちでいるんじゃないかなと、僕は勝手に思っています(笑)。
小野:今まで下野さんと現場でお会いする時は、やっぱり同級生か相棒かみたいなキャラクターで……。
下野:同じ(年齢)か、下かというね。
小野:なので、河瀬さんはやっぱり大人だなと思いました。この作品とかお芝居を見て思ったのが、普段は猫のハルにゾッコンで、すごく明るいところがあるんですが、ふとした瞬間に素晴のサポートというか、これはこういうことなんですよとか、良かったですねと気持ちの流れを説明してくれるような、そっと手を差し伸べてくれるところに大人の印象を受けました。
素晴はこじらせているところがありますが、河瀬さんだけじゃなく、諦めずに歩み寄って来てくれる温かい人たちに恵まれているなと思います。
下野:それを呼び寄せているのはハルだなと、すごく感じます。
小野:そうですね。
――印象に残っているシーンやセリフ、収録で実際にあったディレクションなどがあれば教えてください。
小野:素晴目線としては、お母さんのアルバムを見つけて、それまでの行動が全て素晴のためだったことが分かるシーンはすごく印象に残っています。
下野:あれは切ないよね。
小野:そうですよね。あのシーンから、親の愛情とか見返りを求めていない優しさみたいなものを、素晴が認識できるきっかけになっていたのかな、と思ういいシーンです。
素晴はコミュニケーション力が低くて、大人しい性格です。ずっとその調子でいくと、作品の印象が重たくなってしまうので、モノローグは明るい調子で、メリハリをつけてハッキリとさせるように心掛けています。素晴の心の声として、しっかりと出せてあげられたらいいなと思うシーンでは、監督や音響監督とも相談しながら収録しています。
下野:個人的には、矢坂家の兄弟たちが来た時の話が、とにかく今までにないくらい賑やかだったなというのと、そこからさらに、素晴がより前向きになったり、人とのつながりにより気づいたりと、少しずつ変わっていくきっかけの話でもあったような気がします。元々本人の予期しない、いい意味でのハプニングがずっと続いてきたからこそ、いろいろな人たちとの絆や関係性が濃くなっていったと思います。
あと、矢坂家の人たちが来た時の、河瀬のイキイキした感じが印象的です。ハルに初めて会いに来てから以降も、担当編集者とはいえ河瀬は毎回、本当に「何しに来ているんだろう?」と思います(笑)。そういう何げないきっかけから、みんな素晴とつながりを持っていって、素晴自身もそのつながりに対して突き放すのではなく、自分から少しずつ歩み寄って行こうという気持ちの変化が生まれていく。そこがすごく素敵だなと思いました。
――ちなみに、この現場ならではのエピソードなどはありますか?
下野:この作品自体、ものすごく劇的な事件が起こるとかではなく。日常の中で繰り広げられていくことが主になっているので、収録現場も大分ほのぼのした雰囲気ですね。誰かがワーワー騒ぐこともなく、和気あいあいとしつつ、事件があったとしたら……放送前スペシャルイベント“にゃんふぇす”ぐらいだよね。
小野:イベントですね(笑)。
下野:自分も騒いだ部分があるけど、何であんなことになったんだろうと衝撃でした。
小野:(笑)。なんですかね。
下野: “ひざうえ。”のイベントとは思えない賑やかさでした。
小野:僕は、あのイベントがあって良かったなと思います。一歩踏み出さないとなかなか出てこないような、出演者のパーソナルな部分がたくさん見られたので、それを見られた後のアフレコは違うと思います。猫を飼ってるキャスト陣も多いので、“うちの猫自慢”みたいなトークが始まったり。
下野:ゲストで来た方の中でも、そういう方が結構いたよね。
ハルたち猫の良いところ、困ったところも含めて癒される♪
――この作品を見た方もきっと猫が飼いたくなると思いますが、猫のいいところはどこだと思いますか?
小野:やっぱり、すぐ家に帰ろうと思いますね(笑)。癒しもそうですが、かわいがることだけが飼うことじゃないので、最後までしっかりお世話するという、しつけとして?ることもそうですし、命に対する責任感みたいなものが生まれるのは、実際に飼うことで自分も成長させてもらうところがあるなと思います。
猫好きは既に多いですけど、さらに増えたらいいなと思います。でも、洋服がひっかかれて伸びたりするので、そこは気をつけた方がいいと思います(笑)。
下野:僕の場合は、まだ実家に住んでいた学生の頃、両親が共働きで鍵をポストに入れて行ってくれていたのですが、時々入れ忘れたりするんです。家に入れなくなって困っていた時に、「もしかしたら、うちの猫が窓を開けてるかもしれない」と。ちょうどお隣の家と面している壁から、なんとかよじ登って猫が開けていた2階の窓から帰るということがちょこちょこありました。防犯の意味ではよくないんですけど。
小野:面白いですね(笑)。
下野:開けていないはずの窓が気付いたら開いていて。何だろうと思ってずっと観察していたら、猫が来てパパッと……しかも2段構えの鍵を2個とも外して出ていくという(笑)。
小野:頭がいい!
下野:いつの間に覚えたのか、そう考えると本当に猫は賢いなと思いますし、それで助けられた部分もいっぱいあります。作品でも描かれていますが、エサを取りたくていろいろ散らかされていたり、壁とか衣服が爪でボロボロにされていたりもするのですが……。
小野:そうなんですよね。うちもソファーとか……それは愛情で包み込みます(笑)。
下野:それは仕方ないよね、受け入れる(笑)。
――では、作品にちなみ、ご自身が追い込まれて思わずとってしまった行動はありますか?
小野:そうですね……追い込まれている時とか、不安な気持ちになった時は鼓動が上がるのか、多機能タイプの時計から通知が来て、液晶画面に“深呼吸すると落ち着きます”と表示されたりします(笑)。
下野:僕は追い込まれると、すごく笑います。1回大笑いして現実逃避してから、「で、今はどうしたらいい?」と仕切り直すことがあります。とりあえず、どんな場所でも笑えるので、本当に「ははー!」と笑って、そこから信じられないくらい汗が出てしまいます(苦笑)。
――最後に、放送を楽しみにしているファンの方へ見どころなどを含め、メッセージをお願いします。
下野:素晴という主人公とハルという猫を中心に、いろいろな人や猫たちが関わってくる関係性から、少しずついろいろな絆が生まれていく様子や、人と人との優しさが本当に温かく描かれている作品だと思います。皆さんにぜひとも見ていただきつつ、河瀬はその中でも賑やか担当の1人として頑張っていきたいと思いますので、応援のほどよろしくお願いいたします。
小野:とにかくハルがかわいいので、それだけで見どころではあると思いますが、僕は素晴を演じていることもあって、常に素晴の心の流れなども意識しながら、素晴とハルを中心に人間関係ができていく、築いていくところをすごく丁寧に描いている作品です。その辺りも一緒に楽しみつつ見ていただき、とにかく猫のかわいさに癒されてもらえればなと思います。
TVアニメ『同居人はひざ、時々、頭のうえ。』作品情報
【イントロダクション】
“癒される”と大反響!
不器用な青年と、一匹の猫がおくる大人気漫画がついにアニメ化決定!
発売後、たちまち重版が決定し、現在もCOMICポラリスにて好評連載中の
「同居人はひざ、時々、頭のうえ。」が待望のTVアニメ化!
他人が苦手で、人見知りの小説家・朏 素晴(みかづき すばる)と過酷なノラ生活を生き抜いてきた猫のハル。
ふとしたきっかけで一人と一匹はいっしょに暮らし始めるが・・・?
日々の暮らしを ひと目線とねこ目線で描き、それぞれの想いが交互に織りなされるストーリーが“心があたたまる”と話題に。
些細な時間を積み重ねて、僕らは「家族」になっていく――
ふたりでみつける幸せ一緒ぐらし。
【放送情報】
AT-X:毎週水曜 23:30~24:00
(リピート放送:毎週金曜 15:30~16:00/毎週日曜 8:30~9:00/毎週火曜 7:30~8:00)
ABCテレビ:毎週水曜 26:20~26:50
TOKYO MX:毎週木曜 24:00~24:30
BS11:毎週木曜 24:30~25:00
※放送日時は予告無く変更になる可能性がございます。
【配信情報】
dTV:毎週木曜25:00~
GYAO!:毎週木曜25:00~
※内容は変更になる可能性がございます。あらかじめ、ご了承下さい。
【キャスト】
朏 素晴:小野賢章
ハル:山崎はるか
河瀬 篤:下野 紘
矢坂大翔:堀江 瞬
押守なな:安済知佳
押守優伍:中島ヨシキ
はち:村瀬 歩
ろく:津田健次郎
秋元春:南條愛乃
ほか
【スタッフ】
原作:みなつき 漫画:二ツ家あす(COMICポラリス連載)
監督:鈴木薫
シリーズ構成:赤尾でこ
キャラクターデザイン・総作画監督:北尾勝
音楽:コトリンゴ
制作会社:ゼロジー
オープニング主題歌:Schrödinger's Cat adding コトリンゴ「アンノウンワールド」
エンディング主題歌:南條愛乃「君のとなり わたしの場所」