映画『BACK STREET GIRLS -ゴクドルズ-』岡本夏美×松田るか×坂ノ上茜インタビュー|岩城滉一、大杉漣ら名優との共演裏話も
ジャスミン・ギュ原作による実写映画『BACK STREET GIRLS -ゴクドルズ-』が2月8日(金)より公開となります。
『BACK STREET GIRLS -ゴクドルズ-』は、極道を貫いてきた男たちが、まさかの全身整形でアイドルデビューを果たし、人気急上昇によってアイドルとしての自分に目覚めながら、極道である本来の自分との葛藤に揺り動かされながら生きていく姿を描くコメディ作品。
アニメイトタイムズでは『BACK STREET GIRLS -ゴクドルズ-』の公開を記念し、ゴクドルズの3人を務める岡本夏美さん(山本アイリ役)、松田るかさん(立花マリ役)、坂ノ上茜さん(杉原チカ役)にインタビューを実施。撮影期間中の裏話や、共演者とのエピソードを語っていただきました。
盃を交わした兄弟のような関係
ーーゴクドルズの3人に抜擢された際のお気持ちを教えてください。
岡本夏美:最初は「実写化したらどうなるんだろう?」と思っていたんですけど、“笑いは世界を救うんだぞ感”というか、嫌なことを全部忘れて笑えるような作品だったので、それを実写化できるということに嬉しさを覚えました。
映画では人が演じるからこその気持ちの大きさやエネルギーを笑いに交えて伝えられたらいいなと思っていました。
松田るか:役が決まったときは嬉しかったです!この作品のオーディションでは演技のほかにも、「一番好きなアイドルの曲を歌う」という歌の審査もあったんです。
私はでんぱ組.incの「でんでんぱっしょん」を歌いながら踊ったんですけど、息切れしてその後の質問に受け答えできなくなってしまって。でも原監督はその姿を見てすごく笑われていたので救われました(笑)。
坂ノ上茜:私はオーディションの際に原作を読ませていただいたんですけど、そのときから「チカを演じたい!」と思っていたんです。
実際に二次審査からはツインテールで受けて、チカを意識したぶりっ子っぽい曲を歌って合格できたので喜びも大きかったです。
ーーみなさんが演じられているアイリ、マリ、チカは全身整形で男性から女性になったという役どころですが、役作りや演技で大変だったことはありますか?
岡本:男性が無意識にする仕草って、女性目線ではわからないんですよね。
例えば、ジャケットを着てズボンを履いている状態でどちらのポケットに手を入れるのかという場合、女性はジャケットに手を入れるケースが多いと思うんですけど、男性はズボンのポケットに手を入れることが多かったり。そういった細かい部分の男女の差は意識していました。
普通に女の子の役をやるときにはそういうことを考えないので、この作品ならではの大変なポイントでしたね。
撮影中の3か月はずっと走り続けていた感じで、一人だったら挫けていたと思います(笑)。
坂ノ上:あと大変だったことで言うと、ダンスやアクションシーンでの筋力不足と体力不足ですね。
岡本:あんなに濃い3か月はそうそうないよね。学生の部活のときの「あの2年は濃かったな…」みたいな感覚というか。それを一緒に経験したからこそ、この2人はただの友達という感じではなくて。
松田:「俺ら盃を交わした兄弟だろ!」みたいな(笑)。
岡本:でも撮影していた頃は私だけ19歳の未成年で。この2人は大人の仕事仲間として初対面からいっぱい話をしていたんですけど、それを見ていた一番年下の私は逆にメンチを切るくらいの感じだったんです(笑)。
でも蓋を開けたらみんな本当に良い人で、現場ではしっかり最年少として甘えさせもらいました(笑)。
ーー役に影響を受けて実生活に支障は出ませんでしたか?
岡本:私は坂ノ上さんの出演している「王様のブランチ」が本当に心配でした(笑)。
坂ノ上:(笑)。私はこの作品の撮影期間中に別の現場でのダンス練習も入っていたんですけど、役に引きづられていないか怖かったです。
岡本:私も別の現場で「どうしてあんなにメンチ切ってたの?」って言われた(笑)。
坂ノ上:言われるよね、「声掛けにくかった」とか(笑)。
松田:あとは当たりが強い言葉にも免疫がついたよね。「テメェ、ツラ貸せよ!」とか言われても、怯まずに「はい」って返せるようになって(笑)。
岡本:わかる(笑)。いつもなら女優が意識するべき「可愛く」とか「綺麗に」というのがこの現場ではゼロだったよね。
松田:“可愛く見えたら負け”というか。
岡本:白目になったり、口を歪ませたり、二重アゴになったり。そんなところで競っていました(笑)。
岩城滉一、大杉漣ら名優との共演
ーー本作は脇を固めるキャスト陣もすごく豪華ですよね。犬金組長役の岩城滉一さんとは現場でどんなお話をされましたか?
岡本:私は岩城さんと一緒にSNOW(自撮りカメラアプリ)を撮りました。「これ猫になれるんですよ」と誘ってみたら、岩城さんが「なんだよこれ!面白ぇじゃねぇか!」と(笑)。
岩城さんは役者として大先輩なんですけど、私たちのことをちゃんとプロとして対等に見てくださって。その心遣いが嬉しかったです。
坂ノ上:クランクアップのときにも、3人お揃いの時計をプレゼントしてくださって。
岡本:岩城さん節が入ったギラギラの…。大切に宝物として保管しています(笑)。
ーー昨年逝去された大杉漣さんもアイリが通う居酒屋の店主役として出演されていますね。
岡本:私は大杉さんとは『仮面ライダー1号』という作品以来2度目の共演だったんですけど、現場でお会いしたときに私のことを覚えてくださっていたんです。
今作でも大杉さんのセリフ全てが温かくて。大杉さんの心から出てきているような言葉に、アイリとしてではなく岡本夏美として感動して。
監督とは「アイリが悩んでいるシーンだから、涙がホロリと出たらいいよね」くらいに話をしていたんですけど、自分が想像していた以上に感情移入してしまって、気づいたらそのシーンで大号泣していました。
私も大杉さんのように相手の心に言葉を届けられるような役者さんになりたいと改めて思いましたし、大杉さんの役者魂やお人柄をあのワンシーンでたっぷりと感じることができて、本当に幸せだったなと思います。
ーー注目のワンシーンですよね。最後に映画を楽しみにしているみなさんへメッセージをお願いします。
岡本:生きていて辛いことも沢山あると思うんですけど、「こんな真面目にふざけたことをしている作品もあるんだな」とみなさんにフッと笑っていただけるような作品になれればと思います!
松田:この作品に登場する3人はそれぞれ悩みを抱えていて、その表情の細かな変化や一生懸命さは実写だからこそ表現できるものだと思っています。ギャグの中に人間味もある作品となっているので、みなさんのことを少しでも元気づけられたらなと思います。
坂ノ上:実写化作品ということで、原作やアニメファンの方々にも「こういうBack Street Girlsもあるんだ!」とテンポ感の違いを楽しんで頂ければと思います。
男女キャスト6人でがむしゃらにアホなことをやらせて頂いたので、観終わった後に「しょうもないな!」と笑い飛ばしてもらえたら嬉しいです!
インタビュー・文・撮影:吉野庫之介
映画『BACK STREET GIRLS -ゴクドルズ-』
2019年2月8日(金)公開
【STORY】
「俺たちの魂はいつまでもヤクザだ! 男の中の男! ……こんなんなっちゃったけど!!」犬金組の若きヤクザ三人組、山本健太郎、立花リョウ、杉原和彦の三人は、イケイケの組の中でも、特に活きの良い三人組だ。
社会のつまはじきものだった彼らは、自分たちを拾ってくれた組に強い恩義を感じ、【男として】【男らしく】【組の為に働く】ことを心に誓った! しかし、とある事件で不始末を起こした三人は、犬金組の組長の思い付きで、タイで性転換&全身整形をさせられてしまう!
そして組長は三人に「今日からお前らはアイドルだ!芸能界でのし上がって、バッチリ金稼いでこい!」と告げるのだった……! 確かに見た目は、とってもキュートな女の子になってしまったものの、中身はゴリゴリのヤクザのまま……とてつもない葛藤が彼らを襲う!
「お……俺達はヤクザだ……!」「なのに……なのに、どうしてこんなことを……!」「俺達のチ〇ポを返してくれ!!」
果たして三人は【女として】【可愛く】【組の為に働く】ことが出来るのだろうか!? ……誰も見たことのない「ヤクザでありながらアイドル」という葛藤を描く、前代未聞のアイドル伝説が幕を開ける!!
【CAST】
白洲迅
柾木玲弥
花沢将人
岡本夏美
松田るか
坂ノ上茜
菅谷哲也
浅川梨奈
秋山莉奈
高嶋香帆
小沢仁志
桜田通
大杉漣(友情出演)
岩城滉一
【STAFF】
原作:ジャスミン・ギュ「Back Street Girls」(講談社「 ヤンマガKC」刊)
脚本:増本庄一郎 伊藤秀裕
監督:原桂之介
製作:映画「ゴクドルズ」製作委員会
制作プロダクション:エクセレントフィルムズ
配給:東映
公式サイト
公式Twitter(@gokudorus_movie)
(C)2019映画「ゴクドルズ」製作委員会