この記事をかいた人
- 石橋悠
- 1989年福岡県生まれ。アニメとゲームと某王国とHip Hopと自炊を愛するアニメイトタイムズの中堅編集者。
ーー今回は取材に入らせていただきありがとうございました!
木内:いえいえ!
津田:とんでもない! こちらこそありがとうございます。
ーー『朝ナニ』はいつもこのスタイルなんですか?
木内:なんにもないです! なんの打ち合わせもなく。
津田:打ち合わせ、本当にないんですよ。
木内:今日も「はぁ〜」っていう瞬間が一回来たもんね?
津田:来ましたね〜。
木内:だって3回目だからね。ちょっとお茶飲もうかって(笑)。
朝会場に来て、二人でずっと喋って、休憩も二人で喋って、延々喋ってますからね。なのに話が尽きない。
津田:楽屋で喋っているそのままとステージ上が変わらないですね。
木内:あそこでできない話は楽屋でして、みたいな感じです。
津田:楽屋出るときもずっと喋ってるから、喋っているままステージ上がったりしますからね(笑)。
木内:で、この後二人でご飯食べに行くのが定番なんですけど、ずっと12時くらいまで喋ってますね。僕らはこの後も喋り続けるんですよ(笑)。
ツダケンと話してて話題が尽きないし、楽しいんですけど、それ他の人も言ってたんですよ。「津田さんと一緒にいるとずっと話してる」って。この人おしゃべりなんですよ。
津田:へ〜。あんまりおしゃべりっていうイメージが自分ではないんですけどね。
木内:気が合う人じゃないとあんまり話さないんだよね!
津田:あ、そうだと思います。
木内:俺だって、一言も喋らない現場ってあるもん。
ーーなんだか、今インタビューしていると、さっきステージで見た延長を目の前で見ているような感覚があります……(笑)。気になったのですが、『朝ナニ』はどうやって始まったんですか?
津田:2007年に『津田健次郎・木内秀信 夜のチラリズム』というラジオ番組をやっていたんです。それが本当に無茶苦茶な番組で。今だったらオンエアできないくらい!
木内:僕らはすっげーおもしろくてやってたんですけどね(笑)。
津田:例えば、“チラリちゃん”という犬のおもちゃを買ってきて、リードつけて散歩させてドッグカフェに行ったり……。
ーーそれはやばい!!!
津田:店員さんに「チラリちゃんにお水お願いします〜」とか言ったりね(笑)。
木内:イヤホンを仕込んでて、僕が遠隔で指示を出すんです。「じゃあ次は水もらってください」「犬用のメニューないですか? って聞いてください」って。
津田:僕の周りにはスタッフが誰もいないんですよ。
木内:そうしたら店員さんがやばい人が来たと思って、「可愛いですねワンちゃん〜!」って言うんですよ。
ーーぎゃー!!! やばい!!!
木内:「お名前何ていうんですか?」って。
津田:「チラリちゃんって言います〜」って。
木内:そういう番組をやってました(笑)。
津田:あと、わかりやすいところで言うと、初めて行くお店で「いつもの」って頼んでみたり(笑)。
木内:そういうくだらないことを僕らが考えて、毎週放送してましたね。
津田:そのときの構成作家が今大活躍している諏訪勝くんなんです。
ーーそれはすごい!
津田:『夜チラ』が終わって、ガラケー用に配信していた携帯ラジオに移ったんです。
木内:それが『昼ダラ』です。昼にダラダラするから(笑)。
津田:それも終わって、そこからしばらく何もなかったんです。でも、何かやりたいねって。
僕の個人イベントで木内さんにゲストに来てもらって、そこで「なんかやります?」っていう話になったんです。
番組じゃなくイベントでやりますか、となって『朝ナニ』です。
木内:二人とも演劇をやっていたので、舞台で何かやるのがいいねという話になったんですよ。
津田:そこで夜、昼と来たらか次は「朝に何する?」で、『朝ナニ』になりました。
ーーなるほど。今日お二人のお話を聞いていて、ラジオっぽいなと思ったのはそういう理由だったんですね。
津田:そうかもしれないですね。
木内:完全にラジオのフリートークですよ。身振り手振りがついているラジオみたいな。
ーー始まりも終わりもぬるっと終わったのでびっくりしました。
木内:時間で何をするのかが区切られているんです。出囃子の曲が鳴る時間も決まっているので、音楽が鳴ったら舞台に上がらないといけないんです。
津田:音楽が1分6秒あって、「音楽が鳴ったら出てください」って言われているだけなんです。
木内:「本番何分前です」「何分押してます」とかが一切ないんです。スタッフも楽屋に呼びに来ないんですよ。時間を決めて音楽鳴らしてもらっているだけ。というか、仕切るスタッフを作っていないんです。
津田:だから今日も時間読み間違えてちょっとステージに上がるのが遅れちゃったりもしましたね(笑)。やばい! 時間だ! って。
木内:でもおかげでストレスがまったくないですね。
津田:何を喋るのかもまったく決めてないですから。
ーー構成作家さんや演出さんがいないのはすごいですね。
津田:コーナー建てするのも、今までの流れだとなんか違うじゃないですか?
木内:確かにね。あと、物販もないんですよ。だからお客さんにもノンストレス。
津田:お客さんに配る用のチラシとかステッカー作ったくらいですね。
ーーお客さんと言えば、トークにあれだけお客さんが入っていくのもびっくりしました。
木内:普通にツッコミ入れられるからね。
津田:「違うでー」ってね。たまに言われますね。
木内:テレビ見ているような感覚だよね。今日も沼の話で「草は生えてない!」って普通に言ってたからね(笑)。
津田:そうそう。前まではキャパ120人くらいの小さいところでやっていたので、その流れかもしれません。
木内:前の会場はライブハウスだからお酒も飲んでいいし、ご飯も食べてもいいしだったから自由度が高かったんですよ。
ーーやはりお客さんが増えてきているんですね。
木内:増えて入るんですけど、もともとは東京ドームでやろうって言っていたんです。
ーー東京ドームですか!?
津田:東京ドームでただ喋るだけっていう(笑)。
ーーそれやばいですね(笑)。
津田:三回回しで(笑)。
木内:物販もなしでね(笑)。でもあんまり増えすぎても……。
津田:空気感が変わっちゃいますからね。
木内:今日も広すぎるくらいですよね。笑いが後ろまで届いてないようで、ちょっとね。
津田:ちょっと不安になりましたよね。最前列と最後列で温度差がでちゃうような気がして。
木内:でもやっているスタンスは変わらないですね。これでよければぜひ来てくださいという感じです。
ーーとなると、あまりPRしないほうがいいですかね……?
木内:いえいえ! 全然やってください!
津田:お願いします!!!
ーー(笑)。お二人の関係がこれだけ続いているのはなぜだと思いますか?
津田:仲がいいのはもちろんありますけど、価値観が合うんですよね。面白いと思うのが同じなんですよ。
木内:「なんでだろう?」と思うことが一緒なんですよ。答えがないんですけど、「これって面白くね?」って思う着眼点がお互いに面白いんです。
例えば、いい映画を見たら共感してくれるし、くだらない芝居を見たら同じくくだらないって言い合える。役者としての価値観も同じだし、普段見ている景色も近いのかなって。
津田:違うところは全く違うんですけどね。
木内:そう。そこも面白い。でも重なる部分が多いし、違う部分が面白かったりもするんですよ。
そういうのがネタになって、聞いてくれるお客さんが笑ってくれるんです。
僕らはお笑いじゃないんですけど、楽しんで帰っていただきたいですからね。
ーー今日の津田さんの話みたいに、隣の席で話しているおじさんの会話をなんとなく聞いているようなイベントなのかなと思いました。
木内:なんかわからない話しているけど、なんか楽しかったからいいや、みたいなね(笑)。あいつらバカだな〜ってね。
ーーあと今日もいろんな疑問が生まれましたが、不思議だなと思ったことはイベント後に調べたりしないんですか?
津田:そうです。
木内:調べないです。
ーー(笑)。
木内:どうでもいい話なので(笑)。答えはいらないんです! 今日出た沼と池の話も調べません!
そういえば、今言われて気づいたね! 俺たち調べないね(笑)。
津田:お客さんが後で調べてくれればいいんですよ!
木内:なんなら調べて俺たちに教えてくれ!
ーーでは、今回のレポートではその答えを書いておきます!
木内&津田:ぜひ!!!
ーーわかりました(笑)。出てくる話題も一般的なイベントよりもアウトローで楽しかったです。お二人はお互いにどんな存在ですか? 友達ですか? 仲間ですか?
木内:どっちもかなー。
津田:同志みたいなところもありますね。お互いにデビューが似ているんです。二人とも舞台をやっていて、ある日突然、声優の世界にポンと入ったような感じなんです。
それプラス、『テニスの王子様』という共通点が生まれて。
木内:お互いフリーで、振られる仕事が似ていたんですよ。イベントとかでも二人で呼ばれたり、セットで仕事をする機会が多かったんです。
だから旅先で話したり、楽屋で話すことも多くて。
津田:それでその時からずっとそんな感じだったんです。
木内:それでラジオをやろうかとなって。
津田:ラフなところも似ているのかもしれませんね。「もうどうでもいいやろ〜」って感じが。
ーーお二人を見ていると、一緒にいて楽なのかなと。
木内:楽!
津田:まぁ楽ですね!
木内:気を使わないですからね。
津田:しかも『朝ナニ』は他ではやっていないことのオンパレードですから。そこも面白いですよ。
ーーなるほど。そろそろお時間もありますので、最後に何か言いたいことがありましたらぜひ。
木内:僕は何もないです!
一同:(笑)。
津田:とりあえずお試しでみなさんには来てもらえればくらいですかね。
木内:年に2回やっているので来てください! 手ぶらで! なんっにもいりません。SuicaかPASMOだけ持ってきてください。
津田:そうそう。僕らのイベントを見た後に別のイベント行ったらええやん。
木内:そう。キャーって言いに行ったらええやん。
津田:こっちでは絶対にキャーって言う機会がないので(笑)。当日券が出そうな日だったら本当にふらっと来てくれればいいし。
木内:まぁ、ふらっと来てください(笑)。
ーーわかりました(笑)。今日はありがとうございました!
[取材・文/石橋悠]
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1989年(平成元年)生まれ、福岡県出身。アニメとゲームと某王国とHip Hopと自炊を愛するアニメイトタイムズの中堅編集者兼ナイスガイ。アニメイトタイムズで連載中の『BL塾』の書籍版をライターの阿部裕華さんと執筆など、ジャンルを問わずに活躍中。座右の銘は「明日死ぬか、100年後に死ぬか」。好きな言葉は「俺の意見より嫁の機嫌」。