【連載】『ソードアート・オンライン アリシゼーション』第14・15話 感想:松岡禎丞×島﨑信長 対談|次々に立ちはだかる《整合騎士》たち――
2018年10月より放送中のTVアニメ『ソードアート・オンライン アリシゼーション』(SAOアリシゼーション)。第14話「紅蓮の騎士」・第15話「烈日の騎士」が放送となりました。
※※※第15話までのネタバレが含まれています。本編視聴後にご覧いただくことをおすすめします※※※
カーディナルから世界の命運を託されたキリトとユージオが、《セントラル・カセドラル》の最上階を目指すべく、立ちふさがる《整合騎士》と戦っていく。第14話ではアリスを連れ去った本人であるデュソルバート・シンセシス・セブンと戦い、第15話では《整合騎士》という素性を隠していたリネル、フィゼル、そして《整合騎士》副騎士長ファナティオ・シンセシス・ツーと相対する。
そんな第14・15話の感想を、松岡禎丞さん(キリト役)、島﨑信長さん(ユージオ役)の2人がラジオ番組「ソードアート・オンエアー アリシゼーション」で語っていたので、そちらでのトークをお伝えしていきます。
<連載バックナンバー>
□【第1話】アンダーワールド
□【第2話】悪魔の樹
□【第3話】果ての山脈
□【第4話】旅立ち
□【第5話】オーシャン・タートル
□【第6話】アリシゼーション計画
□【第7話】剣の学び舎
□【第8話】剣士の矜持
□【第9話】貴族の責務
□【第10話】禁忌目録
□【第11話】セントラル・カセドラル
□【第12話】図書室の賢者
□【第13話】支配者と調停者
□【第14話】紅蓮の騎士 【第15話】烈日の騎士
□【第16話】金木犀の騎士 【第17話】休戦協定
□【第18話】伝説の英雄 【第18.5話】リコレクション
□【第19話】右目の封印 【第20話】シンセサイズ
第14話:“物分かりが良くない”ところがSAOの面白いところだなと思います
松岡禎丞さん(以下、松岡):第14話を振り返っていきましょう!
島﨑信長さん(以下、島﨑):デュソルバート・シンセシス・セブン!
松岡:因縁の“アイツ”ですよ。
島﨑:本当に! ユージオ的にはいろいろとたまらない回でした。
松岡:デュソルバートさんは第1話の1時間スペシャルの時と、(第12話で)矢をぶっ放してきたことがあっての今回だから。
島﨑:実は結構出ている男なんです、デュソルバートさんは。
松岡:彼もかわいそうな男なんだよね
島﨑:そうなんだよね。人格が思い切り変わっているわけではないし、もともとのデュソルバートさんの人格は、ちゃんと騎士道を持っているようなところがあるから、逆にそこがまたユージオ的には……。はっきりいうと悪い人のほうがラクなんだよね。憎めるから。
松岡:真っ黒のほうがね。
島﨑:そうそう。ただ憎めばいいから。だけど、憎むべき相手、ずっと恨んでいたはずの相手に、実は事情があってとか言われると、このやり場のない怒りはどこにぶつければいいの?という。
松岡:ユージオからしたら、デュソルバートのせいで人生が狂ったみたいなものだしね。曲解するとだけど。
島﨑:そうだね。アリスも彼によって連れ去られたわけだから。しかもそれを「覚えてない」というのがまた……。それもデュソルバートのせいではないんだけど、覚えてないというのは残酷で、それはユージオも怒るよと。自分の人生を変えるような、恨みとか憎しみとか憎悪とか、そういう負の感情をもっていたのに、何も覚えてないですって……。
松岡:それが真っ黒のほうの奴だったら別にいいんだけどね。「お前は今まで食べたパンの数を覚えているのか?」みたいな感じの奴だったらさ(笑)。
島﨑:それ、純粋なる邪悪だね(笑)。人格は誠実で覚えてないだけで、しかも騎士道みたいなことも言うから、(ユージオとしては)ふざけるな!となるよね。そこが、この第14話のキモの一つというか。ユージオの思いをどうしていくのかという今後にもつながっていく話なんですよね。憎しみとか、そういうものへの戦いになっていく。
松岡:キリトもキリトでユージオのことを抑えようとするんだけど、ユージオもユージオで抑えられないし、納得はできないからツラいよね。
島﨑:できないよ! やっぱり機械じゃないから。たとえば僕らみたいに小説を読んでアニメを見ているような、客観的な視点で見れば、デュソルバートにも事情があるから仕方ないよって思えるけど、当人だったら言えないよね。そういう“物分かりが良くない”ところがSAOの面白いところだなと思います。
松岡:今回も《アンダーワールド》を体現している話だったね。
島﨑:でも、キリトがいなかったらユージオはもっと堕ちていっていただろうね。
松岡:下手したら、デュソルバートを手にかけていたかもしれない。
島﨑:かけていたと思うよ。あの場にキリトがいないくらいだったら踏みとどまれたかもしれないけど、キリトと再会してないとか、そういうレベルだったら。まぁ再会してなかったらあそこまで到達はしてないんだけど。
あとPVで話していた「止まるな ユージオ!!」はこの回だったね。
松岡:前も言いましたけど、まさかあそこが使われるとは思わなかった。
島﨑:改めて見ると、すごくいいよね。それだけ魂がこもっていると、臨場感とか緊迫感がある。
松岡:でも、PVの中でもサビに行くところで、無音になったところで、「止まるな ユージオ!!」で、「RESISTER」(※新オープニング/ASCA)が始まるんだよ。そこだけを抜き出したら「これキリトですか?」と思われない?と、若干思ったもん。
島﨑:いやいや、全然大丈夫だよ! みんなはいい!と言ってくれてると思うよ。うん。
松岡:ぶっ飛ばされたところで起き上がりながらのセリフだったはずだから。
島﨑:そう。今回見ていただいてわかったと思いますけど、ここからボスラッシュです。本来なら正攻法では勝てない格上の相手が続くので、余裕はないんですよ。
松岡:そうなんです! 『ロックマン』なんです!
島﨑:『ロックマン』好きだね。『ロックマン』のボスラッシュだけど、ロックマンだったら、こっちも育っているよね?
松岡:そうそうそう。
島﨑:パーツとかゲットして強くなっていると思うけど、SAOはそうじゃないから。初見でいきなりボスだから。
松岡:そうなんだよな。だから『ロックマンX』なんだよな。
島﨑:でもあれよ、《武装完全支配術》。キリトのほうは「それは見てのお楽しみだ」と言っていたけど。
松岡:使い方次第で、ユージオとの相性もいいと言ってたね。
島﨑:《武装完全支配術》はつまりは必殺技みたいなものなので、どんなものなのかは楽しみにしていてほしいです。
松岡:皆さんにも「え? そういう技だったの?」と思っていただけると思うので。
島﨑:カッコいいよね、《武装完全支配術》。そして謎の少女2人が出てきたところで次回に続くという。
第15話:ファナティオさんのあれは「勝てるわけないじゃん!」と思った
島﨑:それでは、第15話を振り返りましょう。その前に第14話の映像を見られたんです。
松岡:《熾焔弓(しえんきゅう)》の炎の表現がすごかったね。戦っている最中に、ユージオの手が焼けていっている!というのがわかって。
島﨑:これは痛いやつだ!ってね。
松岡:そして柄から手を離さないユージオ。
島﨑:ね! しかも武器の記憶が解放され始めていて、氷属性が出てきたり。
松岡:この世界だからだけど、ユージオの感情の高ぶりと同時に、《青薔薇の剣》が同調して冷気が出てきているのが良かったね。
島﨑:あの表現は熱いよね! いやぁすごく良かった第14話。そして第15話を振り返ります。リネル・シンセシス・トゥエニエイトとフィゼル・シンセシス・トゥエニナインが登場しました。
松岡:この2人もねぇ……。これ、本当にさ、アドさん(アドミニストレータ)はクソ野郎だなと思ったんだけど(笑)。
島﨑:生い立ちがエグいよね。
松岡:《蘇生神聖術》の実験台で、お互いを交互に刺し合うってさ。「おまっ!ふざけんなよ」ってなっちゃうよね。しかもそれが天職みたいな扱いになっているという。
島﨑:いやいやいやいや!という話だよね、本当に。
松岡:それでどんどん発狂していく子もいれば、蘇生に失敗して肉の塊になっちゃう子もいるみたいな。
島﨑:その適正高かったリネルとフィゼルも、それもそれで悲しいというか。いろんなものがすり減って、常識がおかしくなっちゃっている。
松岡:痛みを感じたくないがゆえに、きれいに相手を殺す方法を思いついたみたいなことも言っていたからね。
島﨑:ホントにね! でも、それにイチ早く気づいているキリトがいて、そこはユージオとの経験の差だなと。
松岡:そうだね。
島﨑:ユージオはあまり人を疑うことを知らない子で、それはいいところなんだけど、そこからいろんなことがありはしたけど、子供にも初見でちゃんと警戒心を持っているのがキリトだよね。
松岡:毒武器(を見破るの)もそうだけど、最初の防御策というか、相手の油断を誘うためにあえて(受ける)みたいなところもあったしね。
島﨑:そこから、ファナティオ・シンセシス・ツー、《四旋剣(しせんけん)》が出てきましたね。ツーですよ!
松岡:やばいね。
島﨑:やばいし、強いよね!
松岡:強すぎるよ、あの人は。
島﨑:《整合騎士》の人ってさ、ちゃんと心を持っているというか。記憶は消されているけど、もとは人格者が多いんだよね。
松岡:騎士としての誇りだったり、己が今まで歩んできたプライドも、記憶は消されているけどちゃんと持っているからね。でもファナティオさんのあれは「勝てるわけないじゃん!」とちょっと思った(笑)。
島﨑:それこそチートだよね!
松岡:レーザービームだよ、もう。
島﨑:完全に“伝説の武器による伝説の技”だからね。
松岡:新オープニングでも出ているけど、ファナティオさんのレーザーが左から右へザーンって薙ぎ払っているところは、柱を溶かしているような感じで爆発しているからね。
島﨑:あそこいいよね! ギリギリでかわしているからいいけど…。
松岡:あんなの食らったら真っ二つだね。
島﨑:あとはキリトたちの《エンハンス・アーマメント》も出てきてますよ。ファナティオは《リリース・リコレクション》を使ったけど、自分たちの必殺技も出てきました。
松岡:位置付けとしては、《エンハンス・アーマメント》が奥義だとすると、《リリース・リコレクション》は秘奥義だっけ?
島﨑:そうだね。より大技。映像は見てないけど、すごいカッコいいんだろうなぁ。
松岡:そこでPVのユージオのセリフがあるのかな。
島﨑:多分。
松岡:第15話はどこで終わるんだっけ?
島﨑:キリトが、「エンハンス・アーマメント!」と言ったところ。
松岡:そうか! で、次回。
島﨑:みんな楽しみだろうね、キリトの奥義は何なんだ?と。本当にずっとボスラッシュだけど、アニメーターの皆さまお疲れ様です、いつも最高の絵をありがとうございます! OPもEDもめっちゃ良かったです!
[文/塚越淳一]
作品情報
【イントロダクション】
「ここは……どこだ……?」
気づけばキリトは、なぜか壮大なファンタジーテイストの仮想世界にフルダイブしていた。ログイン直前の記憶があやふやなまま、手がかりを求めて辺りを彷徨う。
そして、漆黒の巨木《ギガスシダー》のもとにたどり着いた彼は、一人の少年と出会う。
「僕の名前はユージオ。よろしく、キリト君」
少年は、仮想世界の住人――《NPC》にもかかわらず、人間と同じ《感情の豊かさ》を持ち合わせていた。
ユージオと親交を深めながら、この世界からのログアウトを模索するキリト。そんな彼の脳裏に、ある記憶がよみがえる。それは、幼少期のキリトとユージオが野山を駆け回る想い出――本来、あるはずのない記憶。
更にその想い出には、ユージオともう一人、金色の髪を持つ少女の姿があった。名前は、アリス。絶対に忘れてはいけないはずの、大切な名前――。
【放送情報】
TOKYO MX:10月6日より 毎週土曜 24:00~
とちぎテレビ:10月6日より 毎週土曜 24:00~
群馬テレビ:10月6日より 毎週土曜 24:00~
BS11:10月6日より 毎週土曜 24:00~
MBS:10月6日より 毎週土曜 27:08~
テレビ愛知:10月8日より 毎週月曜 26:05~
[配信情報]
AbemaTV:10月6日より 毎週土曜 24:00~(地上波同時配信)
*放送開始日・放送日時は編成の都合等により変更となる場合がございます。予めご了承ください。
【STAFF】
原作:川原礫(「電撃文庫」刊)
原作イラスト・キャラクターデザイン原案:abec
監督:小野学
キャラクターデザイン:足立慎吾 鈴木豪 西口智也
助監督:佐久間貴史
総作画監督:鈴木豪 西口智也
プロップデザイン:早川麻美 伊藤公規
モンスターデザイン:河野敏弥
アクション作画監督:菅野芳弘 竹内哲也
美術監督:小川友佳子 渡辺佳人
美術設定:森岡賢一 谷内優穂
色彩設計:中野尚美
撮影監督:脇顯太朗 林賢太
モーショングラフィックス:大城丈宗
CG監督:雲藤隆太
編集:近藤勇二
音響監督:岩浪美和
効果:小山恭正
音響制作:ソニルード
音楽:梶浦由記
プロデュース:EGG FIRM ストレートエッジ
制作:A-1 Pictures
製作:SAO-A Project
【CAST】
キリト(桐ヶ谷和人):松岡禎丞
アスナ(結城明日奈):戸松遥
アリス:茅野愛衣
ユージオ:島﨑信長
【主題歌】
オープニングテーマ:ASCA「RESISTER」
エンディングテーマ:ReoNa「forget-me-not」