TVアニメ『W’z《ウィズ》』江口拓也さん×山上佳之介さん対談|対照的なキャラクターの関係性を例えるなら「マジックペン」!?
MBS、TOKYO MX、TVQ、BS11にて放送中のTVアニメ『W'z《ウィズ》』は、アニメーション制作スタジオGoHandsによる映像美と、「世界的音楽レーベル」GOON TRAXが手掛ける音楽が融合したオリジナルTVアニメです。
主人公であるユキヤは、誰かと手をつなぐと“ジグラート”と呼ばれる世界に入ってしまう能力を持ち、その事により人間関係に苦悩。しかし、ある出来事をきっかけに、魅力的なキャラクターたちが織り成す親子関係やライバル、友情、主従関係など人との絆を通して、ユキヤが成長していく姿を描き出します。
そこで、物語の中でも関係性の深いキャラクターを演じるキャスト同士による対談を企画。第2弾は、ガイ役・江口拓也さん、マサタカ役・山上佳之介さんに、キャラクター同士の関係性や演じてみての感想、今後の見どころなどについて伺いました。
正反対のキャラクターだけど、物に例えると似ている2人!?
――まず、出演が決まった時のお気持ちを教えてください。
ガイ役・江口拓也さん(以降、江口):とにかくガイの印象が強く、受かった時はうれしかったです。オーディションを受けるにあたって、いろいろな能力を持つ人たちが戦うという概要を事前にいただいていて、さらにガイは、グローブみたいな腕に装備するタイプのニムロデ(武器)を使い、拳で戦うキャラクターでした。僕は熱血というか、熱いキャラが好きなので、オーディションで演じた時も楽しめたという印象です。
マサタカ役・山上佳之介さん(以降、山上):率直に、決まった時はうれしかったです。20歳を超えてから声のお仕事をさせていただく、初めてのアニメがこの作品だということもあります。オーディションをいただいた時もうれしくて。今回、ガイとマサタカの2人を受け、ガイに決まるのかなと思っていたら、マサタカだったので、意外に感じました。
――TVアニメ『ハンドシェイカー』と同じ世界観ではありますが、オリジナルストーリーという本作の第一印象はいかがでしたか?
山上:また、この世界が始まるんだなという感覚でした。TVアニメ『ハンドシェイカー』を拝見していたので、その世界にマサタカとして入れるんだ、とワクワクしました。
江口:台本と一緒に映像もいただくんですけど、初めて見た時に全部絵ができていて「こういう感じでやればいいんだ」と、ある意味でき上がった世界を見せていただいていました。
山上:世界に入りやすかったですね。
江口:当然難しさもあったけど、分かりやすいというのはありがたいことの1つですね。
――ご自身の演じるキャラクターの印象はいかがですか?
山上:マサタカは冷静沈着なんですけど、静かに周りから相手を攻めるというか、外堀を埋めて確実なところに収めるみたいなところがあって。第三者というか、目の前のことじゃなくて、一歩引いてその後ろから見ているみたいな感じです。でも、ふとした瞬間に寂しそうな表情を浮かべるところもありますね。
江口:明るいポジティブなキャラクターで、まだ見えていない繊細な部分も、多少見え隠れする……かもしれないです。基本、人の領域にもグイグイ入っていって、人を信用しているタイプなんだろうなと思います。
山上:ガイとマサタカは、本当に正反対ですよね。陰と陽だし、人を信じるタイプと裏があるんじゃないかと疑っているタイプで。真逆な性格の2人がペアになっているのも不思議で、そこもいいんでしょうね。お互い欠けちゃいけないような存在で、お互いにないものを引き寄せあってるのかなと思うので、僕はペアで注目してほしいです。
――今もありましたが、お互いにとって相手をどんな存在だと捉えていると思いますか?
山上:物に例えると、マジックペンではないかと思います。キャップを外したままでいると乾いちゃったり、いろいろな所を汚しちゃったりするじゃないですか。でも、ガイというキャップがあると安心していられるというか。ガイが、「俺がいるから大丈夫」とマサタカを包み込んでくれる感覚がありました。マサタカは、ガイがいるから安心して行動に移せるのであって、ガイがいなかったら全く行動にできないんじゃないかなと思います。
――先ほどの、ガイがポジティブなキャラクターだと伺うと、逆の印象も受けますね。
山上:確かに、どちらもありそう……。
江口:逆の見方もできるかも。ガイは割と、自分から人に入り込んでいっているので、相手が受け入れてくれたら良好な関係になるんですけど、そういうのが苦手だという人とはうまくいかなくて、失敗する描写もあります。
一方で、マサタカは踏み込んだら意外と素直というか、嘘はつかない。だから正直に言うことで、その言葉の鋭さで人を傷つけたりしてしまい、ある意味正直に生きれないからこそ、マサタカは人との距離をとっていて、溝を感じていると思います。そんなマサタカの内側に入り込んで、素直な、本当の言葉を掛けてくれるガイだからこそ、信用ができるのかなと思います。
山上:マサタカは、ストーリーの中でも結構鋭いことを言っていて、ガイが傷つくだろうと思うんですけど、ガイはポジティブだから言っても受け入れてくれる、受け止めてくれるので、良くも悪くもオープンにいてくれている存在だと思います。
江口:良い関係だと思いますね。
山上:ガイに身を任せてというか……江口さんに任せて、頼らせていただいています(笑)。
江口:僕ができることは何もないですよ(笑)。山上くんは声優を始めて、初めてのアニメということなので、これからいろいろな自分ならではのニュアンスとか、表現ができてくるんだろうなと思いますが、そこでそういうリアクションをとるんだという新鮮さや面白さもあり、聞いていて楽しいなと思います。
山上:こういう風に自分の演技について聞く機会がないので、改めて聞くと恥ずかしいです。
僕は、江口さんだから本当に良かったと思っています。これまで経験がないので、台本をいただく時から緊張して。練習して、いざブースに入った瞬間真っ白になっていたんですけど、ガイの、江口さんの声を聞いて「大丈夫。江口さんと会話をすればいいんだ」と思えました。
毎回難しいんですけど、#6、#7あたりのシーンでは、プチパニックというか「どうしたらいいんだろう、どうやったらいいんだろう」と、特に難しくて。江口さんに助けを求めたら、「一緒に乗り越えていこう」というような感じに返してくださったので、「江口さんについていったら問題ない!」と思えて、本当に良かったなと思います。
江口:マサタカは、初めて挑戦する役としては難しいところもありますし、その中で毎回工夫していろいろ考えてくるのはすごいと思うし、最終的にはお互い背中を預けられる仲になるので。
山上:本当に、江口さんに背中を預けてもらえるくらい頑張ります! 少しでもレベルアップにした自分を見てもらいたいです。
ガイとマサタカが出会い、共に夢を叶えようとする理由が明らかに!
――では、お互いのキャラクターが、初めて言葉を交わすシーンの収録はいかがでしたか?
江口:ガッツリとしゃべるのは、リアルでも初めてというところで。
山上:僕は、ずっと会いたかったです。
江口:どういうこと(笑)。
山上:(笑)。江口さんが出演されている作品を拝見していたり、声を聞いていたりしたので、ガイが江口さんだと聞いて「イメージができる!」と思いながら、収録までずっと早くお会いしたいという思いが強かったです。本番を迎えて、スタジオで江口さんにご挨拶した時に、隣に座ろうとおっしゃってくださったり、ペアとして接してくださったり。緊張した中でも安心感がありました。
声優さんはその場で、ポンと打ち合わせなしでお芝居を始められることもあって、それも初めての経験だったので、「もう始まるんだ」「ここで、ガイとマサタカについて話さなくて大丈夫かな」とか不安はありました。でも、直接、言葉で交わしたわけじゃないですけど、お芝居に乗せて「こうやればいいんだよ」と、自分は江口さんから受け取ったので。「これで大丈夫なんだ」「ここに乗っかっていったら安心だ」と最初は感じました。
江口:割りと、ガイは発信し続けるタイプのキャラクターなので、エネルギッシュに、ポジティブな部分をいかに出せるかということは、意識していたように感じています。発信したものをどう受け取ってもらえるかということで、その反応によって、僕の反応も変わってきたりすることがありますよね。
声優同士で、打ち合わせして何か演技するということは、なかなかないというか。アドリブでつなげる時にどういうアドリブを入れるかとか、声を合わせるセリフがあった時にどこで呼吸を合わせるかというのはありますが、後は自由で、自分がやりたいようにそれを持ってくるという感じです。そういった意味では、内容もその時々で変わっているので、特に擦り合わせとかなくて、リアクションもそれぞれに変わりますね。
山上:演じていて、すごく面白いです。自分も最初は完璧に作ってからと思ったんですけど、完璧に作ってくるんじゃなくて、相手の作ってきたものに対しての反応で変わっていくので、その場その場でもでき上がるし。その前の段階でもしっかりしていないといけないんですけど、アドリブが入ったり、その場のテンションだったり、受け手の反応が変わったりもあるので、面白いなというのが素直な感想です。
江口:共演者の皆さんとも初めてやるし、皆さんがつないで作り上げてきたものをガイとマサタカの瞬間でも出すというのがあるので、我々だけというよりは、みんなで作っていく空気感というのは感じられるようになっているなと思います。
――お互いのキャラクター以外で、注目している・気になるキャラクターはいますか?
山上:気になるのは、ミドリ、セバですかね。あの2人について、全く分からないじゃないですか。
江口:今のところね。
山上:不思議なもの、分からないものに、興味が引かれることがあると思いますが、この2人のことは見えてこないし、収録中もよく分からないことを言っていて、ずっと謎なので。
江口:気になるといえば、そうだよね。まだ直接会話をしていなくて、登場しても意味ありげなことを言うだけ、みたいなことしか今の段階では分からないので、彼らは何者なのかと。しかも、次回予告やってるし……。
山上:そうなんですよね、登場するキャラクターとは誰とも会っていないのに。
江口:なのに次回予告をやっていて、主人公かラスボスのどっちかでしょ、みたいな(笑)。どちらでもなかったら、それはそれで謎だし、結果として謎です。
山上:あと、ユキヤくんにはちゃんと注目してほしいです。ハルカと最初から噛み合っているようで噛み合っていないところが続いているので、今後も注目です。
――今後の展開や作品の見どころなどを含め、ファンの方へのメッセージをお願いします。
山上:本当に、悩んで考えて演じたので、すごく見てほしい反面、恥ずかしいので、あまり見ないように目を隠した手の隙間から見てほしいというか(笑)。ガイとマサタカが、なぜペアになって一緒に夢を叶えようとしているのかを描いてくださっていて、それに対して、自分たちがちゃんと世界観を作り上げられるよう悩みながら演じたので、そこを注目していただけたらなと思います。
江口:ガイとマサタカが、ここまでやってきたことのスタート地点や出会いが今後描かれるので、見ていただきたいと思いますけれども、引き続きTVアニメ『ハンドシェイカー』に出てきたキャラクターも次々出てきて絡んでいくので、そういったところにも注目ポイントがあると思います。
また、この作品は絵がすごく綺麗で。アニメーションとして、画面を見て感動を与えられるのはすごいことだと思うので、「すごい映像ですよ」と自信を持って言えるところも楽しんでいただきたいなと思います。
山上:さすがです!
TVアニメ『W’z《ウィズ》』作品情報
キャッチコピー
本音《ホンネ》で繋がる《ツナガル》。
立ち向かえ――運命に。
イントロダクション
荒城ユキヤ、たぶん14歳。
普段はひとりでDJやってます。
親の影響で、小さい頃からハウスミュージックを聴いてたから......
プレイ動画もちょこちょこアップしたりして。
誰かに何かを伝えたい。認められたい、必要とされたい。
けど、傷つくのは怖い。どこか噛み合わない日常......
ある日、視聴数を稼ぎたくてやったことが、取り返しのつかないことになってしまった。 『あの世界』からの生放送。 それをきっかけにボクは狙われ、人の願いと、想いの渦に巻き込まれていく。 自分ひとりではどうにもできない状況......
でも、誰かと一緒なら――。
スタッフ
原案:GoHands
原作:GoHands×Frontier Works
監督:鈴木 信吾・金澤 洪充
シリーズ構成:GoHands
シナリオ:八薙 玉造
キャラクターデザイン:内田 孝行
総作画監督:内田 孝行・古田 誠
メカデザイナー:大久保 宏
メインアニメーター:大久保 宏・谷 圭司・立花 昌之
美術監督:内藤 健
撮影監督:増本 由紀夫
音響監督:田中 亮
音響:グロービジョン
音響スタジオ:スタジオトロン
音楽:GOON TRAX
音楽プロデューサー:寿福 知之
アニメーションプロデューサー:菊地 貴紀
制作:GoHands
キャスト
ユキヤ:福原 かつみ
ミドリ:増田 俊樹
セバ:武内 駿輔
ガイ:江口 拓也
マサタカ:山上 佳之介
フミユキ:浪川 大輔
レイジロウ:福山 潤
ハルカ:藤田 茜
センリ:水瀬 いのり
ハナ:種﨑 敦美
タマリ:高橋 未奈美
ユキネ:日笠 陽子 他
主題歌
オープニング:竹中 凌平 『Reason』
エンディング:Fuki 『神様はきっと』
放送情報
MBS:毎週土曜 深夜26:38~
TOKYO MX:毎週土曜 深夜25:30~
TVQ:毎週土曜 深夜26:30~
BS11:毎週日曜 深夜25:00~
※諸事情により、放送曜日、時間、開始日が変更になる可能性がございます。予めご了承下さい。
配信情報
MBS動画イズム/TVer/dアニメストア/ビデオパス/J:COMオンデマンド/アニメ放題/U-NEXT/Hulu/FOD/ビデオマーケット/TSUTAYA TV/ひかりTVにて好評配信中
※配信日時は予告なく変更となる場合がございます。
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