リスペクトと信頼が生んだ漫画「虫籠の錠前 BUG&BAT」! 成田良悟さん&どーるるさん対談
2019年4月から漫画・ノベルサービス『comico』で連載が開始された漫画「虫籠の錠前 BUG&BAT」。
原案は「デュラララ!!」や「バッカーノ!」の著者である成田良悟さん。作画を担当するのは、デビュー作「こえ恋」がテレビドラマ化されるなどヒットを記録したどーるるさんだ。
WOWOWで2019年3月より開始しているドラマ「虫籠の錠前」のスピンオフ作品となる同作。ドラマ本編の裏側で起こっていたエピソードがどーるるさんのスタイリッシュな中にも温かみのある画風で描かれている。
今回、アニメイトタイムズでは成田良悟さんとどーるるさんの対談を行った。元々、成田良悟さんの大ファンだったというどーるるさん。
2人がお会いするのは今回が2回目。少し緊張した雰囲気の中、対談がはじまった。
※本対談にはネタバレの内容を含みます
「バッカーノ!」ドンピシャ世代なんです
――「虫籠の錠前 BUG&BAT」がスタートした背景をお聞かせ下さい。
成田良悟さん(以下、成田):元々、WOWOWさんから企画のお話をいただいた時に、ドラマとあわせて漫画版「虫籠の錠前 BUG&BAT」もスタートしました。
プロットに近いものを提出する段階から『comico』さんでも同時に進めていきたいという話が出ていまして。「ドラマのメインキャラとは別に漫画のメインキャラの設定もお願いします」と。
なので、最初の段階からドラマの流れとは別に、漫画で物語を進めるためのキャラとして二兎とマスターの2人を設定したんですよ。それからどーるるさんをご紹介いただきました。
どーるるさん(以下、どーるる):私も最初にお話をいただいた時に、WOWOWさんのドラマと連動する漫画という説明を受けました。「ドラマの内容と漫画の内容をどう組み合わせていくんだろう」。そう考えると、すごく面白い企画だなって思ったんです。
私は原案ありで漫画を描くのが初めてで。すごく緊張しました。ずっと少女漫画を描いていたので、これまでに描いてきた世界観と全く別物ですし。すごく勉強になるぞって。
また、原案が成田先生じゃないですか。学生の頃から先生の作品が大好きですごく読んでいたので。とても嬉しかったんです。
成田:ありがとうございます……!
どーるる:……(照)。私、「バッカーノ!」ドンピシャ世代なんです(笑)。自分が描けるかなって思ったのですが、精一杯描かせていただいています。
――成田先生とどーるる先生が直接お会いするのは何度目なんですか?
成田:どーるるさんと実際にお会いするのは2回目ですね。初対面の時はお互いの作品の話をしましたよね。どーるるさんの作品はテレビドラマ化していて、話題になった作品でしたので。すごく特徴的な作品ですよね、「こえ恋」。
ドラマでご出演されていた役者さんと声優さんがすごいなって(笑)。そんな話をしたり、「バッカーノ!」のお話をしたりしました。
どーるる:はい! 大ファンです……。
成田:ありがとうございます(笑)。後は、「『comico』の担当さんが平野耕太さん(漫画家 代表作「HELLSING」「ドリフターズ」など)のアシスタントだったんですよ」とか。
どーるる:(笑)。私がすごく緊張していたので、作品の話や雑談で和ませてくれたんです。実際は、『虫籠の錠前 BUG&BAT』を二兎とマスターのラブストーリーも含めたお話にしましょうだったり、大まかな流れをお話しました。
恋愛のお話は私の前作で描いていたので、成田先生が考える物語の中にどう恋愛要素を含ませるのか? というお打ち合わせをしましたね。
その後、最初にプロットをいただいた時に「すっごく面白い!」って思ったんです。このお話をどう漫画にしていけばいいんだろうって。
二兎ちゃんはすごく可愛らしいキャラクターですよね。この娘の可愛らしさをどう表現すればいいのか悩みました。
成田先生からは文章でお話をいただいているんですけど、少しコミカルな感じでセリフを言ったほうが可愛らしくなるかもって、解釈しながら描いています。
成田:実際に自分が想像していたよりも、キャラクターを可愛らしく描いていただいてるので、満足というか、一読者として楽しませていただいています(笑)。