天﨑滉平さん、野上翔さん、笠間淳さん、渡辺紘さん演じる「明るいだけじゃない」キャラクターたちを深掘り!|おとぎ話×音楽がコンセプトの『音戯の譜~CHRONICLE~』Bremüsik(ブレ―ムジーク)収録レポ&インタビュー
包容力バツグンの“お母さん”なエーゼル&“お父さん”なヤークに、実写化も声優キャストでOK?
――笠間さんのイメージとは真逆ということで、最初に笠間さんご自身でも「普段やらない」とおっしゃっていましたが、いかがでしょう?
笠間:本当に、エーゼルは優しくて。引っ込み思案という設定とかもあったので、なぜ優しいのか、なぜ他者から引っ込み思案と見られがちなのかと考えてみると、周りの環境やいろいろな感情を感じ取って、反応しちゃえるんですよ。
彼はたぶん、悲しい人を見ればすぐに悲しいなと思って寄り添うし、悪い人がいたら正義感を燃やすだろうし、環境や感情に素直に寄り添うタイプだからこそで。僕もある意味やりやすいなと思って演じました。
感情に左右されたり、ちゃんと自分の喜怒哀楽を出したりというキャラだと、「ふざけんじゃねえ!」みたいに、感情表現が強く出るキャラが多いんですけど、それが動のタイプだとしたら、エーゼルは静のタイプで。自分の感情をちゃんと出しつつ、自分の心の内で幸せを感じたり傷ついたりするタイプです。
「Bremüsik」を作るきっかけになったのは、彼がカッツェを誘ったからですが、彼の中に、無実の罪で宮廷音楽団の座を追われ1人になってしまったという思いがあったからこそ、他者に傍にいてほしい、自分と同じ境遇の他者がいたから本気で救いたいという風に反応して、仲間が集まってくる。
だからこそ、仲間を本当に慈しみたい、育みたいという思いを持って、すべての物事に当たっていると思います。それを母性と言ってしまえば、まさにそうなのかなという気がしますし、先ほど言ったみたいに僕が普段やらないお芝居なので、その辺も楽しんでいただけたらなと思います。
ヤークに関しては、お父さんなので(笑)。確実に自分ができないことを、ヤークならやってくれるかなと思っているんだと思います。例えば、カッツェとフォーゲルがケンカしちゃうと「あぁ!」、(渡辺さんの袖を引いて)「ねぇ(何とかして)」と。
一同:(笑)。
笠間:そういうタイプなので、ヤークをすごく頼りにしていると思いますし、難しいんですけど自分ができないところでの包容力を発揮してくれるヤークというキャラクター、さらにヤークに声を当てているひろひろ(渡辺さんの愛称)のブレないお芝居が多かったので。
渡辺:(笠間さんの方を向いて、うなずきながら)ほうほう。
野上:ちゃんと聞けよ(笑)。
笠間:(笑)。ブレないというお芝居をしていたので、これから先どんどん熟成させるにあたって、よくなるんだろうなという気がして、すごくいいな、楽しみだなと思いました。
渡辺:ほうほう(笑)。
――(笑)。では、渡辺さんお願いします。
渡辺:ヤークは最初、お兄さん的なポジションなのかなと思っていたんですけど、ディレクションを受けた時にお兄さんというか“お父さん”ということで、本当の家族で言えばお父さんは大黒柱じゃないですか。ということは、しっかり芯を残しつつ、この3人がいろいろな過去を持っていることを受け入れているということも含めて、どっしり、しっかり落ち着いていないといけないと。
どこかしら過去の出来事による思いがあるからこそ、いろいろなことに気を使うというか。全体を見たり、自分がしっかりしないといけないと思ったりするものの、頼れるところ、自分ができないところはいろいろな人に頼っていける、そういう信頼感も持っているヤークを出せたらなと思いました。
僕は最初、軽く演技をしてしまったところもあったのですが、そういったものを一切なくしていくうちに、ヤークトフントというキャラクターがしっくりきて。エーゼルはお母さん、カッツェとフォーゲルが兄弟で、家族としてこの4人で一緒にいるのは、ヤークはすごく楽しいんだろうなと。
彼らに助けられた恩もあるだろうけど、この4人でいるからこそ、今の自分は自分でいられるという気持ちがヤークの中にはしっかり芽生えているので、僕自身がどう表現できるかというところもありますが、顔見知りのキャストの方々と役を演じていく上で、つながり、絆というものが深まっていくのかなと思いました。
……で、ネコ(ミュート化したカッツェをからかう時の呼び方)ですね(笑)。
この4人のうち、過去の嫌な経験から、唯一譜人であることを隠していたと思うんですけど、本当の自分を隠して生きていくのは結構ツラいと思うんです。
でも、エーゼルの言葉で“ありのままでいいんだ”と気づいて、譜人として生きていく中で、すごく人のために生きていくのが好きで、それが自分の生きる目的ではないですけど、コア的なものがしっかりあって、このために生まれてきたんだなというのが、あまちゃんの声が入ることにより、さらに鮮明に感じました。
お茶目な部分もあって、3人はカッツェのことが大好きですし、譜に救われているところもあると思うので、カッツェの存在は4人の中ではすごく重要なポジションの子なのかなと。
いろいろなことに興味を持って、いろいろな所に行って迷子になってますけど(笑)。それが空気を良くしているといいますか、フワフワとしているけどカッツェが入ることによって「Bremüsik」というのがより鮮明に見えるというか、「これがBremüsikだ」というものの象徴の1人なのかなという感じです。
天﨑:(ヒーローっぽく)俺が、「Bremüsik」だ!
渡辺:リーダーはエーゼルだけど、中心がここにいる。「天﨑がいます!」ってね(笑)。
笠間:(笑)。「Bremüsik」のユニットとして見てほしいのは、もちろん譜っているところとか、関係性を感じるセリフとかも聴いてほしいけど、食卓のシーンも結構聴いてほしいです。
渡辺:確かに、結構食事の話が出てくるよね。
野上:ずっと食べてそうだもん。食事シーンまで描けそうなユニットのうちの1つですよね。
渡辺:焚き火が似合いそう。
野上:焚き火みたいな髪型してるしね。
天﨑:フォーゲルがね(笑)。
――ちなみに、他作品でも共演経験のある皆さんですが、今回の共演についてはいかがですか?
野上:ご存知いただいている方は分かっていると思うので、あえて言いませんけど(笑)。
その共演作品があって、僕個人でいうと、大小、回数の差はあれど、いろいろなスタジオで掛け合いをさせていただいたことがあり、みんながお互いのいろいろな部分を見てきた下地ができているので、また一緒にやれるんだと、僕自身が安心して演じられる皆さんとだったので、あまり変な意識はせず収録に臨めました。
天﨑:「Bremüsik」だからこそ、この空気感で良かったなというか。
渡辺:そうかも。大先輩とのユニットとかだったらね……。
笠間:(笑)。
天﨑:「ごめんなさい、何度も(録り直して)」みたいな(苦笑)。緊張して、自分たちが笑顔になれないと、「Bremüsik」が大切にしている笑顔とも違ってしまうので、ある意味良い方向に働いているのかなという感じがします。
――収録中も、仲が良いからこそのリアクションの早さというか。いい意味で遠慮のない感じが、逆に仲の良さを感じさせるなと思いながら拝見していました。
渡辺:うーん、全然ボケてないんですけどね。
野上:それだよ、それ(笑)。
――(笑)。他のユニットでは「初対面です」という方もいらっしゃったのですが、作品に関すること以外で話題に上がったことは?
天﨑:笠間さんが、おにぎりのことをおむすびと言っていて、かわいかったです。エーゼルの優しい感じがそこに出ているなと。
渡辺:エーゼルが今後、セリフで言うとしたら“おむすび”だろうねみたいな。
笠間:あったね! 「おむすび作ったよ」(笑)。
天﨑:それがいいなと。あとは、キャラクターがかわいかったり、お話も面白かったので、やっぱり台本上の話をすることが多かったですね。
野上:最初は僕と笠間さんが花粉の話をしていたんですけど、あまちゃんが入ってきて、紘が入ってきて……結局4人で同じ話題をしゃべっていることが多かったですね。
笠間:でも不思議なことに、朝4人がそろった時点よりも、「Bremüsik」としてラストまで録り終えた後の感覚は、やっぱり違いますね。
お芝居自体も、自分1人で作るわけではなくて。今日、来ていただいていた方々、全体で作るものなので、自分がこの現場のいていい場所、いていいところというか……みんなが、うまく収まるべきところに収まった状態で収録を終えられたので、キャストの関係性も作品を温かいものにできたのかなと思います。
僕はたぶん、朝来た時よりも若干、(お母さんという役どころを受け)女性っぽくなりました。
一同:(笑)。