この記事をかいた人
- 石橋悠
- 1989年福岡県生まれ。アニメとゲームと某王国とHip Hopと自炊を愛するアニメイトタイムズの中堅編集者。
——では最後に、お二人がこの作品を通じて受け取ったメッセージは何でしたか?
渡辺:あたりまえに思っていたことが改めて考えると、全く分からないということが分かるみたいな。それが考えるきっかけになり、映画を観た人それぞれが解釈をすることで物語が完成する。それが「命」や「宇宙」等色々あっていい。
ただひとつ大事なのは、琉花自身そこで感じたことは確かなことだということです。すぐには理解はできなくても、彼らに会ってとてつもない体験をこの子はしたんだという事実だけが最後に残るといいかなと。
「なぜ生きるのだろう?」またそれを見たいと思う「好奇心」はどこからくるのか? 普段考えないことに向き合うというのは、こういうことなのかなと。
芦田:特にラストの20〜30分は難しくて。私自身、色んな事を考えました。考えた結果、まだ答えは出ていなくて……。
でも答えが出るものじゃないのかなと思っています。
「人は言葉にしないと思っていることの半分も伝えられないけど、クジラたちはソングによって感じたことや思ったことを伝え合っている」というセリフがすごく心に響いています。
この世の中には、きっと言葉じゃ表現できないものがたくさんあるんだと感じるんです。
それを言葉にしなきゃとか、誰かに伝えなきゃとかではなくて、そのとき体全体で感じたことを大切にしたほうがいいんじゃないかなとこの作品を通して思いました。
[インタビュー/石橋悠 写真/相澤宏諒]
1989年(平成元年)生まれ、福岡県出身。アニメとゲームと某王国とHip Hopと自炊を愛するアニメイトタイムズの中堅編集者兼ナイスガイ。アニメイトタイムズで連載中の『BL塾』の書籍版をライターの阿部裕華さんと執筆など、ジャンルを問わずに活躍中。座右の銘は「明日死ぬか、100年後に死ぬか」。好きな言葉は「俺の意見より嫁の機嫌」。
【原作】
五十嵐大介「海獣の子供」(小学館 IKKICOMIX刊)
【キャスト】
芦田愛菜
石橋陽彩
窪塚愛流
稲垣吾郎
蒼井優
渡辺徹
富司純子
【スタッフ】
監督/渡辺歩
音楽/久石譲
キャラクターデザイン・総作画監督・演出/小西賢一
美術監督/木村真二
CGI監督/秋本賢一郎
色彩設計/伊東美由樹
音響監督/笠松広司
プロデューサー/田中栄子
【アニメーション制作】
STUDIO4℃
【製作】
「海獣の子供」製作委員会
【配給】
東宝映像事業部