「怒ってるだけじゃないし、寂しいだけじゃない」神崎エルザ starring ReoNa 原点を描 いた『Prologue』に込めた割り切れない感情【後編】
ReoNaの原点であるTVアニメ『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン』の劇中アーティスト“神崎エルザ”。作中では語られてこなかった“神崎エルザ”というアーティストが生まれた理由、歌う意味、絶望と希望。“神崎エルザ starring ReoNa”としては1年振りとなる作品で、その『Prologue』(プロローグ)が明らかになる。どんな思いでReoNaは再び神崎エルザとして声を、命を吹き込んだのだろうか。
インタビュー後編ではシングル『Prologue』のカップリング曲やジャケット写真、8月に発売を控えているReoNaとしての原点を詰め込んだ『Null』について教えてもらった。
「怒ってるだけじゃないし、寂しいだけじゃない」
──2曲目の「Dancer in the Discord」に関してはどうでしょう?かなり激しい曲で。
ReoNa:「Disorder」「Independence」のような激しさのある曲ですが……ReoNaではここまで激しい曲はあまりなくって。私のなかではこういう歌い方をする曲ってエルザだけなんです。だからこそ「エルザの曲だ」とより強く感じました。
──怒り、希望、さびしい。激しい曲のなかに、色々な感情が入った曲ですよね。
ReoNa:そうなんです。怒ってるだけじゃないし、寂しいだけじゃない。複雑なところを楽曲にして描くのがエルザの曲だと思ってます。
──作詞は草野華余子さん、作曲は毛蟹さん、編曲は堀江晶太さんという新たなタッグで。
ReoNa:すごいですよね……! まさかこんな布陣で楽曲を制作させてもらうことになるとは。楽曲をもらったときに華余子さんご本人が仮歌を歌われていて、「うわーカッコイイ!」と。
サビ終わりの<Discord>や<“Mirror mirror, you don't know who I am”>のところがすごく勢いがよくて。勢いのままに歌っていいんだよ!ということを歌詞で示していただきました。ReoNaとしても歌っていて気持ちいいところを華余子さんに出してもらいました。
──「新世界より」をモチーフにしたメロディ、そしてオペラのようなボーカルが入っていますが、あれはどなたなんでしょうか。
ReoNa:主線は山口たこさんなんですが、現場にいたスタッフさんや、堀江晶太さんの声も入っています(笑)。実は女性オペラっぽい声は華余子さんも入っています。で、いちばん上を歌っているのは私で山口たこさんwith神崎オペラという感じでした。めちゃくちゃですよねえ(笑)。
でもこの“めちゃくちゃ”もエルザあるあるで。「Independence」のときのラップってブースに入って初めて聴いているんです。こういう土壇場感とかもReoNaっぽいなって。
──華余子さんも現場にいらしていたんですね。
ReoNa:いらしてました。華余子さんは姉さんって感じですごく頼もしかったです。もともと『ガンゲイル・オンライン』をめちゃくちゃ観ていて、小説も読まれてて。実は華余子さんとはデビュー前にライブをご一緒させてもらったこともあるんです。ずっと前からどういうお歌を歌いたいかを知ってくださった上でこの歌詞をあげていただいたので、安心して華余子さんの言葉でお歌を歌わせていただきました。
──きらびやかで不思議な音が散りばめられてますが、あれってなんの音なんでしょう?
ReoNa:聴いたことのない音がいっぱい入ってますよね。ピアノを叩いたような音とか、曲中で聴くのは珍しい音、SEのような音がたくさん入ってて。これは堀江さんマジックですね(笑)。トラックダウンにも行かせてもらったんですが聴いたことのない音をたくさんあげられていて。また新しいエルザが見えるような曲になっています。