人気マンガ『かつて神だった獣たちへ』アニメ化の軌跡|MAPPAプロデューサー 大塚学 独占インタビュー【後編】
かつて大きな戦争を終結に導き、今では「獣」と呼ばれる擬神兵たちと、彼らを追い、狩るハンクの旅と「戦い」を、ファンタジー+リアルに描いた衝撃のアニメ『かつて神だった獣たちへ』(講談社刊)が2019年7月1日(月)からオンエア開始!
アニメ放送目前の今、アニメ制作を手掛けるMAPPAの大塚 学代表へインタビュー! 前後編に渡ってインタビューをお送りしますが、今回の後編では『かつ神』アニメ化の経緯や見どころなどについて語っていただきました。
□ユーリ、ゾンビランドサガ…大人気タイトル制作の裏側に迫ったMAPPAプロデューサー独占インタビュー前編
親の仇と旅する少女のロードムービーと帰還兵のドラマに興味
――『かつて神だった獣たちへ』のアニメ化までの経緯を教えてください。
MAPPA代表 大塚 学さん(以下、大塚):『DAYS』の時に講談社さんからの仕事の流れがあって、『かつ神』のアニメのご提案をいただいて。もっと早いアニメ化を希望されていたと思うんですけど、スケジュールとタイミングをみて7月からのオンエアになりました。
――アニメ化したいと思った理由や魅力を教えてください。
大塚:一番最初におもしろいなと思ったのが、シャールが親の仇であるハンクと旅をするところがロードムービーとして魅力的だなと。だからハンクとシャールの関係性を大事に描きたいなと思いました。
あと僕は海外ドラマが好きで、帰還兵の物語にも興味があって。戦争経験がないので本質は理解できないけど、そんな映画もたくさん見ていたので、アニメ化の際にいろいろなアプローチをしてみたいなと思いました。
『ユーリ!!! on ICE』の宍戸さんと大きなことを。キャラデザインと作画監督は絶対的信頼を置く新沼さんに
――制作スタッフの座組はどのように決まっていったのでしょうか?
大塚:宍戸 淳監督はとても優秀な方で、『ユーリ!!! on ICE』で副監督をやってくれて、社内でも大きな存在だったので、宍戸さんで何か大きなことをやってみたいなと思っていた時にちょうどこのお話をいただいたので、すぐにお願いして引き受けていただきました。
そして絵もしっかり会社として作っていきたいなと思った時、うちの社員の新沼大祐さんという絶対的に信頼できる方をキャラクターデザイン&総作画監督にあてて、手堅くやっていきたいなと。
――ちなみに原作のめいびい先生や編集サイドからのオーダーはあったのでしょうか?
大塚:アニメ化する際にこちらから先生と講談社さんに説明したら受けて止めてくれて。いろいろ相談したり、コミュニケーションをとりながらも現場を尊重してくださったので、とてもやりやすいです。
うちはかなり恵まれていて、原作の先生がアニメの現場を大切にして下さる方ばかりだったので、互いに尊敬の念を持ちながら作品作りに集中できています。