『ラブライブ!サンシャイン!!The School Idol Movie Over the Rainbow』Guilty Kiss連続インタビュー第2回:小林愛香さん│夢の舞台を乗り越えて変化した世界と、Aqoursの新たなスタート
「Aqoursと出会えて良かったね」
――そんなイベントが続く中で劇場版が公開されました。完成した本編を初めてご覧になったときはいかがでしたか?
小林:めちゃくちゃ泣きました。3年生は次の未来に羽ばたいたこともあり、みんながどこか遠くに行ってしまうような気がして。悲しいし、寂しいですが、Aqoursのその先の未来を観ることができたので、個人的には嬉しさの方が大きかったです。
むしろ「ここでAqoursを終わりにしよう」と言われたらどうしようと思うくらいだったので。新たな道を切り開いて、Aqoursとして進んでいく姿を観られて感動しました。
――3年生との別れも、決して後ろ向きなものではありませんからね。
小林:もう始まった瞬間からずっと泣いていて……こんなにも泣くとは思わなかったから、みんなでティッシュをリレーしつつ涙を拭っていました(笑)。
――(笑)。収録当時のことは覚えています?
小林:もちろん覚えています。3日間集中して収録しましたが、1日目は序盤のシーンのため3年生は登場しなかったんですよね。3年生キャストは2日目以降の合流になりましたが、3人が居ないと不安になっちゃって(苦笑)。
もちろん、月ちゃん(黒沢ともよさん)たちも居ましたが、Aqoursが6人しか揃わないことに寂しさを感じていて。物語の展開は分かっているはずなのに、泣きそうになりながら収録に臨んでいました。
――まさに作中の6人みたいですね。3年生の不在にどこか寂しさを感じていて。
小林:たしかにそうかもしれません。だから作中でSaint Snowに言われたことは的確なのかなって、演じ手としても実感しました。
――本編中では特にどのシーンが印象に残っていますか?
小林:う~ん……いっぱいありますけど、やっぱり自分の中では『Next SPARKLING!!』のライブシーンが一番大好きです。居なくなった3年生を見た千歌ちゃんが、差し出した両手を胸に当て、9人揃ったライブシーンへと繋がっていく流れは本当に感動しました。きっとファンの方も、このシーンを好きな方は多いと思います。
その後、みんなで手を繋いで円になっているシーンがありますが、私たちが円になるのは大切なときだけなんですよ。それこそ『Brightest Melody』は円から始まりますが、そういった大切な場面でしか円にならなくて。だからこのシーンは本当に心に残っています。
さらに、2番の途中からはエンドロールが流れて、そこで余韻を感じていましたが、その間も私はずっと泣いていて。もしかしたら、この気持ちを落ち着けるための配慮なのかなと考えつつ(笑)。
エンドロールには善子の名前と私の名前、キャストみんなの名前、さらに作品に携わってくださった方の名前が流れていって、改めて多くの方に支えていただいたおかげで完成した作品なんだと実感しました。
――善子のお気に入りシーンについてもお聞かせください。
小林:鞠莉のお母さんが1・2年生に対して3年生を探してほしいと伝える場面、降ってくるコインチョコの最後のひとつが善子の頭に落ちてきて「あたっ」となるシーンが大好きなんです! こういう不運なところが愛おしくて(笑)。
あとは、鞠莉の知り合いの別荘で9人が揃うシーンで、何故か善子がバルコニーから落ちるところでしょうか。そもそもどうしてあんなところに登ったのか分かりませんし、よく怪我をしないで済んだなと(笑)。テロップで「この堕天使は特別な訓練を受けています。良い子は真似しないでね」と入れてほしいくらいです(笑)。
――たしかに(笑)。また、最後のライブを手伝いに来た中学の同級生と再会するシーンもありました。
小林:過去に闇を抱えているというか、消したい黒歴史がある子だとは思いますが、ちゃんと連絡先を交換していたので、個人的にはそのシーンに成長を感じました。
――TVアニメ1期の頃の善子だったらできませんよね。
小林:きっと逃げていたと思います。でも逃げなかったのは、Aqoursのみんなが善子を認めてくれたからこそ、善子の居場所がAqoursにできたからこそ、自分の過去にも踏み込むことができたのかなって。だから「Aqoursと出会えて良かったね」という気持ちになりました。
――では、1年生を演じる立場から2・3年生を見ていかがでしたか。
小林:未来に羽ばたく3年生を見て、きっと2年生も同じ悩みを持つと思うんです。でも、本作では、3年生の卒業を経て成長を遂げた姿が見られたので、きっと彼女たちならこれから先も大丈夫なんだと、本作を観て確信しました。
もちろん、全体的に見て1年生にも成長が感じられました。個人的に「1年生もいつかは後輩を引っ張っていく立場になるのかな」といったことを考えながら彼女たちの姿を見ていて。それぞれ個性が濃い面々ではありますが、バラバラそうでいて意外とまとまっているので、これからも上手くやっていけるんだろうなと想像しています。
――作中には2度、6人の砂浜ランニングのシーンがありました。序盤ではヘトヘトになりながら2年生の背中を追いかけていましたが、終盤にはその背中を追い越す姿が描かれていて。
小林:冒頭ではあんなにもツラそうにしていたのに、イタリアでのライブやSaint Snowとの「ラブライブ!」決勝延長戦を経て、“2年生についていこう”という気持ちが“2年生を追い越そう”という気持ちに変化したと思うと本当に愛おしいですね。
個人的には、まだまだ子供だと思っていたんです。それこそTVアニメ1期の最初の方は、まだまだ何もできないし、個性がバラバラで別々の方向を向いていました。本人たちもお互いに“Aqoursに所属する同じ1年生”くらいの認識だったと思います。
でも、Aqoursとして同じ目標に向けて活動をしていると、こんなにもまとまり、自分たちで頑張ろうと思う気持ちが芽生えるんだと感じて。本当に成長したと思いますし、私も背中を押してもらえたような気がしました。
――7月26日(金)には本作のBlu-rayが発売となりますが、改めて見返してほしいシーンを挙げるとすれば?
小林:やっぱりライブシーンは細かいところまで観てもらえると嬉しいですね。Blu-rayだとお家でゆっくり観られると思うので、新たな発見をしてもらいつつ色々な楽しみ方を探してみてほしいです!
とはいえ、私たちよりもファンのみなさんの方がたくさん観て、いっぱい考えてくれていると思いますが……!(笑) 私たちも負けないようにたくさん観て、様々な発見ができればいいなと思います!