JUNNA 4thシングル「イルイミ」インタビュー|ソロデビュー2周年で感じた歌の変化
『妖怪人間ベム』50周年記念作品/TVアニメーション『BEM』のエンディングテーマを、JUNNAが担当する。4thシングル「イルイミ」の作詞・作曲・編曲を手がけるのはDragon Ashの降谷建志だ。
JUNNAのあらたな魅力を引き出した新曲について、たっぷり語ってもらった。
イルイミを探すことに必死になってしまっている人の心を解き放つ、魔法の言葉
――6月の『SANKYO presents MACROSS CROSSOVER LIVE 2019 at 幕張メッセ』はいかがでした?
JUNNA:「先輩たちのステージは、すごいな」って思いました…。『マクロスF』のステージは当日見られなかったんですけど、前日のリハーサルで見ることができて、ワルキューレのメンバーみんなで大号泣してました(笑)。
――ワルキューレも、すごいカッコいいステージでしたよ。JUNNAさんのパフォーマンスもものすごかった。
JUNNA:先輩たちの姿を見て刺激を受けたので、それを引き継いでいくべきだ!って思って、頑張ろうと思ったんです。
――それはすごく感じられました。最新シングルについて、いろいろとお伺いしていこうと思うのですが、まずはソロとして2周年ということなので、それについてまず聞きたいと思います。この2年で歌に変化とかはありましたか?
JUNNA:変化ということではないんですけど、歌でも人としても着実に成長していかなきゃダメだと思っていて。その気持ちがあることで、自分自身が表現したいと思っているところも表現できると思うんです。最近は手ごたえも感じていて。
――意識だけで違う?
JUNNA:デビューする前は、自分の好きな歌を好きなように歌っていたんです。だからプレッシャーをあまり感じていなくて…。でも今は、プレッシャーしか感じない(笑)。
――でも、そのプレッシャーは良い方向に向かってるんですよね?
JUNNA:はい。良いほうに進んでいると思います。
――プロ意識ということなのかもしれないですね。夢は叶えられたという実感はありますか? それともまだまだ途中?
JUNNA:途中ですね。歌手になりたかったので、夢が叶えられたといえば、叶えられたのかもしれませんが、(歌手人生の)長い道のりがあると思うので、始まったばかりだと思います。
――新曲「イルイミ」がリリースされますが、TVアニメ『BEM』のEDテーマで、プロデュースがKj(降谷建志さん)であることも話題になっています。
JUNNA:最初にお話を頂いたときにご一緒できることが嬉しかったです。音楽の最前線で活躍されているすごい方で素晴らしい方ですし、いろいろな要素を取り入れていて、チャレンジをされている方だと思っていたので。
――ヒップホップやミクスチャー系でもあるから、ラップが来たらどうしよう、とか思いました?
JUNNA:それは思いました! ラップって挑戦したことがないし、歌えないかもしれないと不安だったんですけど、打ち合わせをさせて頂いてときにラップはないとおっしゃって頂いて、良かったぁって(笑)。私、リズムに乗ってメッセージを伝えるというのが、すごく苦手なんです。今回のカップリング「We are」でも〈1,2,3,4〉ってシャウトするところがあるんですけど、そこが苦手で。
――Kjさんとは、どんな打ち合わせをしたんですか?
JUNNA:アニメの設定やキャラクターの絵を見ながら打ち合わせをしました。『BEM』の舞台設定やストーリなどの相談をしました。今回はエンディングテーマなので、ミドルテンポの楽曲でいこうという話しになり、私もドラムがしっかりと響くロックバラードが歌いたいですと伝えさせて頂きました。歌詞も高校生という設定のベラの視点で書いてほしいですというお願いをしました。
――確かにドラムやベース、低音が強調された楽曲になっていましたね。降谷さんの印象はどうでした?
JUNNA:私自身がすぐに緊張してしまうので、なかなか最初は話しかけられなかったんです。
でも、降谷さんは、優しくいろいろとお話をしてくれました。アニメもご自身もよくご覧になるみたいで『魔法使いの嫁』も見てくださっていたみたいなんです。
――ちなみにJUNNAさんは『妖怪人間ベム』は知っていたんですか?
JUNNA:ドラマで初めて見たんです。アニメ版はなかなか見る機会がなくて。LINE LIVEをやらせていただいたときに、妖怪人間ベムを、子供の頃に見て、泣きそうになるほどに怖かったというコメントも頂いたりして、そんなに怖かったんだ!って。
――Kjさんの作った「イルイミ」を聴いたときは、どう思いましたか?
JUNNA:凄くステキな楽曲だなぁって思いました。これまでにチャレンジしたことがない曲だったし、降谷さんが歌を入れてくれてデモを聞かせていただいたんですが、優しく誰かに寄り添うような感じを受けました。
――降谷さんがディレクションをしてくれたそうですが、どんな指示があったんですか?
JUNNA:最初は自分なりに意志の強さなども込めたくて強く歌ってみたんです。降谷さんからいろいろとディレクションを頂いて、イメージを歌で表現するにはどうしたらいいかといくつか歌っていた中で、裏声で歌ってみたら、それがいいよ!ということになったんです。
――歌詞も、切ない感じがして。〈曖昧でいいや 期待してみよう〉ってすごく切ないですよね?
JUNNA:降谷さんがベラ目線で書いてくださったこともあって、女の子目線というか、私の等身大で歌える歌詞になっていたんです。人間って居る意味を探しちゃうじゃないですか。
生きている中で、誰かに求められていないと生きている意味を感じづらくなっちゃうことがあると思うし、それを思い過ぎて追われてしまうというか。私もそうだし、そんなふうに感じてしまう人はいるんだろうなと思ったから〈曖昧でいいや~〉という歌詞は、切なくも聴こえるんですけど、私的には、そうやって追われている人、居る意味を探して必死になってしまってワーー!ってなっている人の心を解き放つような魔法の言葉のように感じて。
そこで一気に解き放たれるような感じがしたので、すごく良い歌詞だと思いました。
――救われるというか。そう思うことで楽になる事はあるかもしれないですね。ちなみに生きている意味って考えちゃうタイプですか?
JUNNA:今は必死過ぎて・・・・(笑)。歌がなかったら考えてるんだろうなって思います。歌があるからこそ、私の歌を聴きたいと思ってくれている人がいる。だったらいる意味があるなと思えるので。でも、それ以外のことはあまり考えられないというか・・・・。他のことを見い出せずに終わってしまうかもしれない……(笑)。
――いやいや、JUNNAさんを求めてる人もいっぱいいます! でも、存在意義とか考えちゃう時期ってありますよね。何かを求めている人にも刺さる曲だし、映画の主題歌のような、良い曲が出来上がったと思いました。
JUNNA:作品の登場人物はもちろんのこと、聴いてくれる方が、明日も頑張ろうと思って少しでも思ってもらえたら嬉しいです。
――MVでも、いい表情してましたね。
JUNNA:ありがとうございます。
――ああいう大人っぽい表情って、どうやって出せるんですか?
JUNNA:表情とかはあまり気にしていなくて、私は、ライブやレコーディングの時のようにしっかりと歌うようにしてみたんです。そのほうが入り込めるというか、、、。表現ができるというか。リアルに歌ってるからこその表情がだせたのかもしれません。
――他に見どころと言うと?
JUNNA:発煙筒を持って走りました。2コーラス目のサビくらいから赤い発煙筒を持って走ってるんですけど、すごくカッコよく撮っていただきました。
――なんで発煙筒?
JUNNA:誰かに探してほしいという意味だったり、見つけてほしいという意味だったり、あと、ただ単にカッコいいからだと思います。これは私なりの解釈ですけど(笑)。モノクロで煙だけ赤にしてもらったのが、めちゃめちゃカッコ良かったんです!
今って何でもできる年齢なのかなと思って
――カップリングの「We are」は、JUNNAさんが作詞をしてますね。これは「やってられないよ」と同じ布陣ですが。
JUNNA:この曲は歌ってみたいと思って、あたためていた曲でなんです。この曲は、私の言葉で表現できるといいよねって言われてたんです。なので、今回のこのシングルにその曲が入ることになって、「書くよね?」と言われたので、「わかっています」と(笑)。
――今回もテーマがあったんですか?
JUNNA:ありました。曲のタイトルも先に決まっていたので、そこから書き始めたので、わりとすんなり書けました。前回作詞したバラードの「ともだちと呼べる幸せ」は苦戦したので、アップテンポだと書きやすいんだなという発見はありました。アップテンポの曲だと、自分の入れたい言葉を当てはめて、1行だけで完結させられるというか。
バラードはもっと全部にちゃんと意味をもたせて、繋げることを考えなければいけないんですけど、アップだと一行ずつ言いたいことを伝えていけばいいので、こっちのほうが私的には言いたいことがすぐに言えるんですよね。
――詰め込めました?
JUNNA:夏、野外、ライブで盛り上がれる曲というテーマがあって、タイトルが「We are」で、そのあとは無敵にというテーマになったんです。「私たちは無敵」か……と思って書き始めました。
――結構そこはガチガチに決められてるんですね。
JUNNA:逆に自由に書いてと言われると書きにくくなってしまうから、テーマがあったほうが嬉しいです。
――この言葉は入れたかった!というのは?
JUNNA:〈Superhero〉です。無敵と聞いたときに一番に思い浮かんだんです。スタッフさんから別の言葉にして欲しいという提案がきて、ニュアンスが変わっちゃうけど別の言葉にして返したら、オッケーだったんです。でもずっと、私的にはもやもやしてて。自分の言いたいことから逸れていってしまってると思ったんです。
なのでレコーディングまでその言葉だったんですけど、レコーディングで、「ここはやっぱり〈Superhero〉じゃダメですかね?」と言ったら、両方歌うことになり、結果〈Superhero〉になりました。
――やりましたね(笑)。
JUNNA:音的にもきれいに合ったし、意味的にもこちらのほうがしっくりきたんです。
――〈僕の夢もう止まらないな〉とか、ちゃんと伝えたいメッセージもこもってますね。
JUNNA:そこは今の年齢ならではというか。何に挑戦してもいいし、失敗しても他の道がある。今って何でもできる年齢なのかなと思って。そういう勢いもあるし、ポップな歌なので、素直な歌声で歌えたらいいなと思って歌いました。
――そして3曲目がお馴染みの白戸佑輔さんの楽曲ですが、作詞が瓜生明希葉さんで。
JUNNA:作詞をして頂く前にプロデューサーさんとテーマを話したとき、夢とか、みんなに共通するものではなく、自分の夢とかこれからの未来とか、前へ進んでいくんだぞというのを見せられたらいいんじゃないかと言ってくださったので、それが良いですねと。
――すごく、JUNNAさんの言葉という感じがしました。
JUNNA:瓜生さんは「Shooting Star」の歌詞を書いてくださっている方で、私のライブを見に来てくださったこともあるんです。なので、ライブでの私の姿を見て書いてくださっているからかもしれません。
――〈響け 魂よ〉っていう言葉に、JUNNAさんっぽさを感じました。
JUNNA:この曲はカッコよく、スタイリッシュに歌おうと最初思っていたんです。主旋律をしっかり録り終わったところで、「ひとつ提案なんだけど」って言われて。これは何かあるなと思ったら「自分が思う歌姫を想像して歌ってみたらどうなる?」って。それを自分で解釈して歌ってみたものがほぼ採用されたので、そこで魂を削る感じが出せたのかなぁ?って思いました。
――ステージで歌ってるJUNNAさんっぽい感じはしました。さて、夏は『アニサマ』にも出るそうですが、その意気込みもお願いします。
JUNNA:素直に楽しみです。さいたまスーパーアリーナっていつもは見に行く場所で、ついこないだもaikoさんのライブを見に行ったんですけど、そこに自分が立つ想像がまだできていないです。今までよりもたくさんの方に見てもらえるから緊張すると思うんですけど、自分を出せたら良いなと思ってます。
[文・塚越淳一]
CD情報
JUNNA New Single「イルイミ」
発売日:2019年7月24日(水)発売
価格:¥1,512円(税込)/VTCL-35304/POS:4580325328677
【収録曲】
1.イルイミ(TVアニメーション「BEM」エンディングテーマ)
作詞・作曲・編曲:降谷建志
2.We are
作詞:JUNNA 作曲:SiZK,Stephen McNair 編曲:SiZK
3.Believe In Myself
作詞:瓜生明希葉 作曲・編曲:白戸佑輔
4.イルイミ instrumental
5.We are instrumental
6.Believe In Myself instrumental