声優アーティスト・富田美憂さんデビュー記念ロングインタビュー【前編】|誰かにとっての憧れになることができたら素敵だと思うんです
『アイカツスターズ!(虹野ゆめ役)』『メイドインアビス(リコ役)』『ぼくたちは勉強ができない(緒方理珠役)』など、多くのアニメ・ゲーム作品に出演している声優の富田美憂さんが、2019年11月13日(水)に日本コロムビアよりアーティストデビュー!
20歳の誕生日を迎える記念すべきタイミングに、1st SINGLE『Present Moment』をリリースします。同タイトルの表題曲は、富田さんが大野翠役としても出演する10月放送開始のTVアニメ『放課後さいころ倶楽部』のOP主題歌です。
この度アニメイトタイムズでは、デビューを控える富田さんにソロアーティストとしては初となるインタビューを実施!
前編となる今回は、声優業を目指すきっかけから人生初のレコーディングやライブなど、今だからこそ明かすことのできるエピソードについて語っていただきました。
家族の絆が切り開いたパノラマの向こう
――改めましてソロアーティストデビューおめでとうございます!
富田美憂さん(以下、富田):ありがとうございます!
――発表当日はTwitterで解禁時間ちょうどにツイートされていましたが、ファンのみなさんの反応はご覧になりましたか?
富田:見ました! 以前から歌うことが大好きだとずっと言っていたので、自分のことのように喜んでくださっていて心から嬉しかったです!!
ちなみに、発表当日は別作品の振り入れがあったので、ツイートの準備だけ朝にしておいて何度も下書きを確認しました。
よく誤字をしがちなので、この大事なところで間違っちゃいかんと思って(笑)。18時になった瞬間に「今だ!」と思ってツイートしました!
――朝から入念に準備されていたんですね(笑)。最初にデビューのお話を聞いたときはどう思われました?
富田:去年の夏頃、仕事の帰りにマネージャーさんからソロデビューのお話を聞きました。
正直なところ、まだそのときは信じられなくて「これは……夢?」と思っていましたが、日本コロムビアさんやスタイリストさんとかとお話を進めていくうちに、じわじわと実感が湧いてきて「本当にソロデビューするんだ!」って。
声優になりたいという夢と同じくらい、アーティストデビューは自分の中で大きな夢のひとつだったんです。もちろん嬉しさはありますが、やはり信じられなくて「これは現実だ!」と落とし込むまでに時間がかかりました(笑)。
――それほどアーティストデビューに憧れを抱いているなら喜びもひとしおですよね。
富田:初めてオーディションに合格したときと同じくらい嬉しくて、家に帰って真っ先に両親に報告しました! 両親は、私が小さい頃から歌が好きなところを一番近くで見ていて、今もユニットやアニメのライブイベントに毎回来ているので、自分のことのように喜んでくれました。
――弟さんはどんな反応を?
富田:「CD買うよ」と言ってくれましたが、こちらとしては「いや、あげるよ」って(笑)。
――(笑)。
富田:あと、お世話になっているスタッフの方や、常に色々と相談させてもらっている声優の友達、Kleissis(※1)のダンスの先生にもお話しました。先生には、Kleissisとしてパフォーマンスを作り上げていく姿を常に一番近くで見ていただいているので、レッスンでは今後のソロでも活きるように教えてくださいます。
周りのみなさんには本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
※1:Kleissis
田中有紀さん、富田美憂さん、山田麻莉奈さん、髙橋麻里さん、山根綺さん、元吉有希子さん、金子有希さんら7人の声優によるヴォーカルユニット「Kleissis(クレイ・シス)」
――せっかくなので、同席されているマネージャーさん(※2)からも少しお伺いしてもよろしいでしょうか……?
※2:マネージャーSさん
富田さんのマネージメント業務をはじめ、富田美憂STAFF公式Twitterで【本日のとみー】を更新するアミューズのマネージャーさん
https://twitter.com/miyustaff/status/1164127403792166918
マネージャーS:弊社としての話をしますと、所属となった時点でアーティストデビューは視野に入れていました。声優として多くの役をいただけるようになってきたタイミングでいくつかのレコード会社さんとお話させていただきました。
日本コロムビアさんには、富田が弊社に所属する前、他のオーディションを受けていた頃からアプローチしていただき、声優業がスタートしてからも色々なコンテンツでお世話になることが多かったんです。
そのタイミングで都度お話をいただき、とても熱量が高い方々だと思い、この度ご一緒させていただくことになりました。
愛を持って取り組んでくださるみなさんとお仕事がしたかったため、念願叶って20歳という節目にデビューさせていただけることになりました。でも、まだ発売してませんからね!これからです!
――ありがとうございます。ここからは改めて富田さんに声優としてのデビューから現在に至るまでをお伺いできればと思います。まずは声優を目指したきっかけについてお聞かせください。
富田:周りの環境や従兄弟の影響で、物心がついたときからアニメを観ていました。最初は声優という職業を知りませんでしたが、私が小学生の頃は水樹奈々さんや宮野真守さんをはじめとする、歌も歌っている声優の方のメディア露出が増えたタイミングだったんです。
なので、その時期に私や学校の同級生たちも声優という職業を認識し、興味を持ち始めました。
声優になれば好きなキャラクターと喋れるんじゃないかと思っていましたが、そもそも自分に自信がなくて。“自分なんか…”と思っていたので、自らオーディションを受ける勇気もなくて、どうせ落ちるだろうと思っていたんです。
そんな中で母がオーディションの話を持ってきてくれて「受けてみたら?」と言われ、ちょうど中学の卒業も控えて、自分が将来に何をやりたいかを考えていた時期だったこともあり、オーディションを受けることにしました。
やっぱり声優になりたいという夢がありましたし、もしダメだったとしても誰かに自分を見てもらうという点ではメリットになるので受けてみたんです。ただ、そこでまさか合格をいただけるとは思ってもみなかったので、そのときも「夢かな?」と思いました(笑)。
――お母様に背中を押してもらった結果、今ここにいらっしゃると。先ほどからお話を聞いていると、本当に温かいご家族なんですね。
富田:そうなんです! 高校受験の学校選びもそうでしたが、私がやりたいことを尊重してくれるんです。
「やらないと分からないから、やれるだけやってみなさい。できなかったときはしょうがないし、上手くいかなくても自分が選んだことだから、自分で責任を取りなさい。でも、それで満足がいくのなら、やってみなさい」という考えで送り出してくれました。
――自分の子供がリスキーな道を歩むのは、親として少なからず不安だと思います。引き止めてもおかしくないはずなのに本人の意思を尊重できるのは、ご両親のお人柄の良さや富田さんとの信頼関係が築かれているからなのかもしれませんね。
富田:今でも本当に感謝しています。ちなみに、父は高校生のときに軽音楽部だったこともあって音楽が好きなんですよ。事務所のオーディションを受けるときも、会場で歌う歌唱曲を一緒に選んでくれました。
そのときは『うたの☆プリンスさまっ♪』で蒼井翔太さん演じる美風藍の『Winter Blossom 』というバラードを選びました。無理にアイドルっぽい曲や可愛い曲を歌うよりは、本当に好きなものを歌おうと思ったので。それが逆にマネージャーさんをはじめ、その場に居た方が面白いと思ってくださったようなので正解だったなと感じています。
また、楽曲選びの際、父に「もし興味を持ってくれたらアップテンポも歌ってほしいって言われるかもしれないし、もう一曲選んでみたら?」って言われてもう1曲選んでみたんです。そうしたら実際にオーディションでもう1曲歌ってくれって言われて!
――お父様すごい!(笑)
富田:私も「パパすごい!」と思って感激しました! ……でも、家でレコーディングの練習をしているとリビングに居る父が「今の音ちょっと違くない?」と未だに言ってくるのは、ちょっとうるさいなって思ったりしています(笑)。