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『ワンピース』新OP「OVER THE TOP」きただにひろしインタビュー

アニメ『ONE PIECE(ワンピース)』新OPテーマソング「OVER THE TOP」きただにひろしさんインタビュー|年齢を重ねても、常にチャレンジャーでいたい!

『ONE PIECE』の主題歌『ウィーアー!』、『ウィーゴー!』を始めとする、数々のアニソンを歌うアーティスト・きただにひろしさん。

フジテレビ系列で大人気放映中のアニメ『ONE PIECE』新章の新OPテーマソング「OVER THE TOP」を8年ぶりに担当します。

新曲「OVER THE TOP」は、これまでの『ウィーアー!』や『ウィーゴー!』以上に、アップテンポでハイテンションなナンバー。きただにさんご自身も、難易度の高い楽曲だと話します。

そんなアニソン界をリードするきただにさんに、新曲への熱い思いから『ONE PIECE』の魅力まで、いろいろとお話をうかがいました。

『OVER THE TOP』の作り手は、『ウィーアー!の一味』

――最初に『OVER THE TOP』という楽曲を聞いた時の印象をお聞かせください。

きただにひろしさん(以下、きただに):いや、もうね。「そうきたか!」と思いました(笑)。僕が歌ってきた『ウィーゴー!』(※1)は、『ウィーアー!』(※2)のアンサーソングであり、テンポも間奏へ行くタイミングも2曲とも一緒なんです。

僕が考えていたのは、今回の曲のタイトルもこれまでの感じに沿った『ウィー~』だと思っていましたが、違いました。

しかもタイトルだけでなく、コーラスの始まりから全く違って、いつも『ONE PIECE』の楽曲は、イントロからワクワクさせる感じなんですけど、今回はイントロではなく、歌から始まります。

 
※1:TVアニメ『ONE PIECE』のOPテーマであり、2011年にリリースされた、きただにさんの12枚目のシングル。
※2:TVアニメ『ONE PIECE』の初代OPテーマであり、1999年にリリースされた、きただにさんの1枚目のシングル。
 

――それは難しそうですね。

きただに:歌うのが難しかったですね。いつものことなんですけど、(作曲家・田中)公平さんの曲は、ギミックやしかけといったいろいろな要素が入っていて、テクニック的にも難しいんです。

――『ウィーアー!』や『ウィーゴー!』はカラオケなどで歌いますけど、息つぎがなかなか続かないです。

きただに:『ウィーゴー!』なんて、サビが大変ですからね(笑)。それもギミックのひとつですから、いろいろ考えられているんです。公平さんはメロディーメーカーだし、音楽に対する楽しみ方をよく知っていて、本当にすごいと思います。

――今回の楽曲を歌う際に、心がけた点やこだわった点はありますか?

きただに:いつもアニメの楽曲を歌う際には、アニメ作品の紹介になるようにと心がけています。音楽が『ONE PIECE』の冒険を盛り上げていくような感じ。次の冒険のための説明というか、後押しする楽曲になればいいなという思いで歌っていますね。

『OVER THE TOP』は、作詞、作曲、編曲、歌手といった作り手も『ウィーアー!』を作った人たちなんですよ。このチームが『ウィーアー!』の一味なんですよね(笑)。

『ウィーアー!』の一味が麦わらの一味とリンクしています。だから、『OVER THE TOP』も、イコール『ONE PIECE』と思って、みんなで一緒に盛り上がってくれたら嬉しいですね。

――今作の中で、共感する歌詞や心に留まった歌詞はありますか?

きただに:「新しいあした 探しに行きたいのなら とびっきりの自信を磨いて」というフレーズがあるんですけど、この言葉は自分の中で、座右の銘のように思っています。

「玉磨かざれば光なし」(人はどんなに才能や資質があろうと、努力や鍛錬なくして立派な人間にはならない)という言葉もあるじゃないですか。常に自分を磨いて、輝いていきたいと思っています。

僕は今年で51歳なんですけど、人間は留まってしまうと、止まってしまうと思うんです。いつもチャレンジ精神を持って自分を磨いて、もっと高みを目指す。だから、このフレーズには共感しますね。

――きただにさんが思う『OVER THE TOP』の魅力、曲の聴きどころを教えてください。

きただに:レコーディング収録した時に、自分が思っていた以上に公平さんからパワフルさを求められ、メロディー以外のところでも演じる、盛り上げるというディレクションがありました。

メロディー以外のところとは、音符になっていない部分のこと。たとえば、歌詞にある「そう!」や「さあ!」という部分です。こういったところは歌うというよりも、言葉に対しての熱量を上げるようなもので、サビの部分は大汗かくぐらいの力の入れようでした(笑)。

しかも「さぁ!」の部分は、公平さんから「ルフィが言っている感じのトーンで歌って」というディレクションを受けたので、いろいろやってみました。

「さぁ!」の後に続く、サビの「新しいホライズン~」のところは、「歌詞の中で最もパワフルに盛り上げて」と言われましたね。最後のシャウトまでのたたみかけるように歌ったので、かなり良いものができたと思います(笑)。

そして、楽曲の全てがストーリーになっています。曲の途中で手拍子やコール&レスポンスができるところもありますし、最初からグッと夢に向かってワクワクしていく感じ、今から新しい冒険が始まるという感覚をみんなが楽しんで感じてくれたら嬉しいですね。

歌い始めて20年! 全世界の人が歌う名曲『ウィーアー!』

――『ウィーアー!』、『ウィーゴー!」についてお聞かせください。それぞれの曲に対して、どのような印象をお持ちでしょうか?

きただに:『ウィーアー!』は、今も全世界の人が歌ってくれているんですよね。僕もこれまで何万回と歌っているんですけど、歌う度に新鮮さがあって全然飽きないので、名曲なのかなと思います。

『ウィーゴー!』も大好きな曲です。この曲も何万回と歌っているんですけど、イントロを聞いているだけで、その度にワクワクして、テンションが上がりますね。

最高に歌い手を乗せてくれる曲だと思います。何万回も歌っているのに、いろいろな発見があるし、難しい曲だなと思いますよ(笑)。

――『ウィーアー!』も『ウィーゴー!』も名曲だと思います。

きただに:特に『ウィーアー!』は人生を決めた楽曲ですからね。自分の人生の転換期に人生を救ってくれた曲です。

レコード会社をやめて、どうしようかと路頭に迷いそうになった時に『ウィーアー!』のお話をいただいたんです。それが人生のラッキーポイントでした。

――そうだったんですね。

きただに:『ウィーアー!』のレコーディングの時のことが忘れられなくて、今までのレコーディングの中で一番緊張したと思います。当時、東映さんやレコード会社のスーツを着た偉い人がたくさんいて、「こんな雰囲気の中で歌うの?」と思いました。

その時もディレクションしてくれたのが公平さんなんですけど、僕の緊張が伝わったようで、「この楽曲は後々子供たちがワクワクした気持ちで聞くことになるから、笑顔で歌ったらいいよ」と言われました。

不思議なことに笑顔で歌うと、声も笑顔になっちゃうんですよね。『ウィーアー!』は歌い始めて、もう20年経つので懐メロの域に入るんですけど、今も色あせない感じでみんなから「『ONE PIECE』といえば『ウィーアー!』」と言ってもらえることがすごく嬉しいです。

――『ONE PIECE』のオープニング、エンディングにいろいろな楽曲が使われていますけど、『ONE PIECE』といえば『ウィーアー!』というイメージですよね。

きただに:オープニングテーマとして、TVでは1年しか流れてなかったんですけどね(笑)。

その後も、声優さんや東方神起さんやAAAさんがカバーして歌ってくれているので、『ウィーアー!』がまた世界を広げてくれました。楽曲がいろいろな人に愛してもらえるということは本当に嬉しいことです。

▼ウィーアー!のソングコレクション

ルフィのシーンは、男としてグッとくる!

――『ONE PIECE』という作品の魅力について、お聞かせください。

きただに:シンプルにいえば、映画の世界に入りこんで泣けるというのが魅力だと思います。

以前、映画『ONE PIECE THE MOVIE エピソードオブチョッパー+ 冬に咲く、奇跡の桜』をひとりで劇場へ観に行ったんですけど、号泣を通り越して、嗚咽していたので、隣に座っていた子供に驚かれました(笑)。

『ONE PIECE』は何度観ても、感動して泣ける名シーンがたくさんあるんですよ。そんなところも魅力だと思います。

それから、原作者の尾田栄一郎先生が考え抜かれたしかけやストーリーもそうですし、仲間の絆といった昔ながらの『週刊少年ジャンプ』の魅力が詰まっているというのも、世界中で愛される作品としての理由のひとつだと思います。

――お気に入りのキャラクターはいますか?

きただに:好きなキャラクターはたくさんいるんですけど、やっぱりルフィが好きです。ルフィのような熱い男には惚れますよね。

シャンクスから受け継いでいるんですけど、自分がお酒をかけられても怒らないけど、友達が傷つけられたり、バカにされたりしたら、めっちゃ怒るというのは、男としてグッとくると思うんですよ。そういうシーンには憧れますね。

――特にお好きなエピソードはありますか?

きただに:ベルメールさん(ナミとノジコの義母)のエピソード(1st東の海編に登場)が大好きです。

ナミとノジコを守ってあげて、自分が殺されるとわかって、ふたりに最後の言葉として、「ノジコ!! ナミ!! 大好き」と贈るじゃないですか。あれは何回観ても泣けますね。究極の愛の形だなと思います。

▼エピソードオブ東の海とエピソードオブナミの話が収録されているDVD

世界中で歌うきただにさんが体感! ジャパニーズ・アニメーションの素晴らしさ

――これまで「ONE PIECE」の楽曲に関わった中で、印象に残った体験やエピソードがありましたら、お聞かせください。

きただに:2、3年前に、初めての日本人アーティストとしてUAE(アラブ首長国連邦)へ行ったんですけど、ライブのステージから見る景色も変わっていて、客席が男性と女性と半々に分かれていたんです。

宗教的にもいくつか決まり(※3)があって、指を差してはいけないとか、女性が肌を見せてはいけないとか、男性の近くに行ってはいけないというのもありました。

そんなところへ日本人初のアーティストとして招かれて行って、歌ってみたら、会場のみんなが日本語で大合唱してくれるんです。それって素晴らしいことじゃないですか!

戒律のことは知っていたんですけど、みんなが盛り上がってくれるので、ついいつもの調子で俺が「ウィーアー!!」って客席に向かって指差しのポーズを取ったら、女性のお客さんが(戒律のために)「キャーッ!」と言っていました(笑)。

『ONE PIECE』は向こうでも人気があって、映画『ONE PIECE FILM GOLD』のプレミア上映もUAEで行われたんですよ。宗教とか、いろいろなものを超えられるジャパニーズ・アニメーションはすごいなと思いました。

 
※3:イスラム教の戒律により、女性は肌の露出を避けるため、伝統衣装を身に纏う習慣がある。
 

――お仕事を続けられる上で、心がけていることやこれだけは大事にしているというものを教えてください。

きただに:常にチャンレジャーでいたいですね。立ち止まったら、そこで終わってしまうので、年齢を重ねても常にチャレンジャーでいて、高みを目指しつつ、常に何かにトライし続けられるように、自分を磨いていきたいです。

先程もお話しましたけど、『OVER THE TOP』の歌詞のように「新しいあした 探しに行きたいのなら とびっきりの自信を磨いて」というところ。こういう人間でありたいと思っています。

それから、「いつも少年の気持ちを持ち続けていたい」という、そういう気持ちが大事で、それが年を取らない秘訣だと思いますね(笑)。

 
[取材・文]宋 莉淑(ソン・リスク)
 

TVアニメ「ONE PIECE」主題歌OVER THE TOP

発売日:2019年9月25日(水)
CD:1,620円(税込)


 

 

CD収録内容

01:OVER THE TOP
02:BRAND NEW WAVE
03:OVER THE TOP inst
04:BRAND NEW WAVE inst
 

“「OVER THE TOP」限界突破ツアー”

「OVER THE TOP」の発売を記念して、“「OVER THE TOP」限界突破ツアー”が決定!きただにひろしが全国の様々な場所でミニライブ(フリー観覧)を開催!
出演者:きただにひろし
参加方法:フリー観覧
会場でCDを購入いただいた方には握手会参加券&ラバーバンドプレゼント

公式サイト

日程:2019年9月28日(土)
会場:チャチャタウン小倉(福岡)
開演時間:13:00~
日程:2019年9月28日(土)
会場:シーモール下関 シーモールホール(山口)
開演時間:16:00~

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