秋アニメ『俺を好きなのはお前だけかよ』原作・駱駝先生×ジョーロ役・山下大輝さん対談|普通のラブコメではない斬新な作品、声優陣のはっちゃけた演技にも注目
駱駝先生の人気ラノベ原作のアニメ『俺を好きなのはお前だけかよ』が2019年10月より放送開始! 主人公のジョーロと、パンジー、ひまわり、コスモスの美少女たち、人気者のサンちゃんが巻き起こすストーリーで、アニメ公式サイトの「俺は、すべてのラブコメを過去にする」も話題になっています。
アニメイトタイムズではアニメの放送開始を祝して、キャストやスタッフの連続対談企画をお送りします。第1回となる今回は、原作の駱駝先生と、主人公のジョーロを演じる山下大輝さんです!
既存のラブコメ作品にイラっとしたのが着想のきっかけ?
――先生がアニメ化を知らされた時の感想をお聞かせください。
原作 駱駝さん(以下、駱駝):アニメ化決定の前にもビックリさせられることが多かったのでリアクション疲れしている状態で、「は~い」みたいな(笑)。
お話を聞いた時はまだ企画段階で、「正式決定じゃないから気を抜くなよ」と担当編集さんに言われて。「じゃあ、決まったらラッキーくらい」に考えることにしようと思っていたらある日、突然、「もう決定してるから」と確定事項として知らされました(笑)。
――ちなみに先生から制作サイドにオーダーしたことはありますか?
駱駝:あったかな?
プロデューサー:編集サイドから唯一、シリーズ構成と脚本は先生に任せてほしいと言われました。
駱駝:あっ、そうそう! 最初に企画書を見た時にそう書いてあったので、「これ、どうしたのかな?」と。驚いたけど、今回いい経験ができて、担当編集さんに感謝しています。
――この作品を着想するきっかけと、書きたかったことを教えてください。
駱駝:いろいろなラブコメ作品を読むたびに「そんなわけないだろ!?」とイラっときたのがきっかけでしょうか?(笑) 「主人公がこんなに女の子たちからの好意に気付かないわけないよね。だったら気付く人を描いてみよう」と。そして書きたかったことは、世の男性たちに「そんなに都合がいい女の子なんて中々いないよ」というメッセージを。
ジョーロ役 山下大輝さん(以下、山下):素晴らしい!それは大事(笑)。
――確かに男性主人公はハーレム状態なのに鈍感というパターンは多いですね。
駱駝:だから、自分の作品では好きになってもらうまでにもうちょっとステップを踏んでもらったらどうかなと思って。
山下:でも『俺好き』の冒頭がまたおもしろいですよね。
駱駝:特に二人のキャラはヤバいんですけど(笑)。
台本の長いト書きの謎とは? パロディーネタを見た時に感じるジェネレーションギャップ
――ちなみにお二人が初めて会ったのはいつですか?
山下:去年の『秋の電撃祭』でアニメ化の発表があって、その時にお会いしました。
駱駝:一応、その前のスタジオオーディションでもお会いしましたが、ちゃんとお話しさせていただいたのはその時になりますね。
――この対談が始まる前の雑談を聞いていたら、もう長い付き合いの友達同士みたいで。
山下:先生が毎回、収録に立ち会ってくださっていて、この対談の時点で9話まで収録が終わっていますから。
駱駝:そう、歴史が違うんです。
山下:台本をいただいた時、「きっと先生はこれをしてほしいんだろうな」とひしひしと感じました。ト書きが超多い時は特に(笑)。
駱駝:僕はト書きについてはそこまで書いてないですよ。だから台本を見て、「ここまで書くのか」と思うことがあるくらいですから。
山下:え!あのパロディー関係は先生じゃないんですか?
駱駝:そんなわけ……あるに決まってるじゃないですか!
山下:やっぱり!
駱駝:たまに僕発ではないものも混ざっています。ごくまれにですけど。
山下:パロディーネタがあった時、キャスト陣でまず話し合うんです。若いキャストさんも多く、「全然わからないです~」という人もいるので、知っている僕らが説明して。
駱駝: (コスモス役の)三澤(紗千香)さんはわざわざ『北斗の拳』のアニメを見たらしいですよ。
山下:あのセリフのために?
駱駝:みたいですね。ただ、三澤さんと私で、『新・北斗の拳』とTVシリーズの『北斗の拳』の相違から演技のイメージに違いが生まれるという事態も発生しましたが(笑)。
山下:キャスト内でもジェネレーションギャップがあるのもおもしろいです。
駱駝:パロディーの部分は見たことがない人でも楽しめるような演出はいつも意識してます。
――原作になかったパロディーもたくさん詰め込んでいるんですか?
駱駝:そういうわけでもなく(笑)。でも原作にあったものもあれば、なかったものもちょいちょいありますね。
納得できるキャラの気持ちの流れと各キャラの表と裏が見えるのが魅力
――山下さんはこの作品について感じたことは?
山下:ラブコメって気持ちの流れが唐突な作品が多い印象があって。突然、好きになるとか。それをこの作品はいい意味で裏切ってくれているので、気持ちいいですよね。作品の紹介コメントでも「かわいい女の子たちと主人公が織りなす、キュンキュン、キラキラする青春ラブコメストーリー……そんなわけあるか!」が僕の中でも響いていて。僕もそう思っていたので(笑)。
駱駝:それはありがたい。
山下:ツッコミを入れるシーンが多いんですけど、100%の気持ちで言えるからまた心地よくて。あとキャラクターみんなに、表と裏があるところがおもしろいですね。ジョーロから始まり、伝染していくかのように内面や本音がわかっていくのが謎解きみたいで。
でも変わらない部分や純粋さもあって、ジョーロがサンちゃんを信じ続けているところはブレないのは彼らしいし。と話している時点では9話までなので、10話以降どうなるのかはわかりませんが…急にキャラ変したりして(笑)。
毎回収録に立ち会う駱駝先生が現場でしていることは?
――先生が毎回、収録に立ち会われているということで、キャストさんからアドバイスを求めたり、逆に先生からアドバイスすることはあるんですか?
駱駝:「おいしいかき氷屋さんってどこだっけ?」とか。
山下:先生とは食べ物の話をすることが多いですね。
駱駝:あとはゲームの話。
山下:先生の見識が幅広くて、いろいろご覧になっているなと。
駱駝:この間まで山下さんが『ジョジョの奇妙な冒険』に出演していたからチェックしたり。
山下:僕らの動向をよくご存じなんです!
駱駝:「来週、山下さんは串刺しになるんですよね?」とか。
山下:他作品の話を先生からしてくれるんです。
プロデューサー:作品の話はあまりされていないですね(笑)。
駱駝:でも山下さん以外の方は、作品やキャラのことを聞きに来る方もいるので、ちゃんとお答えしますよ。
山下:してないです! そういえば、この間も(サンちゃん役の内田)雄馬君のグッズにサイン書いてもらってましたよね!(笑) あとアルバムも持ってきたり。
駱駝:あれはたまたま見た番組に内田さんが出ていて、アルバムが出るって書いてあったからアマゾンで10枚注文して。収録日が発売日だったのでマネージャーさんが配るかもしれないなと思って、先に僕が配ったほうがおもしろいかなと思って。内田さんにもサインをもらって。その翌週には(ひまわり役の)白石(晴香)さんのユニット、Studyのシングルも買いました。
山下:行動力がすさまじいんです。また毎回、のど飴を差し入れてくださって、良さげなマヌカハニーを人数分。
**駱駝:いろいろ試していくうちに今のものに行きつきました。最初に差し入れたのがおいしくなくて。
山下:きっとお高いやつなんだろうなって。
駱駝:大丈夫です。それで皆さんの演技の質が上がれば、最終的に僕のところに返ってくるので(笑)。