寺島惇太さん2ndミニアルバム「JOY source」インタビュー｜“楽しさの源”という意味が込められている最新アルバム全6曲を寺島さんが解説！

ファンクラブでも大人気楽曲「スカーレット」の秘密

——3曲目の「スカーレット」は8月に開催されたファンイベントで歌われたとか。

寺島：そうなんです。すごく評判がいいのでびっくりしています。

——寺島さん自身、「スカーレット」が評判になるのは意外でした？

寺島：意外というか、ここまでみんなが「スカーレット」一色になるとは思わなかったです。

たぶん100人に聞いたら88人ぐらいは「スカーレット」という流れになっているので、「そんなに!?」と（笑）

一同：（笑）

寺島：僕の歌を聴いてくださる方は女性の方が多いので、男性の僕が普段聴く音楽のテイストからすると、「スカーレット」と「UP↑DAYS！」並べたら、再生回数は「UP↑DAYS！」のほうが断然多いと思います。

（男性陣がうなずく）

寺島：分かります!?（笑）　僕はどちらかというと、ノリが良かったり激しかったりする曲を聴くことが多くて。

「スカーレット」みたいな静かな曲調は寝る前とか気持ちを落ち着かせたいときに聴くので、自然と「UP↑DAYS！」よりも再生回数が少なくなると思うんです。

歌詞もメロディーも「スカーレット」は激しさというよりしっとりさせてキュンとくるような曲調ですし、普段、僕の音楽を聴いてくださっている女性の方々が好きで、なおかつ僕の声で聴きたいだろうなと思えるテイストになっています。

割と聴いてくださる方に満足していただけるよう、そっちに舵を切った曲でもあるので……。

ある意味、目論見通りになっていますね（笑）

一同：（笑）

寺島：そういう目論見があって作ってちゃんとはまったので、作曲・作詞の方々を含め「流石だな」と感服しますし、やっぱり、みんな「スカーレット」のような曲が好きなんだなぁと。

寺島：元気でノリがいいときに聴く曲というよりもしんみりしているときに聴くことが多いと思うので、そういう音楽が流行っていて「スカーレット」の評判も耳にすると、世の中は失恋で傷ついている女性が多いのかな、恋愛で傷を負っている人が多いのかな……と考えてしまいます（笑）

恋愛で順風満帆な人、あまり聞かないですし（笑）

——つらさや寂しさと向き合うことこそが恋愛の醍醐味かもしれません。

寺島：しんみりした曲が流行っているとみんな恋愛で奮闘しているんだなぁと感じます。また、恋愛の曲は昔から外さないヒットチャートなので、「スカーレット」も共感を重視しました。

——なるほど。だからこそ、多くの人の心に響くのでしょうね。

寺島：はい。そして歌詞の言葉選びも素晴らしくて。1回でも歌詞のような経験をしたことがある人は心に響きますし、いろいろな捉え方ができる言葉を使って作詞してくださっているので万人にはまる曲だと思います。

——初回限定盤には「スカーレット」のミュージックビデオも付属されていますが、どのような雰囲気になっているのか教えてください。

寺島：歌詞に沿っているというか、ストーリー性があるミュージックビデオになっています。僕が1人でベッドに横になっていたり、フェンスに寄りかかって空を見上げていたり（笑）

全編のどこかに悲しい雰囲気を漂わせつつ、夜のメリーゴーランドで幻想的な雰囲気を醸し出したりしています。

メリーゴーランドのシーンは”過去に2人で遊園地のメリーゴーランドに乗ったな”というような感じで、夢の中をイメージしているんです。

遊園地はデートの定番コースでもあるので、メリーゴーランドはまさに万人にはまる回想シーンだと思います。

2人で行った街中のラーメン屋や定食屋よりも、2人で行ったメリーゴーランドのほうが共感を得られるので、考えた方は流石ですよね！

——（笑）

寺島：個人にフォーカスを当てすぎると共感できなくなるじゃないですか。でも、遊園地はだいたいのカップルが行っているので……流石です、戦略どおりです（笑）

一同：（笑）

▲「スカーレット」MV short ver.
　
寺島：また、歌詞を見ると“君に出会えてすごく幸せだよ”と、幸せな現状を歌っている曲だと思っていたんです。でも、MVでは「スカーレット」後を描いたような内容になっているので意外でした。

——「スカーレット」後というと？

寺島：「スカーレット」で大切に想っていた人を失ってしまったのがMVなのかな、と。歌詞だけ見ると、「スカーレット」は失恋の曲ではないんです。

“君に出会えて僕は変われたんだ”というような明るい感じになっているので、失恋のような悲しい感じではなくて。なので、僕自身、前向きな気持ちで歌っていました。

でも、MVは“君との出会いで変わった僕が君を失ってしまった”ような雰囲気になっているので、「スカーレット」後のようになっているんです。

——そうなんですね！　「スカーレット」はファンの間で人気が高いのでMVの期待も高まります。

寺島：あえてライブで歌うのやめようかな（笑）

一同：（笑）

寺島：天邪鬼なので「あれ!?スカーレット歌ってくれないの!?」と出し惜しみするかもしれません（笑）「次、スカーレットを歌うライブがあるから来てね」という戦略です（笑）