寺島惇太さん2ndミニアルバム「JOY source」インタビュー|“楽しさの源”という意味が込められている最新アルバム全6曲を寺島さんが解説!
1回ぐらい“愛している”と言ってみるか!
——4曲目の「ベル」は最初のギター音が特徴的です。
寺島:はい。デモ段階ではこういう曲じゃなかったんです。歌詞も曲調も“秋らしさ”が出ているというか、タイトルも全く違う「秋風」でした。
——そうなんですね!
寺島:何て言うんだろう……例えるならスピッツさんのようなサウンドが強く出ていた曲だったんです。秋に発売されるアルバムですし、ロックでバンドでとなったらそのイメージが強いこともあって。
切なさもあり、みんなが口ずさめるポピュラーなメロディがいいなということで、そのテイストで、と伝えたら作曲をしてくださった佐野さんが、秋らしい曲を作ってくださいました。
すると、赤堀さんから「デモだと秋らしいしっとりとした曲だけど、アレンジでゴリゴリのロック調にできるけど、どっちがいい?」と聞かれたんです。
歌のメロディーを一切変えずにアレンジだけで、試しにロック調にしてもらったのが今の「ベル」になります。
——ロック調にアレンジしたのが「ベル」なんですね。
寺島:歌のメロディーは変わっていないのに、アレンジでこんなに変わるんだとびっくりしました。
秋っぽいしっとり感は「スカーレット」があるからロックでもいいかも……という話になって「秋風」から「ベル」になったんです。
アレンジ前とアレンジ後を聴き比べたらロック調の「ベル」のほうがミニアルバム全体のバランス的にもよりよく聴こえましたし、音楽って本当にすごいですよね。
メロディーはまったく違うのに、アレンジだけで変わるなんて、本当に衝撃的でした。
——ぜひアレンジ前の曲もライブでやってください……!
寺島:アレンジ前の「秋風」のほうですか!?(笑)
たまにアーティストさんでもメロディーは一緒だけどアレンジを変えて演奏することあるので……じゃあ、来年の秋に(笑)
——楽曲制作の裏話を聴くとまた違った聴き方ができそうで面白いです。次は5曲目の「ノイズ」についてお聞かせください。
寺島:「ノイズ」は1番最後にできた曲で、収録も決まったのも1番最後でした。後残り1曲どうしようという段階になったとき、「ノイズ」以外の曲を聴いたら、あまりにもバンドサウンドというか、ロックに寄せすぎたな……とみんな反省し始めて(笑)
——反省(笑)
寺島:(笑) 本来だったら「ベル」が秋らしいしっとりした曲になる予定でしたので、ロック感が薄まるつもりだったんです。でも、「ベル」をロック調にした結果、全体的にロックっぽくなっちゃって。
「ノイズ」が入る前の曲は、ゆったりとした冬の始まりを感じさせるようなロックテイストはどうかなと、赤堀さんから提案されてサンプルを聴かせてもらったんです。
「スカーレット」で秋を感じさせつつ、最後の曲で冬に入っていく感じで“良いな”と思っていましたが、完全にただのロックアルバムになってしまう。
「寺島惇太、これからロックしか歌いません!」という感じになっちゃいそうだったので、これはマズイなと(笑)
(少し声を潜めて)一応、声優アーティストなので(笑)
——一応なんですね(笑)
寺島:一応です(笑) ロック好きな女性は大丈夫だと思いますが、普段アニソンやキャラソンを聴いていてあまりロックに馴染みがない女性でも手に取りやすいアルバムにするためには、J-POP寄りの曲を入れないと!と意識した結果が「ノイズ」でした。
——先ほどの「スカーレット」と合わせて「ノイズ」も、ファンの女性の方々を想って作られた曲なんですね。
寺島:そうなんです! この2曲はアルバムにおける“聴かせる系”ですね。聴かせる系の楽曲は、興味ある人がじっくり聴くと思うので聴いてくださる方々のための楽曲。
聴かせる曲は思想やメッセージ性が強いものがおおいかなと個人的には思っているのですが、「スカーレット」と「ノイズ」は自分のメッセージ性よりも聴いてくださる方々のことを想っている曲になっています。
あと、「ノイズ」は無理して高く出したり低く出したりすることもなく、歌いやすかったですね。
——歌詞もストレートでいい味が出ているように感じます。
寺島:はい。「ノイズ」の歌詞に関してはノータッチです。ただ、最後の“愛していると”だけ変えようかな、と思っていました(笑)
最初、仮歌を聞いていて良いなぁと思いつつも最後の最後で“愛している”と急に来たので、これはどうかなぁ、愛しているまで言っちゃうのかぁ……と(笑)
“愛していると”以外の言葉が思い浮かびませんでしたし、代わりの言葉を思い浮かばないのにNGを出すのもちょっと嫌な感じになっちゃうので、1回ぐらい“愛している”と言ってみるか!というファンサービスです(笑)