寺島惇太さん2ndミニアルバム「JOY source」インタビュー|“楽しさの源”という意味が込められている最新アルバム全6曲を寺島さんが解説!
寺島さんの作曲方法は鼻歌
——アルバム最後の曲「JOY」はどんな楽曲になっていますか?
寺島:「JOY」はカントリー調になっていてすごく陽気な曲調です。みんなで体を揺らしながら頑張って聴かなくても大丈夫な曲にしました。
なんとなくオシャレなカフェのバックで流れている曲のような感じになったら良いかな、と。
このアルバムでは最後に入りましたけど、「スカーレット」といったしっとりとした気持ちを緩和するような、一息つく曲になっています。
——確かに! 気軽に聴ける、楽な気持ちになれる楽曲ですね。
寺島:ライブでバラード曲を披露すると空気が少し重くなりますよね。ちょっと重くなった空気からまた盛り上がっていきましょう!と切り替えるときに、いきなりテンション高めの曲を歌うとお客さんがついていきにくいと思うんです。
なので、少しずつ楽しい気持ちに切り替えていく繋ぎの曲が欲しいよね、というところから「JOY」を作り始めました。
最終的に、アルバムの最後の曲になりましたけど、完成したらすごく良くて満足しています。「ノイズ」で終わっちゃうとしんみりな気持ちで終わっちゃいますが、「JOY」だと明るい気持ちで終わるので。
——ちなみに「JOY」は寺島さんの作詞・作曲なんですよね。自分は作曲したことがないので本当に尊敬しますが、どうやって作るのですか?
寺島:僕は鼻歌です(笑) ギターは少しかじっていますけど、楽譜は書けないのでスタジオに行って鼻歌で歌った曲をその場でピアノでメロディーを入れてもらっています。
時にはコードを弾いてもらって、そこからさらに僕が鼻歌でメロディーをつけてという超アナログな方法で作曲するという感じです。
もはや作曲と呼べるかどうか分かりませんが(笑)
最近はスマホのボイスレコーダーがあるので思いついたら鼻歌で録音して、赤堀さんに聴かせるという感じで作曲しています。
——鼻歌で歌うメロディーはパッと思い浮かぶものなんですか?
寺島:いろいろなメロディーを歌ってみたり、テーマに沿って歌ったり、“ふんふ~ん♩”と何となく歌ってみて1番いけそうな鼻歌だけ残すという感じです。
でも、「いいの思いついた!」と思って録音した鼻歌を後で聞き直すと「何かあの曲に似てるな?」と感じることはよくあります(笑)
——あぁ~!それはありそう……! これまでたくさんの曲が生まれていますしね。
寺島:音楽の専門知識を持っている人だと音符やコードの流れを見ただけで“あの曲だな”と分かると思いますが、僕は専門知識がないので鼻歌で入れて後で聞き直さないと気がつきません。
「まんまあの曲じゃん!」と思ってやめた曲もありますし、作曲しているときはその辺がよく分からなくなってくるんです。
自分でメロディーを生み出したつもりでも、今までいろいろな曲を聴いているわけですから、すでにある楽曲のメロディーに近くなったり。
いろいろな人が聴くポピュラーなメロディーは何かしら似ていると思うので、そのまんまにならないように気をつけています。
——そもそも、なぜ作曲・作詞をやろうと思ったのでしょう?
寺島:アーティスト活動をさせていただくことになり、全曲とは言わずとも自分で作詞・作曲したものがあったほうがファンの方々が喜ぶのでは、聴きたいのではという気持ちがありましたし、やってみたかったことでもあります。
ただ、自分で曲を作りたいと思っても技術がないですし、やり方も分からないのでなかなかできなくて。
昔、高校時代は軽音部にいましたが、すごく良い曲やメロディーを思いついたのにその残し方が分からなかったんです。
デビューが決まった頃にその話をちらっとしたら「鼻歌で作曲している人もいるよ」と言われて、じゃあ僕でもできるかも、と思って念願の作詞・作曲を始めました。
——念願だったのですね。
寺島:はい。アーティスト活動されている声優の先輩方の中には、全曲作詞されている方もいて本当にすごいと思います。
作詞・作曲はその人の色や素が出やすいものだと思うので、方向性が決まりやすいというか、その人ならではのブランドが出てくると思うんです。
たとえば、アイドルになるといろんな作詞家・作曲家さんの曲を歌って、“どんな曲でもいけます!”という感じになりますけど、僕自身のことを考えると”寺島惇太の曲はこういうテイストだよね”と思い浮かんだほうが良いのでは……という気持ちがあって。
僕、ジャニーズが好きでよくアルバムを買うんですけど、好きな曲が必ず1つは出てきますよね。そこで、好きな曲の作詞家や作曲家を見てみると、全部同じ作詞家・作曲家コンビになることが多いんです。
——へぇ!すごい!
寺島:浜崎あゆみさんもそうでした。当時は小学生だったので全然気づかなかったんですけど、自分が好きなあゆの曲をMDで自分だけのプレイリストとして作っていたんです。
後で歌詞カードを見たら、自分が好きな曲全部を元Do As InfinityのD・A・Iさんが作っていてびっくりしました。
当時は「全部D・A・Iさんが作ってくれればいいのに!」と本気で思っていたぐらいです(笑)
そういう気持ちがあったからこそ、ある程度テイストを固めたほうがいいのかな、そのほうが根強いファンがついてくれるのかな、と思うところが自分の中にあるんだと思います。
——なるほど。自身の体験がアーティスト活動に影響されているのですね。
寺島:もしかしたら、僕が作詞・作曲した曲を1~2曲ほど織り交ぜておくことで、「寺島くんが作った曲が1番いい!」というガチ勢が増えてきたら、徐々にその割合が増えていくかもしれません(笑)
一同:(笑)
寺島:いつか収録楽曲の半分は自分の作詞・作曲になるかもしれません(笑)