声優アーティスト・富田美憂さんアーティストデビュー記念ロングインタビュー【後編】｜感謝の気持ちをみんなに返したい

――カップリングの『Ageha Twilight』はガラッと曲調が変わってますよね。

富田：めちゃめちゃカッコいいですよね！　いい意味でアニソンっぽくないと言いますか、珍しいタイプの楽曲だと思います。作詞の坂井（竜二）さんが書いた歌詞も、英語と日本語のバランスが絶妙でたまらないんです！

『Present Moment』の方は自分の心情も踏まえつつ、誰かの背中を押すようなスタンスで歌わせていただきましたが、『Ageha Twilight』の方はソロデビューする決意のような気持ちを強めの歌声に乗せて歌うことを意識しました。

――なるほど。たしかに、メロディや歌詞によって富田さんのカッコ良さが引き出されているような印象を受けました。

富田：ありがとうございます……！　ディレクターさんにも「見た目からは想像できない歌い方をしてくれる」と褒めていただいて、もしかしたらそんなところも自分の良いところなのかなと思いました（笑）。

今までもキャラソンやKleissisなどでカッコ良い曲を歌わせていただく機会が多かったんですけど、ロックっぽい歌い方になってしまい「しゃくりを抑えてください」と言われ続けてきたんです。でも、ソロでは逆に「もっと熱く」「綺麗にまとめようとしなくていいから」「自分の気持ちを爆発させるくらい強く歌ってみて」「もっと語尾を豪快にしても大丈夫」と、ディレクションで私の歌い方を尊重していただきました。

――ちなみに、ファンの方からカッコ良いと言われることに抵抗はあったりするんですか？

富田：逆にフリフリの衣装を着て可愛いって言われることに、ちょっとした照れくささを感じます（笑）。

最近はStudy（※１）としてリリイベをやらせていただく機会があるんですけど、学生の女性が多いんですよ。女性ユニットなのに女性のファンの方がわりと多くて来てくださって、“可愛い”より“カッコ良い”と言ってくださるので、「あっ、ありがとうございますっ！」という照れもありつつ（笑）。でも、男性からも女性からも好かれるようなアーティストになりたいですね。

※１：Study
TVアニメ『ぼくたちは勉強ができない』出演声優の白石晴香さん（古橋文乃役）、富田美憂さん（緒方理珠役）、鈴代紗弓さん（武元うるか役）の3名で構成される『ぼく勉』音楽ユニット（インタビュー時）。現在はLynnさん（桐須真冬役）、朝日奈丸佳（小美浪あすみ役）が加わり5人体制で活動中。

――そして『Present Moment』のMVも収録されたと伺っていますが、こちらはどういった内容に？

富田：『Present Moment』の歌詞にちなみ、何事にも自信がなかった過去の自分の背中を、今のアーティストとしての私が後押しする……というコンセプトのMVになっています。私と背格好が似ている役者さんに出演していただき、同じ画面内に現在と過去の私が存在しているように見えるボディダブルという手法で撮影していただきました。

また、大好きな絵を描くシーンもあるので、富田美憂らしさはかなり出ているんじゃないかなと思います。観ていただいた方の力になれるようなMVを目指して収録に臨んだので、ぜひ楽しみにしていただけると嬉しいです！

――期待しています！　あと、収録時のエピソードは何かありますか？

富田：……実は、MVの撮影には万全の状態で臨もうと思って、前日に肩に湿布を貼っていたんですよ。そして当日、アー写にもなっている肩出しの白い衣装に着替え、後ろ姿を撮りますと言われてカメラの前に立ったら「富田さん、何かついてます！」って（笑）。

――まさか？

富田：そのまさかで……剥がし忘れたまま現場に行っていたんです（笑）。

――それまで誰も気が付かないんですか？（笑）

富田：そこで一斉に気がついてみんなで笑っていました（笑）。ちなみにその衣装の前は、黒のパーカーで撮影していたので背中が全然見えなかったんです！　ぼちぼち撮影も進んでいるのに着替えてカメラの前に立った段階でやっと気がついて、そういうところだぞ、私……って感じです（笑）。そんなハプニングもありつつ、とても和やかで楽しい撮影でした！