大人なみっくとの出会いで再び恋に落ちる夜――「伊藤美来 5th Live Miku's Adventures 2019 ~PopSkip Life~」レポート
2019年10月5日(土)、オリンパスホール八王子にて、「伊藤美来 5th Live Miku's Adventures 2019 ~PopSkip Life~」が開催されました。
本公演は、7月24日に発売した伊藤さんの2ndアルバム『PopSkip』を引っさげて行われた約1年ぶりのワンマンライブ。社会人として新生活を迎えた伊藤さんの想いや、彼女が表現する大人らしさが詰まった楽曲群を中心に披露され、新たな魅力と可能性が感じられる公演となりました。
新生活の甘さもほろ苦さも歌に乗せて
この日のオープニングナンバーは、今年1月にリリースした5thシングルより『閃きハートビート』。『PopSkip』のテーマである新生活を彷彿とさせる白を基調としたセットを背に登場した伊藤さんは「PopSkip Lifeへようこそ!」と声高らかに呼びかけます。
甘酸っぱい歌詞に想いを乗せた歌声はもちろん、キュートかつ軽やかにステップを踏む姿や、MVでも確認できるサビのキャッチーな振り付けなど、楽曲のコンセプトにある“走り出したら止まらない恋の歌”を、目と耳でダイレクトに体感できるひとときに。
早くも熱気に包まれた会場ですが、さらにファンのテンションをトップギアに入れたのは、力強いブラスの音色が特徴的な『Shocking Blue』。ステージを重ねる度に洗練されていく歌声とパフォーマンスからは、伊藤さんが1年間様々なフィールドを通して培ってきたであろう強かさと美しさが感じられました。
なお、昨年の4thライブはあいにくの天候につき開催が危ぶまれる状況下で催されたため、1年越しのリベンジマッチ的な側面を持ち合わせていた本公演。伊藤さんは「みんな会いたかったよ!」と喜びをあらわにします。
また、今回は2ndアルバム『PopSkip』を引っさげたライブということもあり、「手に取ってくれた人ー!」「誰かから借りて聴いたよって人ー!」と客席に質問を投げかけていきます。最後に「実は持ってないけど来ちゃったよって人ー!」と聞き、まばらに手が挙がるも「勇者!」と笑ってみせ、何気ないMCからも飾らない伊藤さんらしさが窺えました。
伊藤さんは『PopSkip』のコンセプトを「私のポップスを作っていく、お届けするということ。スキップ、一歩大きく前に進むという意味のアルバムです」と言い表すと、「頑張っている人はもちろん、新生活が始まった人など、みんなを応援する内容になっています」と続けました。
そんな伊藤さんも今年の4月からは新社会人。
「新生活ってドキドキしたり、ワクワクするものだと思うんです」「ドキドキ・ワクワクと言えば新しい出会い、少し浮足立ったりするものだと思います」と新生活への想いを胸に「ドキドキする準備はできていますか? キュンキュンする準備もできていますか?」と呼びかけ、『Pistachio』を披露。
バックダンサーもとい、“みっくダンサー”も加わり、フレーズにちなんだ振り付けで楽曲の世界観を演出、恋心を描いた一幕に誘います。
さらに、歌い終えた直後にはいたずらっぽい笑みを振り向きざまに浮かべて、多くのファンを魅了しました。
続けて、指先の振りひとつとっても感情が伝わってくるかのような『No Color』、サビではファンのペンライトをリードして一緒に楽しんだ『七色Cookie』、新社会人の今だからこそ友情をテーマに歌った『君に話したいこと』と、後のMCで明かされる“女子力の高いゾーン”を続け様に披露しました。
「ワクワクする新生活だったとしても、それを過ぎた先には自分自身が強くなるために、ツラいこととか、ちょっと苦しいことも経験しないといけませんよね。だから、そんなみなさんの背中を少しでも押せたらいいなと思います」
そんな言葉を続けるように紡いだのは、2ndアルバムの新録曲の中で唯一のバラードである『灯り』。ポジティブな楽曲が多く見られたこれまでとは打って変わって、孤独をテーマにした感傷的なナンバーを夕日に染まる街並みを背景にしっとりと歌い上げます。
次第に夕暮れから星空に移り変わる光景は歌詞をより印象深く演出し、伊藤さんの新たな一面をファンの心に強く刻み込みました。
そして、溢れんばかりの想いを乗せて『あの日の夢』を、夜明けを迎えた街で歩みを進めながら『守りたいもののために』を優しく語りかけるように歌い前半を締めくくりました。