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TVアニメ『歌舞伎町シャーロック』キャスト座談会第3弾

アニメ『歌舞伎町シャーロック』山下誠一郎さん、斉藤壮馬さんによる座談会第3弾|モリアーティや京極誕生の裏側に迫る!?  1クール目後半で起きる大きな事件とは……

斉藤さんは、山下さんが演じる「サラッと入れ込むアドリブが好き」

――では、TVアニメ『ハルチカ~ハルタとチカは青春する~』などでも共演されているお2人ですが、本作で共演された、お互いの印象はいかがですか?

山下:僕は、デビューした頃からずっとお世話になっていて、『ハルチカ』では役柄的に自分の方が先輩役だったんですけど、他にもいろいろな役とか現場でご一緒させていただいて。

かつ、今回新しい距離感のキャラ2人でご一緒させてもらったので、先ほどの京極の話になるんですけど、壮馬さんが京極をどう作ってくるか、未知数ではあったんです。

オーディションの段階で、ちょっとクールな絵だけはあって。でも、まさかあんなキャラだとは思わず……それを壮馬さんが演じるとなった時に、見事に予想を越えられて、「悔しい。うれしい」だし。

斉藤:(笑)。

山下:壮馬さんから“演者が役を塗り替えていく”というのを、まざまざと僕は見れたので、改めてすごいなと思ったし、ここまで変な壮馬さん……役ですよ!

一同:(笑)。

山下:変な役を演じる壮馬さんを見れたのは、初めてかもしれません。

斉藤:確かに、一緒に共演していたのは真面目というか、シリアスな作品が多かったからね。

山下:『ハルチカ』では、(斉藤さんが)真っ当に頭の良い天才タイプで、ちょっと変人みは入っていましたけど、京極とはまた違うし(笑)。

壮馬さんの中でランキングを付けるとしたら、京極はどのくらいの変態キャラなんですか?

斉藤:京極は、逆にあまり変な人だと思っていなくて、ピュアな人だなと。

完成した#12までの映像をかいつまんで見たんですけど、ここからの話数とか特に、かわいい人だなと思いますよ。

だけど、人間は一面的じゃなくて、彼にも本来、気持ち悪いところはあるし、見た目は本当にカッコいい感じで、年齢も23歳と結構若いので、その未熟さみたいなのがベースにあればいいなと僕は思っていたので……。

気持ち悪くしてしまったのは、僕のアドリブのせいもあるとは思うんです(笑)。

#07かな? マキちゃん(こと、穂苅マキ)とバーカウンターに座っていて、マキちゃんが目を離した隙にショートカクテルを……という。あれは、本当にヤバい。

一同:(笑)。

山下:音がですか?

斉藤:すごく大きめに入ってた。

斉藤・山下:(笑)。

山下:きっと(他の音に)埋もれるから(笑)。

斉藤:(収録で、マキ役の)村瀬歩が引いていて、笑ったけど(笑)。

というのもありつつ、僕も誠一郎くんと、もう長く一緒に仲間としてやらせてもらっているなと思いますし、確かに、こういう関係性も珍しいんですけど、僕は基本的に最初から彼のお芝居は好きだなと思っていて。

何といえばいいのかな……あまり欲望が前に出てこないというか、斉藤壮馬個人としては、京極とかのお芝居は何か面白いことしようみたいな、欲望の塊なんですけど。

誠一郎くんのお芝居は、アドリブがすごく好きなんです。

「今、面白いことしていますよ」というよりは、サラっと入れ込んでくるというか、作品の大きな流れを崩さずに、ちょい足しでより面白くするという感性がすごくある人だなと思っていて。

作中で、モリアーティがワトソンに「愛されキャラなんですね」と言われているように、アフレコの時や出来上がった映像を見ても、その感じがよくわかるなと思いました。

モリアーティが普通にそこにいる感じというか、スカしているでもなく、カッコつけているでもなく。ひょうひょうとしているけど、16歳っぽさもあるというか、その感じが出せる人は、僕もモリアーティを受けたけど、実はあまりいないんじゃないかと。

山下:いえいえ。でも、うれしいです。

斉藤:いつも素敵なお芝居をする人だなと思いつつ、(収録では)よく隣に座っていたけど、基本、僕らはラップの話しかしてないです。

一同:(笑)。

斉藤:最近は、これが良くてみたいな話を。ずっとだよね。

山下:そうですね、ずっと。

斉藤:会う度、会う度、ラップの話ばかりして。

山下:(斉藤さんが)お仕事でもされているし、そういうのを見たりするので「すごい」と思います。

僕の中では、それこそ『ハルチカ』とは真逆になっているような気がしていて。京極で壮馬さんが考えているようなことを、僕も未熟ながら『ハルチカ』でやっていたと思うし。

でも、お手本というか、今回改めて、自分はモリアーティとして、役どころ的にも全体の空気を考えつつ、というところに徹しようとして。

その一方で役者としては、壮馬さんのように、キャラを越えてじゃないですけど、キャラを作りながら、もっとクリエイトしていくということの、役者としての必要性や重要性も感じていました。

だから、あれだけ演じられているのがすごいなと思ったし、うらやましいなと思ったし、遊べるし。「以下、アドリブ」は、監督や長崎さん、岸本さんの期待の表れでしかないので、そこは学ばせていただくことも多かったです。

――もちろん大先輩方もいますが、年齢が近いからこそ、直近の目標とすべき背中に見えているんだなと感じます。

山下:それはありますね。現場でご一緒させてもらえるだけで、緊張が解れるというか。うれしいし、頼もしいという感じです。

山下さんが#03のアフレコ現場で、斉藤さん演じる「京極の人生が変わった」瞬間を目撃!

――そんなアフレコ現場で、印象に残っているエピソードがあれば、教えてください。

山下:毎週ゲストキャラが個性的であり、たぶん#03は京極の人生が変わった、壮馬さんの中の京極のアプローチが変わった瞬間を、まざまざと見れた回だと。

一同:(笑)。

斉藤:前回の座談会でも皆さんおっしゃっていましたけど、関(智一)さんが駆け付けだったので、Bパートで(関さん演じる)B造を録ったら、予想の遥か上だったので、(すでに収録済のAパートを)もう一度録り直すという……。

一同:(笑)。

斉藤:でも、オンエアで見ても説得力すごいよね。「シェルをブレイクしな」って、本当に!

本当に、そうなんだなという感じがして。

山下:全部(アドリブは)生かしですよね。

斉藤:途中全く何を言っているのか、わからない。「ウォーター(水)入らずで、ドリンキン」て「何のこと?」みたいな。

一同:(笑)。

斉藤:台本には、書いてないんですよ。それが(アドリブで)翻訳されて、もう声出して笑っちゃった。

※スタッフが用意したアドリブ修正の入った台本を見ながら

斉藤:ほとんど修正されてるはず。

山下:「混ざろうとしたんだけど、水入らずで飲みたいから」が、「ミーもトゥギャザーしようとしたんだけど、ウォーター入らずでドリンキン」。

一同:(笑)。

斉藤:さすが関さんだなと、素敵でした。

山下:変にテロップとか入れないのもいいですよね。

――でも、これをその場で受けて、対応した斉藤さんは「すごい」ってなりますよね。

山下:すごかったですよ、順応力というか。Aパートに戻って、1回収録したものをやり直すのは、なかなか頭やカロリーを使うことだと思うんです。

斉藤:結果オンエアを見ると、急に京極がBパートだけ、すごくしゃくれてるみたいな。最初にBパートを録ってからAパートを録ったので、どんどん育っていっちゃって、BパートとAパートでキャラがもう違う。

一同:(笑)。

山下:出だし、めっちゃ元気になってましたよね。

斉藤:一応、最初(Bパート)は某ロックシンガーみたいな感じで演じていたのですが、Aパートは思いの外あんな感じだったので「ま、いっか」と。

ただ、京極は#01、#02のセリフがそんなになくて、#03でいきなりそっちスタートだから、見てくださる方も訳わからないだろうなと思ったら、いろいろな人が「訳わからない」とコメントされていましたね。

でも、そういう混沌とした感じが『歌舞伎町シャーロック』っぽいだろうなと思うし、面白かったです。

アフレコ中は他に何かあったかな、面白いこと。

山下:アフレコは面白いことしかなかったし、謎解きモノのメリットというか、現場で座組みが一堂に会して「これはどういうことなんでしょう」と言い合えるのは、親睦を深めるという観点でも、現場の士気が一段階上がってまとまるという意味でも、すごくありがたかったなと思います。

メアリ・ルーシーの姉妹回があったり、京極回もあったり、それぞれ担当回があったので、次は誰の話をするんだろうという点でも、担当回の人に比重が向くのが、すごく楽しかったし、そういう中で、最後は落語で締めてくれる安心感。

小西さんの落語を聞くだけでも楽しかったり、かといったらワトソンがアドリブを入れたり。

斉藤:あれも面白かった、(ワトソン役の)中村さんも本当すごいよね。

山下:そう。ワトソンがすごいなって、単なる良い人じゃないというところが、これからどんどん出てくるんです。

斉藤:本当に現場の雰囲気がすごく良くて、結構、別のお仕事で小西さんや中村さんにお会いしても「シャーロック面白いよね。次どうなるんだろう」みたいに盛り上がって。

山下:(堀井)茶渡さんもおっしゃっていましたよね。

斉藤:フフッ(思い出し笑い)。

山下:なんで、茶渡さんで笑っちゃった?

斉藤:いや、もう今日はすごく#06について話したいから。

一同:(笑)。

斉藤:(堀井さん演じる)ポッターの声を、(兼役と)全く変えていないから「ウソだろう」と思って。

山下:あと、ラップがヘタというキャラで。

斉藤:“ヘタ”(の演技)がうまいよね。

山下:うまいですよね、本当にピッタリ。

斉藤:とにかく、遊びがあるのを、現場自体も楽しんで取り組んでいましたね。

(C)歌舞伎町シャーロック製作委員会
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