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- 胃の上心臓
- 拗らせ系アニメ・ゲームオタクのライター。ロボットアニメ作品やTYPE-MOONの作品を主に追いかけている。
MF文庫Jより刊行されている、長月達平先生による小説を原作としたアニメ『Re:ゼロから始める異世界生活(リゼロ)』。
そのTVシリーズ第1期Blu-ray&DVD特典として収録された、書き下ろし小説を基とした新作OVA『Re:ゼロから始める異世界生活 氷結の絆』(以下、本作)が、先日2019年11月8日(金)より全国の映画館で公開となりました。
本作はTVシリーズ第1期の前日譚となっており、ヒロインのエミリア(CV:高橋李依さん)とその契約精霊であるパック(CV:内山夕実さん)の絆の物語が描かれています。
11月9日(土)には池袋のグランドシネマサンシャインで本作の公開を記念した舞台挨拶が行われ、エミリア役の高橋さん&パック役の内山さん。そして本編主人公ナツキ・スバル役小林裕介さんが登壇し、作品の感想やキャラクターたちについてを大いに語りました。
本稿ではこのイベントの模様をレポートします。
高橋さん、内山さん、小林さんの3人が客席後方から登場すると、会場に集まったファンのみなさんは温かい拍手で迎えていました。そして高橋さんが「今日は来てくれて、すごーくありがとう!」とエミリアのように一言挨拶し、内山さん、小林さんがそれに続きました。
小林さんはキャストとしての気持ち1割、ファンの気持ち9割でトークしていくとコメント。今回はスバルの出番が少ないため、本作を第三者として観た視点でのトークに期待がかかることに。
最初のトークテーマは本作を鑑賞しての感想。高橋さんと内山さんはまずこのエピソードが映像化したことへの喜びを語りました。今回映像化するエピソードに選ばれたことを噛み締めたことや、完成した作品によって作品の世界を体感できたことがわかりました。
小林さんは『リゼロ』という作品の面白さを本作によって再確認できたそう。面白さを言葉にする前に鑑賞後の余韻を消化する時間が欲しくなったそうで、TVシリーズ第1期の頃のファンのみなさんも、そう感じられていたのではないかと想像されていました。
また、初号試写を観た高橋さん&内山さんから劇場で観ることに価値があると聴いていたそうで、本作の音へのこだわりが物語やキャラクターの心情への想像を掻き立てていたとの話も。
収録についてはアドリブが話題に。アドリブと言えばパックということで、うねうね言っているシーンは収録ではもっと長かったことが内山さんから明らかに。この話からパックの尻尾を何本も描いたスタッフさんがいるという話が飛び出し、内山さんはそんなスタッフさんたちに直接感謝したいと話していました。
内山さんはその点をファンのみなさんにどう受け取ってもらえるかと、ドキドキしながら演じられていたようです。そしてエミリアの名前の呼び方がTVシリーズとは違う点も掘り下げられ、本編での信頼関係が出来上がるまでのふたりの物語が丁寧に描かれていることがわかりました。
ここで小林さんとスバルが話題の中心に。TVシリーズはスバルの視点になりますが、本作でエミリアの過去や約束についての考え方を知ることで、もう少しスバルはなにかあったのではないかと感じられたようです。
TVシリーズの第13話でスバルとスバルとエミリアが喧嘩して仲違いしてしまうシーンにも触れ、エミリアに対する想いが入ったことで、再びアフレコをするとしてら吐き捨てるように演じられるかどうか不安がある様子。この点を考えてか、小林さんは渡邊政治監督から本作を観ないで欲しいと言われていたそうです。
ここでシークレットゲストのエミリアに扮するコスプレイヤーの伊織もえさんと、同じくレムに扮するえなこさんが登場。こちらは劇場公開記念となっており、おふたりは今後『リゼロ』の公式コスプレイヤーとして活動していくとのこと。このサプライズに声優陣も大興奮の様子で、高橋さんが正面から見たいと要求する一幕も。
また小林さんは『リゼロ』のイベントということで、今回もスバルジャージでの登壇となっていました。奇しくもスバル、エミリア、レムに扮する3人が揃っていたということで、公式カメラマンさんによって奇跡の3ショット撮影の時間も設けられました。
伊織さんはTVシリーズの頃に配布会などのイベントにこの衣装で登場していたそうで、会場のファンのみなさんの中には当時イベントに参加していた方の姿が見られました。またスカートのフリルや袖の模様など、衣装へのこだわりについても判明。
えなこさんは今年の夏のコミックマーケットでレムのコスプレをしていたことが話題に。なんと衣装は私物なのだそうで、作品とキャラクターが好きでやっていたコスプレがお仕事に繋がるとは思っていなかったのだとか。
おふたりに本作を観た感想を伺っていくと、伊織さんはパックのカッコよさや物語に感情移入しながら鑑賞したことを明かしました。パックがカッコいいとの話では、内山さんがパックの声で「照れちゃうよ、もっと言って!」とサービスする場面も。
えなこさんはレム推しだそうですが、やはり本作の物語でエミリアに心動かされたのだとか。ちょっとズルいと感じてしまうくらい、エミリアの可愛く感じられたそう。そして第2期が楽しみになったともコメントしていました。
そろそろイベント終了の時間ということで、登壇者のみなさんが一言ずつコメントしていくことに。小林さんはスバルを演じるうえで本作の要素は忘れなくてはと葛藤があるとしつつ、本作を胸に改めて2期に向けて頑張っていくと話していました。
内山さんはTVシリーズがあったからこそのプレッシャーが本作ではあったと述べていました。そして高橋さんはエミリアが生きた証をキチンとこのフィルムに残したいと思っていたことを吐露し、全身全霊で彼女の一番の味方でいられるよう考えていたと語りました。
いよいよ公開となった本作。本編の前日譚となっているのはもちろんですが、今後放送されるTVシリーズ第2期に繋がる物語となっていますので、ぜひ上映期間中に劇場へ足を運びましょう!
[取材・文/胃の上心臓]
拗らせ系アニメ・ゲームオタクのライター。ガンダムシリーズをはじめとするロボットアニメやTYPE-MOONを主に追いかけている。そして、10代からゲームセンター通いを続ける「機動戦士ガンダム vs.シリーズ」おじ勢。 ライトノベル原作や美少女ゲーム、格闘ゲームなども大好物。最近だと『ダイの大冒険』、『うたわれるもの』、劇場版『G-レコ』、劇場版『ピンドラ』がイチオシです。
キミのためになら、ボクはなんにだってなれる――。
2018年秋に劇場上映された『Re:ゼロから始める異世界生活 Memory Snow』に続く、アニメ完全新作エピソードの第2弾。ヒロインのエミリアと精霊のパックが出会い、ロズワール邸に呼ばれるまでの物語。
エリオール大森林で暮らしていたエミリアがルグニカ王国の王選に臨むまでを描いた、TVシリーズの前日譚。
原作・シナリオ監修:長月達平(MF文庫J『Re:ゼロから始める異世界生活』/KADOKAWA刊)
キャラクター原案:大塚真一郎
監督:渡邊政治
チーフ・ディレクター:川村賢一
脚本:横谷昌宏
キャラクターデザイン・総作画監督:坂井久太
モンスターデザイン・モンスター作画監督:小柳達也
アクション作画監督:大田和寛
プロップデザイン:岩畑剛一、鈴木典孝
デザインワークス:コレサワシゲユキ、小高みちる、灯夢
美術監督:高峯義人
美術設定:青木薫
色彩設計:坂本いづみ
特殊効果:川西美保
3Dディレクター:軽部優
撮影監督:峰岸健太郎
編集:須藤瞳
音響監督:明田川仁
音響効果:古谷友二
音響制作:マジックカプセル
音楽:末廣健一郎
音楽制作:KADOKAWA
アニメーション制作:WHITE FOX
配給:角川ANIMATION
製作:Re:ゼロから始める異世界生活製作委員会
エミリア:高橋李依
パック:内山夕実
ナツキ・スバル:小林裕介
レム:水瀬いのり
ラム:村川梨衣
ロズワール・L・メイザース:子安武人
公式サイト
公式Twitter(@Rezero_official)