Machicoさん新アルバム『マチビトサガシ』インタビュー|2年6か月振りのアルバムのテーマはRPG! 新たな挑戦と表現で素晴らしい世界へと導く
アルバム後半はボスといよいよ対峙! そして……
──アルバムのリード曲である10曲目「Everlasting Glory」は「1ミリ Symphony」でご一緒された多保孝一さんが作曲・編曲を手掛けられています。「1ミリ Symphony」は多保さんのスタジオに行かれて、隣で歌ってすごく緊張された……というお話をされていましたが、今回はどういった制作だったんです?
Machico:洋楽チックな雰囲気で。多保さん自身、こういうマイナーコードの曲を作るのが久しぶりだったそうなんです。今までつくってこなかった数年分の想いを込めてくれたそうです(笑)。
そして、今回も多保さんのスタジオにお邪魔させていただき、隣で歌わせていただきました。緊張しました(笑)。しかもめちゃくちゃ難しくて。「1ミリ Symphony」で私のレンジを把握してくださったそうで「Machicoちゃんならいけるやろ!」とサビが高音だらけに(笑)。
──しかも大人っぽい、エモーショナルな歌声ですよね。
Machico:そうなんです。ただ高い声を出せばいいというわけじゃなく、高いところでメロディがすごく動くんです。レコーディングの直前まで「うまく歌えるんだろうか」って緊張していましたね。
アルバムのリード曲や表題曲で、クールな曲は初めてだったからこそ「Machicoちゃん、こういうのも歌えるんや!」ってみんなに思ってほしくて。ちゃんと歌い上げなきゃという気持ちが強かったんです。
レコーディング当日は「もう一回やらせて下さい!」とお願いして、サビも何度も歌いなおしました。「Everlasting Glory」は生きるか死ぬかという気持ちになれるくらい、魂を削る系の曲なので、自分的には挑戦しがいがありました。
──<罪も闇も全部抱えて前に進もう 一緒なら背負ってゆける>って一節がとくにグッとくるなと。
Machico:自分の心の奥底にある不安やネガティブな感情を出し切るような楽曲にもなりました。凄く深い歌詞なんですよね。数年前にいただいていたら「ただ曲調が好き」だけで終わっていたと思います。今だからこそ分かる感情も歌詞に散りばめられていたので、素直に受け止めながら歌いました。
──ストーリーとしてはボス曲になるんでしょうか。
Machico:そうです! ボスに立ち向かっていき、ボスを倒して世界は平和になって大団円。今まで見ていた世界は狭かったけど、二人になることで「こんなに世界は輝いてるんだ!」と気づくんです。だから次の曲は希望に満ちあふれたキラキラソングを──ということで、八王子Pさんにお願いしました。
──「ピンクトルマリン」は8ビット風のアレンジが施されたすごく可愛い曲ですね。歌詞はMachicoさんが書かれています。
Machico:八王子Pさん色全開のピコピコ曲になっています。曲先行だったんですが、パキッとした明るい色がしっくりきたので、それを歌詞にも表したいなと。プラス、ピコピコした音だったので“りん・るん・らん”などの“ラ行”の言葉を入れたいなと思いました。
個人的に姫って強靭なパワーを秘めている……といったイメージがあって。『天空の城ラピュタ』の飛行石のような感じというか(笑)。それで、パワーストーンでそういう意味合いの言葉ないかな?と思いながら探していたら「ピンクトルマリン」って言葉に出会って。
──「ピンクトルマリン」ってこの曲で初めて知ったんですが、すごくいい意味を持った石なんですよね。
Machico:私も初めて知ったんです。今思うとなんでその言葉を見つけたのか分からないんですよ(笑)。吸い寄せられるように、たまたまネットで見つけて。
「ピンクトルマリン」には、一歩踏み出すときのためらいを取り除く、内なる熱意や感情を引き出すという意味があるらしくて。まさにこのアルバムにぴったりじゃないか! と。
聴き馴染みのない言葉で、かわいい響きで……ということもやりたかったので「いい石みーつけた!」と(笑)。それでこのタイトルにしました。
──ラストは「Do You Believe in Magic?」。高橋久美子さんと多保さんのタッグによる、ハートフルで温かい曲です。
Machico:「1ミリ Symphony」のカップリングではあるんですが、こっちの曲ももともと『このすば』の映画のテーマ曲候補として挙がっていたんです。今回のアルバムは「Do You Believe in Magic?」がエンディングに合うかなということで、ラストに置かせてもらいました。