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『PSO2 エピソード・オラクル』監督×プロデューサーが語る後半戦に向けての見どころ

TVアニメ『ファンタシースターオンライン2 エピソード・オラクル』後半パート突入目前! 監督×プロデューサーが語る後半戦に向けての注目ポイント/インタビュー

大作にふさわしいスタッフ陣。豪華キャスト陣ならではの心配も!?

――スタッフィングについてのポイントを教えてください。

菊地:橘監督以外だとSF作品に欠かせない大野木(寛)さん(シリーズ構成)。『ゲゲゲの鬼太郎』をやられていた頃に、莫大な量の設定を読み込んでいただいて、「今までで一番苦労した」と言われました(笑)。

森田(繁)さんはSFや軍事関連的なものに長けていらして、軍隊的な表現や演出はアドバイスをいただきながら進めていきました。あとキャラクターデザインの鯉川(慎平)さんですが、コスチュームはすごく複雑ですので、しっかり動きが描ける方にお願いしたくて。

選考する段階で、立ち絵と動きのある絵を描いていただいたんですけど、鯉川さんは動きやポージングが魅力的な絵を描かれていたので、お願いすることに決めました。

――そしてキャスト陣は豪華メンバーが集結しましたね。

菊地:一番大変でした(笑)。皆さんのスケジュールが取れるのか、もしかしたら全員抜き録りになってしまうんじゃないかなと思うくらい心配でした。

橘:一番最初にシナリオにどのキャラを出すのか、話し合いをするんですけど、スケジュールを取れるか、取れないかで登場回数を考えようかとか(笑)。でも皆さん、ほぼほぼ毎回みんなそろって収録できました。

アッシュの視点で『PSO2』を追体験するアニメ。海外ドラマのような謎が散りばめられた1クール

――『PSO2 エピソード・オラクル』が前半パートを終えようとしていますが、ここまでを振り返っていただけますか?

橘:主人公のアッシュを窓として『PSO2』の物語を追体験してもらおうと思ったので、我々現代人と同じ感覚の人間がアークスという組織、オラクルという船団に入って、わからないことだらけのところからこの世界を知っていく、切り開いていくというのを前半で描きました。

いろいろな人と出会い、その関係値から更に物語が進んでいく、そんな後半になるので、様々な人たちとの信頼関係や友好関係を築きながら大きく転がっていくので、そのあたりを今後楽しみに観ていただけたらと思っています。

――序盤から謎や伏線が張り巡らされていて、中盤になって例えばアークスを襲う暴走龍の正体などわかり始めてきた感があります。

橘:海外ドラマみたいですよね。1クール引っ張って、ようやく謎が明らかになるのか? と。今回25話という長い話数なので、SFホラーのテイストを出しつつ、後半で活きてくるネタの前フリも散りばめています。

――おっしゃっていた通り、キャラ数が多いため、公式HPのキャラ説明を見ながらアニメを観てました(笑)。

橘:ゲームの中で人格が出来上がってしまっているので、それを崩さないように作らなくてはいけないのが大変でした。

アフレコで「ゲームの時には違うニュアンスで話していたんですけど、どうしますか?」と声優さんから尋ねられて、「そうだっけ?」とブースで確認することもたびたびありました。

長く演じてこられた声優さんのほうがキャラに詳しいので、教えてもらいながら、確認しながらの収録です。

▲アッシュの相棒・アフィン(CV:下野紘)

▲アッシュの相棒・アフィン(CV:下野紘)

衝撃的だったダークファルス化したゲッテムハルト

――菊地さんはこの前半パートをご覧になった感想は?

菊地:再構築していると言いつつも、前半はゲームユーザーさんも「なるほどな」という印象が多かったと思いますが、中盤からゲームとは違う、アニメならではの演出を入れたりしてきたので、前半パートが終わった時点で何となくこれからどう進んでいくのか、イメージを持っていただけかなと思います。

――ゲッテムハルトがダークファルス エルダーになったところが大きなポイントかなと思います。

菊地:女性キャラをボコボコにしまくる、ある意味、衝撃的なシーンでした(笑)。

▲ゲッテムハルト(CV:飛田展男)

▲ゲッテムハルト(CV:飛田展男)

――印象的なエピソード、今後につながる重要なエピソードを挙げていただけますか?

橘:エルダーを1回撃退するエピソードが山になると思っていました。艦隊戦の末、撃退したけどまだ生きていて、と物語は続いていきますが……。

僕の中ではクール単位で区切る感覚はなくて、この先に大きな区切りになるところがあるんですけど、半分のところでやろうと思ってもできなくて(笑)。

菊地:最初は1クール放送後、間を空けてから2クール目放送という案も検討しました。そうすると1クールの最後でちょっと物語をクローズさせないといけないし、2クールの頭では振り返りも入れなきゃいけないので、そこで尺を使ってしまうのはもったいないなと。

25話で一つのアニメ作品として、どこで見せ場をを作ってエンディングをどう見せるかという全体構成になりました。だから10話で大きな山場もあり年明けの13話でも衝撃的な出来事が起きます(笑)。

――まだ記憶を無くす前のアッシュの過去や、急に現れてアッシュに助言するシオンとしつように追いかけるルーサーの関係、そもそもアッシュの前に出てくるペルソナって誰?など、わからないこともたくさんあります。

橘:かなりミステリー要素も多いので、そういう謎を引っ張りながら作っている部分もあります。

菊地:ペルソナについて公式サイトでもまだクレジットされてないですからね。1月2日に一挙放送されますが、外見的な細かい部分を見ると気付くことがあったり、謎が隠されているかもしれません……とだけお伝えしておきます。

ポリゴンの複雑なデザインに制作陣も苦心。近く訪れるアークスの山場にも注目

――ダーカーのグロテスクな造形も衝撃的で、戦闘シーンもエゲつなくて、ブシュブシュと(笑)。

橘:SFホラーのテイストを狙っていこうと考えました。幼なじみのウルクが死んでテオドールの心が壊れてしまったり、ああいう世界の中で生き死にがあって、死んだら生き返らない。人の心を壊してしまうということをベースにしないと重さが表現できないので。

宇宙の平和を守るアークスは、自分が住む星じゃないのに何で命を賭けてまでよその星を守ろうとするのか、なども含めて不思議に思いながら掘り下げて観てほしいという願いも込めているので、シビアに描いています。

みんなが「アレ?」と思うところを掘り下げて観ていただければ、後半に解き明かされていきます。

菊地:ダーカーだけでなく、キャラもゲーム中ではポリゴンで描かれているため、表情など表現に限界がありますが、そこもしっかり描きつつ、みんなが重いものを背負いながらアークスとしての任務を果たしているということをきっちり、まじめに描いていると思います。

――そんなアークスでさえも「本当に正義なのか?」と疑問を抱くところもあって、今混乱してます(笑)。

橘:結局、組織が一枚岩ではないところでアッシュは翻弄されているし、2話でダーカーの急襲を受けて上官や仲間たちが死んでしまったのに帰還命令を出してもらえなかったことにアッシュも怒っていたり。

疑問を感じながらも戦っているわけですが、こちらも年が明けてから山場が来ますし、大きなスケールになっているのでお楽しみに。

(C)SEGA/PHANTASY STAR PARTNERS 2019
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