音楽
『PSO』20周年記念CD発売記念対談│声優・小野大輔×セガ・光吉猛修

声優・小野大輔さんがセガ・光吉猛修さんと『バーニングレンジャー』を熱く語り合う!『「ファンタシースターオンライン2 エピソード・オラクル」〜アークスシップの炎渦〜』発売記念対談

2019年〜2020年に放送された『ファンタシースターオンライン2 エピソード・オラクル』は、現在好評サービス中のオンラインゲーム『ファンタシースターオンライン2』(以下、『PSO2』)を題材にしたテレビアニメ。主人公のアッシュを演じたのは、小野大輔さんでした。そして今回、『PSO』シリーズ20周年記念CDとして、『「ファンタシースターオンライン2 エピソード・オラクル」〜アークスシップの炎渦〜』の発売が決定!

『PSO2』の期間限定クエスト“アークスシップの炎渦”にてBGMとして流れた、アッシュ(小野大輔さん)歌唱の『Burning Hearts 〜炎のANGEL〜』や、オリジナル版を歌唱されたセガの光吉猛修さんによる『Burning Hearts 〜炎のANGEL〜』、英語バージョンである『Angels With Burning Hearts』が収録されています。また、CDのための書き下ろしシナリオでお送りするボイスドラマには、消防レスキュー隊隊員・リード役として、関智一さんも出演します。

つまりこのCDは、『PSO』シリーズを開発したソニックチームが、1998年にセガサターンにてリリースしたアクションゲーム『バーニングレンジャー』をフィーチャーしたものとなっているのです。

今回、収録を終えた小野大輔さん、そしてセガの光吉猛修さんの対談が実現! 大の『バーニングレンジャー』好きかつ、光吉さんの大ファンであるという、小野さんの愛が溢れるお話は必見です。そしてセガファン、『バーニングレンジャー』ファンにもオススメな、マニアックトークもくり広げますよ!

光吉さんは声優としても大先輩!?

——今回歌唱された『Burning Hearts 〜炎のANGEL〜』ですが、元々小野さんは『バーニングレンジャー』をご存知だったんですよね?

小野大輔さん(以下、小野):当時、大学生でしたね。もう『バーニングレンジャー』は、メチャクチャ遊んでました。とくに音楽が好きだったんですよ。オープニングテーマで『Burning Hearts 〜炎のANGEL〜』が流れて、しかもテレビアニメのようなアニメーションまで付いてて。あれがもう当時衝撃的で……!

光吉猛修さん(以下、光吉):ありがとうございます。たしかに、当時のゲームとしてはテレビアニメのような始まりかたをするゲームはなかなか無かったです。しかも、アニソン的なオープニングテーマ付きという。我々の狙いが、しっかりとファンに届いていたんだなと。

小野:だから僕、光吉さんのことを当時、歌手だと思ってたんですよ(笑)。

光吉:とんでもございません。セガのサラリーマンでございます(笑)。

小野:しかも、光吉さんのことを追いかけていったら、光吉さんは声優までやってらっしゃって。『バーチャファイター』シリーズのアキラ(初代)やカゲ、『電脳戦機バーチャロン』シリーズのハッター軍曹とか……。もう、声優としても大先輩なわけですよ。

光吉:いえいえ、声優だなんておこがましい……。もともとは、仮として音声を入れておいたら「そのままいっちゃえ」って、昔のゲーム制作あるあるなんですけど、それで採用されただけなんですよ(笑)。

——光吉さんにお聞きしたいのですが、そもそもなぜ『Burning Hearts 〜炎のANGEL〜』を光吉さんが歌うことになったのでしょうか?

光吉:作曲をしたのが幡谷尚史というセガの同期なのですが、デモ版を歌ってほしいとお願いされまして。で、そのまま日本語で歌うボーカルとして採用されたっていう、またその流れです(笑)。ただ、僕としては本当に採用されるつもりで歌ったので、ヨシと思いましたね。

小野:いまでは光吉さん以外じゃ考えられないですよ。あのオープニングからゲーム本編が始まるともう、のめり込んじゃって。当時のグラフィックって、けっこうカクカクした3Dなんですけども、それでもキャラクターたちがイキイキとしたドラマを展開してくれるので、いま遊んでも遜色ないと思いますね。

——たしか、中村悠一さん・杉田智和さんといっしょにゲームを遊ぶテレビ番組『東京エンカウント弐』に、小野さんが出演した際、小野さんは『バーニングレンジャー』をチョイスしていましたね。

小野:そうなんですよ。そのとき久しぶりに遊びましたけど、いま遊んでも楽しかったです。その番組の中で「カバーしたいなあ」とか、本当に冗談で言ってたんです。そしたらそこから広がっていって、今回のCDにもつながった。

光吉:小野さんの想いがあってこそ、だったわけですね。

小野:夢って叶うんだなあと……。僕はそもそも『バーニングレンジャー』にすごく影響を受けているんです。物語のテーマが“人の命を助けること”ってゲームは、なかなかないじゃないですか。まだ20歳前後で、これからの人生どうなるか分からない中、ただただゲームを遊んでいたわけですが、『バーニングレンジャー』に大切なことを教えてもらいましたね。

——たとえばどのような?

小野:『バーニングレンジャー』は敵を倒すゲームではなく、火災現場で消火活動などをしながら人命救助をするゲームです。なによりも人の命が大切だというテーマや、熱い物語が胸に刺さりました。

光吉:でも、『バーニングレンジャー』ってアクションゲームとしては、正直かなり難しいですよね。それを小野さんがそこまで好きと仰ってくれるということは、相当やり込まれたんだなと。

小野:難しいですよね。『東京エンカウント弐』で遊んだときは、久しぶりすぎて全然進みませんでした(笑)。

光吉:長く遊んでほしいという思いを込めると、昔のゲームは難しくなりがちでした(笑)。

——(笑)。先ほど「歌手だと思っていた」というお話もありましたが、小野さんにとって光吉さんはどんな存在ですか?

小野:僕が声優を目指して養成所に通い、事務所に所属し……という流れの前に、光吉さんはすでに声優までやられていた。歌手としても声優としても大先輩です。光吉さんの声って、良い意味で光吉さんだとは分からないと思うんですね。『バーチャファイター』を遊んでも「これがカゲの声なんだ」と、キャラクターの声が、すんなり入ってくると言いますか。

役者として小野大輔を確立したいと思いつつも、役を演じているときはそのキャラクターだと思ってセリフを聞いてほしいと思います。たとえばアニメの中で僕がセリフを発したら「小野Dの声だ!」とか、あまり思ってほしくなくて。キャラクターソングも、あくまでキャラクターとして歌っています。光吉さんが僕の理想形と言えるかもしれません。なぜあんなに演技がお上手なんですか?

光吉:うーん、自分としてはできてないと思うのですが……(苦笑)。ただ、歌を歌うときって、僕はある意味何かになりきって歌っていると思うんです。曲調や歌詞などから何かを汲み取ってなりきりながら、パフォーマンスを披露しています。もし自分の演技に影響しているものがあるとするならば、おそらくそういう点かなと。演技そのものとは違いますが。

小野:ああ……つまり役割、ですね。主題歌を歌うときは、この作品の主題歌を歌う人の役割を演じていると。深いですね……。

光吉:まあその、人前に出ること自体は大好きですから。子どものころからテレビに出たいって思っていたタイプですし(笑)。

小野:そう! ちょっと失礼かもしれませんが、光吉さん、出たがりですよね!?(笑)

光吉:はい(笑)。

(C)SEGA
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