【連載】TVアニメ『ネコぱら』ショコラ役・八木侑紀さん×バニラ役・佐伯伊織さん×???役・森嶋優花さん鼎談VOL.1|言葉数が少ないからこそ魂を込めたセリフ
好評放送中のTVアニメ「ネコぱら」。ゲームから始まり、OVAへと展開されてきた本作は日本のみならず海外でも人気を博し、待望のTVアニメ化となりました。
パティスリー「ラ・ソレイユ」を舞台に、個性豊かな人型ネコたちが織りなすハートフルストーリーは、今期注目作のひとつです。
アニメイトタイムズでは、メインキャラクターを演じるキャストやスタッフへのインタビューを毎週掲載。第3回は、ショコラ役の八木侑紀さん、バニラ役の佐伯伊織さん、そしてアニメオリジナルキャラクターである???役の森嶋優花さんにお話をうかがいました。
???ちゃんは「・・・」の息遣い表現も魅力
――第3話の感想をお願いします。
八木侑紀さん(以下、八木):第3話では???ちゃんがいなくなって、最後にようやく???ちゃんとショコラたちが一緒に暮らせるようになりました。
森嶋優花さん(以下、森嶋):私も早くショコラたちのところに混ざりたいなって思っていたので、本当に良かったです。
ショコラは???ちゃんがいなくなった時に、すごく心配してくれたじゃないですか。その温かみを感じつつ、???ちゃんももっと距離を縮めたいんだろうなっていう思いを潜めて演じていたんです。
佐伯伊織さん(以下、佐伯):ショコラはAパートでは(???ちゃんのことを考えて)ずっとぼーっとしていたよね。制服を前後逆に着たり、歯磨き粉をいっぱい出していたり……でも、それをバニラが心配していて、ショコバニの信頼感も見えました。
八木:確かに。ふたりの信頼感が見えたし、ショコラは台詞のひとつひとつから心配しているのが感じられて。
佐伯:Bパートで???ちゃんがいなくなった時は誰よりも走っていたし、本当に好きなんだなって。最後にお願いするシーンはショコラの熱意に感動しました。あまりに感動しすぎて、収録で「(バニラは)感情が出すぎ。もうちょっと冷静にお願いします」って監督に言われちゃうぐらいで(笑)。
森嶋:私もうるっと来ちゃいました。
八木:現場はそのぐらい熱くなっていたよね。あと、個人的にはアズキが勝手に「さとうきび」と名前をつけたところも好きなんですよ。台本を読んだ時の第一印象が「え? さとうきび!?」って(笑)。
――もし、名前が「さとうきび」だったらどうでしたか?
森嶋:それはそれで可愛いなと思うんですけど、やっぱりほかのの名前でお願いします(笑)。
――そんな???ちゃんは第3話の時点ではまだ謎の多い存在です。改めて印象や魅力について教えて下さい。
森嶋:本当に我が子のような可愛さです。言葉数が少なくて、「・・・」という息遣いの表現も多いんですよ。でも、見ている側は「今どういう気持ちなんだろう?」「なにを考えているだろう?」と、すごく惹かれる魅力を持っている子だなと思います。
八木:私たちも視聴者目線になっちゃって。「お腹すいたの? なにか食べる?」みたいな感じで見ちゃうというか、守ってあげなきゃと思う子ですね。
佐伯:そうなんですよ。ちょっとミステリアスなところも???ちゃんの魅力だなって思います。
八木:バニラとはまた違った感情の見えなさだよね。
森嶋:見た目で言えば、キャラクターの中で一番小さいので、存在そのものが可愛らしいなって。
八木:ネコちゃんなのにネコミミの帽子をかぶっているのも可愛いです。
――言葉数が少ないからこそ演技で苦労した部分もあったと思いますが、どのようなことを意識して演じたのでしょうか?
森嶋:台本を見ると本当に全部「・・・」なんです(笑)。それが全部同じ息遣いになったら不自然ですし、ストーリーの中にいる???ちゃんをきちんと想像して演じました。ただ、この子は感情があまり表に出ないので、自分の中で感情を調節して演じるのが大変でしたね。
八木:でも、森嶋さんは「・・・」のないところにアドリブで息遣いを入れてきたりするんですよ。監督さんと「ここは(息遣いが)いる」「ここはいらない」と話し合いをしていて。森嶋さんと監督さんにしかわからない???ちゃんの気持ちができているような気がして、すごいなと思っていました。
森嶋:例えば、走っているシーンなら息遣いを入れてもいいと思いますよね。でも、振り向いた瞬間は???ちゃんは息遣いで反応するのだろうか、といった調節は考えながら演じていました。
佐伯:息遣いではないんですが、私、???ちゃんの「みるく」(第2話)っていうセリフがめっちゃ可愛くて好きなんですよ。
森嶋:台詞が少ないから、そこに魂を込めました(笑)。
――そして、ショコラたちと一緒に住むことになり、今後は徐々に感情を出すようになっていきます。そのあたりの演技はいかがですか?
森嶋:???ちゃんも心の中ではすごくテンションがあがっていると思うんです。そういうキラキラした感情は持っているはずなので、(表面的な)感情を抑えつつも頑張って出せるように、微妙な調節をしながら演じています。
八木:ショコラの特権なんですが、???ちゃんが懐いてくれるんですよ(笑)。感情が表に出ない中にも好きって気持ちのこもっているシーンがたくさんあるので、そこはキュンキュンポイントだなって。
佐伯:バニラにも懐いてくれていると信じてるから!(笑)
――ネコのキャラクターを演じること自体は?
森嶋:私はネコが大好きなので、楽しみながら演じました。ただ、鳴き声をリアルにやってくださいと言われたところは苦戦しましたね。
八木:ほかのネコちゃんも喧嘩する時はリアルな鳴き声になるからね。
佐伯:その時に、「あ、この子たちはネコだった!」と思って(笑)。
森嶋:ほかにも、驚くシーンでは「にゃ!」ってビックリするんですけど、そこもリアルにやりましょうと言われて。事前にリアルなネコの動画で鳴き声を研究してから収録に臨んだんです。
本当にショコラとバニラに会えた気分でした
――森嶋さんから見たこの作品の第一印象や魅力はどこだと感じますか?
森嶋:「とにかく癒される!」が第一印象で、原作を見た瞬間に好きになりました。TVアニメになってゲームにはなかったわちゃわちゃ感がすごく出ているので、そこも魅力だなと思っています。
――八木さんと佐伯さんはアフレコ現場で最初なんとなく隣に座りづらかったそうですが、森嶋さんはどうでしたか?
森嶋:私は、角のところに座っていました(笑)。
八木:(このインタビュー直前の収録で)やっと揃って真ん中に座ったんですよ。アニメ通りに近づいている感じですね(笑)。
森嶋:次も真ん中に行っていいのかな?って悩んでいます。
八木・佐伯:来ましょうよ!(笑)
森嶋:お許しをいただいたので座りたいなと思います。
――それ以外で、キャスト同士のエピソードなどはありますか?
森嶋:一緒にいる機会が多いので、やっぱりこの3人で一番話をしているよね。
佐伯:そうだね。でも、そんな私たちの話を立花さん(水無月嘉祥役の立花慎之介さん)は優しく聞いてくださるんですよ。
八木:この間は、私がコーヒーをそのままでは飲めないのに、わざわざミルで豆を挽いてカフェラテを作る話をしまして。そういう他愛ない話にも乗ってくれて、楽しくお話してくださるんです。
――コーヒー苦手なんですね。
八木:ブラックコーヒーが飲めなくて、ミルクも砂糖もがんがんに入れないと飲めないんです。もはやコーヒー風味の牛乳を飲んでいる感じです(笑)。
佐伯:あれはコーヒー牛乳だよね(笑)。
八木:そうなんです。それなのに豆を挽くことを、よくわからないとは言わずに聞いてくれて。ほかの皆さんもすごく優しい現場だなと思います。
――今ではすっかり息の合った3人ですが、森嶋さんも2人とはこの作品が初対面だったんですよね。第一印象はいかがでしたか?
森嶋:本当にショコラちゃんとバニラちゃんに会えたような気分でした。キャラクターとして演じている姿はもちろんですが、接していても滲み出るショコラ感やバニラ感があって。私も???になりたい!って気分になりました(笑)。
佐伯:私はマイペースにやっているところがあるから、ちょっと似ているのかも(笑)。
八木:確かに、いおりん(佐伯さん)はずっと自分のペースで何か食べているよね(笑)。
佐伯:そうなんですよ。おにぎり1個をちょっとずつ永遠に食べていたり。梅昆布にハマっていた時は、ずっと梅昆布を食べていました(笑)。
――逆に、八木さんや佐伯さんから見た森嶋さんの第一印象は?
八木:(森嶋さんは)アフレコでの私服が毎回オシャレなんですよ。可愛い服を着てくることもあるし、ちょっとボーイッシュな服を着てくることもあって。髪型も変わるしメガネをかけてくるし、すごくオシャレな人だなって。
森嶋:いやいやいや、安定しないだけですよ(笑)。
八木:こうやって明るく話しかけてくれるので、すごく喋りやすいなって印象がありました。
佐伯:私も「超絶美少女がやってきた!」という感じでした(笑)。すごく元気に「おはようございます!」と挨拶してくれて、明るくて場を和ませてくれるいい子だなって思いましたね。
森嶋:照れちゃうよ〜!もうやめましょう(笑)。
[文・千葉研一]
《連載バックナンバー》
□第1回:八木侑紀×佐伯伊織 対談VOL.1
□第2回:八木侑紀×佐伯伊織 対談VOL.2
□第3回:八木侑紀×佐伯伊織×森嶋優花対談VOL.1
□第4回:八木侑紀×佐伯伊織×森嶋優花対談VOL.2
作品情報
TVアニメ『ネコぱら』
2020年1月9日(木)より放送開始
TOKYOMX 22:00-
BS11 24:30-
AT-X 21:00- ※リピート放送あり
※放送時間は変更の可能性がございます
STAFF
原作:NEKO WORKs
監督:山本靖貴
シリーズ構成:雑破業
キャラクターデザイン:平野勇一
音楽:立山秋航
アニメーション制作:FelixFilm
CAST
ショコラ:八木侑紀
バニラ:佐伯伊織
アズキ:井澤詩織
メイプル:伊藤美来
シナモン:のぐちゆり
ココナツ:水谷麻鈴
水無月時雨:M・A・O
水無月嘉祥:立花慎之介
???:森嶋優花(※アニメ新キャラ)