アニメ

2020-02-12 18:30

アニメ『歌舞伎町シャーロック』青山穣さん、橘龍丸さんによる座談会第9弾｜収録現場では本番前に交流を深めた2人☆　キャラをつかむことなく演じるという青山さんの自然な演技を、橘さんは耳で聞いて吸収！

現場で「聞いて」吸収しようとする橘さんの姿勢に青山さんも感心

――青山さんは、橘さんが声優1年目ということに驚いていらっしゃいましたが、演じている時はそれを感じさせない演技だったということでしょうか？

青山：全然、問題ないでしょ。むしろミッシェルの方が危ういよ（笑）。

橘：そんなことないですよ！　ブースの中で、青山さんのお芝居を見させていただいて、ゾクゾクすることがいっぱいありました。

台本に忠実に演じながらも、遊べるところは遊んでみたり、独特の間だったり、とても勉強になりました。

青山：それは、ミッシェルのキャラで、寅太郎とは違うから。

橘：そうなんですけど、僕では絶対できないお芝居だと思いますし、いつか10年20年先になった時、僕もこういうお芝居ができればなと思って。

僕なんか、アフレコで青山さんがしゃべっている間、後ろで台本のセリフを追いながら口パクしていました。

青山：いやいや、あんまりマネしない方がいいと思うよ。

一同：（笑）。

橘：これまで「見て覚える」と教わってきたので、今は「聞いて覚える」で、いろいろ吸収しようとしております。

青山：立派だね。

――これまでの座談会で、山下さんと斉藤（壮馬）さんに伺った時、京極はアドリブを求められることが多かったというお話から、青山さんがキャラそのままでアドリブを入れられていて「すごかった」とおっしゃっていましたよ。

青山：そんなに（アドリブ）入れたっけ？

橘：たぶん、青山さんは自然体なんですけど、僕らの引き出しには絶対にないものをサラッと提供されているんですよ。

青山：台本に「アドリブで」と書かれているところは適当に入れていると思うけど、そんなにあったかな？

橘：こう、ちょっとした息使いだったり、間だったりするんです。

僕なんかは、指示された中に収められるように考えるんですけど、青山さんはミッシェルというキャラクターが活きるにはどうしたらいいかというのを、自然に演じられているので、それが僕にはできないスキルだったりして、すごく勉強になりました。

僕の隣に誠一郎くんと壮馬くんが座っていたので、「すごいよね」「ゾクゾクするよね」という話をよくしていました。

青山：そりゃあ、キャラをつかまずに演じているからね（笑）。

一同：（笑）。

橘：それも1つの手段というか、とらわれないからこそ、できるんですね（笑）。勉強になります。

青山：とんでもない、ありがとうございます。

青山さんが持つ歌舞伎町の苦い思い出を、橘さんの依頼で上書きしちゃう？

――ちなみに、この座談会で皆さんに伺っている定番の質問があるのですが、本作の舞台にもなっている歌舞伎町の思い出はありますか？

橘：僕が初めて（歌舞伎町に）行った時は、「東京には、こんなところにゴジラがいるのか」と思っていたら吠えられたので、ビックリして印象的でした。

ちょうどタイミングが良かったので、「東京マジすごい」と思って動画を回して（笑）。

最初は、新宿という場所に行きたいと思ってウロウロしていたんですけど、いつの間にか歌舞伎町にいて。歌舞伎町だとは思っていなかったので、後日そこが歌舞伎町だったと知りました。

なので、昼間に行ったこともあって、意外とキレイで、“大人の街”のイメージはなかったですね。さすがに今では、夜はキャッチのお兄さんとかもいるので、たまに誘われて飲みに行ったりする時は、なるべく関わらないようにコソコソしてしまいます（笑）。

青山：そうなんだ、ゴジラが吠えるのは知らなかったな。

僕の思い出は、昔ある海外ドラマに吹き替えで出演していたんだけど。収録が終わったから、帰ろうと思って道を歩いていたら、電柱の陰から共演者の沢海陽子さんがバッと出てきて「青山くん、今から時間ある？」と聞かれて。

一同：（笑）。

青山：プラモデルのモデラーやライターとしても活躍されていて、海外ドラマや映画に詳しい岸川靖さんという方が歌舞伎町で飲んでいて、海外ドラマのファンも何人かいるけど、タダで飲ませてくれるらしいから「来ない？」と誘われて。

僕は「タダで飲ませてくれるなら！」と思って、歌舞伎町でもどこへでも駆け付けますよと（笑）。

一同：（笑）。

青山：それで沢海さんに付いて行ったら、元コマ劇場があった近くの地下にあるトークライブハウスに下りていくから、「ここは、ちょっと違うんじゃないか……」と思いながらも中に入ると、何百人もお客さんがいて「今、沢海さんと青山さんが来ました！」と。

一同：（笑）。

青山：実は、その海外ドラマのファンの集いだったんだよ。何が「ファンが“何人か”」だよ、ウソだろと思って。

しかも「壇上に上がってください」って言われて。

橘：「聞いてないよ！」みたいな（笑）。

青山：それが、沢海さんは知っていて、たぶん1人では行きにくいからって俺を捕まえたんだよ！

壇上に上げられてから2～3時間、ずっとファンの質問なんかにも答えてさ。

橘：「あれ、これ仕事か？」みたいな（笑）。

青山：もう仕事だよ（笑）。終わってから、約束通り岸川さんに飲ませてもらったから文句はないけど。歌舞伎町には全然、良いイメージがないよね（笑）。

一同：（笑）。

橘：すごいですね。

青山：ヒドい目にあったよ。飲み会だと偽って、黙ってイベントに連れて行くものか？

橘：今だったら大変なことになるんじゃないですか。その時代ならではという感じで、それはそれでいいですよね。

青山：壇上に上げられて「何か飲みますか？」と言われても、酔っぱらって何言い出すかわからないから、ずいぶん長い時間お茶でしのいだよ。「タダで飲めるぞ」と思って、沢海さんにただ付いて行っただけだからね、ヒドいよね。

橘：聞いている僕は面白いです（笑）。

青山：本当に、騙された。歌舞伎町は怖いから気を付けないと。場所は「歌舞伎町だ」って言われたら、一応疑ってかかった方がいいよ。

一同：（笑）。

――もう1つご自身についての質問で、対談相手にしてみたい依頼はありますか？

青山：なんか、視聴者の疑問や依頼を解決する某テレビ番組みたいな質問だね。例えば「卵を電子レンジで温めたらどうなりますか？」という依頼とか？（笑）

橘：爆発しますね（笑）。

青山：そうだな。大衆演劇をやっていたから、「うちの子供を1年くらい鍛えてください」みたいな依頼をお願いしたいね。

橘：日本舞踊や殺陣はできるので、任せてください（笑）。

――芸事の中でも、そういう分野に興味がある方がいれば、ぜひお願いしたいですね。

橘：じゃあ、事務所の社長にお願いして、事務所の方で教室を設けていただきましょうか（笑）。

一同：（笑）。

橘：僕は青山さんに、演技のレクチャーをしていただきたいです。

青山：何も教えることはないよ。

橘：僕は、外画の現場にほとんど行ったことがないので、いろいろとレクチャーしていただきたいです。

青山：全然、橘氏は大丈夫じゃない。寅太郎を聞いていても問題ないし、思った通りにやったら良いと思うよ。

橘：僕の中でのイメージですけど、アニメと外画は全然違うと思うんです。

アニメのキャラクターは結構、誇張しちゃってもいい部分がいっぱいあって、外画は実際にリアルな人間が動いて、その動きに合わせて芝居を作るみたいなところが、どちらかというとアニメの方が自由性が高いんじゃないかと僕は思っていて。

青山：う～ん……自由だと逆に難しくなることもあるからね。

外画も誇張せずにやっているわけでもないし、その辺は塩梅の問題かな。コメディとシリアスでも違うし、ディレクターなんかでも違って、昔は外画も結構自由に演じさせてもらったけど、今は製作している本国から指示されていることも多いらしいよ。

ケースバイケースだから、これが正しいやり方というのは無いんだよね。

橘：現場へ行って、その時のディレクションに合わせられるだけの引き出しを持って行かなきゃいけない、ということですかね。

そういった意味でも、青山さんにいろいろお話を聞きたいので、一緒にご飯行きたいなというご依頼を（笑）。

青山：そういうこと？　タダで飲ませてくれるならね（笑）。

一同：（笑）。

橘：それで来ていただけるなら、いつでも、何度でも行きたいです。

――その話を聞いたら、他にも若手声優さんが集まりそうですね。

橘：“青山さんにいろいろ聞く会”を作って、勉強会やりましょうか。「タダで飲めるので来てくれませんか？」「青山さん入りましたー！」って（笑）。

青山：何十人も待ってるの？　それで、何時間もしゃべらされたり？

橘：ちょうど、事務所の養成所もあるので。

青山：やめてよ、行きたくない。危ない、危ない（笑）。

一同：（笑）。

――お2人についてのお話もいろいろ伺ったところで、次（後編）は2クール目を中心に振り返っていきたいと思います。

TVアニメ『歌舞伎町シャーロック』作品情報

放送情報

TBS：毎週金曜深夜 1：55～
MBS：毎週金曜深夜 1：55～
BS-TBS：毎週土曜深夜 1：00～
AT-X：毎週火曜夜8：00～
リピート放送毎週木曜昼12：00～／毎週土曜深夜4：00～
※放送日時は変更になる可能性がございます。

《配信》
dアニメストア：毎週土曜昼12:00～
AbemaTV：毎週火曜12:30～
ほか
　

イントロダクション

新宿區イーストサイド……混沌を極めたその街の中心には、ネオン瞬く歌舞伎町が広がっていた。

光が強けりゃ影も濃い。悪人どもの潜む暗がりの、そのまた奥に探偵長屋の明かりが灯る。

ハドソン夫人の営むその長屋は、なくて七癖、曲者ぞろい。野心満々のケッペキ探偵に、男を化かす姉妹探偵。はたまた刑事くずれのオッサン探偵がいるかと思えば、ヤクザを破門されたアンチャン探偵……

そして真打は、落語をこよなく愛する天才探偵シャーロック・ホームズ。切り裂きジャックによる猟奇殺人が起きたその夜、舞台の幕は上がった。

探偵どもの化かし合いを横糸に、シャーロック、ワトソン、モリアーティ、三つどもえの友情を縦糸に……

ミステリー？　いやさコメディ？　なんともはや、判別不能ドラマのはじまりはじまり～。
　

スタッフ

監督：吉村愛
シリーズ構成：岸本卓
キャラクターデザイン・総作画監督：矢萩利幸
プロップデザイン：清池奈保・津坂美織・久原陽子
色彩設計：藤田恵里香
美術設定：金平和茂
美術監督：片平真司（スタジオアカンサス）
3D監督：磯部兼士（ランドック・スタジオ）
特殊効果：村上正博
2Dワークス：濱中亜希子
撮影監督：荒幡和也
モーショングラフィックス：大城丈宗
編集：濱宇津妙子
音響監督：長崎行男
音楽：伊賀拓郎
オープニングテーマ：EGO-WRAPPIN’「CAPTURE」
エンディングテーマ（#1～#12）：ロザリーナ「百億光年」
エンディングテーマ（#13～）：石崎ひゅーい「パレード」
アニメーション制作：Production I.G
　