アニメ『歌舞伎町シャーロック』青山穣さん、橘龍丸さんによる座談会第9弾|収録現場では本番前に交流を深めた2人☆ キャラをつかむことなく演じるという青山さんの自然な演技を、橘さんは耳で聞いて吸収!
TBS、 MBS、BS-TBS“アニメイズム”枠とAT-Xにて放送中のアニメ『歌舞伎町シャーロック』は、名探偵シャーロック・ホームズが活躍する探偵小説の要素がありつつ、架空の街“新宿區歌舞伎町”を舞台に、コメディあり、サスペンスありのストーリーが繰り広げられるオリジナルTVアニメです。
アニメイトタイムズでは、放送を振り返りつつ、キャストと共に作品の魅力に迫る連載キャスト座談会を企画。
第9弾は、ミッシェル・ベルモント役の青山穣さん、小林寅太郎役の橘龍丸さんを迎え、演じるキャラクターやお2人自身について掘り下げた座談会(前編)の模様をお届けします!
20歳という寅太郎の見た目とのギャップに、2人もビックリ☆
――まず、ご自身が演じられているキャラクターのご紹介をお願いします。
小林寅太郎役の橘龍丸さん(以降、橘):とにかく、義理人情にアツついあんちゃん探偵なので、熱量のある、自分に正直な男で。とてもわかりやすくて、“おバカちゃん”みたいなキャラクターです。
ミッシェル・ベルモント役の青山穣さん(以降、青山):彼はおバカなの?
橘:基本的に、本編で見える範囲では事件を解決していないので(笑)。
青山:それはミッシェルも同じだ(笑)。解決しているのは、シャーロックしかいない感じだよね。
橘:一応みんなも、謎解きしていますよという感じはありますけど、僕(が演じる寅太郎)は謎解きになると、一気に影が薄くなります(笑)。
青山:ミッシェルもそうだよ。「謎解きなんか、やってる場合じゃない」「俺は足で稼ぐ」みたいなことを言うんだから。
橘:そうですね。僕も基本は足で稼ぐというか、体を使ってなんとかしています。
青山:うちら2人は、そういう頭を使わないタイプのキャラだよね。
一同:(笑)。
橘:でも、ミッシェルさんは(寅太郎よりも)まだ頭使いますよね。
青山:いやいや、ミッシェルが使っているのは、警官とか昔の部下でしょう。ミッシェルは、自分では特に何もやってないんだよ。
橘:そうですか? 僕の中では、(ミッシェルは)すごく頭の良いイメージがあったんですけど。
青山:どうだろう、それは謎だね(笑)。まあ、考えることは考えていて、寅太郎ほど単純ではないかもね。
橘:そうですよ、(ミッシェルは)理にかなっているというか。寅太郎は、突然よくわからないところへ行ってしまって、人情だけで生きているような勢いがあるので。
一同:(笑)。
青山:寅太郎は男気があって、根はすごくいい人だよね。なぜ、ああいう性格の人がヤクザの組織に入ったのかわからないくらい、いい男だよ。
橘:寅太郎は20歳という設定なので、たぶんヤクザの世界に入ったのは10代の時なんです。
青山:寅太郎って20歳だったの? 20歳には見えないよ!?
一同:(笑)。
橘:身長は180cmを越えていて、見た目もいかつくて。僕も20代半ば~30代かなと思ったので、ビックリしました。
青山:28歳でも十分若いよ。これからが勝負だから。
橘:そうですね。って何の話をしているのかって話ですよね。
一同:(笑)。
青山:キャラクター紹介でしょ、早くしなさいよ。
橘:え!? しましたよ~。
青山:もう終わり?
橘:だいたい、そんな感じです(笑)。
ミッシェルは孤独で悲しい人だけど、徐々に明らかになった娘や仲間思いの姿がカッコいい♪
――寅太郎に関しては、#06がお当番回になっていて、他にも#02で富士子さんに想いを寄せているような描写があったりして。
橘:そうですね。基本的に、キレイなお姉さんにはメロメロなので、アイリーンさんが出てきた#07では、股間を押さえるようなシーンがあって、スケベキャラみたいな位置付けだったりします。
青山:#02で富士子とのシーンがあって、#06でお当番回は早いよね。
ミッシェルの当番回は2クール目だよ(笑)。それまで、ミッシェルはどういう人物かよくわからないから。
橘:ミッシェルさんはいつお当番回がくるんだろうと、みんなで話していました。
青山:僕もずっと思ってたよ。1クール目に何もなくて、2クール目の半ばくらいで、やっとスポットが当たって……。
ミッシェル以外は、だいたい1クール目で当番回をやっていると思うけど、その間ミッシェルは物語の本筋に一切関わらず(笑)。
橘:大丈夫です。僕も結構、本筋から外れてしまったので。
青山:お互いに、本筋に関わらないキャラだからね。
――でも、1クール目からミッシェルに注目しているファンの方も、結構いらっしゃったと思います。ミッシェルは、#01でシャーロックの車に細工をしていたり、#04でギャンブル好きの一面が描かれていて“ダメ親父”感がありますけど、#12ではモリアーティを非難する相手に対して“子供を想う父親”の姿が垣間見えて、カッコよかったです。
橘:あのシーン、カッコいい。めっちゃ良いですよね!!
青山:そうだっけ?(笑)
橘:青山さんが演じられたんですよ!?(笑)
青山:いやいや、そんなシーンもあったけど(照)。
橘:それまでは吞兵衛というか、いつもお酒を飲んで管を巻いているイメージしかなかったので、ちゃんと仲間思いなところがあるんだなとわかって。「娘を殺された無念はよくわかるよ。その無念を息子が晴らしたんだ、それのどこが親不孝なんだ」は名言でしたよね。
青山:そうかな? ありがとう。
――そのシーンで、やっぱりミッシェルも娘を持つ父親なんだなと強く感じました。
青山:監督としては、そこから2クール目につなげていこう、というのがあったのかもね。
――そうかもしれないですね。すでに、ファンの方も#16のミッシェルのお当番回をご覧になっていると思いますが、改めてミッシェルはどういうキャラクターだと思いますか?
青山:あれ、まだ質問1つ目? 結構、時間掛かるね(笑)。
橘:寅太郎のお当番回は#06と早い段階でありましたけど、ミッシェルのお当番回は#16で放送されたばかりなので、ぜひ聞きたいです!
青山:そうですね。
レストレイド警部が登場しますが、ミッシェルは元刑事で、彼の元上司という設定なので、#16では刑事だったころのシーンも出てくるんですけど、ギャンブルにハマって家庭が崩壊し、今は刑事をクビになって探偵をやっている、悲しい、孤独な人ですね。
しかも、娘には自分が父親であることを一切明かさずに、陰から支えているというか。
橘:そこがカッコいいですよね。昔かたぎの、すごく渋いキャラです。
青山:ちょっと思ったんだけど……レストレイドは、元上司がいるような探偵長屋には、依頼に行きにくいよね?
橘:たぶん、レストレイドはそういうところが図太いんですよ(笑)。
青山:そうか、図太いのか。
橘:あれだけカツラをビシッとかぶれているので。
青山:いや、かぶれてないよ(笑)。浮きまくってるから、ちゃんと貼った方が良いよ。
一同:(笑)。
――#16でのミッシェルに対するレストレイドの対応を見ていると、尊敬している先輩だと思っているんじゃないかなと感じたので、見知った人物で、信頼しているからこそ依頼に来ているとも受け取れるかと。
青山:なるほど。ミッシェルは知る限り、1つも事件を解決していないけどね(笑)。
橘:ヤバい……今回(の座談会は)、事件を1つも解決しない2人がそろってしまった(笑)。