「fripSideに寄り添ってくれた『超電磁砲』に恩返ししたい」──7年振り『とある科学の超電磁砲』とのコラボレーション! OP曲「final phase」を八木沼悟志、南條愛乃が語る
切ないラブバラード「promenade」
──さきほど八木沼さんが南條さんの歌声がこの10年で変わったとおっしゃっていましたが、具体的にどう変わったと感じているのでしょうか。
八木沼:年齢感ですかね。悪い意味ではなく、10年経てばその分年齢を重ねるわけで。当時は新人だった彼女が、いまや国民的な有名歌手の一員ですから。彼女の歌唱に今は重みと深みがあります。
声の空気感が違うんですよね。空気の震わせ方に上質なものを含んでいて、僕もめちゃくちゃ凄いなと思ってるんです。空気震わすことに関して、このひとはめちゃくちゃ凄いなと。10年前とは全然違いますね。
南條:10年前の歌い方でそのまままっすぐ成長してたらどうなっていたかなって興味もありますけどね。今のこのいろんな仕事をしていく上で、必要な要素を拾い集めていった結果が今です。
──シングルの2曲目「promenade」はまさにその“重みと深み”を感じました。久しぶりのラブバラードですね。
八木沼:そうですね。「promenade」は最近ラブバラードを書いていないなと思っていて作った曲です。
──久しぶりに八木沼さんの歌詞のなかで<愛している>という言葉を目にしたような気がしました。「closest love」などにありますが、頻繁に出てくる言葉ではないですよね。
八木沼:何度も“愛してる”を言ってしまうと安っぽくなってしまいますし、簡単に口にできる言葉ではないので大切に使いたいなという思いがあります。でもラブバラードを最近やってないから作りたいなと。
▼「closest love」が収録されているアルバム
──南條さんは「promenade」を聴かれたときに、どんなことを感じて、どんな風に歌いたいと思われましたか。
南條:今はこういうモードなのかなと思いました。自分が歌詞を書くときとはアプローチの仕方が全く違うので、表現するという意味で毎回ちょうどいいところを探りながら完成形を見つけていきます。自分の中で。
──「promenade」はフランス語で“散歩、散歩道”という意味なんですよね。演奏会という意味もあるそうですが。
八木沼:そうですね。この曲の場合は“散歩道”の意味で使っていて。歌詞にも出てくるんですが<君が好きだったこの場所を歩いて君との思い出を辿っているよ>と。つまり今はいないんですね、一緒に。切ない。
──山下公園あたりの景色を彷彿させます。あまりの切なさから冬の曲……という印象があるんですがリリースの時期的に、そう捉えていいんでしょうか?
八木沼:季節感は珍しく出していないんですよ。でも微妙な心理描写がすごく切ないんですよね。僕、ポエマーなので……。
一同:(笑)
──久々にラブバラードを作られて、その感触はどうでしたか?
八木沼:作っててとにかく楽しかったです。僕の地ってこっちなんじゃないかなって思うんですよ。80年代のニューミュージック、フォークソングが大好きですから。これくらいのテンポ、テンションの曲が作りやすいし、速くできます。
──それこそフォークを感じるアコースティックギターの音も特徴的ですよね。
八木沼:アコースティックギターはもともと好きなんですよ。現代音楽を語る上でアコースティックギター、フォークソング、ロックは切っても切り離せないものだと思っています。
アリーナ公演に向けてメッセージ
──いよいよツアー<10th Anniversary Tour 2019-2020 -infinite synthesis 5->のファイナル・4月5日の横浜アリーナ公演が近づいてきました。
八木沼:10周年記念ツアーのファイナルなので僕と南條さんの10年の集大成的なものになると思います。みんなでやるお祭りですから。
スポットが当たっていない曲も入れ込みたい気持ちはありますが、10周年記念ツアーファイナルでは“10周年ベストのセットリストだったらこうだよね”ってものになると思います。
南條:どんなセトリになるのか、お楽しみにしていてください。私的にも10周年なので、これやりたいなあという曲はあったりするのですが、私目線で見るのとfripSide的に見るのとだいぶ違いますからね。fripSide的に楽しんでいただけると思いますよ!
──そしてこのアリーナ公演を最後に共同制作者であり、ライブではサポートメンバーとしてDJ・マニピュレーター・キーボードを担当している川﨑さんがトルコに修行に出られるということで……。
DJ KAWASAKI:(唐突に話をふられて驚いた様子で)その話は書かなくて大丈夫じゃないですか(笑)。
八木沼:いやいや。で、お前はラストで何をやるの?
DJ KAWASAKI:えっ、僕何か特別なことをやるんでしょうか……。
南條:やっぱまた川﨑ダンスがみたいですね!
──(笑) 期待しています!
[インタビュー・逆井マリ]
リリース情報
fripSide「final phase」
TVアニメ『とある科学の超電磁砲T』OPテーマ
<初回限定盤>【CD+DVD】2,000円(税抜)
<通常盤>【CD】1,200円(税抜)
【収録曲】
1. final phase
2. promenade
3. final phase<instrumental>
4. promenade<instrumental>
【初回限定盤 特典DVD収録内容】
・「final phase」MV
・「final phase」MV Making
・TVアニメ『とある科学の超電磁砲T』ノンクレジットオープニング
・TVアニメ『とある科学の超電磁砲T』MV for"final phase"(特別編集アニメ映像)
・SPOT
▼アニメイト特典(初回限定盤のみ対象)
・A4クリアファイル
※特典は無くなり次第、終了とさせて頂きます。ご了承下さい。
※通常盤は対象外となります。
fripSide ミュージック・ビデオ集(Blu-ray)※タイトル未定
発売:2020年4月1日(水)
品番/価格:GNXL-1004/7,000円(税抜)
▼アニメイト特典
・缶バッジ(56mm)
※特典は無くなり次第、終了とさせて頂きます。ご了承下さい。