【連載】TVアニメ『ネコぱら』メイプル役 伊藤美来さん×シナモン役 のぐちゆりさん対談VOL.1|尊さに溢れたメイプルとシナモンのデュエットソング
好評放送中のTVアニメ『ネコぱら』。パティスリー「ラ・ソレイユ」を舞台にした個性豊かな人型ネコたちが織りなすハートフルストーリーは、毎週癒やされている人も多いと思います。最新の第9話では挿入歌&特殊エンディングも話題となりました。
アニメイトタイムズでは、メインキャラクターを演じるキャストやスタッフへのインタビューを毎週掲載。第9回は、メイプル役・伊藤美来さんとシナモン役・のぐちゆりさんにお話をうかがいました。
絞りだすようなセリフは本番で自然に出たんです
――第9話はメイプルとシナモンのお当番回でした。まずは感想をお聞かせ下さい。
伊藤美来さん(以下、伊藤):9話はオーディションでもらったセリフもあって、重要な回だと思っていました。メイプルの夢や、(歌が上手いという)新たな設定も明らかになりましたし。
のぐちゆりさん(以下、のぐち):アフレコの前に「9話は私たちだ!」「え? ここで?」みたいな話をしていたよね?(笑)
伊藤:してた〜。「9話にしてお当番回がくるんだ!」って(笑)。9話はメイプルとシナモンの関係性もそうですし、メイプルの夢がみんなに伝わる回でもあるので、いつものメイプルとは違ったところを見せられたらいいなと思って。ネコですけど人間味溢れるように演じることを意識しました。
のぐち:特にシナモンがメイプルに怒るシーンは、普段のほほんとしている分、演じていてもグッときました。台本をチェックしている時も、ここまでするんだと思ってビックリしましたね。まさか頬を叩くなんて。
伊藤:叩かれた!と思った(笑)。
のぐち:こうやって話していても、「何、すんのよ……」「目を覚まして。メーちゃんは、いつもカッコいいよ」と掛け合ったところが思い浮かびます。
伊藤:マイク前には2人だけで。周りも静かに雰囲気を作ってくださっていたので、2人の空間感がすごかったですね。
のぐち:本当に印象的でした。でも、叩くってことは、シナモンは本当にメイプルのことを思っているんだとわかった回でもあって。やっぱり、ダメだと思うところをしっかり言ってあげるのが友達だと思うので、2人はちゃんとそういう関係だと描かれていたのがすごく嬉しかったです。
――小さい頃を回想するシーンもあって、劇場版のようなストーリーだなと思いました。
のぐち:シナモンは小さい頃メイプルに言われた言葉をずっと胸に守っていて、それをメイプルにそのまま返すのがいいですよね。「丸くなってても、何も変わらないよ?」ってシナモンがメイプルに言えるんだって。
伊藤:9話はほんとにドラマ。のほほんとした日常とはちょっと違う回でしたよね。
のぐち:うん。「情けない所……見せられないじゃない……」って絞り出したメイプルも最高で。やっと本音を言えたねって。
伊藤:ここはテストと本番で全然違う言い方をしたんですよ。テストではガッと叫んで「見せられないじゃない! 皆にっ!!」って言ったんですけど、本番では掛け合いの中で気持ちが変わったというか。(自然と)絞りだす系になったんです。
――それはディレクションがあったわけではなく、自分で変えたのですか?
伊藤:そうです。そこは特に何も言われなかったですね。
のぐち:だからすごいと思ったんですよ。泣いちゃうみたいな感じだったから、え〜!と思って。隣に伊藤さんがいて、2人だけの空間で端と端のマイクでやっていたのを鮮明に覚えています。絞りだすように「皆にっ……」って言ったのは、本当にグッときました。
――気持ちがメイプルとシンクロして、自然とそうなったんでしょうね。
伊藤:たぶんそうだと思います。叩かれて目が覚めるというか、一瞬冷静になってこういう言い方になったんじゃないかなと。