この記事をかいた人
- MoA
- アニメ、VTuber、TCGが好きなアラサー男子。執筆、撮影、動画制作などやっています。
――演技において大事にされたものを教えてください。
市川:本作のテーマは夜の成長だと思っているので、人と出会って徐々に心を開いていく過程だったり、話数を重ねる毎に出てくる感情だったりを意識しました。
――変化という部分も楽しみですね。
市川:夜は仲間と出会ってからが変わっていくポイントです。そこに注目してもらえればと思います。
――早見さんはいかがですか?
早見:個人的には、アニメにおいてのラヘルの見え方があると思っていて。なので、アフレコ中にも監督や音響監督と相談したり、説明をいただいたりもしましたね。「ここはこう描かれるのでこのくらいの塩梅にしておきましょう」とか。ラヘルの内面や考えをどれくらい見せていくのか……そういったバランスは監督から常にお話をいただいていました。
――夜とラヘルは精神的にも真逆のように描かれているように見えました。演じる上でも意識されたのでしょうか?
市川:陰と陽のようなコントラストになっていますね。そこがラヘル自身に影響していたりもしますし……。
ただ、夜にはなるべくまっすぐであってほしかったので、演じる上でも思ったこと、感じたことを純粋にセリフにぶつけました!
――夜にとって数多くのキャラクターたちとの出会いも重要なポイントだと思います。中でも印象深いキャラクターがいましたら教えてください。
早見:私は三宅健太さんの演じるラークですね。誰かが話している裏側でひとり叫んでいる姿が可愛くて(笑)。怖い見た目なのですが、お茶目なところもあって魅力的です。
――市川さんはいかがですか?
市川:夜を演じる上で大事な存在となるクン(アグロ・アグネス)ですね。クンに出会ったことで塔の試練に挑んでいけるということもあり、彼なしには夜を語れないと言っても過言ではないかと思いますね。ぜひ、クンにも注目してほしいです!
――出演者には数々の有名声優が名を連ねていますが、アフレコ現場の様子はいかがでしたか?
市川:出演者を知ったときはびっくりしました(笑)。「こんなすごい人たちと作品を作っていけるのか!」という嬉しい想いの反面、「頑張らないと……!」という気負いもあり……すごく緊張しましたね。ですが、実際の現場は三宅さんがたくさんアドリブを入れていたりと、楽しい雰囲気に包まれていました。
――緊張は早めに解けたようですね。
市川:クン役の岡本信彦さんがよく話しかけてくださったこともあり、緊張はすぐ解けました。
――早見さんから見て市川さんは緊張されていましたか?
早見:マイクの前じゃないところでは緊張されているようにも見えましたが、マイク前ではそんな風には……(笑)。
市川:ほんとですか!?(笑)
早見:緊張されていたとしても序盤だけですよね?
市川:そうですね。あのときはおしゃべりする余裕もなく……(笑)。
早見:中盤以降はぜんぜん(緊張を感じさせなかった)ですね。
市川:和やかにやらせてもらいましたからね。
――本作で役者としてチャレンジしたポイントはありますか?
早見:キャラクターたちの心をいろいろな角度から見るようにしました。この立場から見たらこう見えるけど、その人は本当にそう思っているのか、とか。物語の主軸が夜なだけに、折々で見えるラヘルの表情は自分を含めて、観ている人がどう感じるのか……そこを踏まえつつ人間劇のような演技ができたらと思い、チャレンジしましたね。
市川:僕は、物語が進むにつれて夜自身に芽生えてくる人間味や、“底知れないなにか”を周りのキャラクターたちに感じ取ってもらえることを意識しました。そうでないと彼らは夜に着いてきてくれないと思い、これらをどう出していくのか考え、挑戦しましたね。
――本編には伏線のようなものがたくさん散りばめられていると思うのですが……。
早見:はい!(笑)
市川:はい(笑)。
――「こういうところにも注目してほしい!」というポイントはありますか?
早見:ラヘルと夜の会話自体が伏線ですからね……。物語が佳境を迎える場面でのふたりの会話は「おぉ!」となってもらえるのではないかと思います。
市川:そうですね。本作は夜の物語でもあり、ラヘルの物語でもありますからね。基本的には夜が主軸となっているのですが、ラヘルについてもよく注目してほしいです!
――夜の成長していく姿は、読者目線で早見さんからどう映りましたか?
早見:応援する気持ちでいっぱいです(笑)。
ラヘル役としても、一読者としても夜があってこその作品だと思いますので。なので、これからも夜のお話を見せてくださいという想いですね(笑)。
―― 改めて夜の注目ポイントを市川さんからもお願いします。
市川:塔ではそれぞれ目標や野望をもったキャラクターたちが登場します。そんな中で夜は、彼らとの出会いを通して感情が芽生えたりしますので、そういった姿を注目してもらえればと思います。
――最後に放送を楽しみにしている方々へメッセージをお願いします。
早見:世界でいろいろな方に読まれている人気作品のアニメ化ということで、日本をはじめとした各国の方々に観ていただけることが嬉しく思います。
見た目や性格……面白いキャラクターたちがたくさん登場するので、そういったポイントにも注目してもらいながら一緒に塔を登っていただければ幸いです。
市川:現在「LINEマンガ」という媒体で原作を読むことができるので、アニメ化をきっかけにより多くの人たちに知ってもらえればと思っています。
我々もその魅力を感じ取ってもらえるよう精一杯演じましたので、原作と照らし合わせながら物語を追ってもらえれば幸いです。一回だけでなく、何度も繰り返して観たくなるストーリーですので、いろいろな楽しみ方でご覧ください!
――ありがとうございました。
[インタビュー/写真/文・MoA]
塔を登れば、全てが手に入る。
塔の頂上にはこの世のすべてがあり、この世界を手に入れる……神になれる。
これは星を見たくて塔を登る少女・ラヘルと、そんな彼女がいれば何もいらない少年・夜の、始まりと終わりの物語。
4月1日(水)よりTOKYO MX、BS11、とちぎテレビ、群馬テレビにて放送開始
原作:『神之塔』SIU / LINE マンガ
監督:佐野 隆史
副監督:花井 宏和
シリーズ構成:吉田 恵里香
キャラクターデザイン:工藤 昌史、谷野 美穂
音楽:Kevin Penkin
OP/ED アーティスト:Stray Kids
アニメーション制作:テレコム・アニメーションフィルム
夜:市川 太一
ラヘル:早見 沙織
へドン:大塚 芳忠