早見沙織さん5周年記念ミニアルバム『シスターシティーズ』インタビュー|新しい扉を開き続ける早見さんのバイタリティと制作秘話を聞いてみた
2020年にアーティストデビュー5周年を迎えた早見沙織さんが、ミニアルバム『シスターシティーズ』を2020年3月25日(水)にリリースした。
アーティストデビュー以降、声優だけではなく音楽家としての才能を発信し続けてきた早見沙織さん。2ndアルバムの『JUNCTION』では、14曲中10曲の作詞・作曲を担当していたが、今回の『シスターシティーズ』では有名実力派アーティストたちとのコラボレーションを実現した。
懐かしいのに新しい。耳馴染みのいいメロディとバラエティに富んだアレンジ。まさに、いつまでも聴いていたくなるような極上の一枚が仕上がったと言っても過言ではない。
アーティスト早見沙織さんの最新作にして、最高のミニアルバムはどのように完成したのか?そして5周年を迎えた今、思うこととは何か。早見沙織さんに聞いた。
自分と向き合う5年間
――デビューシングル『やさしい希望』からスタートした早見さんのアーティスト活動が5周年を迎えました。今の率直な気持ちを聞かせて下さい。
早見沙織さん(以下、早見):すごくあっという間でしたね。デビュー1年目の時には5周年になったら「ザ・アニバーサリー・イヤー!」くらいの気持ちであるんだろうなと思っていたのですが、道のり途中というか。これからまだまだ続いていく一つのポイントとしての5周年なんだなと思いますね。
――アーティストデビュー以前と今と比較してみて、早見さんの中で変化したことなどはありますか?
早見:デビューする前に比べると、自分自身を振り返る時間が多くなったような気がします。
私ってどういう人間なんだろう?とか。音楽や食、洋服。私はどんなものが好きなんだろう?とか。音楽活動を続けていく中で、自分を振り返る、内面を見つめる時間が増えていた気がします。後は、より開放していくというか。
――開放していく。
早見:はい。自分の中で見つかったものを形にして伝えていくこと。言葉にして誰かに話すことが多くなった気がしています。
――なるほど。ご自身が作詞、作曲した曲が2ndアルバムの『JUNCTION』以降、増えていきました。発表された作品の数々に早見さんの内面が反映されているということなのですね。ちなみに、早見さんの中にいらっしゃった内側の「早見沙織」を見直してみてどんな発見がありましたか?
早見:自分でも自分のことって100%分かっていないんだなって。新しい発見が多かったですね。一つひとつが形になっていくことで、私自身が再認識できたことも多いんですよ。
――こんな面白い「私」がいた、というお話もお聞きしたいです。
早見:なんだろう……自分ではそう思っていないんですけど、秘密主義的なところがあるみたいです。
――無自覚に秘密主義な一面があるということですか?
早見:ええ。そういえば、幼稚園や小学生の時に言われたことがあったんです。「何を考えているのか分からない」だったり「どんな人なのかたまに見えづらい」と言われたり。
でも、私って全くそういうタイプじゃないんですよ(笑)。そういうタイプで生きてきたつもりもなかったんですけど、よくよく考えてみたらそういった一面もあるかもな?と発見はありました。これはアーティスト活動をしていなければ、気付けなかったかもしれないです。
――なるほど。
早見:だからこそ、私はチームでやっていくことが大切だと思いました。一人だと開かなかった扉やこれは必要ないと思って引き出しを開(あ)けてもらったり、開(ひら)いてもらったり。
これまでの私が気付いていなかった自分の感情を形にして誰かに届ける。結果として共感していただいたり、「心が揺さぶられた」と言っていただいたりするのって、すごく素敵なことだなって思うんです。
これまでとは違う特別なミニアルバム
――ありがとうございます。では、2020年3月25日に発売される『シスターシティーズ』についてもお話を聞かせていただければと思います。先ほどのお話にあったように、5人のアーティストが「それぞれ違う早見さんの扉を開けた」ような印象がありました。
早見:そうかもしれない……いや、その通りです!
――あはは(笑)。ちなみに『シスターシティーズ』を制作がスタートしたキッカケはどのようなものだったのでしょう?
早見:5周年ということもあったので、これまでとは違う特別なミニアルバムを作ろうということがキッカケでした。折角だから複数のアーティストさんとコラボをして新しい楽曲を生み出したい。これが土台にありました。
これまでお世話になった方やお会いしたことはないけれど、ずっと音楽を聞いていた方。近くでお見かけするし、ご活躍を目にしているけれど、音楽の面でご一緒させていただくのは初めての方。そうした方々と一つの作品を作ってみたいなと。
――敢えて、色々なアーティストさんと組むことで更に新しい早見さんを出していく、と。
早見:ええ。『シスターシティーズ』というタイトルにも込めたんですけど、それって今いる土地から違う土地に赴くみたいな感じかなって。どこかに旅をしなければ得られない経験って絶対あるじゃないですか?
――確かに。
早見:なので、今回の楽曲制作を通じて、私の内側も外側も広がることになるだろうなって思いましたね。