春アニメ『啄木鳥探偵處』浅沼晋太郎さん&櫻井孝宏さんインタビュー|今では味わえない時代の空気感や関係性に憧れる☆ 石川啄木と金田一京助が人間の思い絡まるミステリーに挑む!
オーディションで受かった喜びとプレッシャー
――ご自身が演じるキャラの紹介をお願いします。実在する人物がモデルということで、ご自身や世間一般の人が持つイメージ・認識との違いなどはありますか?
浅沼:不勉強で申し訳ないのですが、石川啄木さんのお名前と作品は知っていても、その人となりは詳しく知らなかったので、今回のこの作品に携わらせていただくことになって、初めてこんな人だったんだということが、僕の中でとても新しい発見ではありました。
こういった作品、アニメーションは往々にして実在した人物をデフォルメしたり、いろいろな演出をつけたりするものなんですけど…スタッフさんの中に石川啄木フリークがいらっしゃって。
櫻井:フリーク(笑)。
一同:(笑)。
浅沼:もちろん京助さんのことも、ものすごく調べていらっしゃるんですよ。その中で、実は事実の方がより色濃かったという面が出てきたらしく、むしろアニメではそこを弱めたりしているくらいだと聞いて。
そんな事ってあるんだなと思いながら、収録の度に京助や啄木はもちろん、他の文士たちのことも少しずつ知って、少しずつ好きになっているような……今日この頃です(笑)。
そして実は、オーディションをいただいた役は啄木ではなかったんですよ。
僕が岩手県の盛岡出身なので「せっかくなら啄木も受けてみたいなー」とボヤいたら、マネージャーさんがオプションみたいにくっ付けてダメ元で両方送ってみようかと(笑)。
一同:(笑)。
浅沼:そうしたら啄木で決まって…すごく光栄で嬉しかったのと同時に、プレッシャーはひとしおでした。
櫻井:僕は、(推理小説の登場キャラクターである)探偵の金田一耕助は知っていたんですけど、(金田一京助については)国語の偉い人というくらいのレベルの知識で。
生きていれば、どこかでその名前は一度は聞くだろうというくらい有名な人で、実際自分がその役を務めると聞いて、台本を見るまではどういう人なんだろうなと。
それくらいの印象だったんですけど、この作品における彼は設定にもある通り、啄木にめっぽう弱い、本当に優しい、気のいい人で。ただ、気の良さ、人の良さという長所が“玉にキズ”な短所になっちゃっているところもある人なんです。
そんな京助は、ちょっと憧れてしまうような、自分が目指していた場所にいるような人物である啄木に対して、憎めないし、自分にはない(啄木の)素晴らしい感性と才能を尊敬しているキャラクターですね。
チャレンジしたい役だなと思っていたので、オーディションで決めていただいたというのも、僕は本当にうれしかったです。