TVアニメ『食戟のソーマ 豪ノ皿』EDテーマ「Crossing Road」渕上 舞さんインタビュー｜集大成ならではの壮大な一曲、さらに“自分らしい”のこだわりのカップリングも

2018年リリースのアルバム『Fly High Myway!』以降、アーティストとしても躍進している声優の渕上 舞さんが、ニューシングル「Crossing Road」をリリースする。

今作は4月スタートのTVアニメ『食戟のソーマ 豪ノ皿』のED主題歌で、透明感溢れるハイトーンボイスが冴えわたる壮大で力強い楽曲に。一方、カップリングの「ハラ・ヒラ・フワリ」は渕上さんが作詞を手掛けた桜をテーマにした儚げなミディアムナンバー。渕上さんがこのシングルで描いていたイメージは“光と闇”だったそう。

前作のシングルに収録された刺激的なバレンタインソング「バレンタイン・ハンター」でアーティストとして新たな表情・世界観を見せた渕上さん。今作ではどんなチャレンジがあったのだろうか。

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『食戟のソーマの』EDアーティストに抜擢！ 不安も？

──「バレンタイン・ハンター」が収録された前作から今作……改めて、多彩な表現力に驚きました……！

渕上舞さん（以下、渕上）：ふふっ、ありがとうございます。確かにそうですよね（笑）。

──タイトル曲は『食戟のソーマ』のエンディングテーマですが、お話をもらったときはどんなお気持ちでしたか？

渕上：まずは嬉しいなぁと思いました。でも「良いのかなぁ？」って。

──と、いうのは？

渕上：そもそも『食戟のソーマ』という作品に関わるのが初めてなんです。役者としてもアーティストとしても関わったことがなくて。もちろん有名な人気作なので、お名前やキービジュアルは存じ上げてはいたんですけども……そんな作品の集大成ともなる五期。これだけ長く続いてきた作品の最後を彩るパートを担当させていただけることになり「大丈夫かなぁ、良いのかな」って。だから嬉しさ半分、不安も半分といった状態でした。

──（インタビュー現在）これから放送を控えている段階ですが、その不安は解消されました？

渕上：いえ、まだふわっとしてます（笑）。曲こそ表に出たものの、まだアニメははじまっていないですし、私自身もまだアニメーションがついたエンディングの映像は見られていないんです。だから応援してくださっているお客様たちと同じ立場で。この作品で私のことを初めて知るという方、もともとのアニメファンの方々に受け入れてもらえるのかなぁ、どう感じてもらえるのかなぁと思っています。

──では、曲をもらったときの第一印象はどういうものでしたか？

渕上：全体に光という言葉が散りばめられていて、メロディラインとは裏腹にとても力強く、明るく、前向きな曲だなぁと思いました。でも、イントロやAメロを聴いたときは、決して明るい楽曲というイメージではなかったんです。でも私のなかではエンディングってしっとりとした楽曲が多いイメージだったのでしっくりきたのですが、聴きすすめていくと後半に向かってどんどん開けていく感じがあって、「これが集大成ならではなんだろうな」と感じました。

最近はありがたいことに、自分が歌詞を書かせていただく機会が多かったので、作家さんが書いてくださった詞を歌うのはなんだか久しぶりな気がしていて。とても新鮮な気持ちで歌わせていただきました。

──詞を手掛けているのは松井洋平さんですね。

渕上：今回の曲は基本的にはお任せして。そこにどれだけステキな色をつけられるかが私の仕事かなと思いました。今までとはまた少し違った曲になったんじゃないかなと。

詞をいただき、「やはりプロの方なんだな」と感じたのが、言葉の流れとはめ方がピッタリというか……歌っていて気持ちが良いんですよね。サビの終わりのファルセットの＜夜明けの鐘　鳴り響く＞というところが高い音で抜けるようなメロディになっているのですが……綺麗に当てるために頑張って歌おうと意識するんですが、それにも関わらず、自然と抜けるように歌えるんです。

──へええ！　それは本当にさすがの技術というか……。

渕上：おそらく、母音や、＜響く＞という言葉自体がそもそも抜けやすいのか？ とか……いろいろとあると思うんです。私が仮にこの楽曲をいただいて自分で歌詞を書くとなっていたら、こういう歌にはなっていなくて。長年やっていらっしゃる方ならではの技術なんだろうな、プロの仕事だなと感じました。

──じゃあ舞さんとしても歌いやすかったですか？

渕上：気持ちは良いんですが、簡単なようで難しい……起承転結の激しい曲なんですよね。イントロはしっとりと、一つひとつの言葉を大切に歌っていくような感じで。私自身は、熱く盛り上がる曲よりも、感情を込めて歌い上げるバラードのほうが歌いやすいんです。だから最初は「こういう曲好き！　得意！」と思っていたんですが、サビで違う顔が出てくるので、歌っていて気持ちはいいけど決して楽ではないという。

──先ほど後半に向けて開いていくとおっしゃっていましたが、2番でも違った表情に変わっていきますよね。

渕上：そうなんですよね。さらに、また3番、落ちサビで変わっていく。イントロと後半では違う楽曲くらいのレベルで。そういう意味ではいろいろな方面から楽しめる曲なんじゃないかなと思います。

──ところで、タイトルの「Crossing Road」は分かれ道や分岐点といった意味ですよね。春という時期にもピッタリな曲だなと。

渕上：そうですね。進路も含め、それぞれの道がありますよというか……。いい言葉だなと思っています。アニメと一緒に楽しんでいただければ感情移入できるところも多いでしょうし、曲単体として聴いても……ちょっと大げさな言い方になってしまいますが“人生”に重なるところがあるんじゃないかなと。