「月刊ブシロード5月号」に掲載された『BanG Dream!』&『D4DJ』原作者・中村航さんのインタビューがアニメイトタイムズに出張掲載!
「月刊ブシロード5月号」に掲載された、『BanG Dream!』、『Argonavis』、『D4DJ』などの原作者・中村航さんのインタビューが、大好評を受けてなんとアニメイトタイムズに出張掲載!
人気プロジェクトに関わる中村航さんの軌跡、ものづくり思考、心得などがたっぷりと語られています! ぜひご覧ください!
小説家・中村航。彼のその軌跡や、ものづくりの思考・心得
みんなで走ってた バンドリ!創成期
――中村先生は、どのような経緯で『バンドリ!』プロジェクトに携わるようになったのでしょう?
中村:ブシロードさんが『ガールズバンドものを制作したい』ということで、バンドものの原作が書ける人を探していたところ、僕の著書である『ぐるぐるまわるすべり台』(文春文庫)を読んだ編集者からお声がけいただきました。物語づくりだけじゃなくて、リアルバンドも動かしてライブをやって、アニメやゲームにも展開するという話を聞いて、ワクワクしましたね。
――実際に携わることになり、何から作りはじめたんでしょうか?
中村:『愛美さんを主人公としたガールズバンドもの』というところから、少しずつ広げていきました。メンバーの数だとかバンド編成だとか楽器をどうするだとかも、指さし確認しながら、決めていった感じです。最初は関わる人間もまだ少なくて、手作り感満載でしたけど、楽しかったですね。スタッフはもちろん、キャストのみんなが、本当に頑張ってたので。僕も前向きに取り組んできました。
――Poppin'Party(ポピパ)の物語はどのように生まれたのでしょうか?
中村:『香澄がメンバーと出会っていく物語を作ろう』という大枠があって、キャラクターのバランスをとっていきました。ただ『キャラクターとリアルがリンクする』がコンセプトでもあったので、キャストによってキャラも多少変わったり、さらにストーリーも修正したり…。実際に起こったことを盛り込みつつ、相互作用しながら同時進行で作っていった感じです。ある意味、プロレス的な手法かもしれませんね(笑)。
――ポピパには星のテーマやモチーフが多い気がしますが…?
中村:もともと星のイメージは『ランダムスター』というギターから出てきたんです。女子高生がランダムスターを持ったら面白いかなと。街で星のマークを追いかけていったら、星型のギターに出会った。そして、かつて自分が星を見たときに感じたドキドキを思い出して、『キラキラドキドキしたい』に繋がっていく。もうひとつ、これはまったくの偶然なんですけど、ポピパメンバー4人の名前の頭文字を取ると『STAR(星)』(沙綾=Sāya、たえ=Tae、有咲=Arisa、りみ=Rimi)になるんですよね。もうきっとこれは、香澄もキャストもスタッフも『みんなで星を追いかけていく』というのが、バンドリ!プロジェクト全体の宿命的なテーマだったんですよ(笑)。
ポピパの歌詞は 香澄が書いている
――ポピパの楽曲の歌詞を手掛けるようになったのは?
中村:音楽ものの作品で、オリジナル曲の歌詞は、絶対に大事だと最初から思ってました。歌詞がストーリーを引っ張るときもあるし、その逆もある。自分がやるべきだと思ったし、何よりやりたかったんですよね。僕自身が学生時代からバンドをやっていて、小説を書く前から作詞はしていたんですよね。最初に『Yes! BanG_Dream!』の歌詞を作って、見てもらって、『ほら、できるでしょ?』みたいな感じですかね(笑)。
――作詞をする際に心がけていることはありますか?
中村:『香澄が作詞している』ということを念頭に、香澄以外からは出てこない『強い言葉』を、必ずひとつは作りたいと考えています。それから、聴いた人に伝わる・共感する『メッセージ性』と、短い歌詞の中でも感じられる『物語性』を共存させたいなと。そういった意味では、『STAR BEAT!~ホシノコドウ~』、『八月のif』、『キズナミュージック』あたりは、特にうまく仕上がったかもしれないです。最近は歌詞を作りながら、『メンバーがこういう気持ちで、こういう歌い方で歌ってくれるだろうな』というのが、だいたいわかるようになりましたね。