『ヒプノシスマイク』新シリーズ全曲レビュー:オオサカ・ディビジョン編|「やかましいくらいがちょうどええわ!」わーわー言うとりますけど、ラップやらせてもらってます
月と太陽の関係を描いた「Own Stage」
白膠木簓の「Tragic Transistor」とは対象的に哀愁漂う「Own Stage」で攻めてきた躑躅森盧笙。
冒頭の「俺たちはまるで月と太陽」というリリックにもあるように、「Tragic Transistor」は見たものや標的とする他ディビジョンなどの自分の外の出来事について歌った曲に対して、「Own Stage」はひたすらに自分の抱えている後悔や葛藤、つまり自分の中の出来事を歌っています。
曲の中盤までは、白膠木簓と躑躅森盧笙の関係性を匂わせる歌詞が続き、ドラマトラックでは語られていないストーリーを感じることができるのもポイント。過去にこんなことがあったのかもな……と想像しながら聴ける曲でもあります。
しかし、終盤の「wake me up」の部分からは少し展開が変わって前向きなリリックが目に付きます。前向きに見えるのが「太陽の日差し 浴びて今日も何かに 挑戦して イコールの右側へと行こう」のこの部分だけというのがまた味があっていいのですが、「太陽の日差し」というのが、冒頭の「俺たちはまるで月と太陽」の「太陽」であるような気がして、なんだかほっこりしますね。
またフックの部分が「wake me up」前と後では意味合いが違うような気がして、躑躅森盧笙が前に進みだしたような展開も個人的に気に入っています。
そして、さらに注目すべきはメロウなトラック。蛭間大地とmaeshima soshiが担当していますが、特に福岡在住のmaeshima soshiは今注目のプロデューサーです。
コミカライズ作品の『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- side B.B & M.T.C』に付属した山田二郎&三郎の「BB's City」の作詞を手掛けたのもmaeshima soshi。『ヒプマイ』的にもチェックしておいて間違いないトラックメイカーです!