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劇場版「Fate/stay night [HF]」第三章 下屋則子&浅川悠インタビュー【連載第4回後編】

劇場版「Fate/stay night[Heaven’s Feel]」III.spring song下屋則子さん&浅川悠さんインタビュー後編|2人の関係性は桜とライダーそのもの!?【連載第4回後編】

衛宮士郎に対する印象は真っ二つに

――[HF]第3部作を見て、衛宮士郎というキャラクターはどう映りましたか?

浅川:私はブレなさすぎてちょっと怖いなと思いました。舞台挨拶で神谷くんも言っていましたけど、演出的なものもあって、一見歪んでいるのは慎二の方にも見えるのですが、実は慎二の方がずっと人間味があって。(士郎は)良い人だなと思うし、実際に良い人なんですけど、それにしてもブレないですよね。

だからライダーも、ここまでブレないといつかどこかでブレるんじゃないか不安になって、本当に桜の味方になるのかを問い詰めたのかなと思っていて。(須藤)監督とかに言わせたら「いや、ライダーそんなこと思ってないよ」って言われちゃうかもしれないですけど(笑)。

まだまだ若いのに自分なりの信念を持っていて。思春期なりの好きな女の子に夢中になっての感情もあるんだろうけど、それにしたって皆さんもあのくらいの歳の時なんてねぇ。

――間違いなく、あんな立派な人間ではなかったです(笑)。

浅川:そうでしょう? 私だってあのくらいの頃、鼻水垂らして遊んでましたよ(笑)。

一同:(爆笑)。

下屋:さすがに、そんな高校生じゃなかったと思いますけど(笑)。

浅川:いや、普通は、読んじゃいけない本とか読んで「うおー!」とか言ってる頃ですよ(笑)。あまりにもしっかりしてるから、どこかで押しつぶされて、桜みたいになっちゃうんじゃないかなって。

――心が壊れてしまうというか。

浅川:そう、まだ高校生なのに、正義の味方でいるには誰かの敵にならなきゃいけないとか、誰かの敵になるとか、あんな禅問答みたいなことを大人たちに言われまくって、この子いつかおかしくなっちゃうんじゃないかなって。半分はライダー、半分は私の視点として、見ていて不安になった印象が強いですね。

――[HF]だからこれまでと印象が変わったというのもありましたかか?

浅川:むしろ[HF]だからこそそう感じた部分がありました。私の中では士郎って、それまでは純粋にセイバーの味方として見ていたのですが、今回は誰の味方をするかっていうテーマもあるじゃないですか。信念を通してはいても、アーチャーほどの安心感があんまりなかったというか、見ていて大丈夫かな、壊れちゃうんじゃないかなって。

下屋:私は桜を通して見ているからなのかもしれませんが、士郎ってああいう風にすることでしか生きられなかった人だと思っているんです。大火災で自分だけが生き残って、そういう風に生きることでしか耐えられなくて。それは桜にも通じる部分があって、間桐家で受けた仕打ちを考えると、普通は正気を保っていられないじゃないですか。私なら絶対生きていられないし、逃げていると思います。

浅川:現場でも話してたよね。あんな目にあったら大体心が擦り切れるのに、桜はよくあんなピュアなままでいられたよねって。

下屋:そう、私ならとっくに家出しちゃうと思うんですよ。あの家にいるくらいなら他の場所でもどうにでも生きていける。でもその選択をせず、逃げなかったのが桜の精神力の強さ、我慢強さでもあると思うんですけど、士郎と同じで、そうすることで生きてこられたっていう部分もあるのかなって。

そういう共感に近い想いがあったからなのか、士郎に対しては昔から違和感を感じたり、おかしいと思ったことはなかったんです。やっぱり桜にとっては士郎ってすごく大事な存在なので、私自身も士郎のことを理解したいと思っていた部分があったのかもしれないですけど。

――確かに、桜にとって士郎は、生きる理由そのものと言えるくらい大きな存在です。

下屋:士郎がああいう人だったからこそ、今回の桜も救えたわけじゃないですか。あんなボロボロになって、全てを投げうってまで誰かを救うなんてなかなかできることじゃない。桜にとってライダーや士郎みたいに自分の命をかけて守ろうと思ってくれる人がいてくれるのは幸せなことだし、よかったね、と祝ってあげたい想いもあります。

一見人とは違う考えをもっている士郎は、みんなからすれば奇妙な存在だったり、理解に苦しむ部分があるのもわかるんですけど、桜の視点で見ると、士郎がそういう人でいてくれたからこそ救われたという感覚がどうしてもあるので。それは、私が桜を演じているからなのかもしれません。

――士郎についての想いは、下屋さん自身も桜と共通するものがあったというか。

下屋:そうですね。慕っているっていう一面はもちろんありましたけど、[HF]までの桜って、ただ慕っているだけじゃなく、私なんか先輩には似合わない、私は隣にいていい女じゃないって少なからず思っていた部分があって。それが、第2章でぐっと(2人の距離が)近づいたじゃないですか。

その後から、取材の時とかに隣で杉山さんが凛の話をしていたりすると、ちょっと面白くないなって感じちゃうことがあるんです(笑)。桜がちょっと入ってきちゃって、いけないいけないって(笑)。

一同:(爆笑)。

――元カノの話をされる時みたいな(笑)。

下屋:そう(笑)、なんか凄く複雑な思いがあるんです。

浅川:確かに、士郎の方もそういうとこ鈍そうだしね(笑)。

下屋:そうなんです! こないだの特番の時も、[UBW]の映像で凛に告白するシーンの映像が流れていたんですけど、あれも私はどういう気持ちで見ればいいのかなって……(笑)。

浅川:うん、あの時は隣にいる私も感じてましたよ。「あ、今ちょっとやばいな」って。

下屋:隣からピリピリした空気が(笑)。

浅川:ワイプで抜かれるかもしれないから、口角だけ上げておくけど、ずーっと(下屋さんの方が)気になってて。会場の一箇所だけ空気が違う(笑)。

――もうその関係性というかやりとりが、完全に桜とライダーそのものじゃないですか(笑)。

下屋:確かにそうかもしれないですね(笑)。もし私も違うキャラを演じていたら、士郎のことをなかなか理解できないと言っていたかもしれませんし、何かしら自分のキャラクターとリンクする部分というのはあるのかなと思います。

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