脚本は映画数本分!?実写ではできないことをアニメでやりたくて――夏アニメ『GREAT PRETENDER』鏑木ひろ監督×脚本・シリーズ構成 古沢良太氏インタビュー
ロスでの先行上映でも地元ファンが熱狂! 古沢さんもイメージ通りの映像を見て感動!
――最初の5話までの映像を拝見させていただきましたが、自分はだまされっぱなしでした(笑)。そしてエダマメの視点でハラハラ、ドキドキの連続で。
古沢:いいお客さんですね。
鏑木:みんな、そう素直に見てくれればいいんですけどね(笑)。
――アメリカなど海外の描写も精密できれいで、海外旅行をしている感覚でした。
鏑木:今ならPCやスマホでどこでも見られますけど(笑)。活きたキャラが躍動することで、背景や雰囲気もリアリティを増していったのかなと思います。
古沢:1話を先日、ロサンゼルスで行われた「Anime Expo」でお客さんに見ていただいたんですけど、ロスの風景が出てきた瞬間、湧いてましたよ。
鏑木:かの有名な看板が出てきたら、どっかんとウケてましたね。まあ、めちゃめちゃ観光地ですから(笑)。
――古沢さんが完成した映像をご覧になった感想をお聞かせください。
古沢:素晴らしいし、感動しました。おしゃれだし、きれいだし、キャラもみんなイキイキしていて。実写はできないことだらけだし、予想できないこともたくさん起こるので、ある意味イメージと違うものができあがることがあり、それも魅力だったりしますが、アニメではイメージに近いものができるんだなと。それは監督が僕とイメージを共有してくれていたことが大きいと思います。
鏑木:ありがとうございます。
先がわからないオリジナルを楽しみながら主人公たちと世界中を巡る気分で爽快に!
――今までのアニメのTVシリーズにはなかった作品で、年齢性別問わず、幅広い層が楽しめる、新しいエンターテインメントになったと思います。
鏑木:やっぱり古沢さんだからでしょうね。違う畑から来た人から出るアイデアやイメージは新鮮で。それをこちら側がちゃんと受け止められるかが難しいところでもあるんですけど、このチームはうまく行ったんじゃないかなと思います。あと古沢さんも僕も「自分が、自分が」と主張しなかったのがよかったんでしょうね。
古沢:そうかも。
鏑木:お互いの良さを活かそうと、一歩引く感じの距離感がよかったのかもしれません。
古沢:おしゃれで新しい部分もあるけど、世界観にはどこか懐かしさもあるので、幅広い層の方に、そして普段アニメを見ない人にも見てほしいです。詐欺師のお話ですが、爽快な気持ちになってもらえると思います。エダマメと一緒に世界中を飛び回って、いろいろな冒険をしている気分で楽しんでください。
鏑木:この取材の時点では移動しにくい状況ですが、落ち着いたら聖地巡礼してほしいですね。まあまあ広いので大変ですけど(笑)。オリジナル作品ということで、誰も先のストーリーがわからないことも見どころの1つです。僕としては見る前は情報を遮断して、見終わったら思う存分、語り合ってほしいです。
[取材・文・撮影/永井和幸]
作品情報
放送情報
2020年6月2日よりNetflixにて順次独占先行配信
CASE1(1話~5話) 6月2日
CASE2(6話~10話) 6月9日
CASE3(11話~14話) 6月16日
CASE4 Coming Soon
※配信日時は変更の可能性があります。
2020年7月8日よりフジテレビ「+Ultra」にて毎週水曜日24時55分から放送
ほか各局にて放送
(関西テレビ/東海テレビ/テレビ西日本/北海道文化放送/BSフジ)
※放送日時は変更の可能性があります。
STAFF
監督:鏑木ひろ
脚本・シリーズ構成:古沢良太
キャラクターデザイン:貞本義行
サブキャラクターデザイン・総作画監督:加藤寛崇
総作画監督:浅野恭司
デザインワークス:奥田明世 清水慶太 石橋翔祐
コンセプトデザイン:丹地陽子
副監督:益山亮司
美術監督:竹田悠介
美術設定:藤井一志
色彩設計:小針裕子
撮影監督:出水田和人
編集:今井大介
音楽:やまだ豊
音響監督:はたしょう二
ミュージックエディター:千田 耕平
アニメーション制作:WIT STUDIO
●オープニング・テーマ楽曲:「G.P.」/作曲 やまだ豊
●主題歌:「The Great Pretender」/Performed by Freddie Mercury
Words & Music by Buck Ram
CAST
枝村真人(エダマメ):小林千晃
ローラン・ティエリー:諏訪部順一
アビゲイル・ジョーンズ(アビー):藤原夏海
ポーラ・ディキンス:園崎未恵