音楽
石原夏織 2ndアルバム『Water Drop』アルバムを本人が語る|インタビュー

石原夏織 2ndアルバム『Water Drop』インタビュー第2弾:多彩なジャンルの“ひとしずく”が集まったアルバムを本人が語る!

全収録曲を深堀り!

01. Face to Face

作詞:松井五郎 作曲:俊龍 編曲:黒須克彦・長田直之

――その“ひとしずく”である収録曲について、1曲ずつお話を伺えればと思います。1曲目は4thシングル表題曲の「Face to Face」。先日の1stライブツアーなどで披露したことにより、曲の印象に変化はありましたか?

石原:大きく変わりました。もともと持っていたのはポジティブで明るいイメージだったんですけど、ライブで皆さんと会えた喜びなどの感情が生まれたことによって、ライブ後に1人で聴くと寂しさや切なさを感じるようになったんです。

――みんなの前で歌う時と1人で聴く時の印象がかなり違うのですね。歌うたびにどんどん成長していく曲なのでしょうね。

石原:そうですね。歌詞が直球ですし、歌う場面によって感じ方が変わるんだろうなと思っています。

02. フィービー・フィービー

作詞:只野菜摘 作曲:大竹智之 編曲:太田雅友

――2曲目からは新曲が続きます。「フィービー・フィービー」というタイトルは最初意味がわからなかったのですが、歌詞にある「Feel Beam」「Feel Beat」のことなのですね。

石原:はい。サビに出てくる「Feel Beam」「Feel Beat」で「フィービー・フィービー」です。私もなんだろうな、と思って歌詞をみたらわかりました(笑)。

――アップテンポで前向きさを感じる楽曲ですが、コンセプトをお聞かせください。

石原:この曲は“みんなで体を動かしてひとつになろう”というコンセプトで、一体感が出ることを目指して作りました。歌っている時も自然と笑みがこぼれ、楽しい気持ちが全面に出る曲だなと思います。曲中に「Feelin’Good!」という決めのフレーズがあるんですけど、ここはみんなで揃えられたらいいなと妄想もはかどりました(笑)。

――レコーディングで歌ってみて難しかったところなどはありますか?

石原:ありがたいことにこれまでも難しい曲を歌わせていただきましたし、もともと歌が好きということもあって、難しさを感じるよりも楽しく歌っていました。

 

03. Water Front

作詞:しほり 作曲:理沙・工藤政人 編曲:工藤政人

――3曲目は大人っぽく切ない楽曲「Water Front」です。こちらはまたイメージが異なりますね。

石原:この曲は、叶わないけど想ってしまう切ない内容になっています。歌詞は「詩的ではなく、話し言葉のような、感情が吐露しちゃう感じで」とお願いをしていたので、レコーディングでもセリフを喋るように歌いました。なんだかアフレコをしているような感覚でしたね。(描かれている人物は)自分とは遠い存在だけど、スッと入っていける不思議な魅力のある曲だなと思いました。

――丁寧に歌うよりも感情を全面に出したような歌い方だなと感じていたので、今の話を聞いてしっくりきました。

石原:嬉しいです! こういう感じに歌ったことがなかったので、どうなるかと思ったんですけど、意外と好きだなと気づきました。

――曲調も好きな感じですか?

石原:好きです。こういうタイプの曲を今までいっぱい聴いてきたわけではないんですけど、聴くと耳から離れないですし、曲がかかるとスイッチが急に変わるような感じがして。思わず歌いたくなるメロディーがすごくいいですよね。

――音の高さでいうとAメロやBメロは結構低いですよね。

石原:そうですね。声を張るところは張りますけど、落とすところは声をそんなに出さず、喋るのに近い感じでした。こんなに小さい声でいいんだろうかと思ったぐらいで。挑戦的で新しい発見が、この曲にはいっぱいありました。

――その意味合いでは、Dメロの「どうにでもなれ」もすごく印象的でした。ここは何かディレクションを受けたのでしょうか?

石原:「感情を爆発させるような感じで、叫ぶように歌って欲しい」と言われたので、そのように歌ったら一発OKが出ました。音程やリズムにはのせつつ、出し切っていいという感じでしたね。

――ライブでどのような演出で聴けるのかも楽しみです。個人的には生ピアノで歌って欲しいですね。

石原:いいですね。ピアノの音がいっぱい入っていますし、いつかやってみたいです。

04. 夜とワンダーランド

作詞・作曲・編曲:クボナオキ

――「夜とワンダーランド」は疾走感がありつつ、とても雰囲気のある曲ですね。

石原:明るく爽やかなバンドサウンドは歌ってきたんですけど、こういうちょっとダークで、でも疾走感がある曲は今までなかったなと思います。それでいてメッセージ性は世界観を重視して作っていただいたので、ファンタジーな感じがする歌詞になっています。その塩梅を意識して、「暗くなりすぎず」歌わせていただきました。

――クボナオキさんは「半透明の世界で」(2ndシングル「Ray Rule」カップリング曲。作曲・編曲を担当)でもご一緒していて、SILENT SIRENのサウンドプロデューサーもやられています。

石原:SILENT SIRENさんの曲を聴いていたこともあって、「半透明の世界で」のコンペをした時もクボさんだとすぐにわかったんですよ。でも、やっぱり私に合うように作ってくださっているんだと、歌ってみてすごく感じました。

――今回は作詞・作曲・編曲すべてやられていますし、さらに石原さんのイメージをつかんでいたと。

石原:そうですね。作る前に私の歌声をいっぱい聴いて、絶対に合うように作ってくださったみたいで、レコーディングでは「やっぱり合うね」と言ってくださいました。

――クボさんはTwitterで「バンドとハイブリッドエレクトロを混ぜて疾走感のある曲にした」と書かれていて、その言葉からも世界観を感じました。

石原:皆さん本当に独特の世界があって、こだわっているところや独特の世界がありますからね。芸術だなってすごく思います。

05. リトルシング

作詞・作曲・編曲:kz(livetune)

――エレクトロな楽曲のゾーンとして、次に登場するのが「リトルシング」。こちらはダークではなくポップでキュートな雰囲気ですね。

石原:はい。“可愛い”を目標に作りました。

――レコーディングはどうでしたか?

石原:「Orange Note」(1stアルバム「Sunny Spot」収録。kzさんは編曲を担当)に続き、今回もkzさんに録っていただきました。「Orange Note」も4つ打ちのダンス曲だったのですが、そういうテイストの曲を歌い慣れていなかったこともあって、苦戦したんです。でも、今回は「しっかりできている」と言っていただいて。教えていただいたことを、約2年間で吸収できたことが嬉しかったですね。

特にこだわったのがBメロの部分です。「だけどたった一つ小さな」と2番の「きっとそんなことでできてく」のところは跳ねるリズムに変わっていくので、“アクセントを当てる”よりも“切る”ような感じで歌っています。なおかつ、もっと可愛くして欲しいとリクエストいただいたので、一生懸命それを出せるように頑張りました。

――冒頭の歌詞に「何気ない指先一つで 未来は描かれてゆく」とありますよね。どんな仕事をしていても、何気ないことで変わることはあると思うんです。そういうことって実感しますか?

石原:ほとんどがそういう感じだと思っているので、すごく共感できます。選択肢はいっぱいあって、選んだ道で大きく変わるなって。例えば、曲をひとつ選ぶにしても、それでアルバムの方向性や今後の流れが変わってきますし、こうやってアーティスト活動ができるのも数々の選択によって偶然こうなったんだと感じています。私はいつも「悩んだらやめよう」と決めているんです。やるかやらないかで悩んだらやめようと。絶対に確信を持った方にいこうと決めているタイプなんですよ。

――悩んだらやってみようではなく、確信を持ったものをやろうという考えなのですね。

石原:もちろん、絶対に自分のためになると思うものは悩んでもやることありますが、自分はそういう選択が得意だと思っています。どこかの選択肢を間違えていたら、今こうしているのはなかったと思いますから。

06. Crispy love

作詞:知念 結 作曲・編曲:藤末 樹/齊藤湧太

――「Crispy love」は3rdシングルのカップリング曲であり、先日のライブではとても楽しそうに歌っていましたね。

石原:はい。映像に残るライブとしては、ここで初めて歌いました。曲がすごく可愛いから、振りも全力で可愛くして欲しいと頼んで作ってもらったんです。私自身は“すごくプリティーな女の子”という感じではないと思っているんですが、そんな私が可愛らしい女の子になれる魔法の歌というか、変身する気分になれる曲なんですよね。この曲が可愛くて好きだと言ってくださる方も多くて、皆さんの目の前で歌えたことが何よりも嬉しかったです。

――歌詞の中に「☆♯♪◇‥*◇‥*」と記号が並んでいるところありますよね。これはどういう経緯で生まれたのですか?

石原:この部分は、こちらから「呪文みたいなのを入れてください」とお願いしたんです。特に入れてほしい言葉とか書かずに、どんな呪文があがってくるのが楽しみにしていたら、記号を並べて括弧書きで(レリラ トゥラトゥラ)と書いてあって。そうやって読むんだ! と思いました(笑)。

 

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