再生産総集編『少女☆歌劇 レヴュースタァライトロンド・ロンド・ロンド』を観るか迷っている方へ
映画から入るのが今のベストである
一言で言うと「再生産総集編『少女☆歌劇 レヴュースタァライトロンド・ロンド・ロンド』」は非常に完成度が高い印象を受けました。
僕は『スタァライト』は運命の2人が再会する物語だと解釈しています。
※張り巡らされたメタファーや仕掛け、伏線などはアニメーションを何度も見返すことで見えてくるものがありますので、詳しく作品を知りたい方は映画を見てTVアニメを見ることを推奨します。
実際、再生産総集編は愛城 華恋(CV.小山百代さん)と神楽 ひかり(CV.三森すずこさん)に焦点を絞ることで、物語の一番美味しい果実だけを齧っている印象がありました。
ただし、個性豊かな舞台少女たちは決して物語の“舞台装置”に止まりません。
それぞれのレヴューシーンでその個性を爆発させてきます。
約2時間の尺の中に全舞台少女の見せ場を作っていたのです。尺としてはハイライトになっても、最大の見せ場は削らない。制作陣の気概を感じました。
ただ、一方で細かな伏線や演出(物語の深みを作る上で考察を捗らせるもの)は大胆にカットしていました。
あくまでもメインは2人の『スタァライト』。そうすることで、シェイプされた一つの作品が誕生していました。
もう一つ。冒頭でも触れましたが、『スタァライト』はとにかく楽曲が素晴らしいんです。美しい歌声が響くレヴュー。今回の再生産総集編のためにこちらもリアレンジが施されていました。
作品の見どころであるレヴューの音楽が“再生産”されたことで、緊張感や雰囲気が更に磨きがかかっている印象を受けました。
この映像を大スクリーンと優れた音響設備の整った劇場で体感できるだけで、既に価値があると言っても過言ではないでしょう。
映画を見たらTVアニメ版が観たくなる。そして、ミュージカル版が気になってくる。そんな仕上がりになっていました。